Symantec NetBackup™ コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. NetBackup コマンド
名前
nbsu — NetBackup サポートユーティリティの実行
概要
nbsu [-c] [-d diag] [-debug] [-g diag_group] [-h] [-H] [-i] [-l] [-L] [-mm_e ###] [-nbu_down] [-nbu_e ###] [-no_nbu] [-nozip] [-odir destination_directory] [-r NBU_host_role] [-s diag_group] [-t] [-use_reg_cmd [32 | 64]] [-v] [-xml]
UNIX システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは /usr/openv/netbackup/bin/support/ です。
Windows システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは install_path\NetBackup\bin\support\
です。
機能説明
nbsu コマンドは、広範囲な診断情報を収集するSymantecのユーティリティです。デフォルトでは、nbsu を実行すると、オペレーティングシステムと NetBackup の環境に基づいて適切な診断情報が収集されます。様々なコマンドラインオプションを指定することで、必要に合わせてカスタマイズした診断情報を収集することができます。
必要ならば、バンドルされたサポートパッケージを作成します。nbsu を実行すると、次の nbsu および出力ディレクトリが作成されます。
/usr/openv/netbackup/bin/support/nbsu
/usr/openv/netbackup/bin/support/output/nbsu
テクニカルサポートから ######## 形式のケース ID が提供されている場合は、そのケース ID 番号を使ってログファイルを保存します。それらのファイルを手動でベリタスの証拠サーバーにアップロードします。詳しくは以下の URL を参照してください。
前提条件
nbsu コマンドを使用するには、次の項目が必要です。
-no_nbu コマンドラインオプションを使うと、NetBackup がインストールされていなくても nbsu を実行できます。
nbsu でサポートパッケージを作成する必要がある場合は、$PATH (UNIX) 環境変数に tar および gzip プログラムへのパスを含める必要があります。gzip が利用可能でない場合、ユーティリティは圧縮プログラムが利用可能であれば使います。
NetBackup またはメディアマネージャの診断を実行するには、適切なサービスまたはデーモンがマスターサーバーとメディアサーバーの環境で実行されている必要があります。
-nbu_down オプションを使って、NetBackup または Media Manager コマンドを使わない診断のみを選択します。
プログラムの使用方法
nbsu コマンドを使用してプログラミングを行う場合には、次の項目を考慮します。
コマンドラインオプションを指定せずに nbsu を実行すると、実行および情報収集に必要な診断がすべて選択されます。
nbsu によって選択された診断コマンドのリストを表示するには、nbsu に -l コマンドラインオプションを指定して実行します。
適切なコマンドラインオプションを次の条件に合わせて使用します。
個々の診断コマンド
関連する診断コマンドのグループ
関連する診断コマンドの構成またはトラブルシューティング
NetBackup または Media Manager の終了状態に関連する診断コマンド
個別の診断コマンドまたは関連する診断コマンドのグループを省略するには、-s コマンドラインオプションを使用します。
オプション
- -c
このオプションを指定すると、NetBackup 構成に関連するコマンドまたはプロシージャのみが実行されます。このオプションは、デフォルトの条件です。
- -d diag
このオプションを指定すると、指定した診断コマンドまたはプロシージャのみが実行されます。診断コマンドまたはプロシージャのリストを表示するには、nbsu に -l コマンドラインオプションを指定して実行します。複数の -d オプションを指定できます。次に例を示します。
-d OS_general -d OS_env
- -debug
このオプションを指定すると、nbsu がデバッグモードで実行されます。デバッグモードでは、追加のプログラム情報がファイルに出力されます。
- -g group_name
このオプションを指定すると、指定したグループ名に関連する診断コマンドまたはプロシージャのみが実行されます。診断グループには、OS、DEV、NET、NBU、MM があります。複数の -g オプションを指定できます。次に例を示します。
-g OS -g DEV
- -h
このオプションを指定すると、nbsu コマンドラインの簡易なヘルプ情報が表示されます。
- -H
このオプションを指定すると、nbsu コマンドラインの詳細なヘルプ情報が表示されます。
- -i
このオプションを指定すると、対話モードが選択されます。このオプションは、NetBackup セキュリティ管理者としてログオンする場合に指定します。
- -l
このオプションを指定すると、実行するように選択された診断コマンドが一覧表示されます。該当する診断コマンドまたはプロシージャを表示するには、その他のコマンドラインオプションとともに指定します。
- -L
このオプションを指定すると、nbsu 1.0 の診断およびコマンドがすべて表示されます。このオプションは、各診断の詳細レポートを標準出力 (STDOUT) に出力する場合に使用できます。選択条件および実行するコマンドが表示されます。
- -mm_e ###
このオプションを指定すると、Media Manager の終了状態に関連する診断コマンドまたはプロシージャのみが実行されます。複数の -mm_e オプションを指定できます。次に例を示します。
-mm_e 12 -mm_e 20
- -nbu_down
NetBackup または Media Manager コマンドを使用しない診断コマンドまたはプロシージャのみが実行されます。 このコマンドラインオプションでは、DEV、NET、OS 診断と、NetBackup および Media Manager の診断のサブセットが選択されます。
- -nbu_e ###
このオプションを指定すると、NetBackup の終了状態に関連する診断コマンドまたはプロシージャのみが実行されます。複数の -nbu_e オプションを指定できます。次に例を示します。
-nbu_e 25 -nbu_e 41
- -no_nbu
DEV、NET、OS 関連の診断のみを実行します。
- -nozip
このオプションを指定すると、出力ファイルが圧縮されません。
- -odir destination_directory
指定されたディレクトリに nbsu 診断出力をリダイレクトします。ディレクトリが存在しない場合は、nbsu がディレクトリの作成を試みます。ディレクトリパスに空白文字が含まれる場合、パスを識別するため先頭と末尾に二重引用符を使います。nbsu で、宛先ディレクトリのパス名にある無効な文字が簡単に確認されます。
- -r host_role
このオプションを指定すると、NetBackup ホストの役割に関連する診断コマンドまたはプロシージャのみが実行されます。ホストの役割パラメータには、次の略語を使用できます。
ma = マスターサーバー
me = メディアサーバー
d_me = ディスクメディアサーバー
t_me = テープメディアサーバー
cl = クライアント
emm = EMM サーバー
gdm = グローバルドメインマネージャ
rah = リモート管理ホスト
複数の -r オプションを指定できます。次に例を示します。
-r ma -r cl
- -s name
このオプションを指定すると、指定した診断コマンド、プロシージャまたはグループがスキップされます。診断コマンドまたはプロシージャのリストを表示するには、nbsu に -l コマンドラインオプションを指定して実行します。診断グループには OS、DEV、NET、NBU、MM があります。複数の -s オプションを指定できます。次に例を示します。
-s OS_general -s DEV
- -t
このオプションを指定すると、NetBackup のトラブルシューティングに関連する診断コマンドまたはプロシージャのみが実行されます。
- -use_reg_cmd [32 | 64]
このオプションは Windows システムでのみ動作します。
このオプションは、Reg.exe ユーティリティを使って Windows レジストリの問い合わせを実行できるようにします。このオプションが正しく機能するように、/reg:32 または /reg:64 コマンドラインパラメータをサポートするバージョンの Reg.exe がインストールされている必要があります。
- -v
このオプションを指定すると、nbsu の内部バージョンが出力されます。
- -xml
このオプションを指定すると、すべての nbsu 出力が 1 つの XML 形式ファイルに出力されます。
例
例 1 - NetBackup ノードで実行するために選択すべき診断を一覧表示します。
# nbsu -l
例 2 - 実行する個々の診断コマンドを選択します。結果のサポートバンドルは圧縮しないでください。
# nbsu -d NBU_version -nozip
例 3 - 実行する診断のネットワークグループを選択します。ただし、NET_etc_hosts 診断はスキップします。
# nbsu -g NET -s NET_etc_hosts
例 4 - NetBackup 終了状態コード 41 に関連付けられた診断を選択します。
# nbsu -nbu_e 41
例 5 - NetBackup ノード上のネットワーク診断グループおよびオペレーティングシステム診断グループに対して実行するために選択される診断を一覧表示します。
# nbsu -l -g NET -g OS
例 6 - 実行する個々の診断コマンドを選択します。結果のサポートバンドルは圧縮しません。
# nbsu -d NBU_version -nozip
例 7 - 実行する診断のネットワークおよびオペレーティングシステムグループを選択します。ただし、NET_dd 診断をスキップします。
# nbsu -g NET -s NET_dd -g OS
例 8 - NetBackup 終了状態コード 21、25 および 41 に関連付けられた診断を選択します。
# nbsu -nbu_e 21 -nbu_e 25 -nbu_e 41