Veritas NetBackup™ Appliance 容量計画とパフォーマンスチューニングガイド
- このマニュアルについて
- 第 I 部 容量計画
- 第 II 部 ベストプラクティス
- 第 III 部 パフォーマンスチューニング
- 第 IV 部 容量計画とパフォーマンスチューニングのクイックリファレンス
増加した MTU に対するジャンボフレームの実装
ジャンボフレームは、MTU (Maximum Transmission Unit) を最大 9000 まで増やした TCP フレームを表すために使用される表現です。 これは一部の作業負荷のスループットを改善したり、アプライアンスの CPU 利用率を削減することにも非常に役立つ場合があります。
メモ:
ジャンボフレームは、すべてのネットワーク環境でサポートされているとは限らないため、IEEE RFI の規格外となっており、ネットワーク標準とはみなされていません。
ジャンボフレームの実装により、以下のパフォーマンスが改善されます。
MTU の増加により、一般的にメディアサーバーベースの重複排除や AdvancedDisk のバックアップシナリオにおいて、NetBackup クライアントが、アプライアンスに大きいデータストリームを送信する場合に、より高速なトランスポートが可能になります。 このような場合、LAN のスループットが大幅に向上することが分かります。
増加した MTU を機能させるには、同じセグメント内の他のすべてのネットワークデバイスに同じ MTU を設定する必要があります。そうしないと、MTU は同じネットワークセグメントに接続されているネットワークデバイスで設定されている最も低い MTU にネゴシエートされます。 これは通常、VLAN を作成する必要があることと、両方の NetBackup クライアント、すべてのネットワーク機器 (スイッチ、ルーターなど)、アプライアンスに同じ MTU サイズを設定する必要があることを意味します。
MTU が増加すればスループットも向上しますが、ジャンボフレームを実装する前に、以下の点を考慮する必要があります。
NetBackup クライアントベースの重複排除の作業負荷は、クライアントのデータをセグメント化してハッシュし、多数のより小さなデータパケットをアプライアンスに送信します。 この場合、MTU のサイズを増やしてもプラスの効果はないため、避けるてください。
設定すべき最大 MTU サイズは 9000 です。この数字は TCP CRC (Cyclic Redundancy Check、巡回冗長検査) の限度を表しています。 CRC は通信リンクで伝送されたデータのエラーを調べる方法です。 この点は議論されていますが、MTU が高くなれば、TCP CRC がデータ整合性の保護に失敗するリスクがあることは間違いありません。