NetBackup™ 管理者ガイド Vol. 2
- NetBackup のライセンスモデルと使用状況レポート
- 容量ライセンスの仕組み
- ライセンスレポートの作成と表示
- 容量ライセンスレポートの確認
- キャパシティライセンスレポート結果の調整
- 従来ライセンスレポートの確認
- NEVC ライセンスレポートの確認
- 追加構成
- 動的ホスト名および動的 IP アドレスについて
- UNIX クライアントでのビジー状態のファイルの処理について
- Shared Storage Option について
- NetBackup での Shared Storage Option の構成について
- SSO の概略レポートの表示
- vm.conf 構成ファイルについて
- 保留管理
- UNIX のメニューユーザーインターフェース
- 参照トピック
- ホスト名規則
- nbtar または tar32.exe を使用したバックアップイメージの読み込みについて
- バックアップ時間に影響する要素
- NetBackup 通知スクリプト
- メディアおよびデバイスの管理の推奨する使用方法
- TapeAlert について
- テープドライブのクリーニングについて
- NetBackup によるドライブの予約方法
- NetBackup によるメディアの選択方法
- UNIX でのテープ I/O コマンドについて
Shared Storage Option のコンポーネントについて
NetBackup Enterprise Media Manager (EMM) サービスは、メディア情報を管理します。また、Enterprise Media Manager は、共有ドライブのデバイスアロケータ (DA) でもあります。
図: Shared Storage Option の例は、共有ドライブの構成の例を示します。
次の項目では、図: Shared Storage Option の例に対応した NetBackup コンポーネントについて説明します。
マスターサーバーによって Enterprise Media Manager (EMM) サービスがホストされます。これがデバイス割り当てホストとなります。
「デバイス割り当てホストについて」を参照してください。
ホスト A:
自動ボリューム認識 (avrd) プロセス、NetBackup Device Manager サービス (ltid)、および NetBackup Volume Manager (vmd) サービスを実行する NetBackup メディアサーバーです。
SAN ハードウェアを介して、ドライブ 1 およびドライブ 2 に接続されています。
環境内で最初にオンライン化されるホストで、スキャンアビリティ係数には 0 (ゼロ) 以外の値が設定されています。したがって、これがドライブの最初のスキャンホストになります。
「スキャンホストについて」を参照してください。
Shared Storage Option コンポーネントのプロセスの流れ図については、『NetBackup ログリファレンスガイド』を参照してください。
http://www.veritas.com/docs/DOC5332
NetBackup Enterprise Media Manager (EMM) サービスによって、Shared Storage Option のジョブとタスクにデバイスが割り当てられます。EMM サービスは、NetBackup マスターサーバー上で実行されます。デバイスを割り当てるホストは、デバイス割り当てホストとも呼ばれます。
NetBackup Enterprise Media Manager (EMM) は、テープドライブのネットワーク規模での割り当てを調整するために、共有ドライブ環境のすべての共有テープ要求を管理します。EMM は、単一の NetBackup ドメイン内で対応するメディアサーバーおよび NetBackup SAN メディアサーバーの単一の NetBackup マスターサーバーからの要求に応答します。
EMM は、共有ドライブおよびホストについての情報を保持します。この情報には、ドライブを共有するホストとして利用可能なオンラインのホストや現在ドライブを予約しているホストのリストなどが含まれます。Media Manager device サービス (ltid) は共有ドライブの情報の変更を要求します。
スキャンホストは NetBackup Shared Storage Option のコンポーネントです。
各共有ドライブには、スキャンホストとして識別されるホストが 1 台存在します。スキャンホストは、自動ボリューム認識プロセス (avrd) が、割り当てられていないドライブをスキャンするホストです。(ロボットデーモンは、割り当てられたドライブをスキャンします) スキャンホストは、ドライブへのデータパスによるアクセスが可能である必要があります。
EMM データベースには、共有ドライブの情報が含まれており、その情報にはスキャンホストの情報が含まれます。メディアサーバーは、EMM サービスからドライブ状態の情報を受信します。
スキャンホストの判断方法 |
スキャンホストは EMM によって判断されます。スキャンホストは、各共有ドライブによって異なる場合があります。環境内で最初にオンライン化される、スキャンアビリティ係数が 0 (ゼロ) 以外のホストが、ドライブの最初のスキャンホストになります。 メディアサーバーのスキャンアビリティ係数を構成するには、nbemmcmd コマンドを使用します。詳しくは、『NetBackup コマンドリファレンスガイド』を参照してください。 |
スキャンホストが変更される場合 |
スキャンホストは、なんらかの割り込みが発生するまでは共有ドライブに割り当てられています。 たとえば、次のいずれかが発生すると、EMM は新しいスキャンホストを選びます:
マウントの実行中は、スキャンホストがテープのマウントを要求しているホストに一時的に変更されます。スキャンホストが一時的に変更されるのは、ドライブパスへアクセスできるホストを一度に 1 台だけにするためです。 |
スキャンホストのドライブパス |
選択されたスキャンホスト上でドライブに複数のパスが構成されている場合、EMM によって、次の順序でスキャンパスが選択されます。
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共有テープドライブのポーリング |
共有テープドライブでは、NetBackup からのマウント要求が受信されるまで、スキャンホストのみでドライブのポーリングが行われます。マウントの要求時に、NetBackup はマウントを要求するホストを使用して、共有ドライブをポーリングします。 この設計によって、NetBackup で動的ループ切り替えまたは SAN のゾーンのサポートが有効になります。各テープドライブは、1 つのホストだけから検出される必要があります。各テープドライブのスキャンホストは、エラーを処理して可用性が継続されるように動的に切り替わる可能性があります。中央デバイスアービトレーションコンポーネントによって、共有ドライブのスキャンホストの割り当てが管理されます。また、アービトレーションコンポーネントには、複数の NetBackup メディアサーバーが 1 つのドライブを共有できるように、ネットワークドライブの予約システムが備えられています。 共有テープドライブのポーリングによって、動的ループ切り替えを使用できるようになり、デバイスへのアクセス回数および CPU 時間が減少します。ただし、デバイスの接続の切断 (ファイバーチャネルファブリックの断絶など) は、I/O が発生するまで検出できません。 |
SAN メディアサーバーは、自身のデータをバックアップする NetBackup メディアサーバーです。SAN メディアサーバーは他のクライアントに存在するデータはバックアップできません。
SAN メディアサーバーはある特定の状況で有効です。たとえば、SAN メディアサーバーは、データボリュームによって、ネットワークに悪影響を及ぼすほど多くのネットワーク帯域幅が消費される場合に有効です。
SAN メディアサーバー用のバックアップポリシーを定義する場合は、クライアントとして SAN メディアサーバーのみを追加します。
NetBackup Shared Storage Option は NetBackup SAN メディアサーバーを使用できますが、必須ではありません。