Backup Exec 23 管理者ガイド

バックアップに使用するストリームの適切な数について

クラウドリソースをバックアップするジョブのパフォーマンスは、Backup Exec サーバーとデータセンター間の外部ネットワークの帯域幅、Microsoft 365 API スロットルポリシーなどの要因によって決まります。

Microsoft 社は、サービスに対する同時呼び出しの数を制限するためにスロットルを実施します。スロットルのしきい値を超えると、Microsoft 社ではそのクライアントからのそれ以上の要求を一定期間制限します。スロットルは、多くの要求がある場合に、Microsoft 社のサービスの最適なパフォーマンスと信頼性を維持するのに役立ちます。Microsoft API のスロットルの制限と動作はそれぞれ異なります。

Backup Exec には、次のようないくつかのリスク軽減戦略が組み込まれており、すべての要因を考慮してパフォーマンスの最適化を試みます。

バックアップジョブは、並列ストリームを使用して実行するように構成できます。これは、データを並列でダウンロードすることによってバックアップの速度を上げるのに役立ちます。データは SaaS サービスからインターネット経由でバックアップされます。

ジョブで選択された、Exchange メールボックス、OneDrive ボリューム、SharePoint サイト、Teams チャネルなどの Microsoft 365 エンティティが、並列ストリームに分割されます。各ストリームは一連のエンティティのアイテムを保護し、ターゲットデバイスにバックアップセットを並列して作成します。各ストリームは 1 つのバックアップセットを作成します。単一のバックアップジョブによって作成されるすべてのバックアップセットの結合ビューは、Backup Exec のリストア参照ビューで 1 つの指定した時点へのリストアとして表示されます。

Backup Exec Microsoft 365 ジョブでインターネットの帯域幅使用率を最適化するには、使用されるストリームの数を変更し、ジョブの次回実行時に影響を監視できます。ストリーム数は、［バックアップオプション］> ［Microsoft 365］> ［バックアップに使用するストリームの適切な数］で変更できます。

次の表は、使用できるストリーム数の推奨値を示します。

高帯域の場合、この数は Backup Exec サーバーのハードウェアと環境によって異なります。環境に適した設定を確認するために、さまざまな値をテストする必要があります。詳しくは、Backup Exec ソフトウェア互換性リストを参照してください。

［必要なストリームの最小数］オプションで指定された値は、ターゲット重複排除ストレージデバイスに指定された同時実行数から使用されます。ストリームの最小数を減らした後の［バックアップに使用するストリームの適切な数］オプションで指定された追加のストリーム数は、Backup Exec によってプログラムで処理されます。

たとえば、［必要なストリームの最小数］が 1 に設定され、［バックアップに使用するストリームの適切な数］が 10 に設定されている場合、重複排除ストレージの同時実行数は 4 に設定されます。

ジョブに複数のエンティティが選択されている場合、適切なストリーム数の 10 を使用するために、ジョブは重複排除ストレージデバイスで設定された同時実行数からの 1 つのストリームを使用し、9 つのストリームはプログラムで処理されます。重複排除ストレージの残りの同時実行数 (3) は、重複排除ストレージデバイスを対象とする他のジョブで利用できます。

バックアップジョブのログはバックアップジョブによって使用されるストリームの数を示します。