Veritas InfoScale™ 8.0 DB2 データベース用ストレージと可用性管理 - AIX, Linux

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Product(s): InfoScale & Storage Foundation (8.0)
Platform: AIX,Linux
  1. 第 I 部 DB2 データベース用 SFHA (Storage Foundation High Availability) 管理ソリューション
    1. Storage Foundation for Databases の概要
      1.  
        DB2 用 Storage Foundation High Availability(SFHA)Solutions の概要
      2. Veritas File System について
        1.  
          Veritas File System のインテントログについて
        2.  
          エクステントについて
        3.  
          ファイルシステムのディスクレイアウトについて
      3.  
        Veritas Volume Manager の概要
      4.  
        DMP (Dynamic Multi-Pathing) について
      5.  
        Cluster Server について
      6.  
        Cluster Server のエージェントについて
      7.  
        Veritas InfoScale Operations Manager について
      8.  
        Veritas InfoScale 8.0 製品の DB2 サポート機能
      9.  
        Veritas InfoScale 製品の使用例
  2. 第 II 部 Veritas InfoScale 製品を使用した DB2 の配備
    1. Storage Foundation 環境への DB2 オプションの配備
      1.  
        Veritas InfoScale 環境の DB2 配備オプション
      2.  
        Storage Foundation を用いる単一システムの DB2
      3.  
        Storage Foundation 環境でオフホストを使う単一システム上の DB2
      4.  
        Storage Foundation High Availability を用いた高可用性クラスタの DB2
      5.  
        SF Cluster File System HA のある並列クラスタの DB2
      6.  
        仮想化環境での DB2 と Storage Foundation の配備
      7.  
        Storage Foundation SmartMove およびシンプロビジョニングによる DB2 の配備
    2. Storage Foundation を使用した DB2 の配備
      1.  
        DB2 データベースを配備するためのタスク
      2.  
        DB2 の配備のためのボリュームレイアウトの選択について
      3. DB2 を配備するためのディスクグループの設定
        1.  
          DB2 を配備するためのディスクグループ設定のガイドライン
      4. DB2 を配備するためのボリュームの作成
        1.  
          DB2 を配備するためのボリューム設定のガイドライン
      5. DB2 を配備するための VxFS ファイルシステムの作成
        1.  
          DB2 を配備するためのファイルシステムの作成ガイドライン
      6.  
        DB2 を配備するためのファイルシステムのマウント
      7.  
        DB2 のインストールとデータベースの作成
    3. Storage Foundation を使用したオフホスト設定での DB2 の配備
      1.  
        データベースのオフホスト設定の必要条件
    4. High Availability を使用した DB2 の配備
      1.  
        DB2 を HA 設定に配備するためのタスク
      2.  
        データベースを高可用性にする VCS 設定
  3. 第 III 部 Storage Foundation for Databases (SFDB) ツールの設定
    1. Storage Foundation for Databases リポジトリデータベースの設定および管理
      1.  
        SFDB (Storage Foundation for Databases)リポジトリについて
      2.  
        Storage Foundation for Databases (SFDB) ツールの必要条件
      3.  
        SFDB(Storage Foundation for Database)ツールの可用性
      4. Storage Foundation for Databases (SFDB) リポジトリの設定
        1.  
          SFDB のリポジトリの場所
      5.  
        ノード追加後の SFDB(Storage Foundation for Databases)リポジトリの更新
      6.  
        ノード削除後の SFDB(Storage Foundation for Databases)リポジトリの更新
      7.  
        SFDB (Storage Foundation for Databases) リポジトリの削除
    2. Storage Foundation for Databases (SFDB) ツールの認証の設定
      1.  
        SFDB ツール認証のための vxdbd の設定
      2.  
        SFDB ツールに対して認証を使っているクラスタへのノードの追加
      3.  
        SFDB コマンドを実行できるようにするためのユーザーの許可
  4. 第 IV 部 DB2 データベースのパフォーマンスの向上
    1. データベースアクセラレータについて
      1.  
        Veritas InfoScale 製品コンポーネントのデータベースアクセラレータについて
    2. Quick I/O によるデータベースパフォーマンスの向上
      1. Quick I/O について
        1.  
          Quick I/O によるデータベースパフォーマンス向上のしくみ
      2.  
        データベース環境での Quick I/O の設定タスク
      3.  
        setext コマンドによる Quick I/O ファイル領域の事前割り当て
      4.  
        通常の VxFS ファイルへの Quick I/O ファイルとしてのアクセス
      5.  
        DB2 コンテナの Quick I/O ファイルへの変換
      6.  
        スパースファイルについて
      7.  
        Quick I/O の状態とファイル属性の表示
      8.  
        Quick I/O ファイルの拡張
      9.  
        DB2 による表スペースの空き領域の監視と表スペースコンテナの拡張
      10.  
        データベースのリストア後の Quick I/O ファイルの再作成
      11.  
        Quick I/O の無効化
    3. Veritas Concurrent I/O による DB2 データベースパフォーマンスの向上
      1. 同時 I/O について
        1.  
          同時 I/O の動作
      2. 同時 I/O の有効化と無効化のタスク
        1.  
          DB2 の同時 I/O の有効化
        2.  
          DB2 の同時 I/O の無効化
  5. 第 V 部 PITC (Point-In-Time Copy) の使用
    1. PITC 方法の理解
      1.  
        PITC(Point-In-Time Copy)の概要
      2.  
        ポイントインタイムコピーを使う状況
      3.  
        Storage Foundation PITC テクノロジについて
      4.  
        SFDB ツールによってサポートされている PITC ソリューション
      5.  
        Storage Foundation for Databases (SFDB) ツールのサポート対象スナップショットモードについて
      6. ボリュームレベルのスナップショット
        1.  
          ボリュームスナップショットの永続 FastResync
        2.  
          ボリュームスナップショットのデータ整合性
        3.  
          サードミラーブレークオフスナップショット
      7. Storage Checkpoint
        1.  
          Storage Checkpoint とスナップショットの違い
        2. Storage Checkpoint の動作
          1.  
            コピーオンライト
          2. Storage Checkpoint の可視性
            1.  
              Storage Checkpoint と 64 ビットの i ノード番号
        3.  
          Storage Checkpoint を使用したデータベースのロールバックについて
        4.  
          Checkpoint と Storage Rollback のプロセス
        5.  
          Storage Checkpoint の領域管理に関する注意事項
    2. DB2 PITC に関する注意事項
      1.  
        DB2 データベースレイアウトに関する注意事項
      2.  
        サポート対象の DB2 設定
    3. サードミラーブレークオフスナップショットの管理
      1. クローン作成のための Database FlashSnap
        1.  
          Database FlashSnap の利点
      2. Database FlashSnap のホストとストレージの準備
        1. ホストの設定
          1.  
            Database FlashSnap のオフホスト設定
        2.  
          データベースによって使われるボリュームまたはボリュームセットのスナップショットミラーの作成
      3.  
        Database FlashSnap を使用したデータベースのクローンの作成
      4.  
        ミラーボリュームのプライマリボリュームとの再同期
      5.  
        セカンダリホストでのデータベースのクローン作成
    4. Storage Checkpoint の管理
      1.  
        Storage Checkpoint について
      2. リカバリのための Database Storage Checkpoint
        1.  
          Database Storage Checkpoint の利点と制限事項
      3.  
        Database Storage Checkpoint の作成
      4.  
        Database Storage Checkpoint の削除
      5.  
        Database Storage Checkpoint のマウント
      6.  
        Database Storage Checkpoint のマウント解除
      7.  
        Database Storage Checkpoint を使ったデータベースのクローンの作成
      8.  
        Database Storage Checkpoint からのリストア
      9.  
        オフラインモード Storage Checkpoint のデータの収集
    5. SFHA 環境での NetBackup によるバックアップとリストア
      1.  
        Veritas NetBackup について
      2.  
        Veritas NetBackup を使った DB2 のバックアップとリストアについて
      3. SFHA Solutions 製品環境での NetBackup の使用
        1.  
          NetBackup マスターサーバーのクラスタ化
        2.  
          NetBackup を使用した VxVM ボリュームのバックアップとリカバリ
        3.  
          NetBackup を使った VxVM ボリュームのリカバリ
  6. 第 VI 部 DB2 に対するストレージコストの最適化
    1. SmartTier によるストレージの階層化について
      1. SmartTier について
        1.  
          VxFS MVS ファイルシステムについて
        2.  
          VxVM ボリュームセットについて
        3.  
          ボリュームタグについて
        4.  
          SmartTier ファイルの管理
        5.  
          SmartTier のサブファイルオブジェクトの管理
      2.  
        高可用性(HA)環境での SmartTier
    2. DB2 での SmartTier のユースケース
      1.  
        DB2 での SmartTier の使用例
      2.  
        SmartTier による古いアーカイブログの階層 2 ストレージへの再配置
      3.  
        非アクティブな表領域またはセグメントの階層 2 ストレージへの再配置
      4.  
        有効なインデックスの高価なストレージへの再配置
      5.  
        すべてのインデックスの高価なストレージへの再配置
  7. 第 VII 部 Storage Foundation for Databases 管理リファレンス
    1. Storage Foundation for Databases コマンドリファレンス
      1.  
        vxsfadm コマンドリファレンス
      2. FlashSnap リファレンス
        1.  
          FlashSnap の設定パラメータ
        2.  
          FlashSnap がサポートされる操作
      3. Database Storage Checkpoints のリファレンス
        1.  
          Database Storage Checkpoint の設定パラメータ
        2.  
          Database Storage Checkpoint のサポートされる操作
    2. Storage Foundation for Databases のチューニング
      1.  
        その他のマニュアル
      2. VxVM のチューニングについて
        1.  
          ボリュームの I/O 統計情報の取得について
      3. VxFS のチューニングについて
        1. 空き領域の監視の動作
          1.  
            断片化の監視について
        2.  
          VxFS I/O パラメータのチューニングの動作
        3.  
          VxFS I/O チューニングパラメータについて
        4.  
          Quick I/O インターフェースを使用したファイル I/O の統計情報の取得について
        5.  
          I/O 統計データについて
        6.  
          I/O 統計について
      4. DB2 データベースのチューニングについて
        1.  
          DB2_USE_PAGE_CONTAINER_TAG
        2.  
          DB2_PARALLEL_IO
        3.  
          PREFETCHSIZE と EXTENTSIZE
        4.  
          INTRA_PARALLEL
        5.  
          NUM_IOCLEANERS
        6.  
          NUM_IOSERVERS
        7.  
          CHNGPGS_THRESH
        8.  
          テーブルのスキャン
        9.  
          非同期 I/O
        10.  
          バッファプール
        11.  
          メモリ割り当て
        12.  
          TEMPORARY 表領域
        13.  
          DMS コンテナ
        14.  
          データ、インデックス、ログ
        15.  
          データベースの統計
      5.  
        AIX の仮想メモリマネージャのチューニングについて
    3. SFDB ツールのトラブルシューティング
      1. Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールのトラブルシューティングについて
        1.  
          SFDB ツールのテクニカルサポート分析用スクリプトの実行
        2.  
          Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールのログファイル
      2. vxdbd デーモンについて
        1.  
          vxdbd の起動と停止
        2.  
          vxdbd デーモンのリスニングポートの設定
        3.  
          vxdbd リソース使用量の制限
        4.  
          vxdbd の暗号化暗号文の設定
      3.  
        vxdbd のトラブルシューティング
      4. SFDB ツールのトラブルシューティングのためのリソース
        1.  
          SFDB ログ
        2.  
          SFDB エラーメッセージ
        3.  
          SFDB リポジトリとリポジトリファイル
      5.  
        SFDB(Storage Foundation for Databases)ツールの 5.0x から 8.0 へのアップグレード(2184482)

AIX の仮想メモリマネージャのチューニングについて

Cached Quick I/O かバッファ付き I/O(つまり、Quick I/O または指定された拡張オプションのない単純な VxFS ファイル)のいずれかを使用している場合、データベースサーバーのスワップデバイスに対するすべてのページングのアクティビティを監視することをお勧めします。 スワップデバイスのページングを監視するには、vmstat -I コマンドを使用します。 スワップデバイスのページングに関する情報は、vmstat -I コマンド出力で pi および po と表示されたカラム(それぞれスワップデバイスからの読み取りと書き出し用)の下に表示されます。 これらのカラムでゼロ以外の値が表示された場合、スワップデバイスのページングのアクティビティがあることが示唆されます。

次に例を示します。

# /usr/bin/vmstat -I
kthr				  memory						          page					                    	faults		  	cpu
--------  --------------------- ----------------------------- ---------- -----------
r	 b	 p	  avm		   fre		    fi	  fo	pi	 po	 fr	   sr		  in		  sy	    cs		  us	sy	id	wa

5	 1	 0	  443602		1566524		661	 20	0	  0	  7	    28	   4760		37401	 7580		11	7	 43	38

1	 1	 0	  505780		1503791		18	  6	 0	  0	  0	    0		   1465		5176	  848		 1	 1	 97	1

1	 1	 0	  592093		1373498		1464	1	 0	  0	  0	    0	   	4261		10703	 7154	 5	 5	 27	62

3	 0	 0	  682693		1165463		3912	2	 0	  0	  0	    0		   7984		19117	 15672	16	13	1	 70

4	 0	 0	  775730		937562		 4650	0	 0	  0	  0	    0		   10082	24634	 20048	22	15	0	 63

6	 0	 0	  864097		715214	 	4618	1	 0	  0	  0	    0		   9762		26195	 19666	23	16	1	 61

5	 0	 0	  951657		489668	 	4756	0	 0	  0	  0	    0	   	9926		27601	 20116	24	15	1	 60

4	 1	 0	  1037864	266164	 	4733	5	 0	  0	  0	    0		   9849		28748	 20064	25	15	1	 59

4	 0	 0	  1122539	47155		  4476	0	 0	  0	  0	    0		   9473		29191	 19490	26	16	1	 57

5	 4	 0	  1200050	247    		4179	4	 70	 554	5300	 27420	10793	31564	 22500	30	18	1	 52

6	 10	0	  1252543	98	     	2745	0 	138	694	4625	 12406	16190	30373	 31312	35	14	2	 49

7	 14	0   1292402	220		    2086	0	 153	530	3559	 17661	21343	32946	 40525	43	12	1	 44

7	 18	0	  1319988	183		    1510	2	 130	564	2587	 14648	21011	28808	 39800	38	9		3	 49

スワップデバイスのページングを示す証拠がある場合、データベースパフォーマンスを向上させるために適切な AIX の仮想メモリマネージャ(VMM)のチューニングが必要になります。 VMM のチューニングにより、ファイルシステムのキャッシュに割り当てられるメモリページの量を制限します。 これにより、空きメモリ上で VMM の稼働率が低下したときにファイルシステムのキャッシュがアプリケーションからメモリのページを流用(その結果スワップデバイスの書き出しが発生)することがなくなります。

AIX VMM サブシステムをチューニングするコマンドは次のとおりです。

# /usr/samples/kernel/vmtune

vmtune によって行われた変更は、次にシステムを再ブートするときまで持続します。チューニングする VMM カーネルパラメータには、maxpermmaxclientminperm があります。 maxperm パラメータと maxclient パラメータは、ファイルシステムのキャッシュに使用できるメモリの最大量(メモリ合計のうちの割り合い)を指定します。ファイルシステムのキャッシュに使用するメモリの最大量は、AIX カーネルおよびすべてのアクティブなアプリケーションが残した未使用メモリの量を超えないように指定する必要があります。 したがって、次のように計算できます。

100* (T-A) /T

ここで、T はシステム内のメモリページの合計数、A はすべてのアクティブなアプリケーションが使用するメモリページの最大数です。

minperm パラメータは、maxperm パラメータの値と等しいかそれ以下であり、かつ 5 以上に設定する必要があります。

AIX VMM のチューニングに関する詳細は、vmtune(1)のマニュアルページを参照してください。

次はチューニングが可能な VxFS の I/O パラメータです。

VMM バッファ件数

- b <value> オプション)

仮想メモリマネージャバッファ(VMM)件数を設定します。 VMM には、メモリの容量に基づくデフォルト値と現在の値との 2 つの値があります。 vxtunefs -b を使用してこれら 2 つの値を表示できます。初期設定では、デフォルト値と現在の値は同じです。 - b 値オプションは、デフォルト値から VMM バッファ件数の増分をゼロ % から 100 % で指定します。指定された値は、/etc/vx/vxfssystem ファイルに保存され、VxFS モジュールのロードやシステムの再ブート時にも永続します。

ほとんどの場合、良好なパフォーマンスを得るにはデフォルト値が適していますが、カーネルにあるカウンタで VMM バッファの待機時間に遅延が生じているかどうかを監視できます。 VMM に関連するパフォーマンスの問題があるようであれば、バッファ件数は増加できます。 システムで応答時間に改善がみられれば、VMM バッファにボトルネックがあったことが示唆されます。

kdb vmker コマンドで表示される次のフィールドは、ボトルネックの有無を判断するのに役立ちます。

THRPGIO buf wait (_waitcnt) value

このフィールドは、読み取りまたは書き出しが可能な VMM バッファがないことを示す可能性があります。 このスレッドは、VMM バッファが使用可能となるのを待機して遮断されました。 このカウントは、コールドロードからの合計待機数です。 このフィールドは、kdb vmstat コマンドで表示される「読み取り」および「書き出し」のページとともに、VMM バッファ数が適切であるかどうかの判断に使用できます。 次に比率を示します。

waitcnt / pageins+pageouts

この比率は、VMM バッファの待機数の指標となりますが、pageins + pageouts には他のファイルシステムのページ I/O やページングスペースが含まれるため厳密ではありません。 この比率は、メモリ容量や VxFS 以外のファイルシステムへのページ I/O の量によって決まるため標準的な値というものはありません。 0.1 を超える数値は VMM バッファ数のボトルネックを示唆する可能性があります。 kdb vmker で表示されるその他の関連フィールドは次のとおりです。

  • THRPGIO partial cnt (_partialcnt) value

    このフィールドは、利用可能な VMM バッファ数が I/O を必要とするページ数に満たないためにページ I/O が 2 つ以上の手順で行われたことを示します。

  • THRPGIO full cnt (_fullcnt) value

    I/O を必要とする全ページに対してすべての VMM バッファが見つかったことを示します。