Enterprise Vault™ インストール/設定
- このマニュアルについて
- 第 I 部 Enterprise Vault の必要条件
- Enterprise Vault ハードウェアの必要条件
- Enterprise Vault サーバーのハードウェアの必要条件
- Enterprise Vault のストレージの必要条件について
- Enterprise Vault の必要なソフトウェアとその設定
- Operations Manager の追加必要条件
- 分類の追加必要条件
- Enterprise Vault Reporting の追加必要条件
- Exchange Server アーカイブの追加必要条件
- Exchange Server アーカイブのインストール前のタスク
- Exchange Server アーカイブでの Enterprise Vault クライアントアクセス
- Domino サーバーアーカイブの追加必要条件
- Domino メールボックスアーカイブの要件
- Domino ジャーナルアーカイブの必要条件
- ファイルシステムアーカイブ (FSA) の追加必要条件
- SharePoint サーバーアーカイブの追加必要条件
- Skype for Business アーカイブの追加必要条件
- SMTP アーカイブの追加必要条件
- Enterprise Vault 検索の追加必要条件
- スタンドアロンの Enterprise Vault 管理コンソールの追加必要条件
- アーカイブディスカバリ検索サービスの追加必要条件
- シングルサインオンの追加必要条件
- Enterprise Vault ハードウェアの必要条件
- 第 II 部 Enterprise Vault のインストール
- 第 III 部 Enterprise Vault の設定
- Enterprise Vault の構成について
- Enterprise Vault 設定ウィザードの実行
- Enterprise Vault Web Access コンポーネントのセキュリティ保護
- Enterprise Vault 開始ウィザードの実行
- Enterprise Vault 開始ウィザードのエクスプレスモードとカスタムモードについて
- Enterprise Vault Operations Manager の設定
- アーカイブディスカバリ検索サービスの設定
- 第 IV 部 Enterprise Vault の初期設定
- Enterprise Vault の初期設定
- ストレージの設定
- インデックスの場所の設定
- インデックスサーバーグループの設定
- サイトのデフォルト設定のレビュー
- Enterprise Vault 検索の設定
- Enterprise Vault による検索用のプロビジョニンググループの設定
- Enterprise Vault Search に対するユーザーのブラウザの構成
- Enterprise Vault 検索モバイル版の設定
- メタデータストアの管理
- 第 V 部 VCS による Enterprise Vault のクラスタ化
- VCS によるクラスタ化の概要
- Storage Foundation HA for Windows のインストールと設定
- Enterprise Vault の VCS サービスグループの設定
- Enterprise Vault 設定ウィザードの実行
- Enterprise Vault での SFW HA-VVR のディザスタリカバリソリューションの実装
- VCS によるクラスタ化のトラブルシューティング
- 第 VI 部 Windows Server フェールオーバークラスタリングでの Enterprise Vault のクラスタ化
- Windows Server フェールオーバークラスタリングでのクラスタ化の概要
- Windows Server フェールオーバークラスタリングでのクラスタ化の準備
- Windows Server フェールオーバークラスタでの Enterprise Vault の設定
- Windows Server フェールオーバークラスタをサポートする新しい Enterprise Vault インストール済み環境を設定する方法
- 既存の Enterprise Vault インストール済み環境の Windows Server フェールオーバークラスタへの変換
- 既存の Enterprise Vault クラスタの修正
- Windows Server フェールオーバークラスタリングによるクラスタ化のトラブルシューティング
- 付録 A. Enterprise Vault サーバーを自動的に準備する
Enterprise Vault の単一インスタンスストレージについて
Enterprise Vault の最適化された単一インスタンスストレージを使うと、アーカイブ済みアイテムに必要なストレージ領域を大幅に削減できます。Enterprise Vault はメッセージの添付ファイルやドキュメントの内容というようなアイテムの共有可能なパーツ (SIS パーツ) を識別します。各 SIS パーツは共有境界内に個別に 1 回のみ格納されます。共有境界は、ボルトストアグループにある 1 つ以上のボルトストアを含むことができます。Enterprise Vault は、対象ボルトストアの共有境界にすでに格納した SIS パーツを識別するとき、SIS パーツを再度アーカイブする代わりに、格納済みの SIS パーツを参照します。
Enterprise Vault は、SIS パーツに最小サイズのしきい値を適用します。Enterprise Vault はサイズしきい値によって、想定されるストレージ節約量と、SIS パーツの作成、アーカイブ、取り込みに必要なリソースとのバランスをとることができます。
Enterprise Vault の単一インスタンスストレージは、次の複数の方法でストレージ領域を節約できます。
Enterprise Vault は、共有境界内のすべてのボルトストア間で SIS パーツを共有します。たとえば、ジャーナルとメールボックスアーカイブに個別のボルトストアを使う場合、Enterprise Vault は、ボルトストア間で SIS パーツを共有できます。
同じ添付ファイルのある多数のメッセージを複数の受信者に個別に送信する場合、Enterprise Vault は、添付ファイルを 1 回のみ共有境界内に格納します。
Enterprise Vault は SIS パーツを、ファイル名からではなく、内容から識別します。2 つのメッセージに、同じ添付ファイルが添付されている場合、これらのファイル名が異なっていても、Enterprise Vault は添付ファイルを共有できます。
Enterprise Vault は、ファイルサーバーにファイルとしても格納される Exchange メッセージの添付ファイルなど、種類が異なるアーカイブから発生する同一の SIS パーツを共有できます。
新しいボルトストアは、単一インスタンスストレージをデフォルトで使い、その中でアーカイブされたアイテムの SIS パーツのみを共有します。必要に応じて、ボルトストアグループで共有を設定ウィザードを実行して、ボルトストア間の共有を拡張したり、Enterprise Vault の単一インスタンスストレージを無効にすることができます。
次の点に注意してください。
Dell EMC Centera デバイス上のパーティション。アイテムが、Dell EMC Centera デバイス上でホストされているパーティションに格納されている場合、Enterprise Vault の単一インスタンスストレージは実行されません。Enterprise Vault には、Centera デバイスの共有機能を利用するために、個別のデバイスレベル共有オプションが用意されています。
Centera のデバイスレベル共有についてを参照してください。
スマートパーティション。Enterprise Vault は、同じスマートパーティション内のアイテム間で SIS パーツを共有しますが、スマートパーティションとその他のパーティション間では SIS パーツを共有しません。
たとえば、2 人の従業員が、添付ファイルを含む同じ電子メールを受信するとします。コンプライアンス上の理由から、Enterprise Vault では 1 人の従業員の電子メールがスマートパーティションにアーカイブされ、もう 1 人の従業員の電子メールが標準のボルトストアパーティションにアーカイブされます。電子メールとその添付ファイルが最初に標準パーティションにアーカイブされると、その後電子メールがスマートパーティションにアーカイブされるとき、通常添付ファイルは再度アーカイブされません。これは、スマートパーティション上のデータが完全には適合しなくなることを意味します。ただし、この場合 Enterprise Vault では電子メールと添付ファイルの両方が再度アーカイブされます。