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NetBackup™ 管理者ガイド Vol. 1

Last Published: 2022-04-27

Product(s): NetBackup (10.0)

増分バックアップについて

次の例では、一連の完全バックアップおよび増分バックアップに含まれるデータを示します。

差分増分バックアップでは、最後の完全バックアップまたは差分増分バックアップから変更されたデータをバックアップします。

メモ:

増分バックアップの前に完全バックアップを実行してください。完全バックアップが動作しなければ、増分バックアップが完全バックアップの役割を果たします。

図: 完全バックアップおよび差分増分バックアップの例に、1 月 1 日から 1 月 4 日の間に実行された一連の完全バックアップおよび差分増分バックアップに含まれるデータを示します。

図: 完全バックアップおよび差分増分バックアップの例

1 月 1 日の完全バックアップには、ポリシーのバックアップ対象リストに存在するすべてのファイルおよびディレクトリが含まれています。後続の差分増分バックアップには、最後の完全バックアップまたは差分増分バックアップから変更があったデータだけが含まれています。1 月 4 日のバックアップ後にディスク障害が発生した場合、完全バックアップおよび後続の 3 つの増分バックアップがリカバリのために必要になります。

累積増分バックアップでは最後の完全バックアップ以後に変更されたデータをバックアップします。図: 完全バックアップおよび累積増分バックアップの例に、1 月 1 日から 1 月 4 日の間に実行された一連の完全バックアップおよび累積増分バックアップに含まれるデータを示します。1 月 1 日の完全バックアップにはポリシーのバックアップ対象リストに存在するすべてのファイルとディレクトリが含まれています。それぞれの累積増分バックアップには、最後の完全バックアップから変更されたデータが含まれています。1 月 4 日のバックアップ後にディスク障害が発生した場合、完全バックアップおよび最後の累積増分バックアップがリカバリのために必要になります。

図: 完全バックアップおよび累積増分バックアップの例

表: 増分バックアップの保持要件はバックアップ適用範囲の漏れを防ぐために差分増分バックアップと累積増分バックアップの保持期間を判断する方法を記述します。

表: 増分バックアップの保持要件

形式	保持要件	コメント
差分	長い	すべてのファイルをリストアするには、最後の完全バックアップおよび最後の完全バックアップ以降に行われたすべての差分増分バックアップが必要。このため、すべての差分増分バックアップは、次の完全バックアップまで保管が必要。
累積	短い	累積増分バックアップには、最後の完全バックアップから変更された内容がすべて含まれる。このため、完全にリストアするには、最後の完全バックアップおよび最後の累積増分バックアップだけが必要。

表: 増分バックアップのバックアップ時間とリストア時間の比較は、可能性のあるバックアップ時間とリストア時間に基づいて差分増分バックアップまたは累積増分バックアップの使用の利点と欠点を比較します。

表: 増分バックアップのバックアップ時間とリストア時間の比較

形式	バックアップ時間	リストア時間	コメント
差分	短い	長い	各バックアップのデータ量は少ないが、最後の完全バックアップ後のすべての差分増分バックアップがリストアに必要。このため、リストア時間が長くなる。
累積	長い	短い	各バックアップのデータ量は多くなるが、完全なリストアには完全バックアップおよび最後の累積増分バックアップだけが必要。

累積および差分の増分バックアップの両方の利点を利用できるように、両者の組み合わせを使用することも可能です。たとえば、次のバックアップ間隔と保持期間のスケジュールを想定します。(差分増分バックアップの方が頻繁に実行される。)

表: バックアップ間隔および保持期間の例

バックアップ形式	間隔 (Frequency)	保持期間
完全	6 日	2 週間
累積増分	2 日	4 日
差分増分	1 日	2 日

表: バックアップ間隔および保持期間の例に記述されているスケジュールでは、次の一連のバックアップが実行されます。

この例では次のような結果になります。

1 日おきの差分増分バックアップの日は、バックアップ時間が最小です。
交互に訪れる累積増分バックアップの日は、差分増分バックアップより時間がかかりますが、完全バックアップよりも短いバックアップ時間になります。このとき、差分増分バックアップの期限は切れています。
すべてのファイルのリカバリする場合、最後の完全バックアップおよび (最大で) 2 つの増分バックアップが必要になる場合があります。通常、バックアップを組み合わせると、すべての差分増分バックアップを使用する場合よりも、リストア時間が少なくて済みます。増分バックアップのデータ量が少ない場合、完全バックアップの間隔を長くできます。