NetBackup™ 管理者ガイド Vol. 2
- NetBackup のライセンスモデルと使用状況レポート
- 容量ライセンスの仕組み
- ライセンスレポートの作成と表示
- 容量ライセンスレポートの確認
- キャパシティライセンスレポート結果の調整
- 従来ライセンスレポートの確認
- NEVC ライセンスレポートの確認
- 追加構成
- 動的ホスト名および動的 IP アドレスについて
- UNIX クライアントでのビジー状態のファイルの処理について
- Shared Storage Option について
- NetBackup での Shared Storage Option の構成について
- SSO の概略レポートの表示
- vm.conf 構成ファイルについて
- 保留管理
- UNIX のメニューユーザーインターフェース
- 参照トピック
- ホスト名規則
- nbtar または tar32.exe を使用したバックアップイメージの読み込みについて
- バックアップ時間に影響する要素
- NetBackup 通知スクリプト
- メディアおよびデバイスの管理の推奨する使用方法
- TapeAlert について
- テープドライブのクリーニングについて
- NetBackup によるドライブの予約方法
- NetBackup によるメディアの選択方法
- UNIX でのテープ I/O コマンドについて
[分類 (Itemization)]タブ
レポートの[分類 (Itemization)]タブは各クライアントまたはポリシーの組み合わせに対して計算された容量を示します。レポートでは、容量が過大または過小計算された可能性があるすべての状態に対してフラグが付けられます。これらの状態は[精度 (Accuracy)]と[精度コメント (Accuracy Comment)]列で識別されます。
OK - 精確なデータがレポートされています
[チャージサイズ (Charged Size)]列に表示されるデータはポリシーの保護データです。ユーザーは、ポリシー形式を参照することでデータが精確であることを確認できます。
クライアントの不要なカウントの排除を参照してください。
重複が存在する場合:
正確なライセンス方法を使用すると、同じポリシー形式内の重複が検出されます。つまり、同一の形式 (同一のクライアント内、または同一のプライマリサーバーに属する複数のクライアント内) の異なるポリシーによって同一のデータのバックアップが複数回作成されている場合に重複が検出されます。
重複が見つかると、[重複サイズ (KB) (Overlap Size (KB))]列に重複サイズが表示されます。重複が見つかると、計算された重複サイズを差し引いて[チャージサイズ (KB) (Charged Size(KB))]が更新されます。このような場合、[精度 (Accuracy)]列に[OK]と表示されます。重複が検出されたポリシーの重複分をチャージサイズから差し引いた場合は、次のメッセージが表示されます。
(Overlap detected for the policy and deducted from the Charged Size.)
同一の形式の同一のポリシーが存在する場合、ユーザーは大きい方のバックアップサイズのポリシーについて課金されます。もう一方の同一ポリシーの[チャージサイズ (Charged Size)]列にはゼロが表示されます。
ポリシーが別のポリシー (消費されるポリシー) のサブセットである場合、[チャージサイズ (Charged Size)]では消費されるポリシーについてゼロが表示されます。ユーザーは、スーパーセットポリシーについて課金されます。
[重複 (Overlap)] (NetBackup 8.0 以前のクライアント)
ポリシーの[精度 (Accuracy)]列に[重複 (Overlap)]と表示されている場合は、指定したポリシーに重複が存在することを意味します。ポリシーの重複サイズが計算され、[重複サイズ (Overlap Size)]列に表示されますが、チャージサイズから重複分は差し引かれません。
たとえば、NetBackup クライアント 7.7.3 の[MS-Windows]ポリシーでは、ポリシーの[圧縮 (Compression)]属性が有効になっている場合に、[精度 (Accuracy)]列に重複キーワードが表示されます。圧縮後のサイズは正しくないため (圧縮されているため)、チャージサイズから差し引くことはできません。
データベースの推定 (Database estimation) - データベースサイズは UBAK の合計を使って推定されます
NetBackup データベースエージェントが保護するデータベースのサイズを確実に判断することができません。NetBackup 外部のサードパーティコンポーネント (たとえば、RMAN) によってデータベースバックアップの構成が管理されています。
サードパーティコンポーネントがバックアップストリームの数と各ストリームの内容を決定します。これらのバックアップはユーザーが開始したバックアップのイメージ、つまり、UBAK として記録されます。NetBackup はバックアップストリームを開始しません。基礎となるデータベースへの各ストリームの関係も認識しません。したがって、カタログの情報には合計サイズについての単一で明確な数値は示されません。
このような場合、アナライザは後続の検査のベースとなる推定を計算します。アナライザは、検査対象の日付範囲内の各日付においてバックアップされたデータの合計 TB 数を判断するためにイメージヘッダー情報を使います。1 日は午前 0 時から次の日の午前 0 時までの 24 時間と定義されます。アナライザはその期間内にユーザーが開始したすべての完全バックアップを総計します。検査される期間中に、保護対象データの合計容量が最も大きい日が、データベースの完全バックアップが実行された日であると見なされます。このときに返される数値が、クライアントとポリシーの組み合わせに対して保護されるアクティブデータのおおよそのサイズであると推定されます。
検出できない (Undiscoverable) - 分析範囲に完全バックアップが見つかりません
分析範囲のカタログには、増分バックアップのみがあります。そのエラーは完全バックアップがレポートの範囲外にあるか、完全バックアップが存在しないことを示す場合があります。
圧縮済みのイメージ (Compressed Image)
クライアントのデータは圧縮された形式で NetBackup に送られました。実際のサイズを確実に判断することはできません。すべての圧縮済みのバックアップイメージに対して、アナライザは最終的なバックアップイメージのサイズに固定値 (圧縮比) を乗算します。圧縮比の値は[概略 (Summary)]タブにリストされています。
サイズ不明 (Size unavailable) - スナップショットのみ存在します
分析範囲のカタログには、スナップショットのみがあります。アナライザは、クライアントの保護された容量の正確な数値を得るために、スナップショットのバックアップイメージを必要とします。
メモ:
Kubernetes の作業負荷では、スナップショットがバックアップに存在しない場合に、列の状態が「サイズ不明 (Size unavailable)」と表示されます。
複数ストリームバックアップが検出された可能性があります (Possible multistream backup detected)
複数ストリームバックアップによって保護されるクライアントのサイズは、すべてのストリームによって作成されるすべてのバックアップイメージの合計です。
レポートの[分類 (Itemization)]タブには、Teradata ポリシー形式の場合、[ クライアント名 (Client Name )]列と[ ポリシー名 (Policy Name )]列に Teradata ジョブ名が表示されます。バックアップイメージは、Teradata ジョブ名と Teradata ジョブインデックスを使用してグループ化されます。チャージサイズは、そのグループ内のすべてのバックアップイメージの合計サイズと同じです。
[マシン形式 (Machine Type)]列:
クライアントが物理マシンか仮想マシンかを示します。
仮想マシンが Azure、Amazon、または GCP クラウドプロバイダでホストされている場合、Cloud: <provider name> が表示されます。たとえば、Cloud:GCP です。
nbdeployutil がマシン形式を見つけることができない場合、「Unknown」が含まれる場合があります。たとえば、エージェントレス環境または NetBackup 8.3 より前のバージョンのクライアントです。
[クライアントバージョン (Client Version)]列
クライアントのバージョンを表示します。nbdeployutil がクライアントバージョンを見つけることができない場合、「Unknown」が含まれる場合があります。たとえば、エージェントレス環境または NetBackup 8.3 より前のバージョンのクライアントです。