Veritas NetBackup™ Snapshot Client 管理者ガイド
- 概要
- インストール
- ポリシーの構成
- スナップショット方式の選択
- Snapshot Client の構成パラメータ
- 代替クライアントバックアップの使用について
- 代替クライアントによるバックアップの構成
- ポリシーの構成のヒント
- スナップショットの無効化について
- FlashBackup の構成
- インスタントリカバリの構成
- ネットワーク接続ストレージ (NAS) スナップショットの構成
- ソフトウェアベースのスナップショット方式の構成
- Cluster Volume Manager 環境 (CVM) のためのサポート
- ディスクアレイ用のスナップショット方式の構成
- 新しいディスクアレイスナップショット方式について
- ディスクアレイの構成作業
- OS 固有の構成作業
- VSS の構成について (Windows)
- EMC 社の CLARiiON アレイについて
- CLARiiON アレイにアクセスするための NetBackup の構成
- CLARiiON アレイ方式用の NetBackup ポリシーの構成
- EMC 社の Symmetrix アレイについて
- EMC_TimeFinder_Mirror 用の構成について
- EMC_TimeFinder_Clone 用の構成について
- HP 社の EVA アレイについて
- IBM DS6000 アレイと DS8000 アレイについて
- IBM DS4000 アレイについて
- Hitachi SMS/WMS/AMS、USP/NSC、USP-V/VM について
- HP-XP アレイについて
- アレイのトラブルシューティングについて
- メディアサーバーおよびサードパーティコピー方式に関する注意事項
- バックアップおよびリストアの手順
- FlashBackup バックアップからのリストアについて
- インスタントリカバリリストア機能
- リストアの構成について
- ディスクスナップショットからのリストアについて
- トラブルシューティング
- UNIX プラットフォームのログディレクトリ
- Windows プラットフォームのログフォルダ
- FlashBackup と状態コード 13
- 付録 A. nbu_snap の管理 (Solaris)
- 付録 B. スナップショット操作の概要
- 付録 C. スナップショット管理用の NetBackup と CloudPoint の統合
コピーオンライトの動作方法
コピーオンライトスナップショットは、ある特定の時点に存在していたデータの明細情報です。ミラーとは異なり、コピーオンライトは、データのコピーではなく、データに関する特殊な情報です。
コピーオンライト処理は次のように実行されます。スナップショットが要求されると、完了していないトランザクションまたはソースデータへの変更を完了することは許可されますが、新しい変更は一時的に停止されます。ソースは、少しの間休止 (静止) されます。コピーオンライトが有効になると、新しいトランザクションまたはソースデータへの変更 (書き込み) が実行できるようになります。ただし、データのいずれかの特定のブロックに対して最初に発行された書き込み要求は、コピーオンライト処理によって、短い間インターセプトまたは保留されます。要求が保留されている間に、この書き込みによって影響を受けるブロックはキャッシュにコピーされ、キャッシュされたブロックの記録が保存されます。すなわち、この処理では、各ソースブロックが初めて変更される前にそのブロックが読み込まれます。次に、ブロックの現在のデータがキャッシュにコピーされて、キャッシュされたブロックの場所と識別情報が記録されます。その後、インターセプトされていた書き込みデータのソースブロックの位置への書き込みが許可されます。
図: コピーオンライト処理 に、コピーオンライト処理を示します。
次の表は、図に示したフェーズをリストしたものです。
フェーズ |
処理 |
---|---|
フェーズ 1 |
ソースデータのイメージが凍結され、コピーオンライトが有効になります。 |
フェーズ 2 |
s4、s7、s8 への新しい書き込み要求はコピーオンライト処理によって保留されます (矢印を参照してください)。 |
フェーズ 3 |
ブロック s4、s7、s8 の内容がコピーオンライト処理によってキャッシュに書き込まれます。これらのブロックがキャッシュに書き込まれるのは、スナップショットの間にソースで変更された回数に関係なく 1 回だけです。 |
フェーズ 4 |
コピーオンライト処理によってキャッシュへの書き込み数の記録が保存されます。 |
フェーズ 5 |
書き込み要求が許可されるようになります。 |
コピーオンライトの直接の処理結果は、変更される直前のソースブロックのキャッシュコピー (フェーズ 3) およびそれらのキャッシュされたブロックが格納された場所のレコード (フェーズ 4) です。
コピーオンライトでは、ソースのコピーは作成されません。変更されたブロックのキャッシュコピーと、それらの場所の記録が作成されます。バックアップ処理では、コピーオンライト処理の指示に従って、ソースデータまたはキャッシュデータが参照されます。
図: コピーオンライトのバックアップ に、コピーオンライトスナップショットをバックアップするための処理を示します。
次の表は、図に示したフェーズをリストしたものです。
フェーズ |
処理 |
---|---|
フェーズ 1 |
バックアップにより、s0、s1、s2、s3 からソースデータが読み込まれます。 |
フェーズ 2 |
s4 で、コピーオンライトがバックアップに、s4 の代わりに c0 を読み込むように指示します。 |
フェーズ 3 |
次に、バックアップによってソースから s5 と s6 が読み込まれます。 |
フェーズ 4 |
s7 と s8 で、コピーオンライトがバックアップに、s7 と s8 の代わりに c1 と c2 を読み込むように指示します。 |
フェーズ 5 |
バックアップは、コピーオンライトの指示に従ってソースまたはキャッシュの読み込みを続行します。 |
フェーズ 6 |
バックアップが完了すると、バックアップデータは元のソースと同じになります。 |
この図に示すように、正確なバックアップイメージは、データの変更されていない部分とキャッシュを組み合わせることによって取得されます。スナップショットのバックアップが開始されると、コピーオンライト処理が有効になった後で変更されたブロックに達するまで、ソースデータがバックアップアプリケーションによってコピーされます (フェーズ 1)。コピーオンライトからバックアップに対して、その変更されたブロックをスキップして、代わりにキャッシュされた (元の) コピーを読み込むように指示されます (フェーズ 2)。バックアップアプリケーションは、変更された別のブロックに達するまで、ソースデータのコピーを続行します (フェーズ 3)。コピーオンライトの指示に従って、キャッシュが再度読み込まれます (フェーズ 4)。バックアップが完了すると、バックアップは、コピーオンライトが有効になった時点で存在していたソースと同一のコピーになります。