Veritas™ File System プログラマーズリファレンスガイド - Linux
- Veritas File System Software Developer's Kit
- FCL(File Change Log)
- マルチボリュームサポート
- 名前付きデータストリーム
- Veritas File System I/O
- シン再生
キャッシュアドバイザリ
VxFS を使うと、アプリケーションがファイルにアクセスするときに使うキャッシュアドバイザリを設定できます。 キャッシュアドバイザリは、アプリケーションがファイルにアクセスするのに望ましい選択です。 この選択は、指定されたアドバイザリを通じて、またはユーザーデータの整合性を保つために実現される最適なパフォーマンスに基づいて決めることができます。 たとえば、データアプリケーションはダイレクト I/O を使ってデータベースデータを含むファイルへのアクセスを選択することや、バッファ I/O アドバイザリを選択することでファイルシステムレベルキャッシュを利用して選択することができます。 アプリケーションは、どのキャッシュアドバイザリを使うかを選択します。
ファイルにキャッシュアドバイザリを設定するには、まずファイルを開きます。 キャッシュアドバイザリが要求されると、アドバイザリがメモリに保存されます。 メモリにアドバイザリを記録すると、キャッシュアドバイザリは再ブート時または再マウント時に保持されなくなります。 一部のアドバイザリは、ファイル記述子単位ではなくファイル単位で保持されています。 したがって、ファイル記述子からこのようなアドバイザリを設定すると、同じファイルへの別のプロセスのアクセスに影響を与えます。 また、アドバイザリが競合する場合、同じファイルへのアクセスに両方を有効にすることはできません。 2 つのアプリケーションが異なるアドバイザリを設定すると、両方のアプリケーションがファイルに対して最後に設定されたアドバイザリを使います。 VxFS はアドバイザリを調整せず、優先度付けもしません。
一部のアドバイザリは、ファイルが最後に閉じられた後にメモリからクリアされません。 記録されたアドバイザリは、ファイルへのアクセスを管理するために使われたファイルシステムメタデータがメモリ内に残っている限り、メモリ内に残ります。 ファイルのファイルシステムメタデータをメモリから削除すると、予期せぬ結果となります。
すべてのアドバイザリは、VX_SETCACHE ioctl コマンドを使って open() および ioctl() 呼び出しによって返されるファイル記述子を使って設定されます。
キャッシュアドバイザリについては以降の項で説明します。