Symantec NetBackup™ コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. NetBackup コマンド
名前
nbftconfig — ファイバートランスポート (FT) サーバーと SAN クライアントに関連付けられた属性の構成
概要
nbftconfig [-addclient] [-deleteclient] [-changeclient] [-rescanclient] [rescanallclients] [-listclients] [-addserver] [-deleteserver] [-changeserver] [-listservers] [-listactive] [-setconfig] [-getconfig] [-verbose] [-help]
nbftconfig -[ac]addclient -C client_name [-M master_server] [-ftpref preferred | always | never] [-ftwait minutes] [-ftrwait minutes]
nbftconfig -[dc]deleteclient -C client_name
nbftconfig -[cc]changeclient -C client_name {-ftpref preferred | always | never] [-ftwait minutes] [-ftrwait minutes] | -np number_of_ports}
nbftconfig -[rc]rescanclient client_name
nbftconfig -[ra]rescanallclients
nbftconfig -[lc]listclients [-verbose] [-C client_name | -Me media_server | -M master_server]
nbftconfig -[ds]deleteserver -Me media_server
nbftconfig -[cs]changeserver -Me media_server [-l connection_limit] [-state active | disabled]
nbftconfig -[ls]listservers [-Me media_server | -M master_server] [-verbose]
nbftconfig -[la]listactive [-C client_name | -Me media_server] [-verbose]
nbftconfig -[lt]listtargets [-Me media_server] [-verbose]
nbftconfig -setconfig [-M master_server] {-ftpref preferred | always | never [-ftwait minutes] [-ftrwait minutes] | -np number_of_ports [-ncp number_of_clients_per_target_port]}
nbftconfig -getconfig [-M master_server] [-verbose]
nbftconfig -option -help
UNIX システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは /usr/openv/netbackup/bin/admincmd/ です。
Windows システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは install_path\NetBackup\bin\admincmd\
です。
説明
nbftconfig は、ファイバートランスポート (FT) サーバーに関連付けられた属性を変更する NetBackup ユーティリティです。また、EMM データベース内に SAN クライアントエンティティを作成します。
nbftconfig は次の操作を実行します。
新しい SAN クライアントとその属性を EMM データベースに追加する。
既存の SAN クライアントレコードを変更する。
SAN クライアントを削除する。
新しい FT サーバーを追加する。
既存の FT サーバーレコードの属性を変更する。
データベース内で定義されている SAN クライアントを表示する。
データベース内で定義されている FT サーバーを表示する。
すべての有効なファイバーチャネル接続ごとに表示する。
FT メディアサーバーのターゲットポートの構成情報を表示する。
オプション
- -addclient
このオプションを指定すると、指定した SAN クライアントが EMM データベースに追加されます。通常、SAN クライアントは、クライアントに SAN クライアントコードをインストールすると自動的に検出されます。ただし、クライアントから EMM サーバーへの通知が失われた場合は、このコマンドを使用して手動でクライアントに追加する必要があります。このコマンドオプションでは、次の属性を設定できます。
- -C client_name
データベースに追加する SAN クライアントの名前を指定します。
- -M master_server
このオプションでは、指定したクライアントに関連付けられたマスターサーバーを指定します。このオプションを省略すると、ローカルクライアントのマスターサーバーが使用されます。
- -ftpref preferred | always | fail | never
メディアサーバーへのファイバーチャネル接続を、優先 (preferred) (デフォルト条件)、必須 (always)、不可 (never) のいずれかに設定します。指定しない場合は、マスターサーバーのデフォルトが使用されます。この値は、EMM サーバーのグローバル定義に従って、デフォルトで設定されます。次に、指定可能な -ftpref 値について説明します。
preferred。構成済みの待機時間 (分単位) 内に FT デバイスが利用可能な場合は、FT デバイスを使います。待機期間の経過後に FT デバイスが利用できない場合、NetBackup は LAN 接続を使用して操作を行います。また、このオプションを選択する場合は、バックアップおよびリストアの待機期間も指定します。
常時 (Always)。NetBackup は、SAN クライアントのバックアップとリストア用 FT デバイスを常に使い、FT デバイスが利用可能になるまで操作の開始を待機します。
失敗 (Fail)。NetBackup は、FT デバイスが起動していない場合やオンラインでない場合はジョブに失敗します。FT デバイスがオンラインであってもビジーの場合には、NetBackup はデバイスが利用可能になり、デバイスに次のジョブを割り当てるまで待機します。すべての FT デバイスが実行されていない、設定されていない、または SAN クライアントのライセンスが期限切れであるなどの理由で、FT デバイスが存在しない場合があります。
使用しない (Never)。NetBackup は、SAN クライアントのバックアップとリストアに FT パイプを使わず、バックアップとリストアに LAN 接続を使います。
マスターサーバーに[使用しない (Never)]を指定した場合にはファイバートランスポートは NetBackup 環境で無効になり、クライアントごとに FT 使用を設定できます。メディアサーバーに[使用しない (Never)]を指定すれば、ファイバートランスポートはメディアサーバーで無効になります。SAN クライアントに[使用しない (Never)]を指定すれば、ファイバートランスポートはクライアントで無効になります。
- -ftrwait minutes
リストアジョブが、標準ネットワーク接続を使用する前に、ファイバーチャネル接続の利用を待機する分数を定義します。このオプションは、ftpref が推奨 (preferred) に設定されている場合にのみ有効です。
- -ftwait minutes
バックアップジョブが、標準ネットワーク接続を使用する前に、ファイバーチャネル接続の利用を待機する分数を定義します。このオプションは、ftpref が推奨 (preferred) に設定されている場合にのみ有効です。
- -np number_of_ports
このオプションでは、1 つのメディアサーバーで同時に使用可能なクライアントポートの最大数を指定します。クライアントポートの最大数がゼロ (0) に設定されている場合は、すべてのポートが使用されます。デフォルトのクライアントポート数は 2 です。
- -deleteclient
このオプションを指定すると、指定したクライアントが EMM データベースから削除されます。このオプションでは、次の属性を指定することができます。
- -C client_name
このオプションでは、データベースから削除する SAN クライアントの名前を指定します。
- -changeclient
このオプションを指定すると、特定の SAN に関連付けられたオプションが変更されます。このコマンドオプションでは、次の属性を設定できます。
- -C client_name
データベースに追加する SAN クライアントの名前を指定します。
- -ftpref preferred | always | never
メディアサーバーへのファイバーチャネル接続が、推奨 (preferred)、必須 (always) または不可 (never) のいずれかに設定されます。指定しない場合は、マスターサーバーのデフォルトが使用されます。この値は、EMM サーバーのグローバル定義に従って、デフォルトで設定されます。
- -ftwait minutes
バックアップジョブが、標準ネットワーク接続を使用する前に、ファイバーチャネル接続の利用を待機する分数を定義します。このオプションは、ftpref が推奨 (preferred) に設定されている場合にのみ有効です。
- -ftrwait minutes
リストアジョブが、標準ネットワーク接続を使用する前に、ファイバーチャネル接続の利用を待機する分数を定義します。このオプションは、ftpref が推奨 (preferred) に設定されている場合にのみ有効です。
- -rescanallclients
すべてのクライアント (一度に 5 つまで) で新しい FT デバイスをスキャンします。
- -rescanclient
指定したクライアントで新しい FT デバイスをスキャンします。このコマンドオプションでは、次の属性を設定できます。
- client_name
スキャンする SAN クライアントの名前を指定します。
- -listclients
SAN クライアントのリストとそのクライアントに関連付けられた属性を表示します。デフォルトでは、すべての SAN クライアントが一部の属性とともに表示されます。listclients によって出力される情報は、すべてのクライアントが表示されるか、または指定した SAN クライアントに関連付けられた属性が表示されるかによって異なります。
このコマンドオプションでは、次の属性を設定できます。
- -C client_name
このオプションでは、情報を表示する SAN クライアントの名前を指定します。この属性を省略すると、listclients によって、指定したメディアサーバーまたはマスターサーバーに接続されているすべてのクライアントに関する情報が表示されます。
- -Me media_server
このオプションでは、情報を表示するクライアントが接続されている FT サーバーの名前を指定します。
- -M master_server
このオプションでは、FT サーバーに関連付けられたマスターサーバーを指定します。このオプションを省略すると、すべての FT サーバーが戻されます。
- -verbose
出力は、詳細モードおよび非詳細モード (デフォルト) で表示できます。マスターサーバーまたはメディアサーバーに接続されているすべてのクライアントを表示する場合、複数クライアントの詳細モード出力の情報が含まれます。
クライアントレコードに関する次の情報が詳細モードで表示されます。
SAN クライアント名
バージョン (クライアントの NetBackup ソフトウェアのバージョン)
状態 (SAN クライアントの状態)
マスターサーバー名
SAN クライアントが接続できる FT サーバーの台数
使用設定 (addclient を参照)
使用設定の待機時間 (addclient を参照)
listclients コマンドに特定の SAN クライアントが含まれている場合、そのクライアントに関する次の情報が表示されます (1 つのクライアントの出力)。
クライアントのデバイスレコードに関する次の情報が詳細モードで表示されます。
SAN クライアントのデバイスの状態
メディアサーバー名
メディアサーバーの状態
デバイスが検出されたメディアサーバーの HBA ポート番号
メディアサーバーの HBA ポートモード
LUN (HBA ポートに関連付けられた LUN)
デフォルトの状態は非詳細モードの出力です。情報は、詳細モードと同様、空白で区切られたテキスト形式で出力されます。クライアントのレコードは「c」、デバイスのレコードは「d」の文字で始まります。
- -deleteserver
このオプションを指定すると、指定したクライアントが EMM データベースから削除されます。このコマンドオプションでは、次の属性を設定できます。
- -Me media_server
削除する FT サーバー名を指定します。
- -changeserver
FT サーバーに関連付けられた属性が変更されます。このコマンドオプションでは、次の属性を設定できます。
- -Me media_server
変更する FT サーバー名を指定します。
- -M master_server
このオプションでは、指定したメディアサーバーに関連付けられたマスターサーバーを指定します。
- -l connection_limit
FT サーバーがサポートする最大接続数を指定します。この数には、LUN または HBA ごとの数ではなく、サーバーの合計を指定します。このオプションを省略すると、FT サーバーのデフォルトの接続最大数が使用されます。
- -state [active | disabled]
このオプションでは、FT サーバーの割り当て状態を指定します。指定できる値は、有効 (active) および無効 (disabled) です。
- -listservers
このオプションを指定すると、FT サーバーのリストとサーバーに関連付けられた属性が表示されます。デフォルトでは、すべての FT サーバーが表示されます。
listservers コマンドには、次のオプションが関連付けられています。
- -Me media_server
このオプションでは、接続されている FT サーバーを表示するメディアサーバーの名前を指定します。
- -M master_server
このオプションでは、接続されている FT サーバーを表示するマスターサーバーの名前を指定します。
- -verbose
このオプションを指定すると、詳細なサーバー情報が出力されます。
出力は、詳細モードおよび非詳細モード (デフォルト) で表示できます。マスターサーバーまたはメディアサーバーに接続されているすべてのクライアントを表示する場合、複数クライアントの詳細モード出力の情報が含まれます。
サーバーレコードに関する次の出力情報が詳細モードで表示されます。
SAN クライアント名
FT サーバー名
バージョン (サーバーの NetBackup ソフトウェアのバージョン)
状態 (FT サーバーの状態)
接続最大数
listclients コマンドに特定の SAN クライアントが含まれている場合、そのクライアントに関する次の情報が表示されます (1 つのクライアントの出力)。
クライアントのデバイスレコードに関する次の出力情報が詳細モードで表示されます。
FT サーバーの HBA ポート
FT サーバーの HBA ポートモード
FT サーバーのデバイスの状態
関連付けられている LUN
FT 接続 (指定した HBA または LUN 上の有効な FT 接続数)
デフォルトの状態は非詳細モードの出力です。情報は、詳細モードと同様、空白で区切られたテキスト形式で出力されます。メディアサーバーのレコードは「m」、デバイスのレコードは「d」の文字で始まります。各サーバー上の HBA ポート番号は、1 行の個別のエントリとして出力されます。
- -listtargets
この操作は FT メディアサーバーのすべてのターゲットポートの仕様のリストを表示するために使われます。デフォルトでは、すべての FT サーバーが表示されます。
listtargets コマンドには、次のオプションが関連付けられています。
- -Me media_server
このオプションでは、ターゲットポートの構成を表示するメディアサーバーの名前を指定します。メディアサーバーを指定しない場合、すべての FT メディアサーバーのターゲットポートの情報が表示されます。
- -verbose
このオプションを指定すると、詳細なサーバー情報が出力されます。
出力は、詳細モードおよび非詳細モード (デフォルト) で表示できます。すべてのクライアントを表示する場合、複数クライアントの詳細モード出力の情報が含まれます。デフォルトの状態は非詳細モードの出力です。情報は、詳細モードと同様、空白で区切られたテキスト形式で出力されます。
例 2 に、nbftconfig -listtargets -verbose コマンドの使用方法と出力データのカテゴリを示します。
- -getconfig
このオプションを指定すると、FT サーバーと SAN クライアントの属性に関するデフォルトの構成パラメータが取得されます。
-getconfig コマンドには、次のオプションが関連付けられています。
- -M master_server
このオプションでは、FT サーバーに関連付けられたマスターサーバーを指定します。このオプションの指定を省略すると、ローカルマシンのマスターサーバーが使用されます。
- -verbose
このオプションを指定すると、詳細な構成情報が出力されます。
- -setconfig
このオプションを指定すると、FT サーバーと SAN クライアントの属性に関する構成パラメータが設定されます。このコマンドオプションでは、次の属性を設定できます。
-ftpref preferred | always | never
メディアサーバーへのファイバーチャネル接続が、推奨 (preferred)、必須 (always) または不可 (never) のいずれかに設定されます。この値は、EMM サーバーのグローバル定義に従って、デフォルトで設定されます。
-ftpref と -np または -ncp の使用は相互に排他的です。
- -ftwait minutes
バックアップジョブが、標準ネットワーク接続を使用する前に、ファイバーチャネル接続の利用を待機する分数を定義します。このオプションは、ftpref が推奨 (preferred) に設定されている場合にのみ必要です。
- -ftrwait minutes
リストアジョブが、標準ネットワーク接続を使用する前に、ファイバーチャネル接続の利用を待機する分数を定義します。このオプションは、ftpref が推奨 (preferred) に設定されている場合にのみ必要です。
- -ncp number_of_clients_per_target_port
任意の FT メディアサーバーで許可されるクライアントのターゲットポートごとの最大数を指定します。
- -np number_of_ports
1 つの FT メディアサーバーで使うことができるクライアントのイニシエータポートの数を指定します。
- -listactive
このオプションを指定すると、有効な FT 接続が表示されます。このコマンドでは、各 FT 接続について少なくとも次の情報が取得可能です。
SAN クライアント名
クライアントの HBA 番号
FT サーバー名
サーバーの HBA 番号
FT チャネル (FT チャネルの数)
LUN
接続の方向
ジョブ番号
listactive コマンドには、次のオプションが関連付けられています。
- -C client_name
このオプションでは、有効な FT 接続を表示する SAN クライアントの名前を指定します。この属性およびメディアサーバー属性を省略すると、-listactive によって、ローカルマシンのマスターサーバーに関する情報が表示されます。
- -Me media_server
このオプションでは、FT 接続を表示するクライアントが接続されている FT サーバーの名前を指定します。
- -verbose
このオプションを指定すると、詳細な FT 接続情報が出力されます。
例
例 1 - マスターサーバー wendigo
の FT 構成の値を詳細モードで表示しています。これらの値は nbftconfig -getconfig コマンドで設定されます。
# nbftconfig -getconfig -verbose Master Server : wendigo.domain.com Client Ports/Server: 2 Clients/Target port: 2 FT Preference : preferred Backup Wait Time : 15 Restore Wait Time : 5
例 2 - どのように -listtargets オプションが FT メディアサーバー wendigo
のすべてのターゲットポートの構成の仕様を詳細モードで表示するかを示しています。
# nbftconfig -listtargets -verbose FT Server Name : wendigo.domain.com FT Server HBA Port : 1 FT Server Port WWN : 21:00:00:E0:8B:8F:CC:79 FT Server Port Mode : PTP FT Server Port Model : QLA234x Series FC Hba FT Server Port Vendor: Qlogic FT Server Device State : active Associated LUN : 0 Active Connections on LUN: 0 FT Server Device State : active Associated LUN : 1 Active Connections on LUN: 0 FT Server HBA Port : 0 FT Server Port WWN : 21:01:00:E0:8B:AF:CC:79 FT Server Port Mode : DISCONNECTED FT Server Port Model : QLA234x Series FC Hba FT Server Port Vendor: Qlogic FT Server Device State : active Associated LUN : 0 Active Connections on LUN: 0 FT Server Device State : active Associated LUN : 1 Active Connections on LUN: 0