Veritas InfoScale™ 7.4 DB2 データベース用ストレージと可用性管理 - AIX, Linux

Last Published:
Product(s): InfoScale & Storage Foundation (7.4)
Platform: AIX,Linux
  1. 第 I 部 DB2 データベース用 SFHA (Storage Foundation High Availability) 管理ソリューション
    1. Storage Foundation for Databases の概要
      1.  
        DB2 用 Storage Foundation High Availability(SFHA)Solutions の概要
      2. Veritas File System について
        1.  
          Veritas File System のインテントログについて
        2.  
          エクステントについて
        3.  
          ファイルシステムのディスクレイアウトについて
      3.  
        Veritas Volume Manager の概要
      4.  
        DMP(Dynamic Multi-Pathing)について
      5.  
        Cluster Server について
      6.  
        Cluster Server のエージェントについて
      7.  
        Veritas InfoScale Operations Manager について
      8.  
        Veritas InfoScale 7.4 製品の DB2 サポート機能
      9.  
        Veritas InfoScale 製品の使用例
  2. 第 II 部 Veritas InfoScale 製品を使用した DB2 の配備
    1. Storage Foundation 環境への DB2 オプションの配備
      1.  
        Veritas InfoScale 環境の DB2 配備オプション
      2.  
        Storage Foundation を用いる単一システムの DB2
      3.  
        Storage Foundation 環境でオフホストを使う単一システム上の DB2
      4.  
        Storage Foundation High Availability を用いた高可用性クラスタの DB2
      5.  
        SF Cluster File System HA のある並列クラスタの DB2
      6.  
        仮想化環境での DB2 と Storage Foundation の配備
      7.  
        Storage Foundation SmartMove およびシンプロビジョニングによる DB2 の配備
    2. Storage Foundation を使用した DB2 の配備
      1.  
        DB2 データベースを配備するためのタスク
      2.  
        DB2 の配備のためのボリュームレイアウトの選択について
      3. DB2 を配備するためのディスクグループの設定
        1.  
          DB2 を配備するためのディスクグループ設定のガイドライン
      4. DB2 を配備するためのボリュームの作成
        1.  
          DB2 を配備するためのボリューム設定のガイドライン
      5. DB2 を配備するための VxFS ファイルシステムの作成
        1.  
          DB2 を配備するためのファイルシステムの作成ガイドライン
      6.  
        DB2 を配備するためのファイルシステムのマウント
      7.  
        DB2 のインストールとデータベースの作成
    3. Storage Foundation を使用したオフホスト設定での DB2 の配備
      1.  
        データベースのオフホスト設定の必要条件
    4. High Availability を使用した DB2 の配備
      1.  
        DB2 を HA 設定に配備するためのタスク
      2.  
        データベースを高可用性にする VCS 設定
  3. 第 III 部 Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールの設定
    1. Storage Foundation for Databases リポジトリデータベースの設定および管理
      1.  
        SFDB (Storage Foundation for Databases)リポジトリについて
      2.  
        Storage Foundation for Databases (SFDB) ツールの必要条件
      3.  
        SFDB(Storage Foundation for Database)ツールの可用性
      4. Storage Foundation for Databases(SFDB)リポジトリの設定
        1.  
          SFDB のリポジトリの場所
      5.  
        ノード追加後の SFDB(Storage Foundation for Databases)リポジトリの更新
      6.  
        ノード削除後の SFDB(Storage Foundation for Databases)リポジトリの更新
      7.  
        SFDB (Storage Foundation for Databases) リポジトリの削除
    2. Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールのアップグレードおよび移行
      1.  
        Storage Foundation for DB2 から Storage Foundation for Databases へのアップグレードについて
    3. Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールの認証の設定
      1.  
        SFDB ツール認証のための vxdbd の設定
      2.  
        SFDB ツールに対して認証を使っているクラスタへのノードの追加
      3.  
        SFDB コマンドを実行できるようにするためのユーザーの許可
  4. 第 IV 部 DB2 データベースのパフォーマンスの向上
    1. データベースアクセラレータについて
      1.  
        Veritas InfoScale 製品コンポーネントのデータベースアクセラレータについて
    2. Quick I/O によるデータベースパフォーマンスの向上
      1. Quick I/O について
        1.  
          Quick I/O によるデータベースパフォーマンス向上のしくみ
      2.  
        データベース環境での Quick I/O の設定タスク
      3.  
        setext コマンドによる Quick I/O ファイル領域の事前割り当て
      4.  
        通常の VxFS ファイルへの Quick I/O ファイルとしてのアクセス
      5.  
        DB2 コンテナの Quick I/O ファイルへの変換
      6.  
        スパースファイルについて
      7.  
        Quick I/O の状態とファイル属性の表示
      8.  
        Quick I/O ファイルの拡張
      9.  
        DB2 による表スペースの空き領域の監視と表スペースコンテナの拡張
      10.  
        データベースのリストア後の Quick I/O ファイルの再作成
      11.  
        Quick I/O の無効化
    3. Veritas Concurrent I/O によるデータベースパフォーマンスの向上
      1. 同時 I/O について
        1.  
          同時 I/O の動作
      2. 同時 I/O の有効化と無効化のタスク
        1.  
          DB2 の同時 I/O の有効化
        2.  
          DB2 の同時 I/O の無効化
  5. 第 V 部 PITC の使用
    1. PITC 方法の理解
      1.  
        PITC(Point-In-Time Copy)の概要
      2.  
        PITC を使う状況
      3.  
        Storage Foundation PITC テクノロジについて
      4.  
        SFDB ツールによってサポートされている PITC ソリューション
      5.  
        Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールのサポートするスナップショットモードについて
      6. ボリュームレベルのスナップショット
        1.  
          ボリュームスナップショットの永続 FastResync
        2.  
          ボリュームスナップショットのデータ整合性
        3.  
          サードミラーブレークオフスナップショット
      7. Storage Checkpoint
        1.  
          Storage Checkpoint とスナップショットの違い
        2. Storage Checkpoint の動作
          1.  
            コピーオンライト
          2. Storage Checkpoint の可視性
            1.  
              Storage Checkpoint と 64 ビットの i ノード番号
        3.  
          Storage Checkpoint を使用したデータベースのロールバックについて
        4.  
          Checkpoint と Storage Rollback のプロセス
        5.  
          Storage Checkpoint の領域管理に関する注意事項
    2. DB2 PITC に関する注意事項
      1.  
        DB2 データベースレイアウトに関する注意事項
      2.  
        サポート対象の DB2 設定
    3. サードミラーブレークオフスナップショットの管理
      1. クローン作成のための Database FlashSnap
        1.  
          Database FlashSnap の利点
      2. Database FlashSnap のホストとストレージの準備
        1. ホストの設定
          1.  
            Database FlashSnap のオフホスト設定
        2.  
          データベースによって使われるボリュームまたはボリュームセットのスナップショットミラーの作成
      3.  
        Database FlashSnap を使用したデータベースのクローンの作成
      4.  
        ミラーボリュームのプライマリボリュームとの再同期
      5.  
        セカンダリホストでのデータベースのクローン作成
    4. Storage Checkpoint の管理
      1.  
        Storage Checkpoint について
      2. リカバリのための Database Storage Checkpoint
        1.  
          Database Storage Checkpoint の利点と制限事項
      3.  
        Database Storage Checkpoint の作成
      4.  
        Database Storage Checkpoint の削除
      5.  
        Database Storage Checkpoint のマウント
      6.  
        Database Storage Checkpoint のマウント解除
      7.  
        Database Storage Checkpoint を使ったデータベースのクローンの作成
      8.  
        Database Storage Checkpoint からのリストア
      9.  
        オフラインモード Storage Checkpoint のデータの収集
    5. SFHA 環境での Netbackup によるバックアップとリストア
      1.  
        Veritas NetBackup について
      2.  
        Veritas NetBackup を使った DB2 のバックアップとリストアについて
      3. SFHA Solutions 製品環境での NetBackup の使用
        1.  
          NetBackup マスターサーバーのクラスタ化
        2.  
          NetBackup を使用した VxVM ボリュームのバックアップとリカバリ
        3.  
          NetBackup を使った VxVM ボリュームのリカバリ
  6. 第 VI 部 DB2 に対するストレージコストの最適化
    1. SmartTier によるストレージの階層化
      1. SmartTier について
        1.  
          VxFS MVS ファイルシステムについて
        2.  
          VxVM ボリュームセットについて
        3.  
          ボリュームタグについて
        4.  
          SmartTier ファイルの管理
        5.  
          SmartTier のサブファイルオブジェクトの管理
      2.  
        高可用性(HA)環境での SmartTier
    2. DB2 での SmartTier の使用例
      1.  
        DB2 での SmartTier の使用例
      2.  
        SmartTier による古いアーカイブログの階層 2 ストレージへの再配置
      3.  
        非アクティブな表領域またはセグメントの階層 2 ストレージへの再配置
      4.  
        有効なインデックスの高価なストレージへの再配置
      5.  
        すべてのインデックスの高価なストレージへの再配置
  7. 第 VII 部 Storage Foundation for Databases 管理リファレンス
    1. Storage Foundation for Databases コマンドリファレンス
      1.  
        vxsfadm コマンドリファレンス
      2. FlashSnap リファレンス
        1.  
          FlashSnap の設定パラメータ
        2.  
          FlashSnap がサポートされる操作
      3. Database Storage Checkpoints のリファレンス
        1.  
          Database Storage Checkpoint の設定パラメータ
        2.  
          Database Storage Checkpoint のサポートされる操作
    2. Storage Foundation for Databases のチューニング
      1.  
        その他のマニュアル
      2. VxVM のチューニングについて
        1.  
          ボリュームの I/O 統計情報の取得について
      3. VxFS のチューニングについて
        1. 空き領域の監視の動作
          1.  
            断片化の監視について
        2.  
          VxFS I/O パラメータのチューニングの動作
        3.  
          VxFS I/O チューニングパラメータについて
        4.  
          Quick I/O インターフェースを使用したファイル I/O の統計情報の取得について
        5.  
          I/O 統計データについて
        6.  
          I/O 統計について
      4. DB2 データベースのチューニングについて
        1.  
          DB2_USE_PAGE_CONTAINER_TAG
        2.  
          DB2_PARALLEL_IO
        3.  
          PREFETCHSIZE と EXTENTSIZE
        4.  
          INTRA_PARALLEL
        5.  
          NUM_IOCLEANERS
        6.  
          NUM_IOSERVERS
        7.  
          CHNGPGS_THRESH
        8.  
          テーブルのスキャン
        9.  
          非同期 I/O
        10.  
          バッファプール
        11.  
          メモリ割り当て
        12.  
          TEMPORARY 表領域
        13.  
          DMS コンテナ
        14.  
          データ、インデックス、ログ
        15.  
          データベースの統計
      5.  
        AIX の仮想メモリマネージャのチューニングについて
    3. SFDB ツールのトラブルシューティング
      1. Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールのトラブルシューティングについて
        1.  
          SFDB ツールのテクニカルサポート分析用スクリプトの実行
        2.  
          Storage Foundation for Databases(SFDB)ツールのログファイル
      2. vxdbd デーモンについて
        1.  
          vxdbd の起動と停止
        2.  
          vxdbd デーモンのリスニングポートの設定
        3.  
          vxdbd リソース使用量の制限
        4.  
          vxdbd の暗号化暗号文の設定
      3.  
        vxdbd のトラブルシューティング
      4. SFDB ツールのトラブルシューティングのためのリソース
        1.  
          SFDB ログ
        2.  
          SFDB エラーメッセージ
        3.  
          SFDB リポジトリとリポジトリファイル
      5.  
        SFDB(Storage Foundation for Databases)ツールの 5.0x から 7.4 へのアップグレード(2184482)

DB2 の同時 I/O の有効化

通常のファイルに関しては、名前空間を拡張してファイルをデバイスとして表示する必要がないため、同時 I/O を有効にすることができます。

DB2 では、ファイルシステム全体で同時 I/O を使えるようにするか、または特定の SMS コンテナで同時 I/O を使えるようにすることができます。特定の SMS コンテナで使えるようにする場合、ファイルシステムの残りの部分では通常のバッファ I/O を使います。

同時 I/O を有効にする前に、次のことを確認してください。

前提条件

  • 同時 I/O 機能を使うには、ファイルシステムが VxFS ファイルシステムである必要があります。

  • ファイルシステムをマウントする予定のマウントポイントがあることを確認してください。

  • DBA がマウントポイントにアクセスできることを確認してください。

使用に関する注意事項

  • 同時 I/O を使うファイルが開いている場合、同時 I/O 機能を使わない別のユーザーはそのファイルを同時に開くことはできません。

  • 同時 I/O を使うデータベースファイルが開いている場合、Veritas NetBackup では、そのファイルをバックアップできません。ただし、DB2 BACKUP ユーティリティを使えばデータベースをオンラインでバックアップできます。

  • 同時 I/O オプションを使ってファイルシステムをマウントする場合、Quick I/O を有効にしないでください。DB2 が Quick I/O ファイルを開けなくなり、インスタンスの起動が失敗します。 (Quick I/O は Linux では使えません。)

  • Quick I/O 機能が利用できても、データベースに同時 I/O を使っている場合は Quick I/O ツールを使わないでください。

  • マウント設定については詳しくは、mount_vxfs(1M)のマニュアルページを参照してください。

DB2 では、/mount_point は、同時 I/O 機能を使う SMS 表スペースのデータコンテナを置くことができるディレクトリです。

メモ:

これは、同時 I/O を使うために新しい表スペースを作成する場合と、既存の表スペースを同時 I/O に使えるようにする場合の両方に適用されます。

たとえば、DB2 で /db2data というマウントポイントに /datavol というファイルシステムをマウントするには、次のように入力します。

  # /usr/sbin/mount -V vxfs -o cio /dev/vx/dsk/db2dg/datavol \
/db2data
  # /usr/sbin/mount -t vxfs -o cio /dev/vx/dsk/db2dg/datavol \
/db2data

namefs -o cio オプションを使って新しい SMS コンテナで同時 I/O を有効にするには

  • mount コマンドを使って、同時 I/O 機能を使う SMS 表スペースのデータコンテナを置くディレクトリをマウントします。
    # /usr/sbin/mount -Vt namefs -o cio /path_name /new_mount_point

    ここで、

    • /path_name は、同時 I/O を使うファイルが存在するディレクトリです。

    • /new_mount_point は、同時 I/O 機能を使う新しいターゲットディレクトリです。

同時 I/O を使うためのディレクトリ(新しい SMS コンテナが配置される場所)をマウントする例を次に示します。

/mysms というマウントポイントに、/container1 という SMS コンテナをマウントするには、次のように入力します。

# /usr/sbin/mount -Vt namefs -o cio /datavol/mysms/container1 /mysms

namefs -o cio オプションを使って既存の SMS コンテナで同時 I/O を有効にするには

  1. db2stop コマンドを使って DB2 インスタンスを停止します。
  2. mv コマンドを使って、同時 I/O を有効にするディレクトリを利用可能にします。
      # mv /mydb/mysmsdir /mydb/mysmsdir2
  3. mount コマンドで -o cio オプションを指定して、/mydb/mysmsdir2/mydb/mysmsdir に再マウントします。
      # mount -Vt namefs -o cio /mydb/mysmsdir2 /mydb/mysmsdir
  4. db2start コマンドを使って DB2 インスタンスを起動します。
    		# db2stop
    	# mv /mydb/mysmsdir /mydb/mysmsdir2
    	# mount -Vt namefs -o cio /mydb/mysmsdir2 /mydb/mysmsdir
    	# db2start

この例は、同時 I/O を使うために既存の SMS コンテナのディレクトリをマウントする方法を示しています。

DB2 表スペースを作成するときにその表スペースで同時 I/O を有効にするには

  1. no file system caching オプションを指定した db2 -v "create regular tablespace..." コマンドを使います。
  2. 他のパラメータはすべて、システムの必要条件に応じて設定します。

既存の DB2 表スペースで同時 I/O を有効にするには

  • 次のように、DB2 の no file system caching オプションを使います。
      # db2 -v "alter tablespace tablespace_name no file system caching"

    tablespace_name は、同時 I/O を有効にする表スペースの名前です。

特定の DB2 表スペースで同時 I/O が設定されていることを確認するには

  1. DB2 の get snapshot オプションを使って、同時 I/O を確認します。
      # db2 -v "get snapshot for tablespaces on dbname"

    dbname はデータベース名です。

  2. 確認する表スペースを見つけ、File system caching 属性を調べます。File system caching = No であれば、同時 I/O は有効になっています。