Enterprise Vault™ 導入/計画
- このマニュアルについて
- 概要
- Enterprise Vault の概要
- Enterprise Vault の動作
- Enterprise Vault のインデックスについて
- Enterprise Vault タスクについて
- Enterprise Vault サービスについて
- Enterprise Vault Outlook アドインについて
- Enterprise Vault 検索について
- Enterprise Vault の管理
- Exchange Server のアーカイブ
- Exchange パブリックフォルダアーカイブ
- ファイルシステムアーカイブ
- Microsoft SharePoint サーバーのアーカイブ
- Domino メールボックスアーカイブ
- Domino ジャーナルアーカイブ
- SMTP アーカイブ
- Microsoft Teams アーカイブ
- Skype for Business アーカイブ
- Enterprise Vault Accelerator
- 耐性のある構築
- コンポーネントのインストール計画
- Enterprise Vault のサービスとタスクの設定先
- クライアントコンポーネントのインストール計画
- アーカイブ戦略の計画
- ユーザーメールボックスに対するアーカイブポリシーの定義方法
- Exchange パブリックフォルダのアーカイブ戦略の計画方法
- 保持カテゴリの設定を計画する方法
- ボルトストアおよびパーティションの計画方法
- Enterprise Vault のレポートについて
Enterprise Vault の動作
このセクションでは、Enterprise Vault コンポーネントを紹介し、基本的なアーカイブ処理と取り込み処理の概要を説明します。Enterprise Vault では、インストール時にさまざまなコンポーネントを選択し、パッケージに含めることができます。
Enterprise Vault のコアコンポーネントには、次のものがあります。
Exchange Server アーカイブには、次の追加コンポーネントが提供されています。
ユーザーが Outlook クライアント内からアーカイブ済みアイテムにアクセスするための Enterprise Vault Outlook アドイン。
Outlook for Mac 2011 または 2016 ユーザーがアーカイブ済みアイテムにアクセスするための Mac OS X 用 Enterprise Vault クライアント。
ユーザーが OWA 2010 クライアント内からアーカイブ済みアイテムにアクセスするための Outlook Web App (OWA 2010) 拡張機能。
ユーザーがこれらのクライアントからアーカイブ済みのアイテムにアクセスするための OWA 2013 以降および Outlook 2013 以降の Office Mail App。
ファイルシステムアーカイブ、SharePoint アーカイブ、SMTP メッセージアーカイブには、次の追加コンポーネントが提供されています。
次のオプションのコンポーネントを使うと、管理とレポートの拡張機能が提供されます。
Enterprise Vault サーバーをインストール、設定した後は、Windows のサービスとタスク、Microsoft SQL Server データベース、Active Server Page (ASP) Web アクセスコンポーネントの組み合わせを構成します。サービス、タスク、アーカイブは、Enterprise Vault 管理コンソールを使って設定されます。これは、MMC (Microsoft Management Console) のスナップインです。
図: Enterprise Vault システムのインストール例 は、インストールされた Enterprise Vault システムの主要なコンポーネントを示しています。図中の対象サーバーは、アイテムのアーカイブ元のサーバーです。この図では、単一インスタンスストレージに含まれているコンポーネントは省略されています。これらのコンポーネントについては、別途説明します。
Windows のサービスとタスクは、アーカイブ対象アイテムを保持する対象サーバーのスキャン、アーカイブへのアイテムの格納、アイテム属性と内容のインデックス作成、アーカイブからのアイテムの取り込みなどのバックグラウンドタスクを実行します。
Enterprise Vault ディレクトリデータベースとボルトストアデータベースは、Enterprise Vault 設定データとアーカイブについての情報を保存する SQL データベースです。
Enterprise Vault 監視データベースは、Enterprise Vault Operations Manager と Enterprise Vault Reporting コンポーネントで使うための監視データを保存する SQL データベースです。各 Enterprise Vault サーバーの監視エージェントは、Enterprise Vault サービスとアーカイブタスクの状態と、ボルトストア、ディスク、メモリ、CPU のパフォーマンスカウンタの値を監視します。エージェントは数分ごとにデータを収集し、Enterprise Vault 監視データベースにそのデータを記録します。
初めて FSA レポート用に対象のファイルサーバーを設定するとき、Enterprise Vault は FSA Reporting用データベースを作成します (図には表示されていません)。FSA Reporting 用データベースは、FSA Reporting がファイルサーバーから収集するスキャンデータを保持します。FSA レポートに別の対象ファイルサーバーを設定するとき、ファイルサーバーを既存の FSA レポート用データベースに割り当てるか、または別のデータベースを作成できます。多数のファイルサーバーについて FSA Reporting のデータを入手する場合、複数の FSA Reporting 用データベースで拡張性を高めることができます。
Active Server Page Web アクセスコンポーネントは、インターネットインフォメーションサービス (IIS) サーバー上で実行されます。これによりユーザーは、Enterprise Vault Web クライアントインターフェースを使って、アーカイブ済みアイテムを参照、検索、復元できます。
コンポーネントの物理的な構成は、サイトの必要条件によって異なります。Enterprise Vault の各種のサービスとタスクは、1 台のコンピュータに常駐させることも、または複数のコンピュータに分散させて常駐させることもできます。たとえば、パイロットシステムではほとんどの場合、Enterprise Vault サービス、SQL Server、IIS サーバー、アーカイブ対象サーバーをすべて 1 台のコンピュータに常駐させることができます。
優先的なストレージ(SAN、NAS、NTFS、WORM など)にアーカイブ自体を常駐させることができます。また Enterprise Vault ストレージストリーマ API をサポートするある特定のストレージデバイスを使うこともできます。古いアーカイブを、より安価なメディアに移動して長期間保存できます。Enterprise Vault を使用すると、ボルトストアパーティションから、Amazon Simple Storage Service、Microsoft Azure Blob Storage、Google Cloud Storage などのクラウドのセカンダリストレージの場所にファイルを移行できます。
Hierarchical Storage Management (HSM) の使用もサポートされています。
サポートされるソフトウェアとストレージデバイスについて詳しくは、「Enterprise Vault Compatibility Charts」を参照してください。
Enterprise Vault は、「ボルトストア」というエンティティにアーカイブを構成します。次のように、各ボルトストアに多数のアーカイブを保持できます。
ボルトストアがメールボックスからのアーカイブに使われる場合は、必要に応じてアーカイブを作成でき、Enterprise Vault がメールボックスを有効にしたときに自動的にアーカイブを作成できます。これにより、Enterprise Vault がアーカイブデータを格納する場所を制御できます。
ボルトストアがパブリックフォルダからのアーカイブに対して作成されている場合、Enterprise Vault はアーカイブするパブリックフォルダごとに 1 つのアーカイブを自動的に作成します。
1 つのボルトストアを多数の「パーティション」に分割し、異なるディスクまたはメディア上に配置できます。ボルトストアが大きくなった場合、パーティションを追加して利用可能な領域を拡張できます。
Enterprise Vault の分類機能を使うと、分類機能によるアイテムのタグ付け方法に応じて、各種のアイテムをさまざまなパーティションにアーカイブできます。たとえば、個人識別情報 (PII) を含んでいるアイテムを検出してタグを付けるように分類エンジンを設定した場合は、これらのアイテムを 1 つのパーティションにアーカイブするように選択できます。入札やビジネスの提案など、他の種類のアイテムを別のパーティションにアーカイブできます。これらの分類関連のパーティションは、スマートパーティションと呼ばれます。このパーティションは、以下の点を除き、標準のボルトストアパーティションと同じです。
Vault 管理コンソールを使用すると、選択した分類エンジン (Veritas Information Classifier または Microsoft ファイル分類インフラストラクチャ) で定義した 1 つ以上の分類タグとスマートパーティションを関連付けることができます。選択したタグを分類エンジンが割り当てたアイテムのみが、スマートパーティションにアーカイブされます。
複数のスマートパーティションをアーカイブ用に同時に開くことができます。これは、標準のボルトストアパーティションには当てはまりません。標準のボルトストアパーティションでは、各ボルトストアで開くことができるパーティションは 1 つに限られます。
特定の基準が満たされると、Enterprise Vault が次の使用可能なパーティションに自動的にロールオーバーするように、標準のボルトストアパーティションを設定できます。このロールオーバー機能は、スマートパーティションでは利用できません。
NTFS ボリュームでは、Enterprise Vault は NTFS ファイルセキュリティを自動的に使います。Enterprise Vault の一部のエレメント (インデックスなど) は FAT ボリュームで設定されますが、FAT ボリューム上ではファイルセキュリティは設定されません。