Veritas Access 管理者ガイド
- 第 I 部 Veritas Access の概要
- 第 II 部 Veritas Access の設定
- ユーザーまたは役割の追加
- ネットワークの構成
- 認証サービスの構成
- 第 III 部 Veritas Access ストレージの管理
- ストレージの構成
- I/O フェンシングによるデータ整合性の構成
- iSCSI の構成
- iSCSI ターゲットとしての Veritas Access
- ストレージの構成
- 第 IV 部 Veritas Access ファイルアクセスサービスの管理
- NFS サーバーの構成
- CIFS サーバーとしての Veritas Access の使用
- Active Directory (AD) について
- Active Directory (AD) ドメインモードの CIFS の設定について
- 信頼できるドメインの設定について
- ホームディレクトリの管理について
- CIFS クラスタモードについて
- CIFS 共有とホームディレクトリの移行について
- ローカルユーザーとグループの管理について
- FTP サーバーの構成
- 第 V 部 Veritas Access Object Store サーバーの管理
- 第 VI 部 監視とトラブルシューティング
- 第 VII 部 Veritas Access ファイルシステムのプロビジョニングと管理
- 第 VIII 部 クラウドストレージの構成
- 第 IX 部 Veritas Access 共有のプロビジョニングと管理
- アプリケーション用の共有の作成
- NFS 共有の作成と維持
- CIFS 共有の作成と維持
- OpenStack と連携する Veritas Access の使用
- Veritas Access と Data Insight の統合
- 第 X 部 Veritas Access ストレージサービスの管理
- データの重複排除
- ファイルの圧縮
- SmartTier の構成
- SmartIO の構成
- 一時的なレプリケーションの構成
- 一時的なレプリケーションジョブのフェールオーバーとフェールバック
- 連続レプリケーションの構成
- スナップショットの使用
- インスタントロールバックの使用
- 第 XI 部 参照
NFS-Ganesha バージョン 3 とバージョン 4 で推奨されるチューニング
Veritas Access は、相互に排他的な方法で、NFS カーネルベースのサーバーと NFS-Ganesha サーバーの両方をサポートします。NFS カーネルベースのサーバーは、NFS バージョン 3 とバージョン 4 をサポートしています。NFS-Ganesha サーバーも、NFS バージョン 3 と NFS バージョン 4 の両方をサポートしています。
NFS-Ganesha サーバーの使用を参照してください。
NFS-Ganesha サーバーはカーネルで実行されず、代わりに NFS サーバーのユーザー領域で実行されます。つまり、他のユーザー領域の処理に影響するため、システムリソースの制限によって NFS-Ganesha サーバーのプロセスが影響を受ける可能性があります。NFS-Ganesha サーバーのパフォーマンスが過度に影響を受けないように、変更する必要がある NFS サーバーオペレーティングシステムのチューニング値があります。NFS クライアントのマウントオプション version を使用して、NFS バージョン 3 または NFS バージョン 4 を使用するかどうかを判断します。NFS クライアントでは、version=3 または version=4 のいずれかのマウントオプションを選択できます。NFS クライアントは、NFS サーバーがカーネルベースの NFS または NFS-Ganesha を使用しているかどうかを認識しません。
システムを起動するときに、kswapd_init() が kswapd というカーネルスレッドを呼び出します。これは、通常はスリープ状態の mm/vmscan.c
の kswapd() 関数を継続的に実行します。kswapd デーモンは、メモリが不足しているときにページの再利用を実行します。kswapd は、ページキャッシュを正しく維持するために必要なほとんどのタスクを実行します。スラブキャッシュを縮小し、必要に応じて、プロセスをスワップアウトします。kswapd は、pages_high 水準点に達するまでページを解放し続けます。メモリが極めて不足しているときは、プロセスが try_to_free_pages_zone() を呼び出す balance_classzone() を呼び出し、kswapd のタスクを同時に実行します。
メモリが不足しているときは、2 つの異なる方法を使用してページが再利用されます。
pgscank/s - kswapd カーネルデーモンが定期的に起動され、空きメモリが少ないときにバックグラウンドでメモリを再利用 (解放) します。pgscank/s は、このアクティビティを記録します。
pgscand/s - kswapd が十分なメモリを解放できない場合、プロセスのコンテキストでメモリが直接再利用されます (そのため、ユーザープログラムの実行が遮断されます)。pgscand/s は、このアクティビティを記録します。
したがって、再利用される (ページスティーリングとも呼ばれる) ページの合計は、pgscank/s と pgscand/s の両方を組み合わせたものになります。pgsteal/s は、その合計アクティビティを記録します (pgsteal/s = pgscank/s + pgscand/s)。
NFS-Ganesha ユーザープロセスは、kswapd が十分なメモリを解放できなかった場合に影響を受ける可能性があります。NFS-Ganesha プロセスが kswapd のタスクを実行する可能性を軽減するには、Linux 仮想マシンのチューニングパラメータ min_free_kbytes を増やすことを推奨します。
自動チューニングされたデフォルト値の例:
sysctl -a | grep vm.min_free vm.min_free_kbytes = 90112
min_free_kbytes を使用して、Linux VM (仮想メモリ管理) がキロバイト単位の最小空きメモリ量を保持するように強制します。VM はこの数値を使用して、システム内の各 lowmem ゾーンの水準点の値を計算します。
表: NFS バージョン 3 とバージョン 4 で推奨されるチューニングパラメータ
オプション | 説明 |
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NFS マウントオプション | NFS クライアントのファイルシステムマウントオプション:
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NFS サーバーのエクスポートオプション | NFS サーバーのエクスポートオプション:
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ジャンボフレーム | ジャンボフレームは、1,500 バイトの標準最大伝送単位 (MTU) よりも大きいペイロードを持つイーサネットフレームです。ジャンボフレームを有効にすると、I/O 作業負荷の高い作業でネットワークパフォーマンスが向上します。ジャンボフレームがネットワークでサポートされており、ジャンボフレームを使用する場合、ジャンボフレームサイズの推奨値は 5000 です。 |
min_free_kbytes | 96 GB 以上の RAM を搭載したサーバーノードでの min_free_kbytes の推奨値は 1048576 (= 1 GB) です。32 GB 以上の RAM を搭載したサーバーノードでの min_free_kbytes の最小の推奨値は 524288 (= 512 MB) です。 |