Veritas NetBackup™ Appliance コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. Main > Appliance コマンド
- 付録 B. Main > Manage > FibreChannel コマンド
- 付録 C. Main > Manage > HighAvailability コマンド
- 付録 D. Main > Manage > Libraries コマンド
- 付録 E. Main > Manage > Libraries > Advanced > ACS コマンド
- 付録 F. Main > Manage > License コマンド
- 付録 G. Main > Manage > MountPoints コマンド
- 付録 H. Main > Manage > NetBackup CLI コマンド
- 付録 I. Main > Manage > OpenStorage コマンド
- 付録 J. Main > Manage > Software コマンド
- 付録 K. Main > Manage > Storage コマンド
- 付録 L. Main > Manage > Tapes コマンド
- 付録 M. Main > Monitor コマンド
- 付録 N. Main > Network コマンド
- 付録 O. Main > Network > Security コマンド (DeviceCert)
- 付録 P. Main > Reports コマンド
- 付録 Q. Main > Settings コマンド
- 付録 R. Main > Settings > Alerts コマンド
- 付録 S. Main > Settings > Notifications view コマンド
- 付録 T. Main > Settings > Security コマンド
- 付録 U. Main > Support コマンド
名前
Main > Support > Nbperfchk — ディスクアレイの読み込みおよび書き込みの速度を測定します。
概要
Nbperfchk help
Nbperfchk run
説明
Nbperfchk コマンドはディスクアレイの読み込み速度と書き込み速度を測定します。重複排除データをホストするディスクの読み込み速度と書き込み速度をテストするために、このコマンドを使用できます。たとえば、次のように重複排除データをホストするディスクの速度を測定できます。
PureDisk ストレージプールでは、コンテンツルーターに接続されたディスクの速度を測定するためにこのコマンドを使用します。
NetBackup メディアサーバーの重複排除プール (MSDP) では、メディアサーバーに接続されたディスクの速度を測定するためにこのコマンドを使います。メディアサーバーは、Veritas がメディアサーバーと MSDP でサポートしているすべてのオペレーティングシステムを実行できます。
メモ:
Veritas は、このコマンドを実行して結果を解釈するときは Veritas テクニカルサポートのスタッフメンバーと連携して作業することを推奨します。Veritasは、重複排除の読み書き操作では、ディスクのパフォーマンスレベルを 130 MB/秒以上にすることをお勧めします。
nbperfchk コマンドは、古い形式の camel コマンドと同等の機能です。このコマンドは、ダウンロード可能プログラムとして Veritasから入手できましたが、特定の製品リリースと関連付けられていませんでした。camel コマンドは、Veritasテクニカルサポートの Web サイト (HOWTO47457) 内部で利用できます。
Nbperfchk ユーティリティではディスクにテストファイルを書き込み、そのテストファイルを再度読み込んで、読み込操作時の読み込み速度を監視できます。nbperfchk の結果を使用して、ReadBufferSize パラメータがバックアップ環境内で適切に設定されていることを確認できます。ReadBufferSize パラメータは、contentrouter.cfg ファイルの [CRDataStore] セクションに存在します。このコマンドは次のように使用できます。
次のコマンドを使用してデータをディスクに書き込みます。
Nbperfchk -i inputpath -o outputpath -s filesize -syncend
次のコマンドを使用してディスクからデータを読み取ります。
Nbperfchk -i inputpath -o outputpath -bs buffersize
オプション
- -bs buffersize
nbperfchk の実行時に使用する読み込みバッファサイズを指定します。たとえば、64k や 128k などです。
- -n number-of-buffers
レポートに含めるバッファ数を指定します。デフォルト値は 255 です。
- -s size
コンピュータのメモリサイズとディスクアレイのボリュームの合計と同じかそれを超えるファイルサイズを指定します。このサイズのファイルであれば、データがバッファではなく、ディスクに確実に書き込まれます。
- -i inputpath
入力ファイルのフルパスを指定します。nbperfchk コマンドはこのファイルを読み込み、このファイルがディスクに読み込まれるときの読み込み速度に関する情報を生成します。
たとえば、/dev/zero: のように指定して、内容がすべてゼロの文字 (0x00) のファイルを読み込むことができます。
- -o outputpath
出力ファイルのフルパスを指定します。nbperfchk コマンドはこのファイルを作成します。
たとえば、書き込みの際に、作成する出力ファイルのパスを指定します。読み込み時に -o NUL を指定すると、生成されるすべての出力が破棄されます。
- -directio
非バッファのダイレクト入出力を使用するように指定します。
- -syncend
syncend パラメータはバッファをフラッシュし、すべてのデータをディスクに書き込みます。
- -ri interval
レポートの間隔を秒単位で指定します。デフォルト値は 3 です。
- -rc
行送りなしでレポートを作成するように指定します。
- -rp
バッファ状態をレポートに含めるように指定します。
- -nr
進捗レポートを無効化または抑制します。
- -q
レポートを抑止 (レポートなし) に設定します。
手順
nbperfchk の結果を分析し、ReadBufferSize パラメータ設定を調整するには
- root ユーザー (UNIX の場合) または管理者 (Windows の場合) として、コンテンツルーターをホストするコンピュータにログインします。
PureDisk 環境では、ストレージプールの権限ノードまたはストレージプールの権限アプライアンスにログインします。
NetBackup 環境では、メディアサーバーにログインします。
- テストディレクトリに変更します。
- 次の形式で Nbperfchk コマンドを入力し、コンテンツルーターに大きいテストファイルを書き込みます。
nbperfchk -i inputpath -o outputpath -s filesize -syncend
たとえば、次のコマンドは内容がすべてゼロの文字である 64 GB のデータファイルを e ドライブに書き込みます。
nbperfchk -i zero: -o e:\data1 -s 64g -syncend
- 次の形式で Nbperfchk コマンドを入力してテストファイルを読み込み、Nbperfchk 出力で速度を監視します。
nbperfchk -i inputpath -o NUL -bs buffersize
例 1 - 複数のバッファサイズを使用して複数の読み込み速度を監視するには、次の一連のコマンドを入力します。
nbperfchk -i e:\data1 -bs 64k -o NUL nbperfchk -i e:\data1 -bs 128k -o NUL nbperfchk -i e:\data1 -bs 256k -o NUL
例 2 - 次の nbperfchk コマンドはファイル data1 のデータを読み込み、1024 K のバッファサイズを使用します。
C:\Users\administrator.mymediaserver\Desktop>nbperfchk -i e:\data1 -bs 1024k -o NUL 195 MB @ 65.3 MB/sec, 194 MB @ 64.9 MB/sec 295 MB @ 49.4 MB/sec, 100 MB @ 33.5 MB/sec 403 MB @ 44.8 MB/sec, 108 MB @ 35.8 MB/sec 505 MB @ 42.1 MB/sec, 102 MB @ 34.1 MB/sec 599 MB @ 40.0 MB/sec, 94 MB @ 31.3 MB/sec 705 MB @ 39.2 MB/sec, 106 MB @ 35.5 MB/sec 821 MB @ 39.2 MB/sec, 116 MB @ 38.8 MB/sec 943 MB @ 39.4 MB/sec, 122 MB @ 40.8 MB/sec 1024 MB @ 40.1 MB/sec
データを分析するときには以下を監視します。
左の 2 つの列は読み取られたデータの量と平均読み込み速度を示します。
最後の行は全体的な読み込み速度を示します。これは、指定したバッファサイズで行われる合計の読み込み速度を示すので、この出力の最も重要な行です。
右の 2 つの列は、それぞれの読み込みの最後の 3 秒間の平均読み込み速度を示します。これらの数が毎回劇的に変わらない限り、右の 2 つの列は無視できます。
- 読み込み速度を分析し、必要に応じて ReadBufferSize パラメータを調整します。
オペレーティングシステム、ディスク速度、および ReadBufferSize パラメータ設定はすべて、リストアおよび復元のパフォーマンスに影響します。
Veritasは、複数の nbperfchk コマンドを入力して毎回 -bs パラメータの引数サイズを大きくすることを推奨します。手順 4 の例 1 は、この方法を示したものです。-bs パラメータの引数の数値を増やすと、contentrouter.cfg ファイルの[CRDataStore]セクションの ReadBufferSize パラメータのサイズも増えます。
デフォルトでは、ReadBufferSize=65536 (64K) です。Veritasのテストでは、ReadBufferSize=1048576、つまり 1024 x 1024 (1M) にすると、ほとんどの Windows システムで良好なパフォーマンスが得られることが示されています。また、Veritasのテストでは、ReadBufferSize=65536 (デフォルト) にするとほとんどの UNIX システムで良好なパフォーマンスが得られることが示されています。
NetBackup 設定ファイルの編集方法について詳しくは、NetBackup のマニュアルを参照してください。
PureDisk 構成ファイルの編集方法について詳しくは、『NetBackup PureDisk 管理者ガイド』を参照してください。