Veritas NetBackup™ コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. NetBackup コマンド
名前
bperror — NetBackup の状態およびトラブルシューティング情報、または NetBackup エラーカタログのエントリの表示
概要
bperror {-S | -statuscode status_code} [-r | -recommendation] [[-p Unx | NTx] | [-platform Unx | NTx]] [-v]
bperror [-all | -problems | -media | tape] {-backstat [-by_statcode]} [-L | -l | -U] [-columns ncols] [-d date | -hoursago hours] [-e date] [-client client_name] [-server server_name] [-jobid job_id] [-M master_server,...] [-v]
bperror [-s {severity[+]}|severity ...] [-t type ...] [-dt disk_type] [-L | -l | -U] [-columns ncols] [-d date | -hoursago hours] [-e date] [-client client_name] [-server server_name] [-jobid job_id] [-M master_server,...] [-v]
UNIX システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは /usr/openv/netbackup/bin/admincmd/ です。
Windows システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは install_path\NetBackup\bin\admincmd\
です。
説明
bperror を実行すると、(アクティビティモニターまたはレポートアプリケーション内の) オンライントラブルシュータと同じソースまたは NetBackup エラーカタログのいずれかからの情報が表示されます。bperror には、次の種類の表示があります。
状態コードに対応するメッセージの表示: 必要に応じて、問題のトラブルシューティングについての推奨事項を表示することもできます。この場合、表示結果は、ローカルシステムのオンライントラブルシュータと同じソースから出力されます。
コマンドラインオプションを満たすエラーカタログエントリの表示:たとえば、bperror を実行して、前日以前の問題があるすべてのエントリを表示できます。
特定のメッセージの重大度およびメッセージの形式に対応するエラーカタログエントリの表示
表示について詳しくは、「表示形式」を参照してください。
bperror を実行すると、このコマンドのデバッグログの情報が次のディレクトリに書き込まれます。
Windows システムの場合: install_path\NetBackup\logs\admin
UNIX システムの場合: /usr/openv/netbackup/logs/admin
このディレクトリ内の情報は、トラブルシューティングに使用できます。
bperror の出力は、標準出力に出力されます。
オプション
- -all, -backstat [-by_statcode], -media, -problems
これらのオプションでは、表示するログメッセージの種類および重大度を指定します。デフォルトの種類、重大度は ALL です。
-all の場合: 種類および重大度は ALL です。このオプションおよび -U を指定して bperror を実行すると、[すべてのログエントリ (All Log Entries)]レポートが生成されます。
-backstat の場合: 種類は BACKSTAT、重大度は ALL です。-by_statcode を指定すると、一意の状態コードに対してそれぞれ 1 つのエントリが表示されます。エントリの 1 行目には、状態コードおよび対応するメッセージテキストが含まれます。エントリの 2 行目には、この状態コードが発生したクライアントのリストが含まれます。-by_statcode は、コマンドラインに -backstat と -U の両方が含まれる場合にだけ有効です。このオプションおよび -U を指定して bperror を実行すると、[バックアップの状態 (Status of Backups)]レポートが生成されます。
-media の場合: 形式は MEDIADEV、重大度は ALL です。このオプションおよび -U を指定して bperror を実行すると、[メディアのログ (Media Logs)]レポートが生成されます。
-problems の場合: 種類は ALL、重大度は WARNING、ERROR および CRITICAL の組み合わせとなります。このオプションおよび -U を指定して bperror を実行すると、[問題 (Problems)]レポートが生成されます。
- -client client_name
このオプションでは、NetBackup クライアント名を指定します。この名前は、NetBackup カタログに表示される名前と一致している必要があります。デフォルトでは、bperror を実行すると、すべてのクライアントが検索されます。
- -columns ncols
-L および -U レポートの場合、-columns を指定すると、行の最大長におおよその上限が設定されます。また、bperror を実行しても、長さがちょうど ncols 文字の行が生成されるわけではありません。
-columns は、-l レポートには適用されません。
ncols には 40 以上を指定する必要があります。デフォルトは 80 です。
- -d date, -e date
これらのオプションでは、表示の対象とする開始日時から終了日時の範囲を指定します。
-d では、表示の対象とする開始日時 (任意) を指定します。結果のリストには、指定した日時以降に実行されたバックアップまたはアーカイブ内のイメージだけが表示されます。有効な日時の範囲は、01/01/1970 00:00:00 から 01/19/2038 03:14:07 です。デフォルトは、現在の日時の 24 時間前です。
-e では、表示の対象とする終了日時 (任意) を指定します。結果のリストには、指定した日時以前に実行されたバックアップまたはアーカイブ内のファイルだけが表示されます。開始日時と同じ形式を使用します。デフォルトは、現在の日時です。終了日時は、開始日時以降にする必要があります。
NetBackup コマンドの日時の値に求められる形式は、使用しているロケールによって異なります。
/usr/openv/msg/.conf
ファイル (UNIX) とinstall_path\VERITAS\msg\LC.CONF
ファイル (Windows) はそれぞれのサポート対象ロケールの日時形式などの情報を含んでいます。これらのファイルには、サポートされているロケールおよび書式のリストを追加および変更するための、具体的な方法が含まれています。システムのロケールについて詳しくは、『NetBackup 管理者ガイド Vol. 2』の「NetBackup インストールのロケールの指定について」を参照してください。
次は -d と -e オプションの一般的な形式です。
[-d mm/dd/yyyy hh:mm:ss | -hoursago hours] [-e mm/dd/yyyy hh:mm:ss]
- -dt disk_type
このオプションでは、ディスク形式を指定できます。disk_type の有効な値を次に示します。
0: すべて
1: BasicDisk
3: SnapVault
6: DiskPool
- -hoursago hours
このオプションでは、開始時刻を hours 時間前に指定します。これは、開始時刻 (-d) を現在の時刻からのマイナス時間で指定することと同じです。hours は整数です。デフォルトは 24 です。これは、開始時刻が現在の時刻の 24 時間前であることを意味します。
- -jobid job_id
このオプションでは、NetBackup のジョブ ID を指定します。デフォルトでは、bperror を実行すると、すべてのジョブ ID が検索されます。
- -L
このオプションを指定すると、詳細形式でレポートが表示されます。
- -l
このオプションを指定すると、簡易形式でレポートが表示されます。このレポートにより、簡易なリストが作成されます。このオプションは、カスタマイズされたレポート形式にリストを再生成するスクリプトまたはプログラムに対して有効です。このオプションはデフォルトの表示形式です。
- -M master_server,...
このオプションでは、カンマで区切られた 1 つ以上のホスト名のリストを指定します。このオプションを指定すると、一覧表示されている各マスターサーバーでこのコマンドが実行されます。マスターサーバーでは、コマンドを発行するシステムからのアクセスが許可されている必要があります。マスターサーバーにエラーが発生した場合、その時点でリスト内の処理が停止します。デフォルトは、コマンドが入力されるシステムのマスターサーバーです。
- -p Unx | NTx, -platform Unx | NTx
このオプションを指定すると、プラットフォーム (UNIX または Windows) の指定した状態コードのメッセージが表示されます。デフォルトでは、bperror を実行するプラットフォームのメッセージが表示されます。このオプションを使用する場合、-S または -statuscode オプションを指定する必要があります。
- -r | -recommendation
『NetBackup 状態コードリファレンスガイド』で指定した状態コードの推奨操作を表示します。 デフォルトでは、推奨操作は表示されません。このオプションを使用する場合、-S または -statuscode オプションを指定する必要があります。
- -S status_code, -statuscode status_code
このオプションを指定すると、状態コードに対応するメッセージが表示されます。このオプションには、デフォルト設定は存在しません。
- -s severity, -s severity+
このオプションでは、表示するログメッセージの重大度を指定します。定義済みの値は、ALL、DEBUG、INFO、WARNING、ERROR および CRITICAL です。
重大度は 2 とおりの方法で指定できます。最初の方法では、1 つ以上の重大度の値を指定します。たとえば、"-s INFO ERROR" は重大度 INFO または重大度 ERROR のどちらかのメッセージを表示します。リスト内の要素は、空白で区切る必要があります。2 番目の方法では、ある重大度の値に + を追加して、その重大度以上であることを示します。たとえば、-s WARNING+ を指定すると、重大度の値 WARNING、ERROR および CRITICAL のメッセージが表示されます。
デフォルトは ALL です。重大度の値は大文字でも小文字でも指定できます。
- -server server_name
このオプションでは、NetBackup サーバー名を指定します。この名前は、NetBackup カタログに表示される名前と一致している必要があります。表示は、このサーバーに対して記録されるメッセージに制限されます。これは、その他の bperror オプションの条件も満たします。たとえば、-server plim および -hoursago 2 を bperror のオプションとして使用する場合、表示する内容には、2 時間前から
plim
に対して記録されたメッセージが含まれます。サーバー名は、ログメッセージに記録されたサーバー名と一致している必要があります。たとえば、サーバー名が plim.null.com としてログに記録されている場合、-server plim を指定してもログは表示されませんが、-server plim.null.com を指定するとログが表示されます。
問い合わせは、ローカルマスターサーバーまたは -M で指定したマスターサーバー上に存在するエラーカタログに対して発行されます。マスターサーバーでは、bperror を実行するシステムからのアクセスが許可されている必要があります。
デフォルトでは、マスターサーバーが認識するすべてのメディアサーバーに対するログメッセージが表示されます。
- -t type
このオプションでは、表示するログメッセージの種類を指定します。定義済みの値は、ALL、BACKSTAT、MEDIADEV、GENERAL、BACKUP、ARCHIVE、RETRIEVE および SECURITY です。デフォルトは ALL です。種類の値は、大文字でも小文字でも指定できます。1 つ以上の値のリストとして入力します。たとえば、-t BACKSTAT MEDIADEV を指定すると、BACKSTAT または MEDIADEV のどちらかの種類のメッセージが表示されます。リスト内の要素は、空白で区切る必要があります。
- -U
このオプションを指定すると、ユーザー形式でレポートが表示されます。NetBackup-Java レポートアプリケーションなどの NetBackup レポート生成ツールでは、このレポートを使用します。
- -v
詳細モード。このオプションを指定して bperror を実行すると、デバッグに使用するための追加情報がログに書き込まれます。この情報は、NetBackup 管理の日次デバッグログに記録されます。-v は、NetBackup でデバッグログが有効になっている場合 (install_path\NetBackup\logs\admin または /usr/openv/netbackup/logs/admin ディレクトリが定義されている場合) にだけ有効です。デフォルトは詳細ではありません。
表示形式
次は bperror コマンドの表示形式です。
状態コードの表示 (例: bperror -S status_code)
bperror を実行すると、ローカルシステム上の NetBackup オンライントラブルシュータに対して、状態コードに対応するメッセージの問い合わせが発行されます。bperror では、メッセージテキストが 1 行に表示され、次の行に説明が表示されます。
-r オプションを指定して bperror を実行すると、状態コードに対応するトラブルシューティングの推奨事項の問い合わせも発行されます。bperror では、状態メッセージに続いて、推奨事項が 1 つ以上の行で表示されます。
エラーカタログの表示 (例: bperror -all; bperror -s severity)
bperror を実行すると、ローカルマスターサーバー上または -M オプションのリスト内のマスターサーバー上の NetBackup エラーカタログに対して問い合わせが発行されます。表示は、マスターサーバー上のエラーカタログの問い合わせ結果で構成されます。結果は、すべての bperror オプションを満たすカタログエントリだけです。たとえば、bperror コマンドラインにクライアント、開始時刻、終了時刻のオプションが含まれているとします。その場合、bperror を実行すると、そのクライアントの開始時刻から終了時刻までの間に実行されたジョブだけが通知されます。
エラーカタログから個別のメッセージエントリを表示する場合、詳細 (-L)、ユーザー (-U) または簡易 (-l) 形式で表示することができます。表示が状態コードによって分類される場合、ユーザー (-U) 以外の形式で表示することはできません。これらの各形式の表示内容は、次のとおりです。
エラーカタログの表示、個別のメッセージエントリ、詳細形式 (たとえば、bperror -media -L)。このレポートでは、次の内容がログエントリごとに複数の行で生成されます。
フィールド 1: 日付と時刻 - 1970 年 1 月 1 日からの秒数
フィールド 2: NetBackup バージョン - 使用中の NetBackup バージョン
フィールド 3: エラーの種類 - エラーのメディア数値識別子
フィールド 4: ログエントリ形式 - 2 = デバッグ、4 = 情報、8 = 警告、16 = エラー、32 = 重要
フィールド 5: サーバー - サーバー名
フィールド 6: ジョブ ID
フィールド 7: グループジョブ ID
フィールド 8: 未使用
フィールド 9: NetBackup プロセス - ログを記録する NetBackup プロセス名
フィールド 10: クライアント名
フィールド 11: ポリシー名
フィールド 12: スケジュールの種類 - バックアップで実行するスケジュールの種類
0 = 完全 (FULL)、1 = 増分 (INCR)、2 = 累積増分 (CINC)、3 = ユーザーバックアップ (UBAK)、4 = ユーザーアーカイブ (UARC)
フィールド 13: 終了ステータス - バックアップが完了したときの状態
エラーカタログの表示、個別のメッセージエントリ、ユーザー形式 (たとえば、bperror -media -U)。ユーザー形式では、ヘッダー行に列名が表示され、次の内容がログエントリごとに 1 行以上で表示されます。
1 行目: 日時
サーバー
クライアント
テキスト (必要に応じて、ログメッセージの先頭が前の行から継続されます)
エラーカタログの表示、個別のメッセージエントリ、簡易形式 (たとえば、bperror -media -l)。簡易形式では、次の内容がログエントリごとに 1 行ずつ表示されます。
1 行目: 時間 (内部システムの表示)
NetBackup エラーデータベースログエントリのバージョン
形式コード (10 進数)
重大度コード (10 進数)
サーバー
ジョブ ID
ジョブグループ ID
未使用のフィールド
クライアント
プロセス名
テキスト (切り捨てなしのログメッセージテキスト全体)
状態コードが分類するエラーカタログが表示されます。この表示では、その状態コードのすべてのログエントリが表示される代わりに、一意の各状態コードだけが通知されます (たとえば、bperror -backstat -by_statcode -U)。このオプションによって、状態コードごとに複数の行が生成されます。次に、その内容を示します。
1 行目: 状態コード
テキスト (必要に応じて、ログメッセージテキストの先頭が前の行から継続されます)
2 行目: この状態が発生したクライアントのリスト
例
例 1 - NetBackup Encryption パッケージがインストールされていないために失敗したジョブのエラーを表示します。状態コード 9 は、この失敗に対する NetBackup の状態コードです。2 回目に bperror を実行すると、NetBackup の状態コード 9 に対する推奨操作が表示されます。
# bperror -d 12/23/2012 16:00:00 -e 12/23/2012 17:00:00 -t backstat -U STATUS CLIENT POLICY SCHED SERVER TIME COMPLETED 9 plim dhcrypt user plim 12/23/2012 16:38:09 an extension package is needed, but was not installed # bperror -S 9 -r an extension package is needed, but was not installed A NetBackup extension product is required in order to perform the requested operation. Install the required extension product.
例 2 - この 24 時間以内に発生した問題をユーザー形式で通知します。
# bperror -U -problems TIME SERVER CLIENT - TEXT 11/23/2012 16:07:39 raisins - no storage units configured 11/23/2012 16:07:39 raisins - scheduler exiting - failed reading storage unit database information (217) 11/23/2012 16:17:38 raisins - no storage units configured 11/23/2012 16:17:38 raisins - scheduler exiting - failed reading storage unit database information (217) 11/23/2012 18:11:03 raisins nut bpcd on nut exited with status 59: access to the client was not allowed 11/23/2012? 18:11:20 raisins - WARNING: NetBackup database backup is currently disabled
例 3 - この 24 時間以内に実行された、種類が backstat
のジョブの状態を表示します。-by_statcode オプションを指定すると、状態コードごとに表示が編成されます。
chive
、gava
、raisins
の各クライアントで 1 つ以上のジョブが正常に完了したことが表示されます (状態コードは 0 (ゼロ) です)。さらに、クライアント nut が、マスターサーバーまたはメディアサーバーからのアクセスを許可しなかったため、nut の 1 つ以上のジョブが失敗したことも表示されます。(状態コードは 59 です)。
# bperror -U -backstat -by_statcode 0 the requested operation was successfully completed chive gava raisins 59 access to the client was not allowed nut
例 4 - ある特定のユーザージョブの結果を識別して、取得します。最初に、0 (ゼロ) 以外のジョブ ID のログエントリを表示します。次に、特定のジョブに対するユーザー形式の通知を実行します。
# bperror -hoursago 2012 -L | grep 'S:' | egrep 'J\:[1-9]' 12/21/2012 17:24:14 V1 S:plim C:plim J:1 (U:0,0) 12/23/2012 16:31:04 V1 S:plim C:plim J:1 (U:0,0) 12/23/2012 16:38:04 V1 S:plim C:plim J:3 (U:0,0) # bperror -d 1/7/2007 -jobid 34 -U TIME SERVER CLIENT - TEXT 01/07/2012 13:12:31 plim plim started backup job for client plim, policy jdhcrypt, schedule user on storage unit jdhcrypt 01/07/2012 13:12:40 plim plim successfully wrote backup id plim_0947272350,copy 1, fragment 1, 32 Kbytes at 11.057 Kbytes/sec 01/07/2012 13:12:41 plim plim CLIENT plim POLICY jdhcrypt SCHED user EXIT STATUS 0 (the requested operation was successfully completed)
例 5 - 2000 時間前からのエラーカタログ内のメディアエントリを表示します。
bperror -hoursago 2000 -media -U TTIME SERVER CLIENT - TEXT 12/23/2012 16:31:04 plim plim Media Manager terminated during mount of media id A00000, possible media mount timeout 12/24/2012 04:31:20 plim - media id A00000 removed from Media Manager database (manual deassign)
例 6 - 24 時間以内にバックアップが行われた合計バイト数をレポートして合計します。
bperror -all -hoursago 24 | grep "successfully wrote backup id | awk '{bytes= bytes + $20} END {print "backed up",bytes," Kbytes of data"}' backed up 64 Kbytes of data up",bytes," Kbytes of data"}'