Enterprise Vault™ ユーティリティ
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- EVDominoExchangeMigration ツールの実行
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- FSAUtility
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- Policy Manager (EVPM)
- Policy Manager 初期設定ファイルのセクションとキー名
- Policy Manager 初期設定ファイルの例
- プロビジョニング API による Policy Manager スクリプトの実行について
- ResetEVClient
- Vault Store Usage Reporter
EVSVR での修復操作
確認操作の実行時に EVSVR によってエラーが報告された場合は、修復操作を実行してエラーを修正できます。修復操作の機能によって、ボルトストアデータベースとフィンガープリントデータベース内の消失したレコードが再作成されます。まれにですが、何度も共有されているアイテムの場合、修復操作によって新しい SIS パーツがディスクに作成されます。
EVSVR を使って修復操作を実行する前に次の点に注意することが非常に重要です。
以下で説明する修復操作の多くは、状況によってはデータ損失を引き起こすことがあります。データ損失を引き起こす可能性がない操作は、ArchivesVaultStore、BlocklistBadSISParts、UndatedCollections だけです。
特定の EVSVR 修復操作実行時のデータ損失リスクを参照してください。
データ損失を引き起こすことがある操作を実行する前に、Veritas のテクニカルサポートに問い合わせることを強く推奨します。
修復操作の実行は、確認操作の実行時にエラーが発生した場合にのみ検討します。
修復操作を実行する前にデータベースのバックアップコピーを作成し、修復するボルトストアをバックアップモードにします。これは関連付けされたストレージサービスを停止した場合でも該当します。
注意:
損傷したシステムでストレージサービスを起動すると、さらに損傷する場合があります。ストレージサービスは、問題があるボルトストアをバックアップモードにしてから起動してください。その場合でも、ストレージサービスは、実行の必要がある場合のみ起動してください。
修復操作には、選択可能なオプション設定がいくつかあります。表: 修復操作のオプションの設定では、使用可能な設定について説明します。
表: 修復操作のオプションの設定
オプション設定 |
処理 |
---|---|
ArchiveObjects |
SIS パーツなど、ボルトストアデータベースにある無効な保存セットをポイントする各保存セットレコードを修復します。 このオプションには、必要な確認レベルを選択する必要があります。
メモ: この操作は CIFS および NTFS パーティションではサポートされません。 |
アーカイブ |
複数の修復操作機能 QueuedItems、ArchivesDirectory、および DatabaseReferences を組み合わせます。アーカイブ操作の概略は次のとおりです。
必要な情報をディレクトリデータベース、ボルトストアデータベース、保存セット、対象の Exchange システム (Exchange メールボックスアーカイブ用)、対象のファイルシステムボリューム (ファイルシステムアーカイブ用) から取得できない場合、この操作ではレコードを再作成できないことがあります。 この操作を実行する前に、修復するアーカイブの種類を選択する必要があります。 Exchange メールボックスまたはファイルシステムこの操作で、選択した種類に一致しないアイテムがアーカイブ内に見つかった場合は、エラーが報告され、処理が停止します。 |
ArchivesDirectory |
ボルトストアデータベースとの整合性を維持するように、ディレクトリデータベース内の消失したアーカイブレコードとアーカイブフォルダレコードが再作成されます。このために、[ArchivesDirectory]操作では次の処理が行われます。
この操作を実行する前に、修復するアーカイブの種類を選択する必要があります。 Exchange メールボックスまたはファイルシステムこの操作で、選択した種類に一致しないアイテムがアーカイブ内に見つかった場合は、エラーが報告され、処理が停止します。 |
ArchivesVaultStore |
ディレクトリデータベースとの整合性を維持するため、ボルトストアデータベース内の消失した ArchivePoint レコードと Vault レコードが再作成されます。このために、[ArchivesVaultStore]操作では次の処理が行われます。
[DatabaseReferences]修復操作を実行することで、ボルトストアデータベース内の消失した ArchivePoint レコードと Vault レコードを再作成することもできます。ただし、[DatabaseReferences]操作を実行しても、保存セットを含まないアーカイブとアーカイブフォルダの ArchivePoint レコードと Vault レコードは消失したままです。このような状況では、[ArchivesVaultStore]修復操作を実行し、消失したレコードを再作成する必要があります。また、次の操作を実行できます。
|
BlocklistBadSISParts |
存在しない、サイズが間違っている、フィンガープリントデータベースの値に一致しないなどの理由で正しく確認されない SIS パーツは、ブロックリストに登録されます。SIS パーツをブロックリストに登録した後で、同じ SIS パーツの新しいアイテムをアーカイブすると、Enterprise Vault によって新しい SIS パーツファイルがディスクに作成されます。 |
DatabaseLinkages |
次の処理が実行されます。
|
DatabaseReferences |
フィンガープリントデータベースとボルトストアデータベース内の消失したレコードが再作成されます。また、このオプションはパーティションの視点から不正であると確認されたレコードを更新します。 次の点に注意してください。
次の追加設定は DatabaseReferences 操作を実行することを選択するとき利用可能です。
DatabaseReferences 修復操作を実行したら、ログファイルを再確認し、DatabaseReferences 検証操作を実行して、正常であることを確認します。EVSVR が期待どおりに修復されていた場合は、同じデータセットに対して DatabaseLinkages 修復操作を実行します。 |
DatabaseReferences 操作は何か他のものを処理する前にすべての SIS パーツを処理します。これはこの操作が CAB ファイルで見つかる未使用の SIS パーツを作成し直す状況の原因となる場合があります。操作が完了した後、次のとおりこの問題を解決できます。
| |
DeleteSurplusReferences |
最後の手段として、消失した復元不可能なアイテムに関連付けされたボルトストアデータベースのレコードとフィンガープリントデータベースのレコードが削除されます。消失したアイテムが複数のパーツで構成される場合、アイテムに関連付けされた残りのパーツもこのオプションによってディスクから削除されます。 また、この操作を使って未使用の SIS パーツを削除することもできますが、環境に整合性がある場合しか実行してはなりません。 操作[DeleteSurplusReferences]を開始すると、まず内部の確認操作[DatabaseLinkages]が実行されます。操作[DeleteSurplusReferences]が処理を開始するのは、確認操作[DatabaseLinkages]によって環境に整合性がありエラーがないと報告された場合のみです。 操作[DeleteSurplusReferences]を実行する前に、修復操作[DatabaseReferences]を使って、消失したデータベース参照を再作成し、環境に整合性があることを確認することを推奨します。 次の点に注意してください。
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ItemCounts |
アーカイブされたアイテムの数が正しくないボルトストアデータベース内のボルトレコードおよび ArchivePoint レコードを修復します。 |
QueuedItems |
ストレージキューの場所にあるファイルをスキャンして、ボルトストアデータベースに存在すると想定されるレコードを再作成または修正します。 |
RequeueStorageQueueFailedItems |
Enterprise Vault がアーカイブできなかったアイテムを |
StorageQueue |
ボルトストアデータベースレコードでキューに登録済みのアイテムをスキャンして、想定されるファイルがストレージキューの場所にあることを検証します。いずれかのファイルが欠落している場合は、EVSVR はボルトストアデータベースレコードを削除し、元のアイテムをアーカイブし直すように要求します。 |
UndatedCollections |
ボルトストアデータベースの作成日がないコレクションレコードに作成日を割り当てます。Enterprise Vault 8.0 またはそれ以降では、すべての新しいコレクションレコードに自動的に特定の作成日が設定されます。ただし、これは Enterprise Vault の以前のバージョンが作成したコレクションレコードには該当しません。コレクションレコードの作成日が見つからないとき、EVSVR は関連付けられた CAB ファイルか Centera Clip の作成日をそれに割り当てます。 |
修復操作[DatabaseReferences]と[DeleteSurplusReferences]は、セカンダリストレージに移行した保存セットと SIS パーツには利用できません。これは、ボルトストアデータベースとフィンガープリントデータベースから移行したファイルの場所を各操作で特定する必要があるためです。これらのデータベースの情報は不正である可能性があるため、操作を効率的に続行することはできません。
移行したファイルで修復操作を実行する場合は、最初にそれらのファイルを元の格納場所に戻すことを推奨します。