NetBackup™ トラブルシューティングガイド
- 概要
- トラブルシューティングの手順
- NetBackup の問題のトラブルシューティング
- vnetd プロキシ接続のトラブルシューティング
- セキュリティ証明書失効のトラブルシューティング
- NetBackup のホスト名およびサービスエントリの検証
- 凍結されたメディアのトラブルシューティングについての注意事項
- NetBackup Web サービスの問題のトラブルシューティング
- PBX の問題の解決
- リモートホストの検証に関する問題のトラブルシューティング
- 自動イメージレプリケーションのトラブルシューティング
- NetBackup ユーティリティの使用
- NetBackup サポートユーティリティ (nbsu) について
- NetBackup の一貫性チェックユーティリティ (NBCC) について
- ロボットテストユーティリティについて
- NetBackup Smart Diagnosis (nbsmartdiag) ユーティリティについて
- ディザスタリカバリ
- UNIX および Linux のディスクリカバリ手順について
- UNIX および Linux のクラスタ化された NetBackup サーバーのリカバリについて
- Windows のディスクリカバリ手順について
- Windows のクラスタ化された NetBackup サーバーのリカバリについて
- NetBackup カタログのリカバリについて
- NetBackup カタログリカバリについて
- NetBackup カタログ全体のリカバリについて
- NetBackup カタログイメージファイルのリカバリについて
- NetBackup データベースのリカバリについて
ジョブ ID ごとのログ収集について
NetBackup には、ジョブ ID を指定して関連ログを収集し、収集されたログをアップロードするコマンドラインインターフェースと API オプションが含まれます。指定したジョブ ID を使用して、ジョブの実行時間枠内のログが、到達可能な場合はプライマリサーバー、メディアサーバー、クライアントから収集されます。
レガシーログと試行ファイルログは期間フィルタに基づかないため、これらのログには、ジョブの実行時間枠以外のログが含まれる場合があります。階層のジョブ ID を指定すると、ジョブ階層に関係するすべてのホストのログが収集されます。Veritasでは、ジョブの期間に含まれるすべてのホストでのログ収集に、時間同期を使うことをお勧めします。有効なジョブ ID がアクティビティモニターに存在する必要があります。デフォルトでは、ジョブ ID はジョブが完了してから 1 週間後に削除されます。指定されたジョブ ID のジョブ詳細を bpdbjobs またはアクティビティモニターが取得できない場合、nblogadm ユーティリティはジョブ ID のログを収集できません。さらに、ログ収集のコマンドラインインターフェースと API オプションでは、[今すぐバックアップ (Backup Now)]ジョブがサポートされません。VxUL ログは、旧バージョンのメディアサーバーまたはクライアントからは収集されません。
収集されるログには、NetBackup 製品と NetBackup のサポートユーティリティ (nbsu) のログが含まれます。ログ収集では、一度に 1 つのレコード ID がサポートされ、複数のレコード ID からの同時ログ収集はサポートされません。
ログの収集中にプライマリサーバー、メディアサーバー、クライアントのファイルシステムがいっぱいにならないようにするために、Veritasでは KEEP_LOGS_SIZE_GB オプションを使用することをお勧めします。Veritasでは、保持する NetBackup ログのサイズを、ログ収集の前に指定することをお勧めします。詳しくは、『NetBackup 管理者ガイド Vol. 1』を参照してください。
NetBackup 10.2 で、時間ベースのログクリーンアッププロセスが導入されました。ログが収集の 7 日後に削除されない場合、このプロセスによって、それらの収集されたログとログレコードが削除されます。プライマリサーバーまたはメディアサーバーでログの保持期間を短縮して 5 日間に設定するには、LOG_RECORD_EXPIRY_DAYS を、bpsetconfig で 5 に設定します。クライアントでログの保持期間を短縮して 5 日間に設定するには、LOG_RECORD_EXPIRY_DAYS を、nbsetconfig で 5 に設定します。小さい数が優先されます。NetBackup では、ログのクリーンアップ処理中にエラーが発生した場合、旧バージョンのメディアサーバーまたはクライアントからログが削除されないことがあります。Veritasでは、この状況が発生した場合は、残っているログを手動で削除することをお勧めします。
プライマリサーバーのファイルシステムが収集されたログでいっぱいになるのを避けるために、10 GB の事前定義済み空き領域ウォーターマークが使用されます。NetBackup は、利用可能なディスク容量がウォーターマークと収集ログの推定サイズの合計より少ない場合に、このウォーターマークを使用してログ収集の開始を確認して抑制します。さらに、プライマリサーバーの利用可能な領域がウォーターマークと収集ログの推定サイズの合計より少なくなった場合、ログ収集プロセスが停止されます。このリリースでは、利用可能な領域の確認がメディアサーバーとクライアントに拡張されています。空き領域のウォーターマークを 5 GB に減らすには、bpsetconfig コマンドで HIGH_WATERMARK_TRB_LOG_RECORDS = 5 と設定します。
より詳細なログを収集する方法として、次の 2 つのオプションがあります。ログ記録を手動で有効にし、『NetBackup ログリファレンスガイド』に記載されているとおりに必要なログレベルを構成できます。または、コマンドラインインターフェースと API オプションを使用して、プライマリサーバー、メディアサーバー、またはクライアントの収集するログレベルの値を構成することもできます。次に、ジョブを再起動し、ログ収集タスクを開始します。この機能には、最初に指定したジョブが再開された後、新しいジョブのジョブ ID を取得する API オプションが含まれています。
より詳細なログを収集するには、2 つのログレコード ID が必要です。最初のログレコード ID (レコード ID 1) は、あるジョブ ID (ジョブ ID 1) のホストに対してログ記録を有効にし、目的のログレベルを構成するために使用されます。ログレベルを構成し、元のジョブ (ジョブ ID 1) が再起動されると、新しいジョブ ID (ジョブ ID 2) が生成されます。2 番目のログレコード ID (レコード ID 2) は、再起動された新しいジョブ (ジョブ ID 2) の実行時間枠内で、到達可能な場合はプライマリサーバー、メディアサーバー、クライアントからログを収集するために使用されます。複数のメディアサーバーとクライアントが含まれるバックアップドメインでは、レコード ID 1 とレコード ID 2 のメディアサーバーまたはクライアントが、ジョブスケジュールアルゴリズムが原因で同一でない場合があります。
NetBackup 10.2 以降では、収集された各ログの SHA256 チェックサムが、次に示すディレクトリの Progress.txt
ファイルに含まれています。旧バージョンの NetBackup がインストールされているメディアサーバーまたはクライアントでは、チェックサムの計算が失敗します。
Progress.txt
ファイルの場所:
Linux および UNIX
/usr/openv/netbackup/logs/nblastaging/record ID-timestamp: YYYYMMDD-HHMMSS
Windows
install_path\Veritas\NetBackup\logs\nblastaging\record ID-timestamp: YYYYMMDD-HHMMSS
NetBackup 10.2 以降には、プライマリサーバーの必要なログストレージ領域に対する領域使用率の拡張が含まれています。プライマリサーバー、メディアサーバー、クライアントから収集されたログファイルは、プライマリサーバーに格納されなくなります。ホストごとに、次のディレクトリにファイルが格納されます。
Linux および UNIX
/usr/openv/netbackup/logs/nblaevidence/nbla-hash
Windows
install_path\Veritas\NetBackup\logs\nblaevidence\nbla-hash
サポート対象のジョブの種類:
バックアップ
スナップショットからのバックアップ
スナップショット
サポート対象のワークロードの種類:
ファイルシステム
Hadoop (ログはプライマリサーバーとメディアサーバーからのみ収集されます)
Microsoft Exchange (ログはプライマリサーバーとメディアサーバーからのみ収集されます)
Windows Server フェールオーバークラスタ (WSFC)
Microsoft SQL Server 可用性グループ
NDMP (ログはプライマリサーバーとメディアサーバーからのみ収集されます)
Oracle
Snapshot Manager (ログはプライマリサーバーとメディアサーバーからのみ収集されます)
VMware
プライマリサーバーで disableIPResolution オプションを設定するときに、VMware 作業負荷の種類のジョブ ID を指定した場合、保護対象の仮想マシンのログは収集されません。設定について詳しくは、https://www.veritas.com/content/support/en_US/doc/21902280-158271263-0/v38310204-158271263 を参照してください。
このリリースでは、複数のクライアントを使用した分散作業負荷からのログの収集がサポートされています。分散作業負荷の例として、Oracle RAC や MSSQL 可用性グループがあります。
収集されたログは、コマンドラインインターフェースと API オプションのほか、有効なサポートケース ID を使用してVeritasテクニカルサポートにアップロードできます。詳しくは、https://www.veritas.com/support/ja_JP/article.100038665 を参照してください。
ログをアップロードするために API に指定されるパスワードは、NetBackup の[クレデンシャルの管理 (Credential management)]ペインにクレデンシャルオブジェクトとして格納されます。これは、ログがアップロードされた後に削除されます。
収集されたログで構成される 1 つの tar ファイルが、Veritasテクニカルサポートチームの SFTP サーバーまたは指定した SFTP サーバーにアップロードされます。Veritasテクニカルサポートチームが SFTP サーバーを管理していない場合、SFTP サーバーに同じ名前の tar
ファイルが存在する場合、アップロード操作は失敗します。
nblogadm ログを使用して、ジョブ ID ごとのログ収集のデバッグまたはトラブルシューティングを行います。コマンドラインインターフェースと API オプションの両方に nblogadm ログを使用します。nblogadm プロセスからログを収集するには、次に示すディレクトリが存在することを確認します。
Linux および UNIX
/usr/openv/netbackup/logs/nblogadm
Windows
install_path\Veritas\NetBackup\logs\nblogadm
表: nblogadm ユーティリティに導入された新しいコマンドラインインターフェースフラグ
コマンドラインインターフェース |
説明 |
---|---|
nblogadm --action getactivecollections --json |
進行中のレコードの数を取得します。(一度に複数のレコード ID のログは収集されません) |
nblogadm --action createrecord --jobid job ID --json |
ジョブ ID を取得し、空のログレコードを作成し、作成したレコード ID を返します。 |
nblogadm --action collectlogsforjob --recid record ID --runnbsu --json |
指定したレコード ID のログを収集するタスクを作成します。 |
nblogadm --action startupload --recid record ID --sftp_host sftp host --sftp_port sftp port --supportcase support case ID --target_folder sftp host folder --fingerprint sftp host fingerprint, use comma as delimiter without spaces --passcredentials --json |
指定したレコード ID のログと SFTP サーバーアクセス情報をアップロードするタスクを作成します。 |
nblogadm --action deleterecord --recid record ID --json |
指定したレコード ID の収集されたログとレコードを削除します。この処理によって、進行中のタスクも終了します。 |
nblogadm --action casedetail --recid record ID --json |
指定したレコード ID のログ収集とログアップロードタスクの詳細を取得します。 |
nblogadm --action getlogging --recid record ID --json |
指定したレコード ID のホスト、そのコンポーネント、対応するログレベル値のリストを取得します。 |
nblogadm --action getlogging --recid record ID [--hostandlog MASTER|MEDIA|CLIENT:hostname] --json |
--hostandlog パラメータを使用する場合、このコマンドは指定したレコード ID の指定したホストに対するコンポーネントのログレベル値を返します。--hostandlog パラメータを使用しない場合、このコマンドは指定したレコード ID の複数ホストのリストに対するコンポーネントのログレベル値を返します。 |
nblogadm --action setlogging --recid record ID --hostandlog MASTER|MEDIA|CLIENT:hostname@legacy component1=legacy component1 level,vxul component1=debug level%diagnostic level,misc type=misc type value --json |
指定したレコード ID の指定したホストに対するコンポーネントのログレベル設定を更新します。各ホストを更新するには、個別の呼び出しが必要です。 指定するレガシー名と vxul コンポーネント名は小文字にする必要があります。 |