NetBackup™ ログリファレンスガイド

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Product(s): NetBackup (10.2)
  1. ログの使用
    1.  
      ログ記録について
    2.  
      ログレベル
    3.  
      ログの保持とログサイズ
    4. ログレベルの変更
      1.  
        Media Manager のデバッグログを上位レベルに設定する
      2.  
        Windows クライアントのログレベルの変更
    5. 統合ログについて
      1.  
        NetBackup の統合ログの収集
      2.  
        統合ログメッセージの種類
      3.  
        統合ログのファイル名の形式
      4.  
        統合ログを使うエンティティのオリジネータ ID
      5.  
        統合ログファイルの場所の変更について
      6.  
        統合ログファイルのロールオーバーについて
      7.  
        統合ログファイルの再利用について
      8.  
        vxlogview コマンドを使用した統合ログの表示について
      9.  
        vxlogview を使用した統合ログの表示の例
      10.  
        vxlogmgr を使用した統合ログの管理の例
      11.  
        vxlogcfg を使用した統合ログの設定の例
      12.  
        統合ログのアクセス設定
    6. レガシーログについて
      1.  
        レガシーログを使う UNIX クライアントプロセス
      2.  
        レガシーログを使う PC クライアントプロセス
      3.  
        レガシーログのファイル名の形式
      4.  
        サーバーのレガシーデバッグログのディレクトリ名
      5.  
        メディアおよびデバイス管理のレガシーデバッグログのディレクトリ名
      6.  
        レガシーログファイルに書き込まれる情報量を制御する方法
      7.  
        レガシーログのサイズと保持の制限
      8.  
        レガシーログのアクセス設定
    7.  
      クライアントのログの保持制限の設定
    8.  
      syslogd を使用した UNIX のログ記録
    9.  
      Windows のイベントビューアのログオプション
  2. バックアッププロセスおよびログ記録
    1.  
      バックアップ処理
    2. NetBackup プロセスの説明
      1.  
        バックアップとリストアの起動プロセス
      2.  
        バックアップ処理およびアーカイブ処理
      3.  
        バックアップおよびアーカイブ: UNIX クライアントの場合
      4.  
        多重化されたバックアップ処理
    3.  
      バックアップログについて
    4.  
      テクニカルサポートへのバックアップログの送信
  3. メディア、デバイスプロセスおよびログ記録
    1.  
      メディアおよびデバイスの管理の開始プロセス
    2.  
      メディアおよびデバイスの管理プロセス
    3.  
      Shared Storage Option の管理プロセス
    4.  
      バーコード操作
    5.  
      メディアおよびデバイスの管理コンポーネント
  4. リストアプロセスおよびログ記録
    1.  
      リストアプロセス
    2.  
      UNIX クライアントのリストア
    3.  
      Windows クライアントのリストア
    4.  
      リストアログについて
    5.  
      テクニカルサポートへのリストアログの送信
  5. 高度なバックアップおよびリストア機能
    1.  
      SAN クライアントファイバートランスポートのバックアップ
    2.  
      SAN クライアントファイバートランスポートのリストア
    3.  
      ホットカタログバックアップ
    4.  
      ホットカタログのリストア
    5. 合成バックアップ
      1.  
        合成バックアップの問題レポートに必要なログ
      2.  
        合成バックアップの問題レポートに必要なレガシーログディレクトリの作成
  6. ストレージのログ記録
    1.  
      NDMP バックアップのログ記録
    2.  
      NDMP リストアログ記録
  7. NetBackup 重複排除ログ
    1.  
      メディアサーバー重複排除プール (MSDP) への重複排除のバックアップ処理
    2.  
      クライアント重複排除のログ
    3.  
      重複排除の設定ログ
    4.  
      ユニバーサル共有のログ
    5.  
      メディアサーバーの重複排除のログ記録と pdplugin ログ記録
    6.  
      ディスク監視のログ記録
    7.  
      ログ記録のキーワード
  8. OpenStorage Technology (OST) のログ記録
    1.  
      OpenStorage Technology (OST) バックアップのログ記録
    2.  
      OpenStorage Technology (OST) の構成と管理
  9. SLP (Storage Lifecycle Policy) および自動イメージレプリケーション (A.I.R.) のログ記録
    1.  
      ストレージライフサイクルポリシー (SLP) と自動イメージレプリケーション (A.I.R.) について
    2.  
      ストレージライフサイクルポリシー (SLP) 複製プロセスフロー
    3.  
      自動イメージレプリケーション (A.I.R.) のプロセスフローのログ記録
    4.  
      インポートのプロセスフロー
    5.  
      SLP および A.I.R. のログ記録
    6.  
      SLP の構成と管理
  10. NetBackup の安全な通信のログ記録
    1.  
      NetBackup の安全な通信ログ記録について
    2.  
      Tomcat のログ記録
    3.  
      NetBackup Web サービスのログ記録
    4.  
      コマンドラインのログ記録
    5.  
      NetBackup cURL のログ記録
    6.  
      Java のログ記録
    7.  
      埋め込み認証クライアント (EAT) のログ記録
    8.  
      認証サービス (AT) のログ記録
    9.  
      vssat のログ記録
    10. NetBackup プロキシヘルパーのログ記録
      1.  
        オリジネータ ID 486
    11. NetBackup プロキシトンネルのログ記録
      1.  
        オリジネータ ID 490
    12.  
      PBX のログ
    13.  
      Veritas テクニカルサポートへの安全な通信のログの送信
  11. スナップショット技術
    1.  
      Snapshot Client のバックアップ
    2.  
      VMware バックアップ
    3.  
      スナップショットバックアップおよび Windows Open File Backup
  12. ログの場所
    1.  
      NetBackup ログの場所とプロセスの概要
    2.  
      acsssi のログ
    3.  
      bpbackup のログ
    4.  
      bpbkar のログ
    5.  
      bpbrm のログ
    6.  
      bpcd のログ
    7.  
      bpcompatd のログ
    8.  
      bpdbm のログ
    9.  
      bpjobd のログ
    10.  
      bprd のログ
    11.  
      bprestore のログ
    12.  
      bptestnetconn ログ
    13.  
      bptm のログ
    14.  
      daemon のログ
    15.  
      ltid のログ
    16.  
      nbemm のログ
    17.  
      nbjm のログ
    18.  
      nbpem のログ
    19.  
      nbproxy のログ
    20.  
      nbrb のログ
    21.  
      NetBackup Vault のログ
    22.  
      NetBackup Web サービスのログ記録
    23.  
      NetBackup Web サーバー証明書のログ記録
    24.  
      PBX のログ
    25.  
      reqlib のログ
    26.  
      robots のログ
    27.  
      tar ログ
    28.  
      txxd および txxcd のログ
    29.  
      vnetd のログ
  13. NetBackup 管理コンソールのログ記録
    1.  
      NetBackup 管理コンソールのログ記録プロセスフロー
    2.  
      NetBackup 管理コンソールの詳細なデバッグログの有効化
    3.  
      NetBackup 管理コンソールと bpjava-* 間のセキュアなチャネルの設定
    4.  
      NetBackup 管理コンソールと nbsl または nbvault 間におけるセキュアなチャネルの設定
    5.  
      NetBackup サーバーとクライアントでの NetBackup 管理コンソールのログ記録に関する設定
    6.  
      NetBackup リモート管理コンソールの Java 操作のログ記録
    7.  
      NetBackup 管理コンソールの問題をトラブルシューティングするときのログの設定と収集
    8.  
      ログ記録を元に戻す操作
  14. ログアシスタントの使用
    1.  
      ログアシスタントについて
    2.  
      ログアシスタントの操作シーケンス
    3.  
      ログアシスタントレコードの表示
    4.  
      ログアシスタントレコードの追加または削除
    5.  
      デバッグログの設定
    6.  
      最小デバッグログの設定
    7.  
      デバッグログの無効化

合成バックアップ

NetBackup の典型的なバックアップ処理では、クライアントにアクセスしてバックアップを作成します。合成バックアップとは、クライアントを使用せずに作成されたバックアップイメージのことです。合成バックアップ処理では、クライアントを使用する代わりに、コンポーネントイメージと呼ばれる、以前に作成したバックアップイメージを使用して完全イメージまたは累積増分イメージが作成されます。

メモ:

合成アーカイブは存在しません。

たとえば、既存の完全イメージとその後の差分増分イメージを合成して、新しい完全イメージを作成できます。以前の完全イメージと増分イメージが、コンポーネントイメージです。新しく作成された合成完全イメージは、従来の処理で作成されたバックアップと同様に動作します。またこの合成完全イメージは、最新の増分と同時期のクライアントのバックアップになります。合成イメージは、ファイルを含む最新のコンポーネントイメージから各ファイルの最新バージョンをコピーすることによって作成されます。合成バックアップは[True Image Restore]と[移動検出 (Move Detection)]オプションを選択したポリシーを使用して作成する必要があります。このオプションによって、クライアントのファイルシステムから削除されたファイルが、合成バックアップに表示されないようにできます。

従来のバックアップのように、nbpem は合成バックアップを開始します。これは nbjm に要求を送信して合成バックアップを開始し、その後で nbjm がプライマリサーバー上で動作する bpsynth を開始します。合成バックアップイメージの作成が制御され、コンポーネントイメージからの必要なファイルの読み込みが制御されます。デバッグログディレクトリに bpsynth というディレクトリが存在する場合、追加のデバッグログメッセージは、このディレクトリ内のログファイルに書き込まれます。

bpsynth では、複数のフェーズで合成イメージを作成します。

表:

フェーズ

説明

1 - カタログ情報とエクステントの準備

フェーズ 1 では、bpsynth はデータベースマネージャ bpdbm の合成バックアップ要求を作ります。bpsynth はコンポーネントイメージカタログのエントリと TIR 情報を使用して新しい合成イメージのカタログを構築します。また、コンポーネントイメージから合成イメージにコピーされるエクステントも作成されます。bpdbm サービスは bpsynth にエクステントのリストを返します。(エクステントは、開始ブロック番号と、特定のコンポーネントイメージ内の連続したブロック数を示します)。エクステントのセットは、通常、新しい合成イメージに各コンポーネントイメージからコピーされます。

次の図に、フェーズ 1 の動作を示します。

2 - リソースの取得

フェーズ 2 では、bpsynth が新しいイメージの書き込みリソース (ストレージユニット、ドライブ、メディア) が取得されます。また、コンポーネントイメージが含まれるすべての読み込みメディアが予約され、最初に読み込むメディア用のドライブが取得されます。

コンポーネントイメージが BasicDisk に存在する場合、リソースの予約は行われません。

3 - データのコピー

フェーズ 3 では、bpsynth がメディアサーバー上で (テープとディスクの) ライター bptm を開始して新しい合成イメージを書き込みます。また、リーダー bptm (テープ用) またはbpdm (ディスク用) 処理も開始します。リーダープロセスによって、コンポーネントイメージのすべてのエクステントが読み込まれます。

次の図に、フェーズ 3 の動作を示します。

bpsynth によってメディアサーバー上で起動されるのは、bptm (ライター) および bpdm (リーダー) の親プロセスだけです。その後、親プロセスによって子プロセスが起動されます。親と子のプロセス間の通信は、共有メモリのバッファを介して行われます。

bpsynth プロセスによって、各コンポーネントイメージのエクステント (開始ブロックおよび数) が、対応する bptm または bpdm リーダーの子プロセスに送信されます。

bptm または bpdm リーダーの親プロセスによって、適切なメディアから共有バッファにデータが読み込まれます。bptm または bpdm リーダーの子プロセスによって、共有バッファにあるデータが、ソケットを介して bptm ライターの子プロセスに送信されます。bptm ライターの子プロセスによって、データが共有バッファに書き込まれます。bptm ライターの親プロセスによって、共有バッファからメディアにデータがコピーされ、bpsynth に、合成イメージの作成が完了したことが通知されます。

4 - イメージの検証

フェーズ 4 では、bpsynth プロセスによってイメージの妥当性がチェックされます。これで、新しいイメージが NetBackup で認識されるようになり、他の完全バックアップまたは累積増分バックアップと同様に使用できます。

合成バックアップには、移動検出機能を使った True Image Restore (TIR) が各コンポーネントイメージで選択されることと、コンポーネントイメージが合成イメージであることが必要です。