Veritas NetBackup™ コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. NetBackup コマンド
名前
bptpcinfo — SAN デバイスの検出および 3pc.conf
ファイルの作成
概要
bptpcinfo [-a] [-c] [-h] [-u] [-r] [-v] [-d disk_device_directory] [-t tape_device_directory] [-p physical_device] [-o output_file_name] [-o -]
このコマンドのディレクトリパスは /usr/openv/netbackup/bin/ です。
機能説明
このコマンドは UNIX システムでのみ動作します。
bptpcinfo コマンドを実行すると、ファイバーチャネルおよび SCSI 接続上のすべてのディスクデバイスおよびテープデバイスが検出されます。各デバイスに関する情報が 1 行に 1 デバイスずつ出力されます。デフォルトでは、このコマンドを実行すると、次のファイルに情報が書き込まれます。
/usr/openv/volmgr/database/3pc.conf
メモ:
オフホストバックアップ ([サードパーティコピーデバイス (Third-Party Copy Device)]または[NetBackup メディアサーバー (NetBackup Media Server)]バックアップ方式) では、3pc.conf
ファイルが /usr/openv/volmgr/database
に存在する必要があります。
3pc.conf ファイルが存在しない場合、[サードパーティコピーデバイス (Third-Party Copy Device)]または[NetBackup メディアサーバー (NetBackup Media Server)]を使用したバックアップを開始すると、NetBackup によってこのコマンドが自動的に実行され、3pc.conf
ファイルが作成されます。このファイルは完全であり、次のいずれかに該当する場合はこのコマンドを再実行する必要はありません。
[NetBackup メディアサーバー (NetBackup Media Server)]バックアップ方式を使用している。
[サードパーティコピーデバイス (Third-Party Copy Device)]バックアップ方式を使用しており、必要なすべてのデバイス (ディスク、テープ、サードパーティコピーデバイスなど) で識別記述子がサポートされている。
いずれかのデバイスで識別記述子がサポートされていない場合、bptpcinfo コマンドを手動で実行して 3pc.conf
ファイルを作成します。 次に『NetBackup Snapshot Client 管理者ガイド』の SAN 構成に関する章の説明に従って、このファイルを編集します。
オプション
- -a
ファイバーチャネルおよび SCSI 接続上のすべてのディスクデバイスおよびテープデバイスを検出します。
3pc.conf
ファイル (または -o オプションで指定した代替出力ファイル) にエントリが追加されます。-a オプションを指定すると、/dev/rdsk
および/dev/rmt
のすべてのデバイスが表示されます。- -c
このオプションを指定すると、(
/usr/openv/volmgr/database
内の) 既存の3pc.conf
ファイルの構文エラーが確認されます。3pc.conf
ファイルが存在しない場合、ファイルを開けないというメッセージが表示されます。この場合、他のコマンドオプションを使用して、ファイルを作成します。-c を指定すると他のオプションが無視されることに注意してください。-c オプションによって確認される構文エラーは、エントリ間の空白の欠落、不明なキーワード ([w=]がないワールドワイドネームなど)、16 桁でないワールドワイドネームなどです。このようなエラーが存在すると、バックアップが失敗する可能性があります。
- -h
このオプションを指定すると、bptpcinfo の使用方法の説明が表示されます。
- -u
ファイバーチャネルおよび SCSI 接続上のすべてのディスクデバイスおよびテープデバイスを検出します。また、
3pc.conf
ファイル (または -o オプションで指定した代替出力ファイル) に、検出された新しいデバイスのエントリが追加されます。3pc.conf
ファイルが存在しない場合、-u オプションは失敗します (代わりに、-a オプションを指定してください)。メモ:
古いエントリを削除するには、-u ではなく -r を指定します (-u オプションと -r オプションは、同時に指定することはできません)。
- -r
3pc.conf
ファイル (または -o オプションで指定した代替出力ファイル) の古いエントリを削除します。古いエントリとは、ファイバーチャネルまたは SCSI 接続上のいかなるデバイスにも対応しないエントリです。メモ:
-r オプションでは、新しいデバイスまたは再構成されたデバイスのエントリは、
3pc.conf
ファイルに追加されません。エントリを追加するには、-u オプションを指定します。(-u オプションと -r オプションは、同時に指定することはできません。)- -v
このオプションでは、詳細モードを指定します。このオプションを指定すると、bptpcinfo コマンドでは、検出の進捗状況に関する情報が表示されます。この情報は、
3pc.conf
ファイルではなく、画面に出力されます。-v オプションを選択すると、デバイスの検出中に発生した問題のトラッキングを行うことができます。
- -d disk_device_directory
指定したディレクトリ (通常、Solaris や HPE では
/dev/rdsk
、AIX では/dev
) のすべてのディスクが検出され、3pc.conf
ファイルに新しいエントリが作成されます。 または、-o オプションで指定した代替出力ファイルの現在のエントリが、新しいエントリで上書きされます。3pc.conf
ファイルの上書きを回避するには、-d オプションとともに -u オプションを使用します。-d と -u を組み合わせて使用すると、新しいディスクのエントリが既存のエントリに追加されます。- -t tape_device _directory
指定したディレクトリ (通常、Solaris や HPE では
/dev/rmt
、AIX では/dev
) のすべてのテープドライブが検出され、3pc.conf
ファイルに新しいエントリが作成されます。 または、-o オプションで指定した代替出力ファイルの現在のエントリが、新しいエントリで上書きされます。3pc.conf
ファイルの上書きを回避するには、-t オプションとともに -u オプションを使用します。-t と -u を組み合わせて使用すると、新しいテープのエントリが既存のエントリに追加されます。- -p physical_device
指定したデバイスが検出された場合、物理デバイスのエントリが
3pc.conf
ファイルに作成されます。または、-o オプションで指定した代替出力ファイルの現在のエントリが、新しいエントリで上書きされます。3pc.conf
ファイルの上書きを回避するには、-p オプションとともに -u オプションを使用します。-p と -u を組み合わせて使用すると、新しいエントリが既存のエントリに追加されます。- -o output_file_name
このオプションでは、bptpcinfo コマンド出力の代替パス (通常、一時パス) を指定します。このオプションを指定しない場合、デフォルトは
/usr/openv/volmgr/database/3pc.conf
です。- -o -
このオプションを指定すると、出力が画面に送信されます。2 番目のハイフンの前には空白が必要です。
例
例 1 - SAN 上のすべてのソースデバイスおよび宛先デバイスを検出し、必要な 3pc.conf
ファイルを /usr/openv/volmgr/database
に作成するには、次のように入力します。
# bptpcinfo -a
例 2 - SAN 上のすべてのソースデバイスおよび宛先デバイスを検出し、出力を画面に送信するには、次のように入力します。
# bptpcinfo -a -o -
次に出力例を示します。
devid [p=devpath] [s=sn] [n=npid] [l=lun] [w=wwpn] [i=iddesc] 1 p=/dev/rdsk/c1t11d3s2 s=SEAGATE:ST19171N:LAE82305 l=3 2 p=/dev/rdsk/c1t13d4s2 s=SEAGATE:ST19101W:NH022724 l=4 3 p=/dev/rdsk/c1t20d0s2 s=HITACHI:OPEN-9:60159003900 l=0 4 p=/dev/rdsk/c1t20d1s2 s=HITACHI:OPEN-9:60159000000 l=1 5 p=/dev/rdsk/c1t20d2s2 s=HITACHI:OPEN-9:60159000100 l=2 6 p=/dev/rdsk/c1t20d3s2 s=HITACHI:OPEN-9-CM:60159001C00 l=3 7 p=/dev/rdsk/c1t20d4s2 s=HITACHI:OPEN-9:60159002B00 l=4 8 p=/dev/rdsk/c1t20d5s2 s=HITACHI:OPEN-9:60159002C00 l=5
例 3 - /dev/rmt
ディレクトリ (AIX では /dev
) のデバイスを検出し、出力を画面に送信するには、次のように入力します。
Solaris や HPE の場合:
# bptpcinfo -t /dev/rmt -o -
次に出力例を示します。
devid [p=devpath] [s=sn] [n=npid] [l=lun] [w=wwpn] [i=iddesc] 0 p=/dev/rmt/0cbn s=QUANTUM:DLT8000:CX949P0164 l=1 i=10200E09E6000000868 1 p=/dev/rmt/1cbn s=QUANTUM:DLT8000:CX949P1208 l=2 i=10200E09E6000001381 2 p=/dev/rmt/4cbn s=QUANTUM:DLT8000:CX940P2790 l=2 i=1031000005013E000D3 3 p=/dev/rmt/7cbn s=QUANTUM:DLT7000:TNA48S0267 l=1 4 p=/dev/rmt/19cbn s=QUANTUM:DLT8000:PKB02P0989 l=1 i=10200E09E6000030C36 5 p=/dev/rmt/20cbn s=QUANTUM:DLT8000:PKB02P0841 l=2 i=10200E09E6000030DC5
AIX の場合:
# bptpcinfo -t /dev -o -
次に出力例を示します。
devid [p=devpath] [s=sn] [n=npid] [l=lun] [w=wwpn] [i=iddesc] 0 p=/dev/rmt0.1 s=STK:L20:LLC02203684 l=1 1 p=/dev/rmt5.1 s=QUANTUM:DLT8000:CXA49P1113 l=1 i=10200E09E6000034A57 2 p=/dev/rmt6.1 s=QUANTUM:DLT8000:PXB13P4180 l=2 i=10200E09E600004B70B 3 p=/dev/rmt7.1 s=STK:9840:331002059900 l=4 i=103500104F0004817E5 4 p=/dev/rmt9.1 s=QUANTUM:DLT8000:PXB33P0850 l=9 i=1036005013000B0526942333350 5 p=/dev/rmt10.1 s=QUANTUM:DLT8000:CX949P1208 l=10 i=1036005013000B0526939343950
例 4 - SAN 上のすべてのデバイスのエントリが記述された 3pc.conf
ファイルを作成し、出力を代替ファイルに送信するには、次のように入力します。
# bptpcinfo -a -o /usr/openv/volmgr/database/3pc_alt1.conf
注意事項
bptpcinfo コマンドを使うときには、次のことに注意してください。
bptpcinfo コマンドは、実行中のバックアップが存在しないときに実行します。バックアップ操作でデバイスが使われているかまたは予約されている場合、bptpcinfo がそのデバイスの情報を取得できないことがあります。そのようなデバイスの情報は出力されません。
既存の
3pc.conf
ファイルが上書きされないようにするには、-o オプションを使用して、出力する場所を指定します。ホスト上で Veritas SANPoint Control が実行されている場合は、bpSALinfo コマンドを実行して、
3pc.conf
ファイルの各デバイスに対してワールドワイドネームと LUN 値を追加できます。SANPoint Control を使用していない場合は、3pc.conf
ファイルの新しいエントリを編集する必要があります。編集するには、各デバイスのワールドワイドネーム (WWPN) および LUN を手動で追加します。SAN 構成について詳しくは、『NetBackup Snapshot Client 管理者ガイド』を参照してください。
ファイル
/usr/openv/volmgr/database/3pc.conf