NetBackup™ クラウドオブジェクトストア管理者ガイド

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Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (10.5)
  1. 概要
    1.  
      クラウドオブジェクトストアの NetBackup 保護の概要
    2.  
      NetBackup クラウドオブジェクトストアの作業負荷サポートの機能
  2. クラウドオブジェクトストア資産の管理
    1.  
      クラウドオブジェクトストア資産の NetBackup 保護の計画
    2.  
      クラウドオブジェクトストアアカウントの追加の前提条件
    3.  
      バックアップのバッファサイズの構成
    4.  
      Amazon S3 クラウドプロバイダのユーザーに必要な権限
    5.  
      Azure Blob ストレージに必要な権限
    6.  
      GCP に必要な権限
    7.  
      制限事項および考慮事項
    8. クラウドオブジェクトストアアカウントの追加
      1.  
        AWS でのクロスアカウントアクセスの作成
      2.  
        証明書の失効の確認
      3.  
        NetBackup クラウドの認証局 (CA) の管理
      4.  
        新しい地域の追加
    9.  
      クラウドオブジェクトストアアカウントの管理
    10. マルウェアのスキャン
      1.  
        バックアップイメージ
      2.  
        ポリシー形式別の資産
  3. クラウドオブジェクトストア資産の保護
    1. アクセラレータのサポートについて
      1.  
        NetBackup アクセラレータとクラウドオブジェクトストアの連携方法
      2.  
        アクセラレータの注意と要件
      3.  
        クラウドオブジェクトストアのアクセラレータ強制再スキャン (スケジュール属性)
      4.  
        アクセラレータバックアップおよび NetBackup カタログ
      5.  
        NetBackup アクセラレータトラックログサイズの計算
    2.  
      増分バックアップについて
    3.  
      動的マルチストリームについて
    4.  
      クラウドオブジェクトストア資産のポリシーについて
    5.  
      ポリシーの計画
    6.  
      クラウドオブジェクトストアポリシーの前提条件
    7.  
      バックアップポリシーの作成
    8.  
      ポリシーの属性
    9.  
      ポリシーのスケジュール属性の作成
    10. 開始時間帯の構成
      1.  
        ポリシースケジュールでの時間帯の追加、変更、削除
      2.  
        スケジュールの期間の例
    11.  
      除外日の構成
    12.  
      含める日の構成
    13.  
      [クラウドオブジェクト (Cloud objects)]タブの構成
    14.  
      条件の追加
    15.  
      タグ条件の追加
    16.  
      条件とタグ条件の例
    17. クラウドオブジェクトストアポリシーの管理
      1.  
        ポリシーのコピー
      2.  
        ポリシーの無効化または削除
      3.  
        資産の手動バックアップ
  4. クラウドオブジェクトストア資産のリカバリ
    1.  
      クラウドオブジェクトストアのオブジェクトをリカバリするための前提条件
    2.  
      クラウドオブジェクトの保持プロパティの構成
    3.  
      クラウドオブジェクトストア資産のリカバリ
  5. トラブルシューティング
    1.  
      バージョン 10.5 にアップグレードすると、初回の完全バックアップ時の加速が減少する
    2.  
      バックアップ後、shm フォルダと共有メモリ内の一部のファイルがクリーンアップされない
    3.  
      NetBackup バージョン 10.5 にアップグレードした後、古いポリシーついて、ポリシーのコピー、有効化、および無効化が失敗することがある
    4.  
      バックアップがデフォルトのストリーム数で失敗し「NetBackup COSP プロセスの開始に失敗しました (Failed to start NetBackup COSP process)」というエラーが返される
    5.  
      コンテンツのエンコードが GZIP であるオブジェクトの GCP ストレージでバックアップが失敗するか、部分的に成功する。
    6.  
      元のバケットリカバリオプションのリカバリが開始されたが、ジョブがエラー 3601 で失敗する
    7.  
      リカバリジョブが開始しない
    8.  
      リストアが失敗しました: 「エラー bpbrm (PID=3899) クライアントのリストア 終了状態 40: ネットワーク接続が切断されました (Error bpbrm (PID=3899) client restore EXIT STATUS 40: network connection broken)」
    9.  
      元の場所にある既存のオブジェクトを上書きした後にアクセス層プロパティがリストアされない
    10.  
      複数のタグがある OR クエリーに対する Azure でのアクセラレータ最適化の低下
    11.  
      バックアップが失敗し、ドット (.) を含む Amazon S3 バケット名で証明書エラーが表示される
    12.  
      タグキーの名前または値のタグクエリーにスペースが含まれていると Azure バックアップジョブが失敗する。
    13.  
      クラウドオブジェクトストアアカウントでエラーが発生した
    14.  
      ポリシーの選択中にバケットの一覧が空になる
    15.  
      既存の領域を選択すると Cloudian で 2 番目のアカウントの作成が失敗する
    16.  
      2825 未完了のリストア操作によりリストアに失敗した
    17.  
      [クラウドオブジェクト (Cloud objects)]タブでバケットを追加すると、クラウドプロバイダのバケットの一覧表示に失敗する
    18.  
      クラウドストアアカウントがターゲットドメインに追加されていない場合、ターゲットドメインで AIR インポートイメージのリストアが失敗する
    19.  
      バックアップホストまたはストレージサーバーのバージョン 10.3 で旧バージョンのメディアサーバーを使用すると Azure Data Lake に対するバックアップが失敗する
    20.  
      Azure Data Lake でバックアップが部分的に失敗する: エラー nbpem (pid=16018) クライアントのバックアップ (Error nbpem (pid=16018) backup of client)
    21.  
      Azure データレイクのリカバリが失敗する: 「パスが深すぎるため、この操作は許可されません (This operation is not permitted as the path is too deep)」
    22.  
      空のディレクトリが Azure Data Lake でバックアップされない
    23.  
      リカバリエラー: 「代替ディレクトリの場所が無効です。(Invalid alternate directory location.) 文字列は、1,025 文字より短い有効な文字で指定する必要があります。(You must specify a string with length less than 1025 valid characters.)」
    24.  
      リカバリエラー: 「無効なパラメータが指定されました (Invalid parameter specified)」
    25.  
      リストアが失敗する:「COSP 操作を実行できません。次のオブジェクトをスキップしています: [/testdata/FxtZMidEdTK] (Cannot perform the COSP operation, skipping the object: [/testdata/FxtZMidEdTK])」
    26.  
      誤ったクレデンシャルでクラウドストアアカウントの作成が失敗する
    27.  
      不適切な権限による検出エラー
    28.  
      オブジェクトロックによるリストアエラー

ポリシーの計画

ポリシーの構成は十分な柔軟性を備えているため、NetBackup 環境内のあらゆるクラウドオブジェクトストアアカウントのさまざまなニーズに対応できます。この柔軟性を活用するには、ポリシーの構成を開始する前に時間をかけて計画を立てます。

次の表は、ポリシー構成から最適な結果を確実に得るために行う手順の概要を説明したものです。

表: ポリシーの計画の手順

手順

処理

説明

手順 1

クラウドオブジェクトストアアカウントに関する情報を収集します。

各バケットまたはコンテナについて次の情報を収集します。

  • アカウント名: アカウントに記載されているクレデンシャルと接続の詳細は、バックアップ中に REST API を使用してクラウドリソースにアクセスするために使用されます。アカウントは単一の地域に関連付けられているため、ポリシーにはその地域に関連付けられたバケットまたはコンテナのみを含めることができます。

  • バケット名またはコンテナ名

  • 各バケットまたはコンテナのバックアップ対象オブジェクトの概数。

  • オブジェクトの典型的なサイズ。

あるアカウントにはいくつかのオブジェクト内に大量のデータが含まれ、別のアカウントにはそれよりも少ないオブジェクトが含まれる場合があります。バックアップ時間が長くならないように、大きいアカウントを 1 つのポリシーに含め、小さいアカウントは別のポリシーに含めてください。大きいアカウントには複数のポリシーを作成することをお勧めします。

手順 2

バックアップ要件に基づくオブジェクトのグループ分け

さまざまなバックアップおよびアーカイブ要件に応じて、アカウント内のさまざまなオブジェクトをグループ分けします。

手順 3

格納要件の考慮

NetBackup 環境には、バックアップポリシーで対応する必要がある特別なストレージの必要条件があることがあります。

ストレージユニットおよびボリュームプールの設定は、ポリシーによってバックアップされるすべてのオブジェクトに適用されます。オブジェクトに特別なストレージの必要条件がある場合、スケジュールなどの他の要素が同じである場合でも、それらのオブジェクト用に個別のポリシーを作成します。

手順 4

バックアップスケジュールの考慮

1 つのポリシーのスケジュールがアカウント内のすべてのオブジェクトに対応していない場合、追加のバックアップポリシーを作成します。

追加のポリシーを作成することにした場合、次の要因を考慮します。

  • バックアップを行う最適な時間帯。

    異なるスケジュールで異なるオブジェクトをバックアップするには、異なるタイムスケジュールを指定した追加のポリシーが必要になることがあります。たとえば、夜間に稼働するオブジェクトと昼間に稼働するオブジェクト用に別々のポリシーを作成します。

  • オブジェクトの変更頻度。

    一部のオブジェクトが他のオブジェクトよりも高頻度で変更される場合、または、バケット/コンテナに新しいオブジェクトがより頻繁に追加される場合、その差によっては、異なるバックアップ頻度で別のポリシーの作成を検討する価値は十分にあります。

  • バックアップを保持する期間。

    各スケジュールには、そのスケジュールによってバックアップされるオブジェクトが NetBackup によって保持される期間を決定する値が設定されています。スケジュールはバックアップ対象リスト内のすべてのオブジェクトをバックアップするため、すべてのオブジェクトの保持要件が類似している必要があります。オブジェクトの完全バックアップを永久に保持する必要がある場合、そのオブジェクトを完全バックアップが 4 週間しか保持されないポリシーに含めないでください。

手順 5

マルチストリームによるパフォーマンスの最適化

ご使用の環境での NetBackup のパフォーマンスは、次の 3 つの主要な要因に依存します。

  • バックアップホスト (メディアサーバー) とクラウドストレージサービス間のネットワーク帯域幅。

  • 複数の API 要求を処理するクラウドサーバーの機能。

  • バックアップホスト (メディアサーバー) のシステムメモリ (RAM)。

保護するオブジェクトの数、利用可能なシステムリソースとネットワークリソースに応じて、ストリームを調整する必要があります。

NetBackup では、ポリシーごとに 8 から 16 個のストリームにすることをお勧めします。ただし、環境に応じてストリームの数を指定できます。

手順 6

バックアップ対象を正確に選択します。

必要な場合を除き、オブジェクト全体をバックアップする必要はありません。バックアップが必要なオブジェクトのみを選択してバックアップできるようにクエリーを作成します。