Veritas™ File System プログラマーズリファレンスガイド - Linux
- Veritas File System Software Developer's Kit
- FCL(File Change Log)
- マルチボリュームサポート
- 名前付きデータストリーム
- Veritas File System I/O
- シン再生
エクステント
通常、ディスク領域には 512 バイトまたは 1024 バイト(DEV_BSIZE)のセクタが割り当てられ、このセクタから論理ブロックが構成されます。VxFS では、1024、2048、4096、8192 バイトの論理ブロックサイズがサポートされています。デフォルトのブロックサイズは、2 TB までのサイズのファイルシステムの場合は 1K、その他のファイルシステムサイズの場合は 8K です。ユーザーは mkfs コマンドを使ってファイルシステムを作成する際に、任意のブロックを選択できます。VxFS では、エクステントと呼ばれる 1 つ以上の隣接するブロックから構成されるグループ単位で、ファイルにディスク領域が割り当てられます。エクステントは 1 つ以上の連続する論理ブロックの集まりです。エクステントを使った場合、格納領域に連続するブロックが割り当てられると、複数のブロック単位でディスク I/O が可能になります。順次 I/O の場合、複数ブロック操作は、ブロックを 1 つずつ割り当てる操作より大幅に高速です。
VxFS は、ファイルに対するエクステントの割り当てに、アグレッシブな割り当てポリシーを使います。エクステントによって、呼び出し元のアプリケーションは、領域を事前に割り当てたり、連続した領域を要求したりすることができます。この結果、I/O パフォーマンスが向上し、割り当てを実行するためのファイルシステムオーバーヘッドが減少します。追加書き込み操作の場合、ポリシーによって、以前に割り当てたエクステントを、書き込み操作のサイズ以上に拡張しようと試みます。連続する追加書き込み操作が検出されると、より大きい割り当てが試みられます。最終エクステントを拡張して書き込み全体を収めることができない場合は、連続していないエクステントが新しく割り当てられます。このポリシーは、余分な割り当てを残しておきますが、その割り当てはファイルを最後に閉じたとき、または一定の時間ファイルに書き込まれない場合に削除されます。それでもファイルシステムは、特にサイズが小さい場合に、連続していない大量のエクステントによって断片化する可能性があります。