NetBackup によるホスト名の使用方法
重要な事項は、ホスト名を修飾する範囲を考慮することです。通常は、簡潔なホスト名をコンピュータに使用しても問題ありません。ネットワーク環境に複数のドメインが存在する場合、複数ドメイン環境においてサーバーおよびクライアントがそれぞれを識別可能な範囲でホスト名を修飾します。
たとえば、単に mercury だけではなく、mercury.bdev.null.com や mercury.bdev などの名前を使用します。
以下の説明では、NetBackup がどのようにホスト名を格納し使用するかについて述べます。また、ホスト名を選択する際に考慮する注意事項についても説明します。
(Windows の場合) Veritasでは、NetBackup サーバーのホスト名を変更しないことをお勧めします。サーバーで以前に使用していたすべてのメディアをインポートしてからでないと、新しいホスト名でメディアを使用できなくなる場合があります。
次の表には、NetBackup がホスト名をどのように格納し使用するかについての説明がまとめられています。
表: NetBackup がホスト名を格納、使用する方法
トピック
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説明
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UNIX サーバーおよび UNIX クライアントにおけるサーバー名およびクライアント名
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UNIX サーバーと UNIX クライアントの両方において、bp.conf ファイル内の SERVER エントリで、アクセスが許可されている NetBackup サーバーを定義します。最初の SERVER エントリがプライマリサーバーとして識別されます。この最初の SERVER エントリは、クライアントからの要求を受け取るサーバーを示します。このような理由から、SERVER の名前は、すべてのクライアントから接続できるサーバー名である必要があります。
複数の SERVER エントリが存在する場合には、スケジュールバックアップをクライアント上で開始可能な他の NetBackup サーバーとして追加エントリを識別します。リモートメディアサーバーが構成されている場合、bp.conf ファイルには、複数の SERVER エントリが構成されている必要があります。NetBackup Request デーモン (bprd) と NetBackup Database Manager デーモン (bpdbm) は、プライマリサーバー以外のサーバーでは実行されません。
クライアントがサーバーに対して一覧表示要求またはリストア要求を行うときに、NetBackup クライアント名を使って操作を許可するかどうかを決定します。(このクライアント名は、クライアント上に指定されています) 使用されるクライアント名は、通常、クライアントの bp.conf ファイル内の CLIENT_NAME です。bp.conf ファイルに指定されていない場合は、クライアントの実際のホスト名が使用されます。代替クライアントへのリストアでは、ユーザーインターフェースまたは bprestore コマンドのパラメータで指定した名前を使用できます。
要求を正常に実行するには、クライアント名は、サーバーの NetBackup 構成に指定されているクライアント名と一致する必要があります。サーバーが代替クライアントへのリストアを許可するように構成されている場合は、この規則は該当しません。
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Windows サーバーおよび PC クライアントにおけるホスト名
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Windows 版 NetBackup サーバーとクライアントにも、SERVER と CLIENT_NAME の設定が含まれます。これらのシステムでは、NetBackup 管理コンソールでサーバーとクライアントの設定を指定します。
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ポリシーの構成
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(Windows の場合) クライアントの構成名は、ポリシーに追加されたときのホスト名です。この名前により、NetBackup 構成でクライアントがどのように識別されるかが決まります。
(UNIX の場合) クライアントの構成名は、ポリシーに追加されたときのホスト名です。この名前により、NetBackup 構成でクライアントがどのように識別されるかが決まります。NetBackup は、最初にクライアントにソフトウェアをインストールするときに、CLIENT_NAME エントリも UNIX クライアントの bp.conf ファイルに追加します。
サーバーは、クライアントの構成名を使用してクライアントに接続し、クライアントの要求を満たす処理を開始します。ポリシーにクライアントを追加するときは、すべての NetBackup サーバーがクライアントに接続できるように、修飾ホスト名を常に使います。
クライアントがユーザーのバックアップ、アーカイブ、リストアを NetBackup サーバーに要求するときに、サーバーはクライアントのピアネームを使います。TCP 接続で識別するピアネームが使用され、クライアントの構成名が決定されます。
クライアントを 2 つ以上のポリシーに追加するときは、どのような場合でも常に同じ名前を使用します。同じ名前を使用しなかった場合、クライアント用にバックアップされたすべてのファイルがクライアントで表示できません。この場合、ユーザーおよび管理者の両方の操作が、複数のバックアップからリストアするように要求されるため、ファイルのリストアが複雑になります。
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イメージカタログ
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そのクライアントに対して最初にバックアップを作成するときに、イメージカタログ内にクライアント用のサブディレクトリが作成されます。サブディレクトリ名は、クライアントの構成名と同じです。
このサブディレクトリに、クライアントのすべてのバックアップに対する個別のファイルが存在します。これらの各バックアップの記録には、バックアップが書き込まれたサーバー名が含まれています。
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エラーカタログ
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NetBackup は、レポートを生成するためにエラーカタログ内のエントリを使います。適用可能な場合は、これらのエントリには、そのエントリを生成するサーバーのホスト名およびクライアントの構成名が含まれています。サーバーのホスト名は通常はサーバーの簡潔なホスト名です。(たとえば、servername.null.com ではなく servername。)
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カタログバックアップ情報
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メディアサーバーのカタログファイルを NetBackup カタログに含める場合は、ファイルパスのメディアサーバーのホスト名を修飾します。修飾名は、プライマリサーバーがメディアサーバーに接続できるようにするために必要です。
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多くの NetBackup のユーザー定義の文字列には、次のような非 US ASCII 文字を含めないようにする必要があります。
ホスト名 (プライマリサーバー、メディアサーバー、Enterprise Media Manager (EMM) サーバー、ボリュームデータベースホスト、メディアホスト、クライアント)
ポリシー名
ポリシーのキーワード (Windows のみ)
バックアップ、アーカイブ、リストアのキーワード (Windows のみ)
ストレージユニット名
ストレージユニットディスクのパス名 (Windows のみ)
ロボット名
デバイス名
スケジュール名 (Schedule Name)
メディア ID
ボリュームグループ名 (Volume group name)
ボリュームプール名
メディアの説明 (Media description)
Vault ポリシー名
Vault レポート名
BMR 共有リソースツリー (SRT) 名
nbcertcmd コマンド