Veritas NetBackup™ Appliance コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. Main > Appliance コマンド
- 付録 B. Main > Manage > FibreChannel コマンド
- 付録 C. Main > Manage > HighAvailability コマンド
- 付録 D. Main > Manage > Libraries コマンド
- 付録 E. Main > Manage > Libraries > Advanced > ACS コマンド
- 付録 F. Main > Manage > License コマンド
- 付録 G. Main > Manage > MountPoints コマンド
- 付録 H. Main > Manage > NetBackup CLI コマンド
- 付録 I. Main > Manage > OpenStorage コマンド
- 付録 J. Main > Manage > Software コマンド
- 付録 K. Main > Manage > Storage コマンド
- 付録 L. Main > Manage > Tapes コマンド
- 付録 M. Main > Monitor コマンド
- 付録 N. Main > Network コマンド
- 付録 O. Main > Network > Security コマンド (DeviceCert)
- 付録 P. Main > Reports コマンド
- 付録 Q. Main > Settings コマンド
- 付録 R. Main > Settings > Alerts コマンド
- 付録 S. Main > Settings > Notifications view コマンド
- 付録 T. Main > Settings > Security コマンド
- 付録 U. Main > Support コマンド
- 付録 V. NetBackupCLI ユーザーのメニュー
名前
Main > Network > WANOptimization — WAN データスループットの最適化を管理します。
概要
Enable ALL
Enable interfaceList
Disable ALL
Disable interfaceList
Status
説明
このオプションを使って WAN の最適化設定を管理します。
WAN 最適化機能では、WAN でのデータ転送の効率を向上させるためのさまざまな技法を使います。結果として、WAN 最適化の使用によりアプライアンス間のインバウンドおよびアウトバウンドのデータ転送を向上させることができます。
この機能には次の利点があります。
NetBackup 自動イメージレプリケーションのパフォーマンスの向上。
NetBackup 自動イメージレプリケーションは、ディザスタリカバリのソリューションです。その目的は、ミッションクリティカルなバックアップのオフサイトコピーを作成して、サイトの消失から保護することです。
たとえば、1 つの NetBackup ドメインで生成されたバックアップを、他の NetBackup ドメインのストレージに複製できます。他の NetBackup ドメインは、地理的にさまざまな場所にある場合があります。WAN 最適化によってアプライアンス間の WAN データスループットを向上できるため、より効率的なバックアップデータ転送とディザスタリカバリ転送が可能になります。
データが低速のネットワークで送信されるアプライアンスに対してメリットがあります。たとえば、遅延が 20 ミリ秒以上で、パケット消失率が 0.01% (10,000 個あたり 1 つ) 以上のネットワークです。
個々の TCP 接続で機能します。それぞれのインバウンドネットワーク接続とアウトバウンドネットワーク接続を評価し、パフォーマンスが向上するかどうかを判断します。
アウトバウンドネットワークトラフィックへの依存関係を最小にしてネットワークパフォーマンスを改善します。
最適化複製のネットワークパフォーマンスを改善します。
リモートクライアントのリストアのネットワークパフォーマンスを改善します。
ネットワークオーバーヘッドはありません。WAN の最適化は非侵入型であり、全体的なネットワークデータ転送がすでに高負荷になっている状態でもネットワークオーバーヘッドを発生させません。一部のシナリオでは、全体的なネットワークデータ転送が高負荷になっているときに、この機能を有効にしても接続速度が最適化されない場合があります。
メモ:
アプライアンスの出荷時の設定へのリセットを実行する場合は、次に注意してください。
出荷時の設定へのリセットでは、ネットワーク構成を保持するときでもすべてのネットワークインターフェースの結合に対する WAN 結合が無効になります。
出荷時の設定へのリセットが完了した後に、ネットワークインターフェースの結合に対して WAN 最適化を再び有効にできます。
ネットワーク構成を保持しないことを選択すると、出荷時の設定へのリセット中にすべてのネットワークインターフェースの結合が失われます。リセットが完了した後に、アプライアンスは結合を構成していたポートを含むすべてのネットワークインターフェースポートに対して WAN 最適化を自動的に有効にします。
オプション
- Enable ALL
すべてのアプライアンスネットワークインターフェースポートと NIC 結合に対して WAN 最適化を同時に有効にします。
このコマンドで NIC 結合を最適化することもできます。結合は、チーミングされ、論理ネットワークポートを形成している 2 つ以上の物理 NIC/eth ポートから構成されています。論理ネットワークポートは結合と呼ばれます。
メモ:
複数のネットワークインターフェースを NIC 結合として設定する場合は、NetBackup Appliance シェルメニューの Network > LinkAggregation を使って、この結合を設定します。NetBackup Appliance Web コンソールの[ネットワーク (Network)]ページ ([設定 (Settings)]>[ネットワーク (Network)]>[ネットワーク構成 (Network Configuration)]>[ボンドの作成 (Create Bond)]) も使用できます。前述のアプライアンスツール以外のツールで設定された NIC 結合は、WAN 最適化の Status コマンドを実行したときに無効として表示されます。それらの NIC 結合は NetBackup Appliance Web コンソールで表示するときも無効として表示されます。
このような NIC 結合を有効にするには、NetBackup Appliance シェルメニューまたは NetBackup Appliance Web コンソールを使います。
次の例で、Enable ALL コマンドの使い方を示します。
myappliance1.WANOptimization> Enable ALL (ポートが結合の一部でない場合)
- Enable interfaceList
アプライアンス上の選択したネットワークインターフェース (NIC/eth) ポートに対して WAN 最適化を有効にします。
interfaceList には、選択した NIC ポートまたは NIC 結合を指定します。
メモ:
個別の NIC ポートが NIC 結合でチーミングされている場合は、WAN 通信に対して最適化できません。WAN 最適化を結合に対して有効にすると、WAN 最適化は結合の各 NIC ポートに適用されます。
次に、Enable コマンドおよびそのパラメータの使用例を示します。
myappliance1.WANOptimization> Enable eth2 (ポートが結合の一部でない場合)
myappliance1.WANOptimization> Enable bond0
myappliance1.WANOptimization> Enable eth0,eth1 (ポートが結合の一部でない場合)
myappliance1.WANOptimization> Enable bond1,bond2
myappliance1.WANOptimization> Enable eth0,bond1 (ポートが結合の一部でない場合)
- Disable ALL
すべてのアプライアンスネットワークインターフェースポートと NIC 結合に対して WAN 最適化を同時に無効にします。
次の例で、Disable ALL コマンドの使い方を示します。
myappliance1.WANOptimization> Disable ALL
- Disable interfaceList
アプライアンス上の選択したネットワークインターフェース (NIC/eth) ポートに対して WAN 最適化を無効にします。
このコマンドで NIC 結合に対し WAN 最適化を無効にすることもできます。結合は、チーミングされ、論理ネットワークポートを形成している 2 つ以上の物理 NIC/eth ポートから構成されています。論理ネットワークポートは結合と呼ばれます。
interfaceList には、選択した NIC ポートまたは NIC 結合を指定します。
メモ:
interfaceList で、選択した NIC ポートまたは NIC 結合に対して WAN 最適化を無効にできます。ただし、選択したポートが別のポートとチーミングされ結合を形成している場合は除きます。結合内のポートに対し WAN 最適化を無効にするには、Disable コマンドの実行時に結合名を指定する必要があります。
次に、Disable コマンドおよびそのパラメータの使用例を示します。
myappliance1.WANOptimization> Disable eth2 (ポートが結合の一部でない場合)
myappliance1.WANOptimization> Disable bond0
myappliance1.WANOptimization> Disable eth0,eth1 (ポートが結合の一部でない場合)
myappliance1.WANOptimization> Disable bond1,bond2
myappliance1.WANOptimization> Disable eth0,bond1 (ポートが結合の一部でない場合)
メモ:
WAN 最適化を結合に対して無効にすると、WAN 最適化は結合の各ポートに対して無効になります。
- WANOptimization > Status
現在の WAN 最適化の状態を表示します。
アプライアンスは次の例のような表に最適化の状態を表示します。
Bond Interface State IPv4 Address IPv6 Address WAN Optimization bond0 eth3 Plugged Enabled eth4 Plugged eth5 Plugged eth6 Plugged bond1 eth7 Plugged Enabled eth8 Plugged eth9 Plugged eth0 Plugged Enabled eth1 Plugged 10.200.71.130 Enabled eth2 Plugged dc81::250:56ff:fe72:3a4e Enabled