Veritas NetBackup™ コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. NetBackup コマンド
名前
cat_convert — NetBackup カタログの形式変換ユーティリティの実行
概要
cat_convert -a2b [-o] [-s] [-v] source_file_directory [target_file_directory]
cat_convert -dump [-short] [-noheader] [-nopath] [-nodata] [-srec num] [-erec num] [-sep char] source_file
cat_convert -check source_file
cat_convert -decompress compressed_filetarget_file_directory
UNIX システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは /usr/openv/netbackup/bin/ です。
Windows システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは install_path\NetBackup\bin\ です。
説明
cat_convert を実行すると、NetBackup カタログの .f
ファイルが、バージョン 3.4、4.0v または 4.5 の ASCII 形式とバージョン 4.5 以上のバイナリ形式の間で変換されます。cat_convert では、自動的に元のカタログファイルの形式が検出され、もう一方の形式に変換されます。
-dump オプションを指定すると、バイナリカタログイメージの .f ファイルの内容を表示できます。これによって、.f
ファイルの内容が、読みやすい形式で標準出力 (stdout) にエコー表示されます。ファイル内の特定のレコードまたは一部の出力列のみに出力を制限するヘルパーオプションもあります。
-check オプションには、指定したバイナリ .f
ファイルの一貫性チェックを行う機能があります。
-decompress オプションを使用すると、.Zl 圧縮形式を使って圧縮した指定のバイナリ .f
ファイルを解凍できます。UNIX プラットフォームでは、.Z
形式の解凍をサポートします。
cat_convert によって不整合が検出されると、レポートされる不整合の種類に応じて次に示す最大 4 つのレポートが生成されます。
無効な i ノードレポート
このレポートには、無効な i ノードが表示されます。次に例を示します。
Type Problem Additional Information Dir No Data Path element name: SUNWmlib Dir No Name Filenum: 7 File No Data Path element name: vmd.uds File No Data Path element name: bpcompatd.uds File No Name Filenum: 8356 Dir No Name Filenum: 8374
このレポートの列の情報は次のとおりです。
Type は、その項目がファイルまたはディレクトリのどちらであるかを表示します。
Problem は、無効な i ノードの原因がデータがないことであるか、名前がないことであるかを表示します。
Additional information はその i ノードに関連付けされるパス要素名、カタログが受信したその i ノードの filenum フィールド、またはエラーメッセージのいずれかです。
無効なディレクトリレポート
このレポートには、不整合なディレクトリが表示されます。次に例を示します。
Index InodeIndex 1stChild 1stDir LastChild NextIndex NextDir Name 2539 2230 5605F -1 5605F 788763F -1 JSP.cla 21281 2229 43380F -1 1122108F 257809F 56110 fr.tmp 24157 3330 53103F -1 2688747F -1F -1 UNKNOWN 36766 4406 98367F -1 98367F -1F -1 Root 97393 5134 471040F -1 3136322F -1F -1 udst.js Total Directories: 150307 Total Files: 1137006
このレポートの列の情報は次のとおりです。
Index は、カタログにレポートされるディレクトリの相対的な位置です。
Inode Index は、バックアップの実行中に i ノード情報が格納される一時ファイルでのインデックスです。
1st Child は、一覧表示されたディレクトリ内の最初の子 (ファイルまたはディレクトリ) のインデックスです。子がない場合、この値は -1 になります。最初の子がファイルの場合は F、ディレクトリの場合は D の文字がインデックスの後に表示されます。
1st Dir は、一覧表示されたディレクトリ内の最初のディレクトリのインデックスです。サブディレクトリがない場合、この値は -1 になります。
Last Child は、一覧表示されたディレクトリ内の最後の子 (ファイルまたはディレクトリ) のインデックスです。子がない場合、この値は -1 になります。最後の子がファイルの場合は F、ディレクトリの場合は D の文字がインデックスの後に表示されます。
Next Index は、一覧表示されたファイルの次の兄弟 (ファイルまたはディレクトリ) のインデックスです。兄弟がない場合、この値は -1 になります。次の兄弟がファイルの場合は F、ディレクトリの場合は D の文字がインデックスの後に表示されます。
Next Dir は、一覧表示されたディレクトリの次の兄弟ディレクトリのインデックスです。兄弟ディレクトリが存在しない場合、この値は -1 になります。
Name は、表示できる場合はディレクトリの短縮名、表示できない場合は UNKNOWN となります。
無効なファイルレポート
このレポートには、不整合なファイルが表示されます。レポートの形式は次のとおりです。
Index Inode Index Next Index Name 2364 12180 2368F Report.doc 39774 16642 39776D UNKNOWN
このレポートの列の情報は次のとおりです。
Index は、カタログにレポートされるファイルの相対的な位置です。
Inode Index は、バックアップの実行中に i ノード情報が格納される一時ファイルでのインデックスです。
Next Index は、一覧表示されたファイルの次の兄弟 (ファイルまたはディレクトリ) のインデックスです。兄弟がない場合、この値は -1 になります。次の兄弟がファイルの場合は F、ディレクトリの場合は D の文字がインデックスの後に表示されます。
Name は、表示できる場合はディレクトリの短縮名、表示できない場合は UNKNOWN となります。
無効なディレクトリおよびファイルのレポート
このレポートには、不整合なファイルとディレクトリの両方が表示されます。レポートの形式は次のとおりです。
Index Inode Type Name 2363 11134 Directory /Documents/Directory 1 13679 10077 Directory /Documents/Directory 2 Total Directories: 460724 Total Files: 3426572
このレポートの列の情報は次のとおりです。
Index は、カタログにレポートされるファイルの相対的な位置です。
Inode は、カタログにレポートされるファイルまたはディレクトリの i ノード番号です。
Type は、その項目がファイルまたはディレクトリのどちらであるかを表示します。
Name は、表示できる場合はディレクトリの短縮名、表示できない場合は UNKNOWN となります。
このレポートではディレクトリツリーが全検索されるため、最初の 2 つのレポートに表示されるファイルまたはディレクトリの一部が表示されない場合があります。レポートにはファイルまたはディレクトリの完全修飾名が表示されるため、問題解決に使用することができます。レポートには、ファイルおよびディレクトリの総数も表示されます。
これらのレポートはローカライズされていません。
このコマンドを実行するには、管理者権限が必要です。
オプション
- -a2b
このオプションを指定すると、NetBackup 3.4、4.0v および 4.5 の ASCII 形式のカタログの
.f
ファイルが NetBackup 4.5 のバイナリ形式の.f
ファイルに変換されます。- -check source_file
このオプションを指定すると、バイナリ .f ファイルの一貫性チェックが実行されます。 source_file には、完全修飾パスを指定する必要があります。FlashBackup または NDMP 形式のバックアップの問題によって不整合が発生することがあります。不整合が検出されなかった場合、このユーティリティはメッセージを表示せずに終了し、戻りコード 0 (ゼロ) が戻されます。不整合が検出された場合、不整合の数が戻され、レポートされた不整合の種類に応じて最大 3 つのレポートが出力されます。
- -decompress compressed_filetarget_file_directory
指定した圧縮バイナリ .f ファイルを解凍します。compressed_file には、完全修飾パスを指定する必要があります。-decompress は、
.Zl
圧縮形式を使って圧縮したカタログファイルを解凍します。UNIX では、.Z
形式の解凍もサポートします。target_directory は、解凍操作で解凍したファイルを保存するディレクトリです。- -dump
このオプションを指定すると、カタログイメージの
.f
ファイルの内容を表示できます。- -erec num
cat_convert -dump の出力を変更するオプションです。このオプションを指定すると、このレコード番号までのレコードが表示されます。
メモ:
レコード番号は、出力の最初の列のファイル番号と一致しない場合があります。
- -nodata
このオプションを指定すると、cat_convert -dump のデータ列が出力されません。データ列には、非常に大量の出力が含まれる場合があります。
- -noheader
cat_convert -dump の出力を変更するオプションです。cat_convert -dump の出力を変更するオプションです。このオプションを指定すると、列ヘッダーが出力されません。
- -nopath
cat_convert -dump の出力を変更するオプションです。このオプションを指定すると、パス列が出力されません。パス列には、非常に大量の出力が含まれる場合があります。
- -o
このオプションを指定すると、元のカタログファイルの内容が変換された新しい形式で上書きされます。-o と target_file_directory を同時に指定することはできません。
- -s
このオプションを指定すると、統計情報がコンソールウィンドウに表示されます。
- -sep char
cat_convert -dump の出力を変更するオプションです。cat_convert -dump の出力を変更するオプションです。char を指定すると、デフォルトの区切り文字 (空白) の代わりに、指定した文字で列を区切ることができます。たとえば、このコマンドを使用して、カンマで区切られた出力を生成できます。
- -short
cat_convert -dump の出力を変更するオプションです。このオプションを指定すると、出力が一部の一般的な列に制限されます。
- -srec num
cat_convert -dump の出力を変更するオプションです。cat_convert -dump の出力を変更するオプションです。このオプションを指定すると、このレコード番号以降のレコードが表示されます。
メモ:
レコード番号は、出力の最初の列のファイル番号と一致しない場合があります。
- target_file_directory
- -v
このオプションを指定すると、現在の進捗情報が表示されます。
変換する次のいずれかを指定します。
ターゲットファイルを指定するには、変換元のファイルを指定する必要があります。
ターゲットディレクトリを指定するには、変換元のディレクトリを指定する必要があります。
変換元がディレクトリである場合、-a2b を指定する必要があります。
変換によって作成される新しいファイルは、指定した形式に変換され、元のファイル名がターゲットディレクトリで使用されます。
ソースファイルを変換するときにターゲットファイルまたはディレクトリが指定されない場合、変換処理によって作成されるファイルに接尾辞が追加されます。(接尾辞には _bin.f または _ascii.f があります。)
カタログの .f
ファイルのサイズが 4 MB を超える場合、バイナリカタログの出力ファイルは個別に出力されます。出力ファイルは catstore ディレクトリに格納されます。
例
例 1
# cat_convert -a2b abc.f
abc.f が ASCII 形式である場合、target_file_path は abc_bin.f になります。
例 2
# cat_convert -a2b abc.f
abc.f の内容が、バイナリ形式に変換されます。
例 3
# cat_convert -dump -short abc.f
abc.f の内容が、読みやすい形式で標準出力 (stdout) に表示されます。