Symantec NetBackup™ コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. NetBackup コマンド
名前
nbperfchk — ディスクアレイの読み込みおよび書き込みの速度を測定します。
概要
nbperfchk -i inputpath -o outputpath [-s filesize] [-syncend] [-bs buffersize]
UNIX システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは /usr/openv/netbackup/bin/support/ です。
Windows システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは install_path\NetBackup\bin\support\
です。
機能説明
nbperfchk コマンドはディスクアレイの読み込み速度と書き込み速度を測定します。重複排除データをホストするディスクの読み込み速度と書き込み速度をテストするために、このコマンドを使うことができます。たとえば、重複排除したデータをホストするディスクの速度を測定できます。
NetBackup メディアサーバーの重複排除プール (MSDP) では、メディアサーバーに接続されたディスクの速度を測定するためにこのコマンドを使います。メディアサーバーは、メディアサーバーと MSDP に対して Symantec がサポートしているすべてのオペレーティングシステムを実行できます。
メモ:
Symantec は、このコマンドを実行して結果を解釈するときは Symantec テクニカルサポートのスタッフメンバーと連携して作業することを推奨します。 Symantec は、重複排除の読み書き操作では、ディスクのパフォーマンスレベルを 130 MB/秒以上にすることをお勧めします。
nbperfchk ユーティリティではディスクにテストファイルを書き込み、そのテストファイルを再度読み込み、読み込操作の間に得られた読み込み速度を監視できます。nbperfchk の結果を使って、ReadBufferSize パラメータがバックアップ環境内で適切に設定されていることを確認できます。ReadBufferSize パラメータは、contentrouter.cfg ファイルの [CRDataStore] セクションに存在します。 このコマンドは次のように使用できます。
次のコマンドを使ってデータをディスクに書き込みます。
nbperfchk -i inputpath -o outputpath -s filesize -syncend
次のコマンドを使ってディスクからデータを読み取ります。
nbperfchk -i inputpath -o outputpath -bs buffersize
オプション
- -i inputpath
inputpath には入力ファイルのフルパスを指定します。nbperfchk コマンドはこのファイルを読み込み、このファイルがディスクに読み込まれるときの読み込み速度に関する情報を生成します。
たとえば、次のように指定して、/dev/zero からすべてがゼロ文字 (0x00) を含むファイルを読み込むことができます。
- -o outputpath
outputpath には、出力ファイルのフルパスを指定します。nbperfchk コマンドはこのファイルを作成します。
たとえば、書き込みの際に、作成する出力ファイルのパスを指定します。読み込み時に -o NULL を指定すると、生成されるすべての出力が破棄されます。
- -s filesize
filesize には、ご使用のコンピュータのメモリサイズとディスクアレイのボリュームの合計以上のファイルサイズを指定します。このサイズのファイルであれば、データがバッファではなく、ディスクに書き込まれることが保証されます。
- -syncend
syncend パラメータはバッファをフラッシュし、すべてのデータをディスクに書き込みます。
- -bs buffersize
buffersize には、nbperfchk の実行時に使われる読み込みバッファサイズを指定します。たとえば、64 k または 128 k を指定します。
手順
nbperfchk の結果を分析し、ReadBufferSize パラメータ設定を調整するには
- root ユーザー (UNIX の場合) または管理者 (Windows の場合) として、コンテンツルーターをホストするコンピュータにログインします。
NetBackup 環境では、メディアサーバーにログインします。
- テストディレクトリに変更します。
- 次の形式で nbperfchk コマンドを入力し、コンテンツルーターに大きいテストファイルを書き込みます。
nbperfchk -i inputpath -o outputpath -s filesize -syncend
たとえば、次のコマンドはすべてがゼロを含む 64 GB のデータファイルを e ドライブに書き込みます。
nbperfchk -i zero: -o e:\data1 -s 64g -syncend
- 次の形式で nbperfchk コマンドを入力してテストファイルを読み込み、nbperfchk 出力で速度を監視します。
nbperfchk -i inputpath -o NULL -bs buffersize
例 1 - 複数のバッファサイズを使用して複数の読み込み速度を監視するには、次の一連のコマンドを入力します。
nbperfchk -i e:\data1 -bs 64k -o NULL nbperfchk -i e:\data1 -bs 128k -o NULL nbperfchk -i e:\data1 -bs 256k -o NULL
例 2 - 次の nbperfchk コマンドはファイル data1 のデータを読み込み、1024 K のバッファサイズを使います。
C:\Users\administrator.mymediaserver\Desktop>nbperfchk -i e:\data1 -bs 1024k -o NULL 195 MB @ 65.3 MB/sec, 194 MB @ 64.9 MB/sec 295 MB @ 49.4 MB/sec, 100 MB @ 33.5 MB/sec 403 MB @ 44.8 MB/sec, 108 MB @ 35.8 MB/sec 505 MB @ 42.1 MB/sec, 102 MB @ 34.1 MB/sec 599 MB @ 40.0 MB/sec, 94 MB @ 31.3 MB/sec 705 MB @ 39.2 MB/sec, 106 MB @ 35.5 MB/sec 821 MB @ 39.2 MB/sec, 116 MB @ 38.8 MB/sec 943 MB @ 39.4 MB/sec, 122 MB @ 40.8 MB/sec 1024 MB @ 40.1 MB/sec
データを分析するときには以下を監視します。
左の 2 つの列は読み取られたデータの量と平均読み込み速度を示します。
最後の行は全体的な読み込み速度を示します。これは、指定したバッファサイズで行われる合計の読み込み速度を示すので、この出力の最も重要な行です。
右の 2 つの列は、それぞれの読み込みの最後の 3 秒間の平均読み込み速度を示します。これらの数が毎回劇的に変わらない限り、右の 2 つの列は無視できます。
- 読み込み速度を分析し、必要に応じて ReadBufferSize パラメータを調整します。
オペレーティングシステム、ディスク速度、および ReadBufferSize パラメータ設定はすべて、リストアおよび復元のパフォーマンスに影響します。
Symantec は、複数の nbperfchk コマンドを入力して毎回 -bs パラメータの引数サイズを大きくすることを推奨します。 手順 4 の例 1 で、この方法を示しています。-bs パラメータに常に増加する引数を入力できれば、おそらく contentrouter.cfg ファイルの[CRDataStore]セクションの ReadBufferSize パラメータのサイズを増加できます。
デフォルトでは、ReadBufferSize=65536、すなわち 64 K です。Symantec のテストでは、ReadBufferSize=1048576、つまり 1024 x 1024 (1M) にすると、ほとんどの Windows システムで良好なパフォーマンスが得られることが示されています。 また、Symantec のテストでは、ReadBufferSize=65536 (デフォルト) にするとほとんどの UNIX システムで良好なパフォーマンスが得られることが示されています。
NetBackup 構成ファイルの編集方法について詳しくは、NetBackup のマニュアルを参照してください。