Veritas InfoScale™ 8.0.2 トラブルシューティングガイド - Linux

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Product(s): InfoScale & Storage Foundation (8.0.2)
Platform: Linux
  1. はじめに
    1.  
      Veritas Storage Foundation and High Availability Solutions 製品のトラブルシューティングについて
    2.  
      Veritas SORT (Services and Operations Readiness Tools) について
    3. 一意のメッセージ ID について
      1.  
        Veritas Operations Readiness Tools を使用した一意のメッセージ ID の説明と解決法の検索
    4. デバッグ用のアプリケーションおよびデーモンコアデータの収集について
      1.  
        vxgetcore でデバッグデータを自動的に見つけるようにする (最も簡単な方法)
      2.  
        コアファイルの場所がわかっている場合の vxgetcore の実行
      3.  
        vxgetcore で情報の入力を求めるメッセージを表示する
  2. 第 I 部 Veritas File System のトラブルシューティング
    1. 診断メッセージ
      1. 障害に対するファイルシステムの応答
        1.  
          無効にしたファイルシステムのリカバリ
      2.  
        カーネルメッセージについて
  3. 第 II 部 Veritas Volume Manager のトラブルシューティング
    1. ハードウェア障害からのリカバリ
      1.  
        ハードウェア障害からのリカバリについて
      2.  
        起動不能なボリュームの一覧表示
      3.  
        ボリュームとプレックスの状態の表示
      4.  
        プレックスの状態遷移
      5.  
        起動不能なミラーボリュームのリカバリ
      6.  
        RECOVER 状態の無効にされたプレックスが存在する起動不能なボリュームのリカバリ
      7.  
        起動不能なボリュームの強制的な再起動
      8.  
        ディスクでの failing フラグのクリア
      9.  
        障害が発生したディスクの再接続
      10.  
        失敗したプレックスの接続操作または同期操作のリカバリ
      11. RAID 5 ボリュームの障害
        1.  
          システム障害
        2.  
          ディスク障害
        3.  
          RAID 5 のデフォルトの起動リカバリプロセス
        4. RAID 5 ボリュームのリカバリ
          1.  
            RAID 5 ボリューム上のパリティの再同期
          2.  
            障害の発生した RAID 5 ログプレックスの再接続
          3.  
            RAID 5 ボリューム内の無効なサブディスクのリカバリ
        5.  
          RAID 5 サブディスクを移動した後のリカバリ
        6. 起動できない RAID 5 ボリューム
          1.  
            無効なサブディスクを持つ RAID 5 ボリュームの強制的な起動
      12.  
        ディスクグループの不完全な移動のリカバリ
      13.  
        クラスタ内の一部のノードが使用できない場合のリカバリ後のボリュームの再起動
      14. DCO ボリュームの障害からのリカバリ
        1.  
          バージョン 0 の DCO ボリュームのリカバリ
        2.  
          インスタントスナップ DCO ボリュームのリカバリ(バージョン 20 以降)
    2. インスタントスナップショット障害からのリカバリ
      1.  
        vxsnap prepare の障害からのリカバリ
      2.  
        フルサイズインスタントスナップショット作成時の vxsnap make の失敗からのリカバリ
      3.  
        ブレークオフインスタントスナップショット作成時の vxsnap make の失敗からのリカバリ
      4.  
        領域最適化インスタントスナップショット作成時の vxsnap make の失敗からのリカバリ
      5.  
        vxsnap restore の障害からのリカバリ
      6.  
        vxsnap refresh の障害からのリカバリ
      7.  
        コピーオンライトの失敗からのリカバリ
      8.  
        再同期中に発生する I/O エラーからのリカバリ
      9.  
        DCO ボリュームでの I/O エラーからのリカバリ
      10.  
        インスタントスナップのデータ変更オブジェクト(DCO)の vxsnap アップグレードの障害からのリカバリ
    3. 失敗した vxresize 操作のリカバリ
      1.  
        失敗した vxresize 縮小操作のリカバリ
    4. ブートディスク障害からのリカバリ
      1.  
        VxVM とブートディスク障害
      2.  
        可能なルートディスク設定
      3.  
        ブートプロセス
      4. VxVM ブートディスクのリカバリ
        1. ブートディスクで障害が発生した場合
          1.  
            切断した root ディスクの再接続
          2.  
            ルートディスクで障害が発生した場合
          3.  
            障害が発生したルートディスクの代わりにルートミラーディスクを使用
          4.  
            障害が発生したルートディスクの交換
        2.  
          障害が発生したブートディスクのミラーの交換
        3.  
          LILO コマンドで -R、fallback、または lock オプションを偶発的に使った場合
        4.  
          マスターブートレコードの紛失または破損のリストア
        5.  
          紛失したか破損した /etc/fstab ファイルのリストア
        6.  
          紛失したか破損した /etc/vx/volboot ファイルのリストア
      5. 再インストールによるリカバリ
        1.  
          一般的な再インストール情報
        2. システムの再インストールと VxVM のリカバリ
          1.  
            システムの再インストールの準備
          2.  
            オペレーティングシステムの再インストール
          3.  
            Veritas Volume Manager の再インストール
          4.  
            Veritas Volume Manager 設定のリカバリ
          5.  
            システム構成のクリーンアップ
      6.  
        手動によるルートディスクのカプセル化解除
    5. コマンド、タスク、トランザクションの管理
      1.  
        コマンドログ
      2.  
        タスクログ
      3.  
        トランザクションログ
      4.  
        コマンドログ、タスクログ、トランザクションログの関連付け
      5.  
        スレーブから発行された CVM コマンドのマスターノードへの関連付け
      6.  
        コマンド入力補完機能が有効になっていない
      7.  
        /etc/fstab にリストされている VxVM ボリュームがブート時に自動的にマウントされない場合がある
    6. ディスクグループ設定データのバックアップとリストア
      1.  
        ディスクグループ設定のバックアップの概要
      2.  
        ディスクグループ設定のバックアップ
      3. ディスクグループ設定のリストア
        1.  
          ディスクグループの競合バックアップの解決
      4.  
        FSS ディスクグループ設定データのバックアップと復元
    7. ディスクグループのインポートを使った問題のトラブルシューティング
      1.  
        非クローンディスクに対する udid_mismatch フラグの消去
    8. CDS エラーからの回復
      1.  
        CDS エラーコードと回復アクション
    9. ログおよびエラーメッセージ
      1.  
        エラーメッセージについて
      2. エラーメッセージの記録方法
        1.  
          起動スクリプトでのログの設定
      3. メッセージのタイプ
        1.  
          メッセージ
      4.  
        トラブルシューティング用のログ情報の収集
    10. Veritas Volume Replicator のトラブルシューティング
      1.  
        RLINK 接続問題のリカバリ
      2. 設定エラーのリカバリ
        1. RLINK 接続中のエラー
          1.  
            RLINK 接続中のデータボリュームエラー
          2.  
            RLINK 接続中のボリュームセットのエラー
        2. RVG 変更中のエラー
          1.  
            RVG 修正中に発生するデータボリューム紛失に関するエラー
          2.  
            RVG の変更中のデータボリューム不一致のエラー
          3.  
            RVG 修正中に発生するデータボリューム名の不一致に関するエラー
          4. RVG の変更中のボリュームセットの設定エラー
            1.  
              ボリュームセット名の不一致エラー
            2.  
              ボリュームインデックスの不一致エラー
            3.  
              コンポーネントボリュームの不一致エラー
      3. プライマリまたはセカンダリでのリカバリ
        1.  
          プライマリホストのクラッシュからのリカバリについて
        2. プライマリのデータボリュームエラーのリカバリ
          1.  
            例 - RLINK を切断した状態でのリカバリ
          2.  
            例 - 最小限の修復でのリカバリ
          3.  
            例 - プライマリの移行によるリカバリ
          4.  
            例 - 一時的な I/O エラーからのリカバリ
        3. プライマリ SRL ボリュームのエラーの解決と再起動
          1.  
            RVG の PASSTHRU モードについて
        4.  
          再起動時のプライマリ SRL ボリュームのエラー
        5.  
          プライマリ SRL ボリュームオーバーフローのリカバリ
        6. プライマリ SRL ヘッダーのエラーの解決とリカバリ
          1.  
            SRL ヘッダーエラーのリカバリ
        7. セカンダリのデータボリュームのエラーの解決とリカバリ
          1.  
            セカンダリストレージチェックポイントを使ったリカバリ
          2.  
            プライマリストレージチェックポイントを使ったクリーンアップ
        8.  
          セカンダリの SRL ボリュームのエラーの解決とリカバリ
        9.  
          セカンダリ SRL ヘッダーのエラー解決とリカバリ
        10.  
          再ブート時のセカンダリ SRL ヘッダーのエラー
  4. 第 III 部 Dynamic Multi-Pathing のトラブルシューティング
    1. Dynamic Multi-Pathing のトラブルシューティング
      1.  
        DMP からパスを除外または DMP にパスを追加するときのエラーのリカバリ
      2.  
        アレイサポートのダウングレード
  5. 第 IV 部 Storage Foundation Cluster File System High Availability のトラブルシューティングについて
    1. Storage Foundation Cluster File System High Availability のトラブルシューティングについて
      1.  
        Storage Foundation Cluster File System High Availability のトラブルシューティングについて
      2. CFS のトラブルシューティング
        1.  
          root ユーザーの <library> パスの順序が正しくない
        2.  
          CFS コマンドは root 以外のユーザーによって実行された場合にハングアップすることがある
      3. フェンシングが有効な設定のトラブルシューティング
        1.  
          既存のネットワーク分割(スプリットブレイン)の例
        2. 既存のネットワーク分割(スプリットブレイン)からのリカバリ
          1.  
            シナリオ I
          2.  
            シナリオ II
          3.  
            シナリオ III
      4. Veritas InfoScale 製品 クラスタの Cluster Volume Manager のトラブルシューティング
        1.  
          CVM グループが Veritas InfoScale 製品 クラスタへのノード追加後オンラインではない
        2.  
          共有ディスクグループを Veritas InfoScale 製品 クラスタにインポートできない
        3.  
          Veritas InfoScale 製品 クラスタで CVM を起動できない
        4.  
          すでに存在するキーの削除
        5.  
          CVMCluster が Veritas InfoScale 製品 クラスタでオンラインでも CVMVolDg がオンラインにならない
        6.  
          Veritas InfoScale 製品 クラスタに共有ディスクが表示されない
      5. 相互接続のトラブルシューティング
        1.  
          ケーブル切断後のホストとディスク間の通信の復元
        2.  
          再ブート後にネットワークインターフェースの名前が変化する
        3.  
          必須デバイスのエントリ例
  6. 第 V 部 Cluster Server のトラブルシューティング
    1. VCS のトラブルシューティングおよびリカバリ
      1. VCS メッセージログ
        1.  
          VCS エージェントのエントリポイントのログ統合
        2.  
          VCS リソースの予期しない動作をトラブルシューティングするための FFDC(First Failure Data Capture)の強化
        3.  
          GAB メッセージのログ
        4.  
          エージェントのデバッグログの有効化
        5.  
          IMF のデバッグログの有効化
        6.  
          VCS エンジンのデバッグログの有効化
        7.  
          デバッグログのタグの使用法について
        8. サポート分析用の VCS 情報の収集
          1.  
            CPU、メモリ、スワップの計測または予測された値の確認
        9.  
          サポート分析用に LLT と GAB の情報を収集する
        10.  
          サポート分析用の IMF 情報の収集
        11.  
          メッセージカタログ
      2. VCS エンジンのトラブルシューティング
        1.  
          HAD の診断
        2.  
          HAD が繰り返し再起動される
        3.  
          GAB が HAD を強制終了する原因となる DNS の設定上の問題
        4.  
          シーディングと I/O フェンシング
        5.  
          preonline IP チェック
      3. LLT(Low Latency Transport)のトラブルシューティング
        1.  
          LLT 起動スクリプトでエラーが表示される
        2.  
          LLT がクロスリンクの使用を検出する
        3.  
          LLT リンクの状態メッセージ
      4. GAB(Group Membership Services/Atomic Broadcast)のトラブルシューティング
        1.  
          ポート再開放の遅延
        2.  
          クライアントプロセスの障害が原因でノードがパニック状態になる
      5. VCS の起動に関するトラブルシューティング
        1.  
          「VCS: 10622 ローカルの設定がありません(VCS: 10622 local configuration missing)」と「VCS: 10623 ローカルの設定が無効です(VCS: 10623 local configuration invalid)」
        2.  
          「VCS:11032 登録が失敗しました。終了します。(registration failed. Exiting)」【前のセグメントに統合】
        3.  
          "クラスタのメンバーシップを待っています(Waiting for cluster membership)"
      6. systemd ユニットサービスファイルの問題のトラブルシューティング
        1.  
          ユニットサービスにエラーが発生し、対応するモジュールがロードされたままの場合、systemd はこのモジュールをアンロードできず、パッケージを削除できない
        2.  
          ユニットサービスがアクティブであり、対応するプロセスが systemd の外部で停止した場合、このサービスは systemctl start を使用して再開できない
        3.  
          ユニットサービスが停止するまで、または対応するサービスが開始するまでにデフォルトのタイムアウトよりも長い時間がかかる場合、Failed 状態に移行する
      7.  
        IMF(Intelligent Monitoring Framework)のトラブルシューティング
      8. サービスグループに関するトラブルシューティング
        1.  
          VCS はサービスグループを自動的に起動しない
        2.  
          システムが RUNNING 状態にならない
        3.  
          あるシステムでサービスグループがオンラインにならない
        4.  
          サービスグループが自動起動しない
        5.  
          サービスグループがフリーズしている
        6.  
          フェールオーバーサービスグループが、別のシステムでオンラインになっている
        7.  
          重大なリソース障害が発生した
        8.  
          サービスグループが自動無効化の状態になっている
        9.  
          リソースがオンラインまたはオフラインになるまでサービスグループが待機している
        10.  
          依存関係が満たされるまでサービスグループが待機している
        11.  
          サービスグループのプローブが完了していない
        12.  
          サービスグループが予想されたシステムにフェールオーバーしない
        13.  
          FailOverPolicy が BiggestAvailable に設定されているのに、サービスグループが BiggestAvailable システムにフェールオーバーしない
        14.  
          VCS で作成されるバックアップからの測定データベースの復元
        15.  
          測定データベースの初期化の失敗
      9. リソースに関するトラブルシューティング
        1.  
          サービスグループがフェールオーバーによってオンライン化された
        2.  
          サービスグループの状態遷移を待っている
        3.  
          子リソースがオンラインになるのを待っている
        4.  
          親リソースがオフラインになるのを待っている
        5.  
          リソースからの応答を待っている
        6. エージェントが動作していない
          1.  
            無効なエージェントの引数
        7.  
          ディスクグループが無効な場合でも、ディスクグループエージェントの monitor エントリポイントが ONLINE を返す
      10. I/O フェンシングのトラブルシューティング
        1.  
          他のノードが除外されている間、ノードはクラスタを参加させられない
        2.  
          SCSI TEST UNIT READY コマンドが失敗すると、vxfentsthdw ユーティリティが失敗する
        3.  
          SCSI-3 ディスクから手動で既存のキーを削除する
        4. システムパニックによって潜在的なデータ破損が防止される
          1.  
            各種のイベントシナリオにおける I/O フェンシングの動作
        5.  
          コーディネータディスクの I/O フェンシングキーのクラスタ ID がローカルクラスタの ID と一致しない
        6. フェンシングの起動時にすでに発生しているスプリットブレイン状態が報告される
          1.  
            すでに発生しているスプリットブレイン状態のクリア
        7.  
          登録済みのキーがコーディネータディスクから失われている
        8.  
          クラスタがオフラインになっているときに不具合のあるディスクの置換
        9.  
          rcp または scp コマンドが機能していないと vxfenswap ユーティリティが終了する
        10. CP サーバーのトラブルシューティング
          1.  
            CP サーバーサービスグループに関連する問題のトラブルシューティング
          2.  
            CP サーバーの接続の確認
        11. Veritas InfoScale 製品 クラスタノードでのサーバーベースのフェンシングのトラブルシューティング
          1.  
            サーバーベースのフェンシング用に設定された VCS ノードでのフェンシング起動時の問題
        12. コーディネーションポイントのオンライン移行中の問題
          1.  
            vxfenswap コマンド実行後の vxfen サービスグループのアクティビティ
      11. 通知に関するトラブルシューティング
        1.  
          SNMP による通知を設定しても、SNMP コンソールにトラップが表示されない
      12. グローバルクラスタのトラブルシューティングとリカバリ
        1.  
          災害宣言
        2.  
          失われたハートビートと照会の機構
        3. VCS のアラート
          1.  
            アラートのタイプ
          2.  
            アラートの管理
          3.  
            アラートに関連付けられたアクション
          4.  
            取り消しイベント
          5.  
            起動時の同時性違反
      13.  
        Steward プロセスのトラブルシューティング
      14. ライセンスに関するトラブルシューティング
        1.  
          ライセンスキーの検証
        2. ライセンスのエラーメッセージ
          1.  
            [Licensing] Insufficient memory to perform operation
          2.  
            [Licensing] No valid VCS license keys were found
          3.  
            [Licensing] Unable to find a valid base VCS license key
          4.  
            [Licensing] License key can not be used on this OS platform
          5.  
            [Licensing] VCS evaluation period has expired
          6.  
            [Licensing] License key can not be used on this system
          7.  
            [Licensing] Unable to initialize the licensing framework
          8.  
            [Licensing] QuickStart is not supported in this release
          9.  
            [Licensing] Your evaluation period for the feature has expired.This feature will not be enabled the next time VCS starts
      15.  
        CPU、メモリ、スワップの計測または予測された値の確認
  7. 第 VI 部 SFDB のトラブルシューティング
    1. SFDB のトラブルシューティング
      1.  
        Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールのトラブルシューティングについて

システム構成のクリーンアップ

VxVM を再インストールしたら、システム構成のクリーンアップを行う必要があります。

システム構成をクリーンアップするには

  1. VxVM 設定の回復後に、バックアップからどのボリュームを復元する必要があるかを判断する必要があります。回復されたディスクには、これらのボリュームのデータの完全な複製が含まれていないためです。 このようなボリュームは無効なため、削除し、再作成して、バックアップから復元する必要があります。 ボリュームデータの完全な複製が利用可能な場合は、ホットリロケーション機能を使って複製を修復できます。これは、ホットリロケーション機能が有効化されていて、ディスクグループに十分な空きディスク容量がある場合に可能です。

    次のコマンドを使って、削除または再インストールされた VM ディスクを確認します。

    # vxdisk list

    システムディスクデバイスとこれらのデバイスの状態が表示されます。たとえば、3 つのディスクと再インストールされたルートディスクが含まれている再インストールされたシステムでは、vxdisk list コマンドの出力は次のようになります。

    DEVICE    TYPE      DISK      GROUP      STATUS
    sdb       simple    -         -          error
    sdc       simple    disk02    bootdg     online
    sdd       simple    disk03    bootdg     online
    -         -         disk01    bootdg     failed was:sdb

    この出力では、再インストールされたルートデバイス、sdb が VM ディスクに関連付けられていないことと、そのデバイスの状態が error と認識されていることが示されています。 ディスク disk02disk03 は再インストールに関係しておらず、VxVM により認識されてデバイス(sdcsdd)に関連付けられています。 以前の disk01 は、交換されたディスクデバイスに関連付けられた VM ディスクでしたが、現在そのデバイス(sdb)には関連付けられていません。

    再インストール中に(ボリュームまたはミラーを持つ)他のディスクが削除または交換された場合、そのディスクのディスクデバイスが error 状態で、VM ディスクはデバイスに関連付けられていないものとして一覧表示されます。

  2. 削除または交換されたディスクがわかったら、次のコマンドを使って、障害が発生したディスク上のミラーをすべて検索します。
    # vxprint -sF "%vname" -e 'sd_disk = "disk"'

    disk は、failed 状態のディスクの名前です。このコマンドでは、ディスク名を引用符で囲みます。ディスク名が引用符で囲まれていない場合は、エラーメッセージが返されます。vxprint コマンドは、障害が発生したディスクにミラーが格納されているボリュームを一覧表示します。failed 状態のすべてのディスクについて、このコマンドを繰り返します。

  3. 各ボリュームの状態をチェックし、次のコマンドを使ってボリューム情報を出力します。
    # vxprint -th volume 

    volume は、確認するボリュームの名前です。vxprint コマンドは、ボリュームの状態、プレックス、プレックスを設定するディスクの部分を表示します。たとえば、1 つのプレックスを持つ v01 という名前のボリュームが disk01 という名前の再インストールされたディスクに存在します。vxprint -th v01 コマンドの出力は次のようになります。

    V    NAME      USETYPE   KSTATE     STATE     LENGTH    READPOL     PREFPLEX
    PL   NAME      VOLUME    KSTATE     STATE     LENGTH    LAYOUT      NCOL/WID   MODE
    SD   NAME      PLEX      DISK       DISKOFFS  LENGTH    [COL/]OFF   DEVICE     MODE
    
    v    v01       fsgen     DISABLED   ACTIVE    24000     SELECT      -
    pl   v01-01    v01       DISABLED   NODEVICE  24000     CONCAT      -          RW
    sd   disk01-06 v0101     disk01     245759    24000     0           sdg        ENA

    ボリュームの唯一のプレックスは、pl で始まる行に表示されています。v01-01 という名前のプレックスの STATE 状態フィールドは、NODEVICE 状態です。プレックスは、交換、削除または再インストールされたディスク上に領域を保持しています。プレックスは有効ではなくなったため、削除する必要があります。

  4. v01-01 はボリュームの唯一のプレックスであったため、ボリュームをバックアップから復元しないかぎり、ボリュームの内容のリカバリは実行できなくなります。ボリュームも削除する必要があります。ボリュームのバックアップコピーが存在する場合は、後でボリュームを復元できます。バックアップ手順で必要になるため、ボリューム名とサイズを記録しておきます。

    次のコマンドを使って、リカバリ不可能なボリューム(v01 など)を削除します。

      # vxedit -r rm v01
    
  5. 障害が発生したディスクにプレックスの一部のみが配置されている可能性もあります。ボリュームに関連付けられているストライプ化プレックスがそのボリュームにある場合、ボリュームは複数のディスクに分割されます。たとえば、v02 という名前のボリュームに、3 つのディスクにストライプされたストライプ化プレックスが 1 つあり、その 3 つのディスクのうちの 1 つは再インストールされたディスク disk01 であるとします。vxprint -th v02 コマンドの出力は次のようになります。
    V    NAME     USETYPE    KSTATE    STATE     LENGTH     READPOL     PREFPLEX
    PL   NAME     VOLUME     KSTATE    STATE     LENGTH     LAYOUT      NCOL/WID  MODE
    SD   NAME     PLEX       DISK      DISKOFFS  LENGTH     [COL/]OFF   DEVICE    MODE
    
    v    v02      fsgen     DISABLED   ACTIVE     30720     SELECT      v02-01
    pl   v02-01   v02       DISABLED   NODEVICE   30720     STRIPE      3/128     RW
    sd   disk02-02v02-01    disk01     424144     10240     0/0         sdi       ENA
    sd   disk01-05v02-01    disk01     620544     10240     1/0         sdj       DIS
    sd   disk03-01v02-01    disk03     620544     10240     2/0         sdk       ENA

    この出力では、プレックス v02-01 がまたがってストライプされる 3 つのディスクを示しています(sd で始まる行はストライプを示しています)。ストライプ領域の 1 つは障害が発生したディスク上にあります。このディスクは有効ではないため、v02-01 という名前のプレックスは NODEVICE 状態となっています。このプレックスはボリュームの唯一のプレックスであるため、ボリュームは無効であり、削除する必要があります。v02 のコピーがバックアップメディアに存在する場合は、後で復元できます。バックアップから復元するボリュームの名前とサイズは記録しておいてください。

    次のコマンドを使って、無効なボリューム(v02 など)を削除します。

    # vxedit -r rm v02
  6. エラーが発生したディスク上にミラーが 1 つあるボリュームでも、まだ有効なディスクに他のミラーがある可能性があります。 この場合、すべてのデータがまだ利用可能で、リカバリは通常ホットリロケーション機能で処理できるため(有効化されている場合)、バックアップからボリュームを復元する必要はありません。

    ホットリロケーションが無効な場合は、ミラーを手動で復元できます。 この例で、エラーが発生したディスク(disk01)にプレックスが 1 つあり、有効なディスク(disk02)に別のプレックスがあるボリュームに対して実行した vxprint -th コマンドの出力は、次のようになります。

    V    NAME       USETYPE   KSTATE    STATE     LENGTH   READPOL    PREFPLEX
    PL   NAME       VOLUME    KSTATE    STATE     LENGTH   LAYOUT     NCOL/WID   MODE
    SD   NAME       PLEX      DISK      DISKOFFS  LENGTH   [COL/]OFF  DEVICE     MODE
    
    v    v03        fsgen     DISABLED  ACTIVE    0720     SELECT      -
    pl   v03-01     v03       DISABLED  ACTIVE    30720    CONCAT      -         RW
    sd   disk02-01 v03-01     disk01    620544    30720    0           sdl       ENA
    pl   v03-02     v03       DISABLED  NODEVICE  30720    CONCAT      -         RW
    sd   disk01-04 v03-02     disk03    262144    30720    0           sdm       DIS

    このボリュームには、v03-01 および v03-02 という 2 つのプレックスがあります。最初のプレックス(v03-01)は、無効なディスクの領域を使っていないため、まだ使えます。2 番目のプレックス(v03-02)は、無効なディスク disk01 の領域を使っているため、NODEVICE 状態になっています。プレックス v03-02 は削除する必要があります。ただし、このボリュームには有効なデータを格納している有効なプレックスがさらに 1 つあります。ボリュームをミラー化する必要がある場合は、別のプレックスを後で追加できます。別のプレックスを後で作成するためにボリュームの名前を書き留めてください。

    無効なプレックスを削除するには、vxplex コマンドを使って関連付けを解除し、ボリュームからプレックスを削除します。たとえば、プレックス v03-02 の関連付けを解除して削除するには、次のコマンドを使います。

    # vxplex -o rm dis v03-02
  7. 無効なボリュームとプレックスすべてを削除したら、ディスク設定をクリーンアップすることができます。(vxdisk list コマンドの出力から特定した)削除、再インストールまたは交換された各ディスクは、設定から削除する必要があります。

    ディスクを削除するには、vxdg コマンドを使います。エラーが発生したディスク disk01 を削除するには、次のコマンドを使います。

    # vxdg rmdisk disk01

    vxdg コマンドによってエラーメッセージが返された場合は、無効なミラーが存在します。

    手順 1 から手順 6 を繰り返して無効なボリュームとミラーをすべて削除します。

  8. 無効なディスクをすべて削除したら、交換用ディスクまたは再インストールされたディスクを VxVM の制御下に追加できます。ルートディスクが最初から Veritas Volume Manager の制御下にあった場合や、ルートディスクをこれから Veritas Volume Manager の制御下に置く場合は、このディスクを最初に追加します。

    ルートディスクを Veritas Volume Manager の制御下に追加するには、vxdiskadm コマンドを使います。

    # vxdiskadm

    vxdiskadm メインメニューで、メニュー項目 2 (1 つ以上のディスクのカプセル化)を選択します。次の指示に従って、システムのルートディスクをカプセル化します。

  9. カプセル化が完了したら、マルチユーザーモードでシステムを再起動します。
  10. ルートディスクをカプセル化したら、vxdiskadm コマンドを使って、交換された他のすべてのディスクを追加する必要があります。オペレーティングシステムの再インストール中にディスクが再インストールされた場合は、カプセル化する必要があります。それ以外の場合は、ディスクを追加できます。
  11. すべてのディスクがシステムに追加されたら、設定クリーンアップの一部として完全に削除されたボリュームを再作成して、その内容をバックアップから復元できます。ボリュームの再作成は、vxassist コマンドまたは GUI を使って実行できます。

    たとえば、ボリューム v01v02 を再作成するには、次のコマンドを使います。

    # vxassist make v01 24000 
    # vxassist make v02 30720 layout=stripe nstripe=3

    ボリュームが作成されると、通常のバックアップおよびリストア手順を使って、バックアップから復元できます。

  12. ボリュームクリーンアップの一部としてプレックスが削除されたボリュームのプレックスを再作成します。ボリューム v03 から削除されたプレックスを交換するには、次のコマンドを使います。
    # vxassist mirror v03

    再インストール中に失われたボリュームとプレックスのリストアが完了すると、リカバリは完了し、システムは障害発生前の状態と同じように設定されます。