Enterprise Vault™ SMTP アーカイブの設定
- このマニュアルについて
- Enterprise Vault SMTP アーカイブの概要
- SMTP アーカイブのインストール
- SMTP アーカイブの設定
- SMTP グループまたは SMTP メールボックスジャーナル用のユーザーのプロビジョニング
- SMTP ダッシュボードの使い方
- PowerShell cmdlet
- 付録 A. ターゲットアドレスの書き換えの設定
ターゲットアドレスの書き換えについて
1 つまたは 2 つの SMTP ルーティングアドレスを使って Enterprise Vault に大量の SMTP トラフィックを送信する場合は、複数の Enterprise Vault SMTP サーバー全体に着信メッセージを分散する負荷分散ソリューションを使うことができます。たとえば、単純な負荷分散ソリューションでは、Enterprise Vault SMTP サーバーの DNS で MX レコードのユーザー設定を等しく設定します。
単一の SMTP ルーティングアドレスを使って Enterprise Vault にメッセージを送信する Enterprise Vault SMTP ジャーナルの設定では、すべてのメッセージはルーティングアドレスと関連付けられたアーカイブに保存されます。各 SMTP サーバーでターゲットアドレスの書き換えを実装すると、複数のアーカイブと Enterprise Vault ストレージサーバーにアーカイブの負荷を分散できます。ターゲットアドレスを書き換えて、各 SMTP サーバーに着信したメッセージを異なるターゲットアドレスにリダイレクトしてアーカイブします。
単一の SMTP ルーティングアドレスを使って Enterprise Vault にメッセージを送信する Enterprise Vault SMTP ジャーナルの設定では、すべてのメッセージはルーティングアドレスと関連付けられたアーカイブに保存されます。Enterprise Vault 12.3 以降では、複数のアーカイブおよび Enterprise Vault ストレージサーバーにアーカイブの負荷を分散するため、SMTP ジャーナルのルーティングアドレスまたは SMTP グループジャーナルプロビジョニンググループには複数のアーカイブを割り当てることができます。
アーカイブの負荷を複数のサーバー間で分散するための複数のアーカイブの割り当てを参照してください。
以前のリリースの Enterprise Vault では、負荷を分散するためにターゲットアドレスの書き換えを実装できるだけでした。
以降のセクションでは、Enterprise Vault SMTP サーバーでターゲットアドレスの書き換えを設定する方法について説明します。このガイドでは、DNS MX レコードを設定して負荷分散する方法については説明していません。
図: アドレスを書き換えない SMTP ジャーナルに、MX レコードのユーザー設定が等しく、複数の Enterprise Vault SMTP サーバーに着信メッセージの基本的な負荷分散を行う環境例を示します。Enterprise Vault 環境の例では次のように設定しています。
すべての SMTP メッセージは SMTPjournal@example.com という同じ SMTP ルーティングアドレスに送信されます。
異なる Enterprise Vault SMTP サーバーに SMTPjournal@example.com の SMTP メッセージを均等に分散します。
Enterprise Vault Administration Console で、SMTPjournal@example.com を SMTP ターゲットアドレスとして設定し、アーカイブを有効にします。このターゲットに設定するアーカイブは SMTPjournal です。
この設定によって、すべての SMTP メッセージは SMTPjournal という 1 つのアーカイブに格納されます。
前の例では、複数の Enterprise Vault SMTP サーバーに SMTP トラフィックを分散しますが、すべてのサーバーは同じアーカイブにメッセージを格納します。複数のアーカイブにアーカイブの負荷を分散するには、SMTP サーバーでターゲットアドレスの書き換えを実装します。次の図でこの例を示します。
図: アドレスを書き換えた SMTP ジャーナル の環境例では、次のように設定しています。
前の例のように、すべての SMTP メッセージは SMTPjournal@example.com という同じ SMTP ルーティングアドレスに送信されます。
Enterprise Vault Administration Console で、SMTPjournal@example.com を SMTP ターゲットアドレスとして設定します。アドレスを書き換えると、異なるターゲットアドレスとアーカイブにメッセージが送信されるので、このターゲットアドレスのアーカイブは有効ではありません。
アドレスの書き換えを実装するには、それぞれの SMTP サーバーのエイリアスファイルにエイリアスのエントリを手動で追加します。たとえば、最初の SMTP サーバーで、エイリアスを SMTPserver1 にするとします。このサーバーが受信する各メッセージのターゲットルーティングアドレスは、SMTPserver1@example.com に書き換えられます。
2 番目の SMTP サーバーで、エイリアスを SMTPserver2 にすると、このサーバーが受信する各メッセージのターゲットルーティングアドレスは SMTPserver2@example.com に書き換えられます。以降のサーバーでも同様に書き換えられます。
Enterprise Vault Administration Console で、各サーバーのエイリアスのアドレス(SMTPserver1@example.com、SMTPserver2@example.com、SMTPserver3@example.com)を SMTP ターゲットアドレスとして設定し、アーカイブを有効にします。
Enterprise Vault は、ターゲットアドレスに関連付けられたアーカイブにメッセージを格納します。アーカイブの SMTPjournal1 はターゲットの SMTPserver1@example.com に関連付けられ、アーカイブの SMTPjournal2 はターゲットの SMTPserver2@example.com に関連付けられます。以降のアーカイブも同様に関連付けられます。