Symantec NetBackup™ コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. NetBackup コマンド
名前
bpclient — マスターサーバー上のクライアントエントリの管理
概要
bpclient -All [-M master_server] [-l | -L | -H]
bpclient -client client_name [-M master_server] [-l | -L | -H]
bpclient -client client_name [-M master_server] -add | -update [-dynamic_address 0|1] [-free_browse 0|1|2] [-list_restore 0|1|2|3] [-max_jobs [1-99] [-current_host host_name] [[-online] | [-offline [[-ut] -onlineat time]] | [-online_backup] | [-offline_backup [[-ut] -online_backup_at time]] | [-online_restore] | [-offline_restore [[-ut] -online_restore_at time]]] [-WOFB_enabled 0|1] [-WOFB_FIM 0|1] [-WOFB_usage 0|1] [-WOFB_error 0|1] [-connect_options 0|1|2 0|1|2 0|1|2|3] [-granular_proxy granular_proxy_host] [-client_direct 0|1|2] [-client_direct_restore 0|1|2]
bpclient -client client_name [-M master_server] -delete
bpclient -client client_name -add_alias alias_name | -delete_alias alias_name [-M master_server]
bpclient -client client_name -add_all_aliases | -delete_all_aliases | -list_all_aliases [-M master_server]
bpclient -policy policy_name -validate -fi
UNIX システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは /usr/openv/netbackup/bin/admincmd/ です。
Windows システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは install_path\NetBackup\bin\admincmd\
です。
説明
bpclient コマンドを実行すると、NetBackup サーバーと NetBackup クライアントの接続状態が表示されます。
オプション
- -add
このオプションを指定すると、新しいクライアントエントリが追加されます。
- -add_alias | -delete_alias alias_name
クライアントエイリアスの新しいエントリを追加するか、または既存のクライアントエイリアスエントリを削除します。
- -add_all_aliases | -delete_all_aliases | -list_all_aliases
次のいずれかを実行します。
-add_all_aliases はすべてのクライアントエイリアスの新しいエントリを追加します。
-delete_all_aliases はすべてのエイリアスを削除します。
-list_all_aliases はすべてのエイリアスエントリのリストを出力します。
- -All
このオプションを指定すると、すべてのクライアントエントリが表示されます。bpclient を実行して明示的に追加したクライアントエントリだけが表示されます。
- -client client_name
このオプションでは、表示または更新するクライアント名を指定します。
- -client_direct 0 | 1 | 2
Client Direct はクライアントにデータを転送するのにメディアサーバーの代わりに OpenStorage ストレージサーバーを使うことによってバックアップのパフォーマンスを改善します。-client_direct オプションの設定によって、クライアントがこの機能を使うかどうか、またいつ使うかが決まります。次の設定を使用できます。
0 = 指定のホストのデータ転送方式として Client Direct を使いません。常に通常のデータ転送方式を使用します。この設定は、デフォルトの条件です。
1 = Client Direct を優先的に使用する。バックアップの間に識別されたストレージサーバーの Client Direct 機能を精査します。精査に合格すれば、NetBackup は指定のクライアントで Client Direct のデータ転送方式を使います。精査に失敗すれば、通常のデータ転送方式を使用します。
2 = 常に Client Direct を使用する。指定のクライアントで Client Direct 方式のみの使用を試行します。この方式が何らかの理由で失敗すれば、ジョブは失敗します。他の転送の方式は試みられません。
- -client_direct_restore 0 | 1 | 2
Client Direct Restore はクライアントにデータをリストアするのにメディアサーバーの代わりに OpenStorage ストレージサーバーを使うことによってリストアのパフォーマンスを改善します。-client_direct オプションの設定によって、クライアントがこの機能を使うかどうか、またいつ使うかが決まります。次の設定を使用できます。
0 = 指定のホストのデータ転送方式として Client Direct Restore を使いません。常に通常のデータ転送方式を使用します。この設定は、デフォルトの条件です。
1 = Client Direct Restore を優先的に使用します。このコマンドはリストア中に識別したストレージサーバーの Client Direct Restore 機能を精査します。精査に合格すれば、NetBackup は指定のクライアントで Client Direct Restore のデータ転送方式を使います。精査に失敗すれば、通常のデータ転送方式を使用します。
2 = 常に Client Direct Restore を使用します。指定のクライアントで Client Direct Restore 方式のみの使用を試行します。この方式が何らかの理由で失敗すれば、ジョブは失敗します。他の転送の方式は試みられません。
- -connect_options 0|1|2 0|1|2 0|1|2|3
引数の最初のセットは、ポートについて、次のことを表しています。
0 = 予約済みポート: 予約済みのポート番号を使用します。
1 = 予約されていないポート: 予約されていないポート番号を使用して、クライアントの bpcd に接続します。このオプションを選択すると、選択したクライアントに対して[予約されていないポートを許可 (Allow non reserved ports)]が有効になります。
2 = デフォルトを使用する: これはデフォルトのオプションです。サーバーの DEFAULT_CONNECT_OPTIONS 構成エントリで定義された値を使用します。
引数の 2 番目のセットは、BPCD のコネクトバックについて、次のことを表しています。
0 = ランダムポート: NetBackup は許容範囲からランダムに空きポートを選択して、従来のコネクトバック方法を実行します。
2 = デフォルトを使用する: デフォルトのオプションです。サーバーの DEFAULT_CONNECT_OPTIONS 構成エントリで定義された値を使用します。
引数の 3 番目のセットは、デーモン接続ポートについて、次のことを表しています。
0 = 自動: このオプションは、VNETD を使用できる場合は VNETD を使用し、使用できない場合はレガシーを使用することを意味しています。
1 = VNETD ポートを使用する
2 = レガシーポート番号を使用する
3 = デフォルトを使用する: デフォルトのオプションです。サーバーの DEFAULT_CONNECT_OPTIONS 構成エントリで定義された値を使用します。
メモ:
vnetd をデーモン接続ポートとして使用する場合、BPCD でコネクトバックをする設定は適用されません。vnetd をデーモン接続ポートとして使用する場合は、ポート設定の値に関係なく、予約されていないポートが常に使用されます。
- -current_hostname host_name
クライアントの現在のホスト名。このオプションは、-dynamic_address 1 オプションを使用する場合にだけ有効です。通常は -current_hostname の値を入力する必要はありません。通常、クライアントは、マスターサーバーと通信してホスト名と IP アドレスを設定します。
- -delete
このオプションを指定すると、既存のクライアントエントリが削除されます。
- -dynamic_address 0 | 1
0 は、クライアント名がクライアントの有効なホスト名であると想定されます (デフォルト)。
1 は、クライアント名が動的なホスト名 (DHCP など) であると想定されます。
- -fi
bpplinfo コマンドの -snapshot_method_args オプションを検証します。 - validate オプションを参照してください。
- -free_browse 0 | 1 | 2
このオプションを指定すると、イメージ (所有者またはグループ) を表示するときにサーバーによって行われる確認を、ユーザーが回避できます。デフォルトでは、一般ユーザーには Windows 上のスケジュールバックアップを表示する権限が与えられません。
0 = 許可
1 = 拒否
2 = 使用
デフォルトでは、クライアントとサーバーの両方が 0 (許可) に設定されています。自由に表示するには、クライアントまたはサーバーのいずれかを 2 (使用) に設定する必要があります。両方とも 1 (拒否) に設定することはできません。
- -granular_proxy granular_proxy_host
ソースクライアントの Windows の個別プロキシホストを指定します。このオプションは、個別リカバリテクノロジ (GRT) によって有効になるバックアップイメージを複製する場合に使うことができます。
- -H
このオプションを指定すると、ホスト固有のクライアント情報が表示されます。
- -l
このオプションを指定すると、クライアントの限られた情報が表示されます。
- -L
このオプションを指定すると、詳細形式で、クライアントのすべての情報が表示されます。
- -list_restore 0 | 1 | 2 | 3
このオプションをサーバー上で指定すると、特定のクライアントからの一覧表示要求およびリストア要求を拒否できます。クライアントデータベースの値は、
bp.conf
ファイルの設定より優先されます。0 = 指定なし (デフォルト)
1 = 一覧表示要求とリストア要求の両方の許可
2 = 一覧表示要求だけ許可
3 = 一覧表示要求とリストア要求の両方の拒否
- -M master_server
このオプションでは、クライアントエントリを含むマスターサーバー名を指定します。デフォルトのマスターサーバーは、ローカル構成の最初のサーバー名です。
- -max_jobs [1-99]
このクライアントで同時に動作が許可されるジョブの最大数 (最大 99)。NetBackup 管理コンソールでこの項目を構成できます。項目名は[データストリームの最大数 (Maximum data streams)]です。この GUI を使ってこの機能を実行するには、次のように選択します。 [ホストプロパティ (Host Properties)] >[マスターサーバー (Master Servers)]> (マスターサーバー名をダブルクリック) >[クライアント属性 (Client Attributes)]。
- -online | -offline
バックアップとリストア用にクライアントの状態をオンラインまたはオフラインに設定します。
- -onlineat time
指定された時刻にバックアップとリストア用にクライアントの状態をオンラインに設定します。
- -online_backup | -offline_backup
バックアップ用にクライアントの状態をオンラインまたはオフラインに設定します。
- -online_backup_at time
指定された時刻にバックアップ用にクライアントの状態をオンラインに設定します。
- -online_restore | -offline_restore
リストア用にクライアントの状態をオンラインまたはオフラインに設定します。
- -online_restore_at time
指定された時刻にリストア用にクライアントの状態をオンラインに設定します。
- -policy policy_name
検証するバックアップポリシーの名前を指定します。 このオプションは - validateオプション、 - fi オプションと組み合わせて使われます。
- -update
このオプションを指定すると、既存のクライアントエントリが更新されます。
- -ut
時刻を UNIX 時間で指定します。
- -validate
NetBackup コマンドを使用して VMware、Hyper-V などのスナップショットベースのポリシーを作成する場合、このオプションはそのポリシーを検証します。 bpplinfo -snapshot_method_args コマンドで作成されたポリシーを検証するには、 - validate を - fi オプションと組み合わせて使用する必要があります。
NetBackup コマンドを使用した VMware または Hyper-V ポリシーの作成については、『NetBackup for VMware 管理者ガイド』または『NetBackup for Hyper-V 管理者ガイド』を参照してください。
- -WOFB_enabled 0|1
0 = client_name で指定したクライアントに対して Windows Open File Backup を無効にします。
1 = client_name で指定したクライアントに対して Windows Open File Backup を有効にします。
- -WOFB_error 0 | 1
0 = エラー発生時にバックアップを中止する。スナップショットの作成後、およびそのスナップショットを使用して、ファイルシステム上の開いた状態のファイルまたは使用中のファイルをバックアップしているときに、スナップショット関連の問題が発生してバックアップが失敗した場合、バックアップを中断するように指定します。
1 = スナップショットを無効にして続行する。バックアップ中にスナップショットが無効になった場合に、バックアップのボリュームスナップショットを破棄するように指定します。バックアップは、Windows Open File Backup を無効にして続行されます。
- -WOFB_FIM 0 | 1
0 = Windows Open File Backup のスナップショットプロバイダとして Volume Snapshot Provider (VSP) を使用します。VSP は NetBackup リリース 6.x. を使うクライアントでのみサポートされます。NetBackup リリース 7.x を使うクライアントは VSS のみを使います。リリース 7.x のクライアントを実行し、このオプションで VSP を選択した場合、NetBackup は代わりに VSS を自動的に実行します。
1 = Windows Open File Backup のスナップショットプロバイダとして Microsoft ボリュームシャドウコピーサービス (VSS) を使用します。
- -WOFB_usage 0|1
0 = 各ドライブのスナップショット。各ドライブのスナップショットをとるように指定します。このプロパティを有効にすると、スナップショットの作成およびファイルのバックアップは、ボリュームごとに順次行われます。
1 = グローバルドライブのスナップショット。グローバルドライブのスナップショットをとるように指定します。この場合、バックアップジョブ (複数ストリームのバックアップの場合はストリームグループ) でスナップショットが必要なすべてのボリュームで、スナップショットが一度にとられます。
例
例 1 - クライアント hagar
がマスターサーバーのクライアントデータベースにあるかどうかを判別します。
# bpclient -client hagar -L
例 2 - マスターサーバーのクライアントデータベースに casper
を追加します。それはまた casper
で最大 5 つの並列実行ジョブを実行することを可能にします。
# bpclient -client casper -add -max_jobs 5
例 3 - クライアント ollie
に関するすべてのクライアント詳細情報を表示します。
# bpclient -client ollie -L Client Name: ollie Current Host: Hostname: ollie IP Address: 0.0.0.0 Dynamic Address: no Free Browse: Allow List Restore: Not Specified Max Jobs This Client: Not Specified WOFB Enabled: yes WOFB FIM: VSP WOFB Usage: Individual Drive Snapshot WOFB Error Control: Abort on Error Client Direct: Prefer to use client-side deduplication or Prefer to move data direct to storage Client Direct Restore: Move data via media server OST Proxy: Off OST Proxy Server: Unspecified Connect options: 2 2 3