NetBackup™ ログリファレンスガイド
- ログの使用
- バックアッププロセスおよびログ記録
- メディア、デバイスプロセスおよびログ記録
- リストアプロセスおよびログ記録
- 高度なバックアップおよびリストア機能
- ストレージのログ記録
- NetBackup 重複排除ログ
- OpenStorage Technology (OST) のログ記録
- SLP (Storage Lifecycle Policy) および自動イメージレプリケーション (A.I.R.) のログ記録
- NetBackup の安全な通信のログ記録
- スナップショット技術
- ログの場所
- NetBackup 管理コンソールのログ記録
- ログアシスタントの使用
SAN クライアントファイバートランスポートのバックアップ
次に、SAN クライアントのバックアッププロセスを示します。
SAN クライアントの機能によって、ディスクへのバックアップ時に、NetBackup メディアサーバーと SAN 接続された NetBackup クライアントとの間でデータを高速に移動できます。バックアップデータは、SAN 接続されたクライアントからメディアサーバーへ、ファイバーチャネル接続を使用して送信されます。
FSM (FT Service Manager) は、SAN クライアントの一部としてプライマリサーバー内に存在するドメインレイヤーサービスです。FSM は、SAN クライアントリソースの検出、構成、イベントの監視を行います。FSM はクライアントとメディアサーバーからファイバーチャネル情報を収集し、NetBackup データベース (NBDB) に情報をポピュレートします。FSM は NBDB のサブプロセスとして動作して NBDB のログにログメッセージを書き込みます。FSM は、nbftclnt クライアント上の NetBackup プロセスやメディアサーバー上の nbftsrvr プロセスと相互作用します。
SAN クライアントのバックアッププロセスの処理手順は次のとおりです。
SAN クライアントのバックアップ手順
- NetBackup プライマリサーバーまたはプライマリクライアントがバックアップを開始します。NetBackup Request デーモン (bprd) は、NetBackup Policy Execution Manager (nbpem) にバックアップ要求を送信します。nbpem はポリシー構成を処理します。
nbpem、nbjm、nbrb、nbemm など、その他のすべてのデーモンおよびプログラムは、必要に応じて起動されます。
- Policy Execution Manager サービス (nbpem) によって、次の操作が実行されます。
bpdbm からポリシーリストが取得されます。
スケジュールが設定されたすべてのジョブの作業リストが作成されます。
各ジョブの実行時間が計算されます。
実行時間の順に作業リストがソートされます。
その時点における実行予定のすべてのジョブが nbjm に送信されます。
次の実行ジョブに対して呼び起こしタイマーが設定されます。
ジョブが終了すると、次のジョブの実行予定時刻が再計算され、その時点における実行予定のすべてのジョブが nbjm に送信されます。
- Job Manager サービス (nbjm) は Resource Broker (nbrb) からバックアップリソースを要求します。これにより、nbrb から SAN クライアント用の共有メモリの使用に関する情報が返されます。
- nbjm サービスはクライアントデーモン bpcd を使って Backup Restore Manager bpbrm を開始し、バックアップを開始します。
- bpbrm サービスは bptm を開始します。これにより次が実行されます。
- bpbrm サービスは bpcd を使用して bpbkar を起動し、次を実行します。
BID ファイルから共有メモリ情報が読み込まれます (ファイルが利用可能になるまで待機します)。
bpbrm にイメージ内のファイル情報を送信します。
bpbkar にファイルデータを書き込み、必要に応じて圧縮して共有バッファにデータを書き込みます。
バッファがいっぱいのときやジョブが完了したときは、バッファにフラグを設定します。
- FT クライアントプロセス (nbftclnt) は、共有メモリバッファのフラグが設定されるのを待ちます。その後、イメージデータを FT サーバー (nbftsrvr) の共有メモリバッファに転送し、バッファフラグを消去します。
- nbftsrvr サービスは nbftclnt からのデータを待ち、共有メモリバッファに書き込まれたデータを書き込みます。転送が完了すると、nbftsrvr によってバッファにフラグが設定されます。
- bptm は、共有メモリバッファのフラグが設定されるまで待機します。フラグが設定されると、バッファのデータがストレージデバイスに書き込まれ、バッファのフラグがクリアされます。
- ジョブの最後に、次の処理が実行されます。
bpbkar は bpbrm および bptm にジョブが完了したことを通知します。
bptm は bpbrm にデータ書き込みの最終状態を送信します。
bptm から nbftclnt に対して、ファイバーチャネル接続のクローズが要求されます。
nbftclntによってファイバーチャネル接続がクローズされ、BID ファイルが削除されます。