Storage Foundation Cluster File System High Availability 7.4 管理者ガイド - Linux

Veritas InfoScale Storage 環境の Erasure coding

Erasure coding は、スタンドアロン環境と FSS 環境でサポートされます。

ストレージシステムが拡大し、複雑性が増すにつれ、従来のデータ保護機構ではエラーに対して不十分であることがわかってきています。Erasure coding は重要なストレージアーカイブの冗長性と耐障害性において、より堅牢なソリューションを提供します。Erasure coding ではデータを断片化して拡張し、冗長データでエンコードして異なる場所またはストレージメディアに格納します。1 つ以上のディスクでエラーが発生した場合、エラーが発生したディスク上のデータは、エンコードされたディスクのパリティ情報と、残りのディスクのデータを使って再構築されます。Erasure Code ボリュームは、ディスクグループバージョン 240 以降を使用して作成する必要があります。

Veritas InfoScale では、Reed-Solomon アルゴリズムを使用して Erasure coding を構築します。

Erasure Code ボリュームは、次の使用例で使用できます。

他のボリュームレイアウトと同じように、トランザクションやその他の作業負荷用デバイスとして EC ボリュームを使用できます。この場合、システムがクラッシュしたときにデータの一貫性を確保するために、非同期の書き込みログが使われます。各書き込みは、まずログに記録または書き込まれてから通知されます。その後、ログからの書き込みは、非同期的にデータ領域にフラッシュされます。ユーザーは、vxassist に ecloglen オプションを使用して log_length を指定できます。これは、カラムごとのログサイズを指定します。ログの長さは、並列書き込み数の関数である必要があります。ecloglen のデフォルト値は 1 GB です。

システムがクラッシュ後にオンライン状態になると、ログ再生が実行されます。書き込み側ノード (ホスト) の一部がクラッシュして復帰した場合、そのログのすべての書き込みは FMR で追跡され、追跡された領域がリカバリされます。クラッシュが発生した場合は、このようにしてデータの一貫性が維持されます。障害が発生し、そのことがログに書き込まれただけのカラムへの書き込みに対応する領域は、カラムのリカバリを開始する前にダーティとしてマークされます。

オブジェクトストアでは、データはオブジェクトとして管理および格納されます。これは、データがファイル階層やディスクセクタまたはブロックとして管理および格納される、その他のアーキテクチャとは異なります。標準的なオブジェクトストアアーキテクチャでは、次の条件が保証されます。

EC ボリュームは、このような使用例で最適な状態に調整できます。この場合に EC ボリュームを使用するには、ユーザーは stripe_aligned=yes オプションを指定して EC ボリュームを作成する必要があります。EC ボリュームを作成するときに「stripe_aligned = yes」オプションを指定すると、ログとロックのオーバーヘッドがなくなり、パフォーマンスが向上します。また、オブジェクトの割り当てを EC ストライプの長さと揃える必要があることと、オブジェクトサイズを EC ストライプの長さと同じにするか、EC ストライプの長さの倍数にする必要があることに注意してください。

このリリースでサポートされる RHEL、SLES、サポート対象の RHEL 互換配布のバージョンでは、Erasure Code ボリュームを設定できます。