Veritas InfoScale™ 8.0.2 仮想化ガイド - Linux on ESXi
- 第 I 部 概要
- 第 II 部 VMware 環境での Veritas InfoScale 製品の配備
- 第 III 部 VMware 環境での Veritas InfoScale 製品コンポーネントの使用例
- Cluster Server を使用するアプリケーションの可用性
- 多層型ビジネスサービスのサポート
- Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上
- データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上
- VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定
- 第 IV 部 参照先
ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージ可視性の実現
ハイパーバイザに DMP をインストールすると、DMP は LUN のストレージ属性に対する即時の可視性を提供します。 ストレージ属性を使って、LUN の性質を判定することができます。
次のシナリオはストレージの可視性のための典型的な使用事例について説明します。
ストレージの既存のプールがその容量の限界に近づいていることに気付いた ESX 管理者が、ストレージチームにストレージの追加を要求します。 アプリケーションの異なる層のストレージニーズを満たすために 2 つの LUN を要求します。
500GB RAID 5 LUN
500GB RAID 0+1 LUN
ストレージチームが要求を処理した後、ストレージ管理者から「ストレージの準備が完了しました(Your storage is ready)」という電子メールを受け取ります。 これ以外の情報は提供されません。どの LUN がどれに対応するのか、またストレージ設定が適切かどうか(RAID 5 と RAID 0+1)を自分で判断する必要があります。
アプリケーションを適切なストレージにセットアップするため、どの LUN がどれに対応するのかを判断する必要があります。 ミッションクリティカルで高パフォーマンスのアプリケーションを RAID 5 LUN に割り当てると、SLA が影響を受け、必要なアプリケーションの速度を得られない場合があります。 反対に、優先度の低いアプリケーションをハイエンドのストレージ層に割り当てることは回避したいと考えています。
DMP は LUN のストレージ属性に対する即時の可視性を提供するので、どのデバイスがどれに対応するかを正確に判断できます。
ストレージビューに移動すると、LUN を表示できます。 各 LUN の属性は、その LUN が RAID 5 なのか RAID 0+1 なのかを示します。
また、ストレージ属性によって AVID 名を使う LUN を識別することもできます。 AVID 名はデバイスを参照するための明確な方法を提供し、ESXi システム管理者とストレージ管理者間の混乱を減らすことができます。
LUN の問題が発生する場合、AVID 名によってストレージデバイスを参照することができます。 たとえば、LUN の 1 つにパフォーマンスの問題がある場合、その問題をプラットフォーム管理チームまたはストレージ管理チームに伝えることができます。 AVID 名はプラットフォーム管理チームとストレージ管理チーム間に共通の簡潔な言語を提供し、混乱を最小限にします。 また、問題の修復時間を短縮し、コミュニケーションのあいまいさを低減します。