NetBackup™ ログリファレンスガイド
- ログの使用
- バックアッププロセスおよびログ記録
- メディア、デバイスプロセスおよびログ記録
- リストアプロセスおよびログ記録
- 高度なバックアップおよびリストア機能
- ストレージのログ記録
- NetBackup 重複排除ログ
- OpenStorage Technology (OST) のログ記録
- SLP (Storage Lifecycle Policy) および自動イメージレプリケーション (A.I.R.) のログ記録
- NetBackup の安全な通信のログ記録
- スナップショット技術
- ログの場所
- NetBackup 管理コンソールのログ記録
- ログアシスタントの使用
VMware バックアップ
VMware バックアップ操作の基本的な処理手順は次のとおりです。
- Policy Execution Manager (nbpem) は、ポリシー、スケジュール、仮想マシンが実行予定時間になり、バックアップ処理時間帯が始まるとバックアップジョブをトリガします。バックアップ操作のnbpem プロセス、Job Manager (nbjm)、Resource Broker (nbrb)、Enterprise Media Manager (nbemm)はともにリソース (メディアサーバー、ストレージユニットなど) を識別します。
- VMware インテリジェントポリシー (VIP) の場合は、vSphere 環境で使う VMware リソースをスロットルできます。たとえば、vSphere データストアからリソースで実行する並行バックアップジョブを 4 つに制限できます。この制御レベルで、vSphere プラットフォームのユーザーとアプリケーションのエクスペリエンスに与える影響が最小になるようにバックアップ数を調整します。
- nbpem は nbjm を使って、選択したメディアサーバーに接続してこのサーバーで Backup Restore Manager (bpbrm) を起動します。アクティビティモニターでスナップショットジョブ (親ジョブとも呼ばれる) がアクティブになります。
- nbjm はメディアサーバー上でクライアントサービス (bpbrm) を介して bpcd のインスタンスを開始します。bpbrm は、VMware バックアップホスト上でクライアントサービス (bpcd) を使用して、Frozen Image Snapshot (bpfis) のスナップショットを開始します。bpfis は、構成済みのクレデンシャルクレデンシャルサーバーに応じて vCenter または ESX ホストを使用することで、VM データのスナップショットを作成します。
vADP を搭載した bpfis は、クレデンシャルを NetBackup データベースに保存し、VM のスナップショットを開始する vSphere ホスト (vCenter) や ESX/ESXi ホストと接続します。VM が複数の場合は、bpbrm が各 VM の bpfis を開始してスナップショット操作を並行して実行できるようにします。ステップ 2 に示したように、NetBackup で VMware リソースの制限を設定することで VIP の並行スナップショット数を制御できます。bpfis は、標準の SSL ポート (デフォルトは 443) を使用することで vSphere ホストと通信します。
- bpfis は Request Manager (bprd) に接続して VMware バックアップホストからプライマリサーバーに bpfis 状態ファイルの転送を要求します。
- bprd は、bpfis 状態ファイルのリストを送信するように、VMware バックアップホストの bpcd に要求します。bprd は、各状態ファイルを VMware バックアップホストからプライマリサーバーにコピーします。
- bpfis は、スナップショット情報と完了状態を bpbrm に送信します。bpbrm は、スナップショット情報と状態を nbjm にレポートします。nbjm から nbpem にその情報および状態が送信されます。
- nbpem によって、スナップショット情報から生成されたファイルリストとともに、バックアップの子ジョブが nbjm に送信されます。nbjm は bpbrm を開始してスナップショットをバックアップします。
- bpbrm は bpcd を使って VMware バックアップホストの bpbkar を開始します。
- Backup Archive Manager (bpbkar) が、VDDK (VMware Disk Development Kit) の API をロードする VxMS (Veritas Mapping Service) をロードします。vSphere データストアから読み込む場合は API を使います。VxMS は実行時にストリームをマッピングし、vmdk ファイルの内容を識別します。bpbkar は VxMS を使用してファイルカタログ情報を bpbrm に送信し、ここを中継してプライマリサーバーのデータベースマネージャ bpdbm にこの情報を送信します。
- bpbrm は、メディアサーバーでプロセス bptm (親) の起動も行います。
次に、VxMS で実行する Veritas V-Ray 操作を示します。
VxMS 内で Veritas V-Ray を使うと、 Windows と Linux 両方の VM から VMDK 内のファイルすべてのカタログを生成します。この操作は、バックアップデータのストリーム処理中に実行されます。メディアサーバーの bpbrm では、このカタログ情報がプライマリサーバーに送信されます。
ファイルシステムの i ノードレベルは未使用ブロックと削除済みブロックも識別します。たとえば、 VM のアプリケーションが現在 100 GB のみ使用中のファイルに 1 TB の領域を割り当てると、バックアップストリームにはその 100 GB のみが含まれます。同様に、以前完全に割り当てた 1 TB のファイルを削除すると、VxMS はバックアップストリームの削除済みブロックをスキップします (このブロックを新しいファイルに割り当てない場合)。この最適化はバックアップストリームを高速化するだけでなく、重複排除が無効でも必要なストレージを削減します。
バックアップ元の重複排除機能が有効になっている場合には、VMware バックアップホストは重複排除します。NetBackup 重複排除プラグインは VxMS が VMDK 内部のファイルシステムで実際のファイルを生成し、参照するマップ情報を使います。この V-Ray ビジョンは VxMS マップ情報を把握する専用のストリームハンドラをロードする NetBackup 重複排除プラグインによって確立されます。
これらの操作は VMware バックアップホストで行うので、ESX リソースと VM リソースは使いません。この設定は実働 vSphere に負荷をかけない真のオフホストバックアップです。バックアップ元の重複排除もオフホストシステムで行われます。
- メディアサーバーが VMware バックアップホストの場合には、bpbkar はメディアサーバーで共有メモリのスナップショットベースのイメージをブロックごとに格納します。メディアサーバーがメディアサーバー以外の別の VMware バックアップホストのバックアップを作成する場合は、サーバーの bptm プロセスはそれ自身の子プロセスを作成します。子はソケット通信を使って VMware バックアップホストからスナップショットベースのイメージを受信して共有メモリにイメージをブロック別に格納します。
- 元の Tape Manager (bptm) プロセスは、共有メモリからバックアップイメージを取り出してストレージデバイス (ディスクまたはテープ) に送信します。
- bptm は bpbrm にバックアップの完了状態を送信し、bpbrm から nbjmと nbpem に完了状態が渡されます。
- nbpem は、スナップショットを削除するよう nbjm に通知します。nbjm は、メディアサーバーで bpbrm の新しいインスタンスを起動し、bpbrm は、VMware バックアップホストで bpfis の新しいインスタンスを起動します。bpfis は、vSphere 環境のスナップショットを削除します。bpfis と bpbrm は状態を報告して終了します。