Veritas NetBackup™ for Oracle 管理者ガイド
- 概要
- NetBackup for Oracle クイックスタート
- NetBackup for Oracle のインストール
- Oracle のポリシー構成
- NetBackup for Oracle の構成の準備
- Oracle インテリジェントポリシーのインスタンス管理
- Oracle インテリジェントポリシー (OIP) について
- スクリプトまたはテンプレートベースの Oracle ポリシーについて
- Oracle のバックアップとリストアの実行
- NetBackup for Oracle バックアップについて
- NetBackup for Oracle のリストアについて
- Microsoft Windows Cluster 環境での NetBackup for Oracle の使用
- ガイド付きリカバリ
- ガイド付きリカバリのトラブルシューティング
- Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle
- Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle について
- Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle の動作
- NetBackup for Oracle による Snapshot Client の構成について
- スナップショットバックアップからの NetBackup for Oracle のリストア
- UNIX の NetBackup for Oracle Block Level Incremental バックアップの構成について
- Snapshot Client の影響について
- レプリケーションディレクタの Oracle サポートについて
- トラブルシューティング
- RMAN のバックアップエラーまたはリストアエラーのトラブルシューティング
- 付録 A. RAC (Real Application Clusters)
- 付録 B. NetBackup を併用した Oracle RAC を保護するためのベストプラクティス
- 付録 C. 重複排除のベストプラクティス
- 付録 D. SFRAC の Snapshot Client サポート
- 付録 E. UNIX および Linux システムでの RMAN を使用しないスクリプトベースの Block Level Incremental (BLI) バックアップ
- RMAN を使用しない BLI バックアップのインストール要件の確認
- スクリプトベースの BLI バックアップの NetBackup ポリシーの作成
- バックアップとリストアの実行
- バックアップエラーまたはリストアエラーのトラブルシューティングについて
- 付録 F. XML Archiver
- 付録 G. 承認を受けた場所の登録
RAC の構成の例: フェールオーバー名は利用不能で、バックアップは負荷分散され、カスタムスクリプトが設定された 1 つのポリシーがあります
フェールオーバー名がなく、負荷分散されるバックアップは、前述の構成の組み合わされた問題を克服する必要があります。 フェールオーバー名が存在しないため、NetBackup スケジューラは、両方のホストでバックアップスクリプトの実行を試みる必要があります。 この場合、スクリプトはホストの 1 つだけで RMAN を起動する必要があります。 RMAN は両方のインスタンスにチャネルを割り当てることがあるため、ユーザー主導要求はホスト固有の名前を提示する必要があります。 NetBackup メディアサーバーからのコネクトバックによって正しいホストからデータを取り込めるようにする必要があります。
このポリシーで両方のホストのクライアント名、hostname1 と hostname2、または vipname1 と vipname2 のいずれかを指定する必要があります。 クライアント名を指定することにより、現在操作可能なホストで確実にバックアップスクリプトが実行されるようにします。
バックアップスクリプトは、クラスタ内の両方のホストにアクセス可能である必要があります。クラスタファイルシステムが適しています。
バックアップスクリプトは、クライアントの 1 つのみで RMAN を開始するようにカスタマイズする必要があります。バックアップスクリプトがプライマリで実行される場合、RMAN を起動し、バックアップを実行します。 バックアップスクリプトがセカンダリで実行され、プライマリが稼動している場合、状態 0 で終了するため、NetBackup スケジューラはこのクライアントを再試行しません。 バックアップスクリプトがセカンダリで実行され、プライマリが停止している場合は、RMAN を起動し、バックアップを実行します。 プライマリへの tnsping またはデータベースの問い合わせを中心にスクリプトをカスタマイズできます。 このカスタマイズを利用して、他のインスタンスが開いていてバックアップを実行できるかどうかを確認することができます。
$ select INST_ID, STATUS, STARTUP_TIME, HOST_NAME from gv$instance; INST_ID STATUS STARTUP_T HOST_NAM ---------- ------------ --------- --------- 1 OPEN 13-JAN-09 vipname1 2 OPEN 13-JAN-09 vipname2
バックアップスクリプトは、NB_ORA_CLIENT の単一値を送信するように構成してはなりません。 この構成では、NetBackup メディアサーバーは、ユーザー主導バックアップ要求を出したホストに応じて正しいホストにコネクトバックする必要があるためです。
次の 3 つのオプションの 1 つを使用して、ホスト固有のクライアント名に各バックアップ要求を入力するようにバックアップを構成します。
特定のチャネルを特定のインスタンスにバインドし、バックアップイメージのストレージに各チャネルで関連付けられたクライアント名を提供するように RMAN を構成します。 また、RMAN をデータ転送の要求元ホストにコネクトバックするように構成します。
ALLOCATE CHANNEL 1 ... PARMS='ENV=(NB_ORA_CLIENT=vipname1)' CONNECT='sys/passwd@vipname1'; ALLOCATE CHANNEL 2 ... PARMS='ENV=(NB_ORA_CLIENT=vipname2)' CONNECT='sys/passwd@vipname2'; ALLOCATE CHANNEL 3 ... PARMS='ENV=(NB_ORA_CLIENT=vipname1)' CONNECT='sys/passwd@vipname1'; ALLOCATE CHANNEL 4 ... PARMS='ENV=(NB_ORA_CLIENT=vipname2)' CONNECT='sys/passwd@vipname2';
メモ:
これらのノードの 1 つ以上が停止した場合は、これらの割り当て操作が失敗し、バックアップは失敗します。
あるいは、特定ホストに特定のチャネルをバインドするように Oracle を構成します。
CONFIGURE CHANNEL 1 DEVICE TYPE 'SBT_TAPE' CONNECT 'sys/passwd@vipname1' PARMS "ENV=(NB_ORA_CLIENT=vipname1)"; CONFIGURE CHANNEL 2 DEVICE TYPE 'SBT_TAPE' CONNECT 'sys/passwd@vipname2' PARMS "ENV=(NB_ORA_CLIENT=vipname2)"; CONFIGURE CHANNEL 3 DEVICE TYPE 'SBT_TAPE' CONNECT 'sys/passwd@vipname1' PARMS "ENV=(NB_ORA_CLIENT=vipname1)"; CONFIGURE CHANNEL 4 DEVICE TYPE 'SBT_TAPE' CONNECT 'sys/passwd@vipname2' PARMS "ENV=(NB_ORA_CLIENT=vipname2)";
また、デフォルトで、バックアップはクライアント名を使用します。この名前は各ホストで異なり、通常は物理ホスト名です。
バックアップイメージすべてへの物理ホスト名アクセスが可能になるように、NetBackup マスターサーバーを構成します。
cd /usr/opnv/netbackup/db/altnames echo "hostname1" >> hostname1 echo "vipname1" >> hostname1 echo "hostname2" >> hostname1 echo "vipname2" >> hostname1 cp hostname1 hostname2
優先ネットワークまたは別の手段を使用して、NetBackup で強制的に アウトバウンドのユーザー主導要求に関連した IP アドレスを使用するように設定することができます。 この方法を使う場合は、IP 名ですべてのバックアップイメージにアクセスできるようにする必要があります。
cd /usr/openv/netbackup/db/altnames cp hostname1 vipname1 cp hostname1 vipname2
最終的に、バックアップスクリプトが現在アクティブなすべてのホストに対して実行されますが、RMAN は 1 つのホストでのみ開始されます。RMAN は、負荷分散対象のホスト間でチャネルを割り当てます。ユーザー主導バックアップ要求には、要求元ホストに固有の NB_ORA_CLIENT または CLIENT_NAME が含まれ、これはポリシーに一致します。データ転送のコネクトバックとバックアップイメージは、その名前で保存されます。
どちらかのクライアントがリストアを開始できます。RMAN は、バックアップを実行した適切なインスタンスホストのバックアップセットピースを要求するように、「 AUTOLOCATE ON;」を設定して構成する必要があります。また、各リストア要求を正しいクライアント名を含むように設定すれば、ホストまたはインスタンスからリストアできます。 この名前はバックアップピースがストレージに転送されるときに使われるクライアント名です。
SEND 'NB_ORA_CLIENT=client_name_used_by_backup';