Enterprise Vault™ SMTP アーカイブの設定
- このマニュアルについて
- Enterprise Vault SMTP アーカイブの概要
- SMTP アーカイブのインストール
- SMTP アーカイブの設定
- SMTP グループまたは SMTP メールボックスジャーナル用のユーザーのプロビジョニング
- SMTP ダッシュボードの使い方
- PowerShell cmdlet
- 付録 A. ターゲットアドレスの書き換えの設定
構成の計画
SMTP アーカイブを構成する前に、SMTP アーカイブ環境をどのように運用するかを明確に決めておく必要があります。このセクションでは、構成を開始する前に計画する必要がある側面を取り上げます。管理しやすい効率的な環境を構築するのに役立つ推奨事項も示します。
構成する Enterprise Vault SMTP サーバーの数を検討します。
ルーティングアドレスまたは SMTP グループジャーナルプロビジョニンググループ用に複数のアーカイブを構成する場合は、ストレージサービスをホストする Enterprise Vault SMTP サーバーを複数台用意して、アーカイブを分散することを検討します。
サイト内の Enterprise Vault SMTP サーバーへの接続を制限する場合は、接続を許可するサーバーを識別する必要があります。
暗号化された接続をサポートするには、有効な SSL/TLS 証明書が必要です。
メッセージ追跡を実装するかどうかを決定します。
サイトの Enterprise Vault SMTP サーバーの設定を参照してください。
ボルトストアのパーティション、インデックス、SQL データベース、SMTP 保存フォルダ、およびストレージキューに必要なストレージのサイズを検討します。
サイズ決定の目安については、『Setting up Exchange Server and Office 365 for Enterprise Vault SMTP Archiving』を参照してください。
SMTP の電子メールを Enterprise Vault SMTP サーバーに送信するために使用するルーティングアドレスを決定します。
ルーティングアドレスを使用するには、SMTP メッセージを Enterprise Vault に送信する MTA を設定する必要があります。
ハードウェアまたはソフトウェアの負荷分散ソリューションがある場合は、ルーティングアドレス宛てのメッセージを受信し、そのメッセージを Enterprise Vault SMTP サーバーに配信するようにそれを設定する必要があります。
SMTP ジャーナルについてを参照してください。
SMTP グループジャーナルについてを参照してください。
Exchange Server または Office 365 から Enterprise Vault へのメッセージのジャーナルを参照してください。
実装するジャーナルの種類を決定します。
SMTP ジャーナル
SMTP グループジャーナル
SMTP メールボックスジャーナル
SMTP ジャーナルおよび SMTP グループジャーナル
SMTP ジャーナルおよび SMTP メールボックスジャーナル
SMTP サイト設定[選択したジャーナルのアーカイブ]に設定する値を検討します。
プロビジョニンググループを最初に追加する際、Enterprise Vault はこの設定の値を[包含]に自動的に変更します。
その他のヒント:
SMTP ジャーナルに、SMTP メールボックスジャーナルまたは SMTP グループジャーナルを実装する場合は、一般的な SMTP ジャーナルアーカイブに個人用電子メールを送信しないことを希望するユーザーがいるかどうかを確認します。そのようなユーザーがいる場合は、SMTP サイト設定[選択したジャーナルのアーカイブ]に、値[除外]を使用します。
SMTP アーカイブ設定を参照してください。
SMTP サイト設定[選択したジャーナルのアーカイブ]の設定を参照してください。
SMTP グループジャーナルおよび SMTP メールボックスジャーナルを実装する場合は、プロビジョニンググループを使用して対象ユーザーを設定することを強くお勧めします。これにより、設定プロセスが簡素化されるうえ、SMTP アーカイブ設定全体を通じて保持の一貫性が保たれます。
プロビジョニンググループを決定するには、保持設定とポリシー設定の要件が同じユーザーをグループ化します。
グループが大きい場合は、アーカイブから除外するユーザーや、異なる設定でプロビジョニングされたユーザーを特定します。その後、これらのユーザーをグループ化して、さらに小さいプロビジョニンググループを作成します。
Enterprise Vault がグループを処理する順序を検討します。
グループは、リストの上から下の順に処理されます。複数のプロビジョニンググループに属するユーザーは、最初に処理されるプロビジョニンググループでのみプロビジョニングされます。
プロビジョニンググループの順序を決定する際は、最も特化されたグループをリストの最上位に置き、最も一般的なグループを最下位に置きます。
その他のヒント:
SMTP グループジャーナルと SMTP メールボックスジャーナルに、同じ対象ユーザーをプロビジョニングすることはできません。
アーカイブの対象外とするユーザーを含む、アーカイブを無効にしたプロビジョニンググループを作成することができます。
ターゲット設定[通常の電子メールアドレスのみをターゲットにする]は、Active Directory ユーザーのすべての SMTP アドレスについてターゲットを作成するかどうかを定義します。複数サイトに属する対象ユーザーがいる場合は、それらの対象ユーザーに対するこの設定がすべてのサイトで一貫していることを確認します。
Active Directory 対象ユーザーを追加する場合は必ず[電子メールアドレス]以外のいずれかのメニューオプションを使用することをお勧めします。
Active Directory アカウントに関連付けられていないユーザーのターゲット SMTP アドレスをプロビジョニンググループに追加するには、[電子メールアドレス]オプションを使用します。たとえば、このオプションを使用して、組織外のユーザーをグループに追加できます。
手動で追加されたターゲットは、プロビジョニングされたターゲットより優先されます。ターゲットがプロビジョニンググループと手動ターゲットリストの両方に属する場合は、ユーザーがプロビジョニングされる前に、手動ターゲットを削除する必要があります。
SMTP プロビジョニンググループについてを参照してください。
使用するアーカイブの種類と作成方法を検討します。
SMTP ジャーナルおよび SMTP グループジャーナル。SMTP ジャーナルのターゲットルーティングアドレスまたは SMTP グループジャーナルプロビジョニンググループには複数のアーカイブを割り当てることができます。新しい SMTP アーカイブを使用する場合は、これらをウィザードで作成し、ルーティングアドレスを追加したり、SMTP グループジャーナルプロビジョニンググループを追加できます。さまざまな種類のジャーナルアーカイブ、または既存のアーカイブを使用する場合は、ウィザードを実行する前にこれらが存在することを確認する必要があります。
既存のアーカイブを選択する場合は、SMTP、共有、Exchange ジャーナル、Domino ジャーナルのいずれかの種類のアーカイブを選択できます。
SMTP ジャーナルおよび SMTP グループジャーナル。ルーティングアドレスまたは SMTP グループジャーナルプロビジョニンググループと関連付けられたアーカイブは、同じ保持設定になっている必要があります。Enterprise Vault は、これらのアーカイブの保持設定を自動的に管理します。いずれかのアーカイブで保持設定が変更されると、Enterprise Vault は、ルーティングアドレスまたはプロビジョニンググループに関連付けられている他のアーカイブにも変更を反映します。そのため、ルーティングアドレスと SMTP グループジャーナルプロビジョニンググループには、それぞれ別のアーカイブを使用することをお勧めします。
SMTP メールボックスジャーナル。プロビジョニングでは、プロビジョニンググループに含まれる対象ユーザーごとに新しいインターネットメールアーカイブが自動的に作成されます。SMTP メールボックスジャーナルプロビジョニンググループの対象ユーザーが、IMAP プロビジョニンググループでプロビジョニングされていた場合、Enterprise Vault はこの対象ユーザーを既存のインターネットメールアーカイブにリンクします。
SMTP メールボックスジャーナルでは Exchange メールボックスアーカイブもサポートされますが、サポート対象は手動で追加された対象ユーザーのみです。インターネットメールアーカイブを使用できるのは、SMTP メールボックスジャーナルプロビジョニンググループに属する対象ユーザーのみです。
その他のヒント:
SMTP ジャーナルおよび SMTP グループジャーナル。ルーティングアドレスまたはプロビジョニンググループに複数のアーカイブを割り当てると、Enterprise Vault はアーカイブの負荷を複数のサーバーに自動的に分散します。アドレスの書き換えの代わりに、この機能を使用することをお勧めします。
同じユーザーが IMAP (インターネットメールプロビジョニンググループ) と SMTP メールボックスジャーナルに対してプロビジョニングされた場合、IMAP と SMTP アーカイブのプロビジョニンググループは、インターネットメールアーカイブに同じ保持設定を適用する必要があります。
同じユーザーに対して SMTP プロビジョニングタスクとクライアントアクセスプロビジョニングタスクを実行する場合は、これらのタスクを同時に実行しないことをお勧めします。一方のタスクが終了してからもう一方のタスクが開始されるように、タスクの実行スケジュールを変更してください。
SMTP メッセージのアーカイブの設定を参照してください。
プロビジョニンググループおよび手動で追加したターゲットアドレス (ルーティングアドレスなど) に使用する保持カテゴリと保持計画を決定します。
保持カテゴリは新しいターゲットおよび新しいプロビジョニンググループのウィザードで作成できますが、これらは事前に計画および作成することをお勧めします。
保持はシンプルにします。Enterprise Vault 環境では、種類が異なるアーカイブに対し、同じ保持カテゴリと保持計画を使用するようにします。
ルーティングアドレスまたは SMTP グループジャーナルプロビジョニンググループと関連付けられたアーカイブは、同じ保持設定になっている必要があります。Enterprise Vault は、これらのアーカイブの保持設定を自動的に管理します。いずれかのアーカイブで保持設定が変更されると、Enterprise Vault は、ルーティングアドレスまたはプロビジョニンググループに関連付けられている他のアーカイブにも変更を反映します。
その他のヒント:
サイト内の保持カテゴリと保持計画の種類はできるだけ少なくし、一貫してそれらを適用します。Enterprise Vault は、デフォルトの保持設定を上書きするためのさまざまな方法があるという意味で柔軟性があります。保持モデルが複雑になりすぎると、期待どおりに保持が適用されない場合があります。
同じユーザーが IMAP (インターネットメールプロビジョニンググループ) と SMTP メールボックスジャーナルに対してプロビジョニングされた場合、IMAP と SMTP アーカイブのプロビジョニンググループは、インターネットメールアーカイブに同じ保持設定を適用する必要があります。
保持カテゴリと保持計画の設定を参照してください。
使用する SMTP ポリシーを決定します。
メッセージには、インデックスを設定したり、メッセージの処理方法を制御するために使用する独自の X-Header を含むものがあります。
ターゲットまたはプロビジョニンググループのジャーナルレポートを保持するか、破棄するかを検討します。ジャーナルレポートには BCC 情報が含まれるため、エンドユーザーがアクセス権を持つアーカイブ (SMTP メールボックスジャーナルなど) にはレポートを含めないでください。
SMTP ポリシーの作成を参照してください。
Compliance Accelerator を使用する場合は、SMTP ターゲットで使用されるどのドメインを内部として考慮するかを決定する必要があります。
Compliance Accelerator の追加設定を参照してください。