Veritas NetBackup™ トラブルシューティングガイド

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Product(s): NetBackup (8.1.1)
  1. 概要
    1.  
      NetBackup のログと状態コード情報
    2.  
      問題のトラブルシューティング
    3.  
      テクニカルサポートへの問題レポート
    4.  
      NetBackup-Java アプリケーションの情報収集について
  2. トラブルシューティングの手順
    1.  
      トラブルシューティング手順について
    2. NetBackup の問題のトラブルシューティング
      1.  
        すべてのプロセスが UNIX サーバーで実行されていることの確認
      2.  
        すべてのプロセスが Windows サーバーで実行されていることの確認
    3.  
      インストールの問題のトラブルシューティング
    4.  
      構成の問題のトラブルシューティング
    5.  
      デバイス構成の問題の解決
    6.  
      マスターサーバーおよびクライアントの検証
    7.  
      メディアサーバーおよびクライアントの検証
    8.  
      UNIX クライアントとのネットワーク通信の問題の解決
    9.  
      Windows クライアントとのネットワーク通信の問題の解決
    10. vnetd プロキシ接続のトラブルシューティング
      1.  
        vnetd プロキシ接続の必要条件
      2.  
        vnetd プロキシ接続のトラブルシューティングの開始点
      3.  
        vnetd プロセスとプロキシがアクティブであることの確認
      4.  
        ホスト接続がプロキシされることの確認
      5.  
        vnetd プロキシ接続のテスト
      6.  
        接続と受け入れのプロセスのログファイルの確認
      7.  
        vnetd プロキシログファイルの表示
    11. セキュリティ証明書失効のトラブルシューティング
      1.  
        ホストの CRL が証明書失効のトラブルシューティングに与える影響
      2.  
        証明書の失効が原因で NetBackup ジョブが失敗する
      3.  
        明らかなネットワークエラーが原因で NetBackup ジョブが失敗する
      4.  
        利用不能なリソースが原因で NetBackup ジョブが失敗する
      5.  
        マスターサーバーのセキュリティ証明書が失効している
      6.  
        NetBackup ホストの証明書の状態の確認
    12.  
      ネットワークとホスト名のトラブルシューティングについて
    13. NetBackup のホスト名およびサービスエントリの検証
      1.  
        UNIX マスターサーバーおよびクライアントのホスト名とサービスエントリの例
      2.  
        UNIX マスターサーバーおよびメディアサーバーのホスト名とサービスエントリの例
      3.  
        UNIX PC クライアントのホスト名とサービスエントリの例
      4.  
        複数のネットワークに接続する UNIX サーバーのホスト名とサービスエントリの例
    14.  
      bpclntcmd ユーティリティについて
    15.  
      [ホストプロパティ (Host Properties)]ウィンドウを使用した構成設定へのアクセス
    16.  
      空きがなくなったディスクの問題の解決
    17. 凍結されたメディアのトラブルシューティングについての注意事項
      1.  
        凍結されたメディアをトラブルシューティングする場合のログ
      2.  
        メディアが凍結される状況について
    18. NetBackup Web サービスの問題のトラブルシューティング
      1.  
        NetBackup Web サービスのログの表示
    19.  
      NetBackup Web サーバー証明書の問題のトラブルシューティング
    20. PBX の問題の解決
      1.  
        PBX インストールの確認
      2.  
        PBX が実行中であるかどうかの確認
      3.  
        PBX が正しく設定されているかどうかの確認
      4.  
        PBX のログへのアクセス
      5.  
        PBX のセキュリティのトラブルシューティング
      6.  
        PBX デーモンかサービスが利用可能かどうかの判断
    21. リモートホストの検証に関する問題のトラブルシューティング
      1.  
        ホストの検証に関連するログの表示
      2.  
        NetBackup 8.0 以前のホストとの安全でない通信の有効化
      3.  
        保留中のホスト ID からホスト名へのマッピングの承認
      4.  
        ホストキャッシュの消去
    22. 自動イメージレプリケーションのトラブルシューティングについて
      1.  
        自動イメージレプリケーションのトラブルシューティング
      2.  
        自動インポートジョブのトラブルシューティングについて
    23.  
      ネットワークインターフェースカードのパフォーマンスのトラブルシューティング
    24.  
      bp.conf ファイルの SERVER エントリについて
    25.  
      使用できないストレージユニットの問題について
    26.  
      Windows での NetBackup 管理操作のエラーの解決
    27.  
      UNIX コンピュータの NetBackup 管理コンソールに表示されるテキストの文字化けの解決
  3. NetBackup ユーティリティの使用
    1.  
      NetBackup のトラブルシューティングユーティリティについて
    2.  
      NetBackup デバッグログの分析ユーティリティについて
    3.  
      ネットワークトラブルシューティングユーティリティについて
    4. NetBackup サポートユーティリティ (nbsu) について
      1.  
        NetBackup サポートユーティリティ (nbsu) の出力
      2.  
        NetBackup サポートユーティリティ (nbsu) の進捗状況の表示の例
    5. NetBackup の一貫性チェックユーティリティ (NBCC) について
      1.  
        NetBackup の一貫性チェックユーティリティ (NBCC) の出力
      2.  
        NBCC の進捗状況の表示の例
    6.  
      NetBackup の一貫性チェックの修復 (NBCCR) ユーティリティについて
    7.  
      nbcplogs ユーティリティについて
    8. ロボットテストユーティリティについて
      1.  
        UNIX でのロボットテスト
      2.  
        Windows でのロボットテスト
  4. ディザスタリカバリ
    1.  
      ディザスタリカバリについて
    2.  
      ディザスタリカバリの要件について
    3.  
      ディザスタリカバリパッケージ
    4.  
      ディザスタリカバリ設定について
    5.  
      バックアップに関する推奨事項
    6. UNIX および Linux のディスクリカバリ手順について
      1. UNIX および Linux のマスターサーバーのディスクリカバリ
        1.  
          ルートが消失していない場合のマスターサーバーのリカバリ
        2.  
          ルートパーティションが消失した場合のマスターサーバーのリカバリ
      2.  
        UNIX の NetBackup メディアサーバーのディスクリカバリについて
      3.  
        UNIX クライアントワークステーションのシステムディスクのリカバリ
    7. UNIX および Linux のクラスタ化された NetBackup サーバーのリカバリについて
      1.  
        UNIX クラスタまたは Linux クラスタでの障害が発生したノードの置き換え
      2.  
        UNIX クラスタまたは Linux クラスタ全体のリカバリ
    8. Windows のディスクリカバリ手順について
      1. Windows のマスターサーバーのディスクリカバリについて
        1.  
          Windows が完全な状態である場合のマスターサーバーのリカバリ
        2.  
          マスターサーバーおよび Windows のリカバリ
      2.  
        Windows の NetBackup メディアサーバーのディスクリカバリについて
      3.  
        Windows クライアントのディスクリカバリ
    9. Windows のクラスタ化された NetBackup サーバーのリカバリについて
      1.  
        Windows VCS クラスタでの障害が発生したノードの置き換え
      2.  
        Windows VCS クラスタでの共有ディスクのリカバリ
      3.  
        Windows VCS クラスタ全体のリカバリ
    10.  
      ディザスタリカバリインストール後にクラスタマスターサーバーで証明書を生成する
    11.  
      ディザスタリカバリパッケージのリストアについて
    12.  
      Windows でのディザスタリカバリパッケージのリストア
    13.  
      UNIX でのディザスタリカバリパッケージのリストア
    14. NetBackup カタログのリカバリについて
      1.  
        Windows コンピュータでの NetBackup カタログリカバリについて
      2.  
        ディスクデバイスからの NetBackup カタログリカバリについて
      3.  
        NetBackup のカタログリカバリとシンボリックリンクについて
      4. NetBackup カタログのリカバリと OpsCenter について
        1.  
          カタログリカバリ後の NetBackup ジョブ ID 番号の指定
      5.  
        NetBackup ディザスタリカバリ電子メールの例
      6. NetBackup カタログ全体のリカバリについて
        1.  
          カタログリカバリウィザードを使用したカタログ全体のリカバリ
        2.  
          bprecover -wizard を使用した NetBackup カタログ全体のリカバリ
      7. NetBackup カタログイメージファイルのリカバリについて
        1.  
          カタログリカバリウィザードを使用した NetBackup カタログイメージファイルのリカバリ
        2.  
          bprecover -wizard を使った NetBackup カタログイメージファイルのリカバリ
      8. NetBackup リレーショナルデータベースのリカバリについて
        1.  
          NetBackup リレーショナルデータベースファイルのバックアップからのリカバリ
        2.  
          NetBackup リレーショナルデータベースのファイルをステージングからリカバリする
        3.  
          ステージングでのリレーショナルデータベースの処理について
      9.  
        NetBackup アクセス制御が構成されている場合の NetBackup カタログのリカバリ
      10.  
        カタログバックアップのプライマリコピー以外からのカタログのリカバリ
      11.  
        ディザスタリカバリファイルを使用しない NetBackup カタログのリカバリ
      12.  
        コマンドラインからの NetBackup のユーザー主導オンラインカタログバックアップのリカバリ
      13.  
        NetBackup オンラインカタログバックアップからのファイルのリストア
      14.  
        NetBackup オンラインカタログリカバリメディアの凍結の解除
      15.  
        カタログバックアップ中に終了状態 5988 が表示されたときに実行する手順

UNIX クライアントとのネットワーク通信の問題の解決

次の手順では、NetBackup 状態コード 25、54、57、58 に関連付けられた NetBackup の通信の問題を解決します。 この手順には、UNIX クライアント用と Windows クライアント用があります。

メモ:

NetBackup の問題の解決を試行する前に、NetBackup とは関係のないネットワーク構成が正常に機能していることを常に確認します。

UNIX クライアントの場合、次の手順を実行します。この手順を実行する前に、/usr/openv/netbackup/bp.conf ファイルに VERBOSE=5 オプションを追加します。

表: UNIX クライアントとのネットワーク通信の問題を解決する手順

手順

処理

説明

手順 1

デバッグログディレクトリを作成します。

通信の再試行時、デバッグログには、問題の分析に有効なデバッグの詳細情報が表示されます。

次のディレクトリを作成します。

  • bpcd (マスターサーバーとクライアントに)

  • vnetd (マスターサーバーとクライアントに)

  • bprd (マスターサーバーに)

クライアントとメディアサーバーの通信ではなくクライアントとマスターサーバーの通信の問題をデバッグするには、bprdログディレクトリを使います。

手順 2

新しい構成または変更を行った構成をテストします。

新しい構成または変更を行った構成の場合、次の手順を実行します。

  • 最新の変更を確認し、これらの変更によって問題が発生していないことを確認します。

  • クライアントソフトウェアがインストールされており、クライアントのオペレーティングシステムをサポートすることを確認します。

  • 次の項の説明に従って、NetBackup 構成内のクライアント名、サーバー名およびサービスのエントリを確認します。

    NetBackup のホスト名およびサービスエントリの検証を参照してください。

    クライアント上で hostname コマンドを実行して、クライアントがマスターサーバーに要求を送信するときのホスト名を判断することもできます。 マスターサーバー上の bprd のデバッグログを確認し、サーバーが要求を受信したときに発生するイベントを判断します。

手順 3

名前解決を検証します。

名前解決を検証するには、マスターサーバーとメディアサーバーで次のコマンドを実行します。

# bpclntcmd -hn client name

結果が予想外の場合、nsswitch.conf ファイル、hosts ファイル、ipnodes ファイル、resolv.conf ファイルの名前解決サービスの構成を見直します。

また、クライアントで次を実行し、バックアップを実行するマスターサーバーとメディアサーバーの名前の正引き参照と逆引き参照を調べます。

# bpclntcmd -hn server name

# bpclntcmd -ip IP address of server

手順 4

ネットワークの接続を検証します。

サーバーからクライアントに対して ping を実行することによって、クライアントとサーバーの間でのネットワークの接続を検証します。

# ping clientname

ここで、clientname は NetBackup のポリシー構成で構成されているクライアントの名前です。

たとえば、ant という名前のポリシークライアントに ping を実行すると想定します。

# ping ant 
    ant.nul.nul.com: 64 byte packets
    64 bytes from 199.199.199.24: icmp_seq=0. time=1. ms
    ----ant.nul.nul.com PING Statistics----
    2 packets transmitted, 2 packets received, 0% packet 
    loss round-trip (ms)  min/avg/max = 1/1/1

ping の成功により、サーバーとクライアントの間の接続が検証されます。ping が失敗し、ICMP がホストの間でブロックされない場合は、続行する前に NetBackup に関係のないネットワークの問題を解決してください。

ping コマンドの形式によっては、クライアント上の bpcd ポートに ping を実行できます。次にコマンドの例を示します。

# ping ant 1556 

1556 (PBX)、13724 (vnetd) の順 (NetBackup がデフォルトで試行する順序と同じ) で ping を実行します。これにより、閉じているポートがわかるため、効率的にポートを開いて接続を試みることができます。

手順 5

クライアントが正しいポートで bpcd への接続を待機していることを確認します。

クライアントで、次のいずれかのコマンド (プラットフォームおよびオペレーティングシステムによって異なる) を実行します。

netstat -a | grep bpcd
netstat -a | grep 13782
rpcinfo -p | grep 13782

1556 (PBX) と 13724 (vnetd) で繰り返します。ポートに問題がない場合、想定される出力は次のとおりです。

# netstat -a | egrep '1556|PBX|13724|vnetd|13782|bpcd' | grep LISTEN
 *.1556          *.*      0      0 49152      0 LISTEN
 *.13724         *.*      0      0 49152      0 LISTEN
 *.13782         *.*      0      0 49152      0 LISTEN

LISTEN は、クライアントがポートで接続を待機していることを示します。

NetBackup プロセスを正しく実行している場合に想定される出力を以下に示します。

# ps -ef | egrep 'pbx_exchange|vnetd|bpcd' | grep -v grep
root   306 1 0 Jul 18 ? 13:52 /opt/VRTSpbx/bin/pbx_exchange
root 10274 1 0 Sep 13 ?  0:11 /usr/openv/netbackup/bin/vnetd -standalone
root 10277 1 0 Sep 13 ?  0:45 /usr/openv/netbackup/bin/bpcd -standalone

マスターサーバーとメディアサーバーで手順を繰り返し、クライアントに通信をテストします。

手順 6

telnet によってクライアントに接続します。

クライアントで、telnet を使用して 1556 (PBX) と 13724 (vnetd) に接続します。両方のポートを調べて、少なくともどちらかで接続が確立されていることを確認します。telnet 接続が成功した場合は、手順 8 の実行が終了するまで接続を保持します。手順を実行したら、Ctrl+C を押して接続を切断します。

telnet clientname 1556
telnet clientname 13724

ここで、clientname は NetBackup のポリシー構成で構成されているクライアントの名前です。

次に例を示します。

# telnet ant vnetd
Trying 199.999.999.24 ...
Connected to ant.nul.nul.com.
Escape character is '^]'.

この例では、telnet によってクライアント ant への接続を確立できます。

マスターサーバーとメディアサーバーで手順を繰り返し、クライアントに通信をテストします。

手順 7

サーバーホストのアウトバウンドソケットを識別します。

マスターサーバーとメディアサーバーで: 手順 6 の telnet コマンドに使われたアウトバウンドソケットを識別するには、次のコマンドを使います。 サーバーがポリシークライアントを解決する適切な IP アドレスを指定します。送信元 IP (10.82.105.11)、送信元ポート (45856)、送信先ポート (1556) に注意してください。

# netstat -na | grep '<client_IP_address>' | egrep '1556|13724' 
10.82.105.11.45856 10.82.104.99.1556 49152 0 49152 0 ESTABLISHED

telnet がまだ接続されていて、ソケットが表示されていない場合は、ポート番号のフィルタを削除し、サイトがサービス名をマップしたポート番号を確認します。 手順 5 のポート番号でプロセスが待機していることを確認します。

$ netstat -na | grep '<client_IP_address>' 
10.82.105.11.45856 10.82.104.99.1234 49152 0 49152 0 ESTABLISHED

ソケットが ESTABLISHED 状態ではなく SYN_SENT 状態である場合、サーバーホストは接続を確立しようとします。ただし、ファイアウォールにより、アウトバウンド TCP SYN のクライアントホストへの到達、または返す方向の TCP SYN+ACK のサーバーホストへの到達はブロックされます。

手順 8

telnet 接続がこのクライアントホストに到達することを確認します。

マスターサーバーとメディアサーバーで、telnet 接続がこのクライアントホストに到達することを確認するには、次のコマンドを実行します。

$ netstat -na | grep '<source_port>'
10.82.104.99.1556  10.82.105.11.45856  49152 0 49152 0 ESTABLISHED

次のいずれかの状況が発生します。

  • telnet が接続されていてもソケットが存在しない場合、telnet はクライアントホストと同じ IP アドレスを誤って共有している他のホストに到達しています。

  • ソケットが ESTABLISHED ではなく SYN_RCVD 状態である場合、接続はこのクライアントホストに到達しました。ただし、ファイアウォールにより、TCP SYN+ACK のサーバーホストへの到達はブロックされます。

手順 9

クライアントとマスターサーバーの間の通信を検証します。

bpclntcmd ユーティリティを使用して、クライアントからマスターサーバーへの通信を検証します。-pn および -sv を指定して NetBackup クライアント上で実行した場合、(クライアント上の bp.conf ファイルで構成されている) NetBackup マスターサーバーへの問い合わせが開始されます。 その後、マスターサーバーから問い合わせ元のクライアントに情報が戻されます。bpclntcmd についての詳細情報を参照できます。

bpclntcmd ユーティリティについてを参照してください。

PBX、vnetd および bprd のデバッグログに、他のエラーの性質に関する詳細が示されます。