Veritas NetBackup™ Appliance ファイバーチャネルガイド

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Product(s): Appliances (3.1 (5340), 3.1 (5330), 3.1 (5240), 3.1 (5230), 3.1 (5220))
  1. NetBackup Appliance へのファイバーチャネルサポートの導入
    1.  
      NetBackup アプライアンスのファイバーチャネルでサポートされている機能について
    2.  
      NetBackup ファイバートランスポートについて
    3. NetBackup SAN クライアントとファイバートランスポートについて
      1.  
        SAN クライアントのライセンスキーについて
    4.  
      アプライアンス間の最適化複製と自動イメージレプリケーション用のファイバートランスポートについて
    5. NetBackup Appliance に対してサポートされているデータ転送方法
      1.  
        アプライアンスの HBA 構成によるファイバーチャネル機能のサポートについて
      2.  
        NetBackup 5230 の背面パネルの構成について
      3.  
        NetBackup 5240 Appliance の I/O 構成オプション
      4.  
        NetBackup 5330 Appliance 計算ノードの PCIe スロットの I/O 構成オプション
      5.  
        5340 Appliance で利用可能な PCIe ベースの I/O 構成
    6.  
      NetBackup アプライアンスのファイバートランスポートパスについて
  2. HBA ポートモードの構成について
    1.  
      FTMS により予約された HBA ポートと出荷時のデフォルトのポートモードの構成について
    2.  
      NetBackup 5220/5230 Appliance のサポート対象ファイバーチャネルポートの構成
    3.  
      NetBackup 5240 アプライアンスのサポート対象ファイバーチャネルポートの構成
    4.  
      NetBackup 53xx アプライアンスのサポート対象ファイバーチャネルポートの構成
  3. FC SAN のゾーニング
    1.  
      アプライアンス HBA WWPN を特定する方法
    2.  
      NetBackup Appliance 用の SAN のゾーン化について
    3.  
      NetBackup Appliance Shell Menuでの HBA のリンク状態について
  4. アプライアンス上でのファイバートランスポートの設定
    1. 設定 (Settings) > ネットワーク (Network) > ファイバートランスポート (Fibre Transport)
      1.  
        HBA ポートモード構成表について
    2.  
      SAN クライアントのファイバートランスポートメディアサーバーの構成
    3.  
      ファイバートランスポートメディアサーバー設定の構成
    4.  
      ファイバートランスポートのメディアサーバーの検証について
    5.  
      複数の SAN クライアント FC イニシエータポートからデータストリームを受信するために NetBackup Appliance の FT ターゲットポートを変更するガイドライン
    6.  
      FC を使用した最適化複製と自動イメージレプリケーションのファイバートランスポートの構成
    7. 他の NetBackup アプライアンスへのファイバートランスポートの構成
      1.  
        ファイバートランスポートのチャンクサイズについて
    8.  
      最適化複製とレプリケーション用にターゲットアプライアンスでファイバートランスポートを構成する
    9.  
      ファイバートランスポート重複排除ターゲットモードポートの確認について
    10.  
      ファイバーチャネルを使った NetBackup 52xx/53xx アプライアンスから NetBackup 50xx アプライアンスへの直接バックアップの構成
    11.  
      MSDP レプリケーション用に異なるドメインに NetBackup 52xx/53xx アプライアンスを 2 台構成する方法
  5. テープサポートへのバックアップについて
    1.  
      NetBackup Appliance でのテープへのバックアップのサポートについて
  6. VMware のサポート
    1. VMware バックアップホストとしての NetBackup appliance について
      1.  
        バックアップホストとしての NetBackup appliance: コンポーネントの概要
      2.  
        VMware バックアップホストとしての NetBackup appliance に関する注意事項
    2.  
      SAN トランスポートを使用した VMware バックアップのためのアプライアンスの dynamic multi-pathing 機能について

NetBackup Appliance 用の SAN のゾーン化について

NetBackup ファイバートランスポート (FT) メカニズムを設定して使うには、まず SAN を設定して動作可能な状態にする必要があります。

NetBackup Appliance は次の SAN 設定をサポートします。

  • ノードポート (N_Port) 切り替えの構成。

  • ファイバーチャネルアービトレーテッドループ (FC-AL) 構成。

    FC-AL ハブはサポートされていません。

SAN スイッチ構成の場合、適切なゾーン化を行うことで、他の SAN アクティビティで必要になる可能性がある帯域幅がファイバートランスポート通信によって使われることがなくなります。 また、適切なゾーン化によりホストバスアダプタ (HBA) ポートが検出するデバイスが限定されます。ポートは他のポートのゾーン内でのみそれらのポートを検出します。 ゾーン化しない場合、各 HBA ポートは SAN のすべてのホストからすべての HBA ポートを検出します。 デバイス数が多いと、オペレーティングシステムがサポートするデバイス数を超える場合があります。

SAN の設定と管理方法については、NetBackup マニュアルでは説明していません。 ただし、次の推奨事項は SAN の通信を最適化するのに役立つことがあります。

表: NetBackup Appliance の SAN をゾーン化するためのベストプラクティス では、NetBackup Appliance の SAN をゾーン化するためのベストプラクティスを説明しています。

表: NetBackup Appliance の SAN をゾーン化するためのベストプラクティス

ガイドライン

説明

ゾーンごとに 1 つのイニシエータ、複数のターゲットを受け入れ可能。

ベリタスは、ゾーンごとに 1 つのイニシエータのみを設定してゾーンを作成することを推薦します。すべてのターゲットが類似している場合にのみ、1 つのゾーンに複数のターゲットを受け入れ可能です。

メモ:

2 台の NetBackup 52xx/53xx アプライアンス間のデータ複製では、各ゾーンに 1 つのイニシエータおよび 1 つのターゲットのみを含むゾーンを作成する必要があります。

イニシエータに関係なく、テープターゲットリソースはディスクターゲットリソースとは別のゾーンにしてください。 ただし、両方のリソースのセットで同じイニシエータを共有することはできます。

1 つのポートを複数のゾーンに対して構成するときは、パフォーマンスの低下に注意してください。

1 つのポートを複数のゾーンのイニシエータまたはターゲットとして使用すると、そのポートがシステム全体のパフォーマンスのボトルネックとなる場合があります。 システムのすべての部分で必要となるスループットの合計を分析し、必要に応じてトラフィックフローを最適化する必要があります。

耐障害性のために、接続はポートではなく HBA カードに分散します。

システム接続の可用性を確保するために、共通リソースに対してマルチパスアプローチを組み込む場合には、ゾーン化のように別のカード上のポートをペアにします。 この構成は、カード障害が発生した場合にリソースへのパスがすべて失われることを防ぐために役立ちます。

WWN を基に SAN をゾーン化し、デバイスがポートを変更した場合のゾーン移行を容易にします。

WWN に基づいて SAN をゾーン化することを推奨します。 スイッチポート構成またはケーブル構造に変更が必要な場合、ゾーンを再作成する必要はありません。

表: アプライアンスゾーン は、SAN トラフィックに使用する必要があるゾーンを説明します。

ゾーンを示した図は、次のリンクから参照できます。

NetBackup アプライアンスのファイバートランスポートパスについてを参照してください。

メモ:

NetBackup アプライアンスで HBA ポートを指定する場合、物理ポート ID または WWPN (World Wide Port Name) を使う必要があります。

アプライアンス HBA WWPN を特定する方法を参照してください。

表: アプライアンスゾーン

ゾーン

説明

ファイバートランスポートのバックアップゾーン

ファイバートランスポートのバックアップゾーンには、SAN クライアントとアプライアンス間のファイバートランスポートの通信のみを含める必要があります。

バックアップゾーンには、次の HBA ポートを含めてください。

  • HBA のターゲットポート (このポートをファイバーチャネルスイッチポートに接続します。) 2 つの HBA がある場合、両方を使うことができます。 2 つのポートを使用することで冗長性が得られます。

    メモ:

    NetBackup Appliance に装備されている QLogic FC HBA カードは、ターゲットポートに特別な NetBackup ターゲットモードドライバを使います。 デフォルトのイニシエータモードのファイバーチャネルドライバは、ターゲットモードドライバに置き換えられます。ターゲットモードドライバは付属の QLogic HBA カードにのみ適用されます。

    物理ポート ID またはワールドワイドポートネーム (World Wide Port Name) でアプライアンスのターゲットポートを定義する必要があります。ターゲットモードドライバの WWPN は、ファイバーチャネル HBA WWPN で導出されるため一意ではありません。

  • アプライアンスに接続する SAN クライアントの HBA 上のポート (各 SAN クライアントの HBA ポートを同じファイバーチャネルスイッチのポートに接続します。)

    ポート ID または WWPN のいずれかで SAN クライアントポートを定義できます。ただし、すべてのデバイスに 1 つの方法を使用した場合、ゾーンの定義および管理がより容易になります。

    SAN クライアント上のポートは標準イニシエータモードドライバを使います。

    複数ストリームのスループットを向上させるには、各 SAN クライアントで、アプライアンス HBA ポートまたはゾーン内のポートのターゲットモードデバイスがすべて検出される必要があります。各アプライアンスの HBA ターゲットポートは 2 台のターゲットモードデバイスを表示します。

  • クライアントポートと HBA ターゲットポートが同じゾーンになるようにスイッチのゾーンを定義します。

ベリタスアプライアンスモデルの一部は、ファイバートランスポートに使うことができる 1 つ以上のファイバーチャネル HBA カードを装備しています。アプライアンスにこのカードが含まれていない場合、ベリタスが認定する担当者が承認済みの FC HBA カードをインストールして構成する必要があります。

ファイバートランスポートストレージゾーン

ファイバートランスポートストレージゾーンは、ストレージのソースから宛先までのファイバートランスポートトラフィックを搬送します。

ソースホストは、NetBackup 52xx/53xx アプライアンスです。宛先ホストは、NetBackup 重複排除アプライアンスまたは別の 52xx/53xx Appliance です。

トラフィックは複製またはバックアップのいずれかになります。複製では、重複排除されたデータがストレージの宛先に送信されます。バックアップの場合は、最初にデータを NetBackup 52xx/53xx アプライアンスに送信してから NetBackup 重複排除アプライアンスに送信して格納します。

ストレージゾーンは次の HBA ポートを含む必要があります。

  • NetBackup Appliance の HBA のイニシエータポート - このポートをファイバーチャネルスイッチポートに接続します。 バックアップゾーンと同じスイッチである必要はありません。

    複製元は NetBackup 52xx/53xx アプライアンスです。

    イニシエータポートは標準イニシエータモードドライバを使います。

  • NetBackup 重複排除アプライアンスポート

    5020 の場合、スロット 1、2 および / または 3 にある HBA のターゲットポート (ポート 1) を同じファイバーチャネルスイッチに接続してください。

    5030 の場合、スロット 2 または 5 にある HBA のターゲットポート (ポート 1) を同じファイバーチャネルスイッチに接続してください。

    5020 または 5030 重複排除アプライアンスは複製ジョブのターゲットです。

    メモ:

    NetBackup 5020 または 5030 のファイバーチャネルを使用するには、ファイバーチャネル通信機能を有効にする必要があります。詳しくは『NetBackup 重複排除アプライアンスソフトウェア管理者ガイド』を参照してください。

  • NetBackup 52xx/53xx アプライアンスターゲットポート

    複製先は 52xx または 53xx アプライアンスです。

  • NetBackup アプライアンスのイニシエータポートと NetBackup 重複排除アプライアンスのターゲットポートが同じゾーンに存在するように、スイッチでゾーンを定義します。

    メモ:

    2 台の NetBackup 52xx/53xx アプライアンス間のデータ複製では、1 つのイニシエータポートと 1 つのターゲットポートのみを含むゾーンを作成する必要があります。

外部テープストレージゾーン

テープライブラリをストレージとして使う場合、そのトラフィック用に別のゾーンを作成します。テープストレージゾーンは NetBackup ファイバートランスポートを使わず、標準イニシエータモードドライバを使います。

テープストレージのゾーンでは、52xx アプライアンスのスロット 3 の FC HBA または 53xx アプライアンスのスロット 2 または 3 の FC HBA に 1 つまたは複数のポートが必要です。

スロット 5 と 6 で FTMS が有効になっていない場合は、テープデバイスの FC ポートとして使用できます。