Veritas™ File System プログラマーズリファレンスガイド - Linux
- Veritas File System Software Developer's Kit
- FCL(File Change Log)
- マルチボリュームサポート
- 名前付きデータストリーム
- Veritas File System I/O
- シン再生
FCL(File Change Log)チューニングパラメータ
vxtunefs コマンドを使って、4 つの FCL チューニングパラメータを設定できます。
vxtunefs (1M) のマニュアルページを参照してください。
FCL チューニングパラメータで使える 4 つのパラメータは次のとおりです。
FCL レコードが、パージされる前に、FCL ファイル内に留まる時間を秒単位で指定します。パージされる場合、最も古いレコードからパージされます。最も古いレコードはファイルの先頭にあります。さらに、FCL への割り当てが fcl_maxalloc バイトを超えた場合に、ファイルの最初にあるレコードはパージされる可能性があります。 デフォルト値は 0 です。fcl_keeptime は fcl_maxalloc より高い優先順位にあります。FCL ファイルが fcl_maxalloc バイトを超えた場合、また、最も古いレコードの生存時間が fcl_keeptime 秒に達していない場合は、ホールはパンチされません。 推奨されるチューニング: fcl_keeptime チューニングパラメータは、レコードが確実に fcl_keeptime の長さだけ保存されるようにする必要がある場合にのみチューニングする必要があります。fcl_keeptime パラメータは、FCL のスキャンの間隔よりも大きい値に設定する必要があります。たとえば、FCL を 24 時間ごとにスキャンする場合は、fcl_keeptime を 25 時間に設定できます。これにより、FCL レコードを読み取り、処理する前にパージされてしまうことがなくなります。 | |
FCL ファイルに割り当てる領域の最大容量をバイト単位で指定します。割り当てられた領域が fcl_maxalloc を超えた場合、ファイルの先頭にホールがパンチされます。この結果、レコードがパージされ、FCL スーパーブロックの最初の有効なオフセットが更新されます。fcl_maxalloc の最小値は 4 MB です。デフォルト値は fs_size/33 です。 | |
FCL が同じ i ノードに対する複数の上書き、拡張書き込み、または切り捨てレコードを記録する間隔を秒単位で指定します。これにより、FCL ファイル内の繰り返しレコード数を減らすことができます。fcl_winterval タイムアウトは i ノードごとです。i ノードがキャッシュから削除され、再度キャッシュに復帰する場合、その書き込み間隔はリセットされます。結果として、同じ書き込み間隔でファイルに複数のレコードを書き込めることになります。デフォルト値は 3600 秒です。 推奨されるチューニング: fcl_winterval チューニングパラメータは一般に、FCL のスキャンの間隔より短い時間の値に設定する必要があります。たとえば、FCL を 24 時間ごとにスキャンする場合、fcl_winterval は 24 時間未満に設定する必要があります。これにより、次のスキャンまでの間に、上書き、拡張または切り捨てが行われた各ファイルに対し、FCL に少なくとも 1 つのレコードが存在することになります。 | |
fcl_ointerval | その範囲内であれば次のファイルのオープンによって追加の FCL レコードを作成しない間隔を秒単位で指定します。これは、とりわけ NFS 経由で頻繁にアクセスがある場合など、FCL のログにファイルオープンのレコードが繰り返し記録される数を減らすのに役立ちます。アクセス情報の追跡も有効にされている場合は、fcl_ointerval の間隔内に発生する次のファイルオープンのイベントによってレコードが作成されることがあります。これは、後のファイルオープンが異なるユーザーによって行われた場合です。fcl_ointerval と同様、i ノードがキャッシュから削除されて戻る場合や、FCL の同期がある場合は、同じオープン間隔内にファイルオープンのレコードが 2 つ以上存在することがあります。デフォルト値は 600 秒です。 推奨されるチューニング: ファイルオープンのレコードを使うアプリケーションで認識する必要のあることが、前回 FCL をスキャンしてからファイルがユーザーにアクセスされたかどうかのみであれば、fcl_ointerval の期間を、スキャン間の時間の範囲内に設定できます。アプリケーションですべてのアクセスを追跡する必要がある場合は、チューニングパラメータを 0 に設定できます。 ファイルシステムが NFS 上で広範にアクセスされる場合、プラットフォームと NFS 実装によっては、非常に多くのファイルオープンのレコードがログに記録されることがあります。そのような場合は、FCL が繰り返しのレコードでいっぱいにならないように、チューニングパラメータをより高い値に設定することが推奨されます。 |