Veritas™ File System プログラマーズリファレンスガイド - Linux
- Veritas File System Software Developer's Kit
- FCL(File Change Log)
- マルチボリュームサポート
- 名前付きデータストリーム
- Veritas File System I/O
- シン再生
レコードの構造体のフィールド
表: FCL レコードの構造体のフィールド は、fcl_record 構造体の各フィールドを説明し、対象となる有効なレコードの種類を示します。
表: FCL レコードの構造体のフィールド
フィールド | 説明 | 有効性 |
---|---|---|
fr_reclen | FCL レコードの長さ。これには、FCL レコードの構造体の長さと、構造体の直後に格納されているデータの長さが含まれます。この長さは、vxfs_fcl_read によってバッファで返された FCL レコードをスキャンするときに使ってください。 | すべてのレコードに対して有効です。 |
fr_inonum | 変更されたファイルの i ノード番号。変更されたオブジェクトのフルパス名は、vxfs_inotopath_gen を使い、i ノード番号と世代数(fr_inogen)から作成されます。 | レコードが FCL_EVNTMSK_CHG である場合を除き、すべての FCL レコードに対して有効です。イベントマスクの変更の場合、ファイルは暗黙として FCL ファイルです。 |
fr_op | この FCL レコードの操作。たとえば、作成、リンク解除、書き込み、ファイル属性の変更、その他の変更などが含まれます。fr_op には、表 2-1 に一覧表示されているレコードの種類のいずれかの値が採用されます。 このパラメータを使って、FCL レコードのどのフィールドが有効であるかを判定します。 | すべてのレコードに対して有効です。 |
fr_time | 変更が FCL ファイルに記録された、およその時間。 このフィールドを解釈するには、ctime() 呼び出しを使います。 | すべてのレコードに対して有効です。 |
fr_inogen | 変更されたファイルの世代数。世代数と、(ファイルの) i ノード番号を組み合わせて vxfs_inotopath_gen に渡すことで、オブジェクトの正確なフルパス名を取得できます。世代数を指定しないと、返されるパス名は再利用された i ノードである可能性があります。 | イベントマスクの変更とリンク解除を除き、すべての FCL レコードに対して有効です。イベントマスクの変更の場合、i ノード番号と世代数が暗黙です。リンク解除の場合、名前の逆引きルックアップによってファイル名を取得するために世代数は必要ありません。これは、ファイル名がレコードとともにすでに存在するためです。 |
fr_pinonum fr_pinogen fr_filename | 削除や名前の変更のような FCL レコードについては、ディレクトリエントリが削除された場合、名前の逆引きルックアップによってファイル名を判断できません。同様にリンクレコードの場合、あいまいでない方法でファイル名を判断できません。したがってこれらの場合、変更されるファイルを含む親ディレクトリのファイル名、i ノード番号、世代数が記録されます。親ディレクトリの i ノード(fr_pinonum)と世代数(fr_pinogen)を、名前の逆引きルックアップ API とともに使うと、親ディレクトリの絶対パス名を識別できます。 後続ファイル名を追加して、オブジェクトの完全な名前を生成できます。 | FCL レコードが VX_FCL_UNLINK、VX_FCL_RENAME、VX_FCL_LINK のいずれかであるときに有効です。リンク解除と名前の変更、ファイル名と親 i ノード番号、世代数には、削除された古いファイルに関する情報が含まれます。リンクについては、新しいファイル名を表します。 |
fr_cmdname | fr_inonum と fr_inogen によって表されるファイルを開いたコマンドの短い名前です。 | FCL レコードが VX_FCL_FILEOPEN である場合にのみ有効です。 |
fr_stats | FCL_iostat レコードを指すポインタ。fcl_iostat レコードには、ファイルで起きる読み取りや書き込みの数、読み取りや書き込みの平均時間などの I/O 統計が含まれます。これらの特定時点のレコードを使うと、ファイルについて一定期間にわたる集計や平均の I/O 統計を計算できます。 | FCL レコードが VX_FCL_FILESTATS である場合にのみ有効です。 |
fr_oldmask fr_newmask | これらのフィールドはそれぞれ、古いイベントマスクと新しいイベントマスクを含みます。 各イベントマスクは、fcl.h で定義されているマスクのセットの論理和です。 | FCL レコードが VX_FCL_EVNTMASK_CHG である場合にのみ有効です。 |
fr_acsinfo | FCL_acsinfo 構造体を指すポインタ。この構造体は、特定の操作を実行したアプリケーションのユーザーやグループの ID、プロセス ID、アクセスしているノードの ID などの情報を含みます。 | 有効性は、fcl_acsinfovalid bit-field により判断されます。これは、潜在的にすべての種類のレコードとともに存在できます。これはオプションのフィールドです。 |