Veritas Access 管理者ガイド

Veritas Access の一時的なレプリケーションのしくみ

Veritas Access の一時的なレプリケーションは、Veritas Access で使用されているクラスタファイルシステム上で実行される増分の一時的なレプリケーションサービスであり、Veritas File System (VxFS) に基づいています。Veritas Access の一時的なレプリケーションでは、FCL (File Change Log) と Storage Checkpoint サービスという、ファイルシステムに固有の 2 つの機能を使用して、レプリケーション期間におけるファイルの変更を取得します。

特定の期間について、FCL はファイルシステムに加えられたすべての変更を記録します。FCL をスキャンすることにより、Veritas Access の一時的なレプリケーションは変更されたファイルをすばやく特定し、修正されたファイルリストを生成します。これにより、通常はファイルベースのレプリケーションに関連付けられていて、最適でないパフォーマンスの結果につながることが多い高価なファイルシステムのスキャンを回避できます。

次に、Veritas Access の一時的なレプリケーションは、VxFS Storage Checkpoint のメタデータ比較機能を使用して、変更された各ファイルの変更範囲リストを取得します。ファイルデータにアクセスする必要はありません。

Veritas Access の一時的なレプリケーションのトランスポート層は、一般に知られる rsync リモートファイルの同期ツールと連携し、相互作用します。この既存のネットワーク転送プログラムを使用すると、rsync に必要な SSH (Secure Socket Shell) ポート (22) がほとんどすべてのエンタープライズファイアウォールでデフォルトで開くようになり、エンタープライズドメインでのネットワーク構成がはるかに簡単になります。rsync は低帯域幅や信頼性の低いリンク環境においても信頼性の高いソリューションです。