Veritas NetBackup™ クラウド管理者ガイド

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Product(s): NetBackup (8.1.1)
Platform: Linux,UNIX,Windows
  1. NetBackup クラウドストレージについて
    1.  
      NetBackup 8.1.1 の新しいクラウド機能
    2.  
      NetBackup 8.1 の新しいクラウド機能
    3.  
      Cloud Storage の機能について
    4.  
      クラウド構成ファイルのカタログバックアップについて
    5.  
      NetBackup クラウドストレージのサポート制限事項について
  2. クラウドストレージについて
    1.  
      NetBackup のクラウドストレージベンダーについて
    2. Amazon S3 クラウドストレージの API 形式について
      1.  
        NetBackup 認定の Amazon S3 クラウドストレージベンダー
      2.  
        Amazon S3 ストレージ形式の要件
      3.  
        Amazon S3 のクラウドストレージプロバイダのオプション
      4.  
        Amazon S3 のクラウドストレージのオプション
      5.  
        Amazon S3 のサーバーの詳細な構成オプション
      6.  
        Amazon S3 資格情報ブローカーの詳細
      7.  
        Amazon S3 対応クラウドプロバイダのプライベートクラウドについて
      8.  
        Amazon S3 ストレージクラスについて
      9.  
        NetBackup による Amazon 仮想プライベートクラウドサポート
      10. 長期保持のための Amazon Glacier のデータの保護
        1.  
          Amazon Glacier へのデータのバックアップ
        2.  
          Amazon Glacier からのデータのリストア
      11. Amazon のクラウド階層化を使用したデータの保護
        1.  
          LIFECYCLE ストレージクラスを使用したデータのバックアップについて
        2.  
          LIFECYCLE ストレージクラスからのデータのリストアについて
      12.  
        Amazon IAM ユーザーに必要な権限
      13.  
        NetBackup における Amazon S3 クラウドコネクタの文字制限について
    3. EMC Atmos クラウドストレージの API 形式について
      1.  
        NetBackup 認定の EMC Atmos クラウドストレージベンダー
      2.  
        EMC Atmos ストレージ形式の要件
      3.  
        EMC Atmos のクラウドストレージプロバイダのオプション
      4.  
        EMC Atmos のサーバーの詳細な構成オプション
      5.  
        AT&T のプライベートクラウドについて
    4. Microsoft Azure クラウドストレージ API 形式について
      1.  
        NetBackup 認定の Microsoft Azure クラウドストレージベンダー
      2.  
        Microsoft Azure ストレージ形式の要件
      3.  
        Microsoft Azure クラウドストレージプロバイダのオプション
      4.  
        Microsoft Azure のサーバーの詳細な構成オプション
    5. OpenStack Swift クラウドストレージの API 形式について
      1.  
        NetBackup 認定の OpenStack Swift クラウドストレージベンダー
      2.  
        OpenStack Swift のストレージ形式の要件
      3.  
        OpenStack Swift のクラウドストレージプロバイダのオプション
      4.  
        OpenStack Swift のストレージ領域のオプション
      5.  
        OpenStack Swift のクラウドストレージの追加の構成オプション
      6.  
        OpenStack Swift プロキシ設定
      7.  
        Rackspace Cloud Files ストレージの要件について
      8.  
        Rackspace ストレージサーバーの構成オプション
      9.  
        Rackspace のプライベートクラウドについて
  3. NetBackup のクラウドストレージの構成
    1.  
      NetBackup でクラウドストレージの構成を開始する前に
    2.  
      NetBackup のクラウドストレージの構成
    3.  
      Cloud のインストール要件
    4. [拡張性のあるストレージ (Scalable Storage)]プロパティ
      1.  
        帯域幅スロットルの詳細設定
      2.  
        帯域幅スロットルの詳細設定
    5. [クラウドストレージ (Cloud Storage)]プロパティ
      1.  
        クラウドストレージインスタンスの追加
      2.  
        クラウドストレージホストプロパティの変更
      3.  
        クラウドストレージホストのインスタンスの削除
    6. NetBackup CloudStore サービスコンテナについて
      1.  
        NetBackup CloudStore Service Container のセキュリティ証明書
      2.  
        NetBackup CloudStore Service Container のセキュリティモード
      3.  
        NetBackup cloudstore.conf 設定ファイル
    7.  
      ホスト名ベースの証明書の配備
    8.  
      ホスト ID ベースの証明書の配備
    9.  
      クラウドバックアップ用のデータ圧縮について
    10.  
      クラウドストレージのデータ暗号化について
    11.  
      NetBackup クラウドストレージの暗号化のキー管理について
    12.  
      クラウドストレージサーバーについて
    13.  
      クラウドストレージのオブジェクトのサイズについて
    14. クラウドストレージの NetBackup メディアサーバーについて
      1.  
        NetBackup クラウドのマスターホストとしてのメディアサーバーの使用
    15. クラウドストレージのストレージサーバーの構成
      1.  
        KMS データベース暗号化の設定
      2.  
        ストレージクラスの Amazon クラウドストレージへの割り当て
    16.  
      クラウドストレージサーバープロパティの変更
    17. NetBackup クラウドストレージサーバーのプロパティ
      1.  
        NetBackup クラウドストレージサーバー帯域幅スロットルのプロパティ
      2.  
        NetBackup クラウドストレージサーバーの接続プロパティ
      3.  
        NetBackup CloudCatalyst ストレージサーバーのプロパティ
      4.  
        NetBackup クラウドストレージサーバーの暗号化プロパティ
    18.  
      クラウドストレージのディスクプールについて
    19.  
      クラウドストレージのディスクプールの構成
    20.  
      NetBackup クラウドストレージ暗号化の KMS キー名のレコードの保存
    21.  
      クラウド環境へのバックアップメディアサーバーの追加
    22. クラウドストレージ用のストレージユニットの構成
      1.  
        クラウドストレージユニットのプロパティ
      2.  
        クライアントとサーバーの最適比率の構成
      3.  
        メディアサーバーへのバックアップ通信量の制御
    23.  
      NetBackup アクセラレータバックアップと NetBackup 最適化合成バックアップについて
    24.  
      NetBackup アクセラレータをクラウドストレージで有効にする
    25.  
      最適化合成バックアップをクラウドストレージで有効にする
    26.  
      バックアップポリシーの作成
    27. クラウドストレージディスクプールプロパティの変更
      1.  
        クラウドストレージディスクプールのプロパティ
    28.  
      NetBackup クラウドの認証局 (CA) の管理
  4. 監視とレポート
    1.  
      クラウドバックアップの監視とレポートについて
    2.  
      クラウドストレージジョブの詳細表示
    3.  
      圧縮率の表示
    4.  
      NetBackup クラウドストレージのディスクレポートの表示
    5.  
      クラウドストレージ暗号化用の KMS キー情報の表示
  5. 操作上の注意事項
    1.  
      NetBackup bpstsinfo コマンドの操作上の注意事項
    2.  
      追加のメディアサーバーを構成できない
    3.  
      NetBackup アクセス制御が有効になっている場合、クラウドの構成が失敗することがある
    4.  
      クラウドストレージサーバーのアーティファクトの削除
  6. トラブルシューティング
    1. 統合ログについて
      1.  
        vxlogview コマンドを使用した統合ログの表示について
      2.  
        vxlogview を使用した統合ログの表示の例
    2. レガシーログについて
      1.  
        クラウドストレージ用の NetBackup ログファイルディレクトリの作成
    3.  
      NetBackup クラウドストレージログファイル
    4.  
      libcurl ログの有効化
    5.  
      NetBackup 管理コンソールが開きません
    6. クラウドストレージの構成上の問題のトラブルシューティング
      1.  
        NetBackup の拡張性のあるストレージのホストプロパティを利用できない
      2.  
        NetBackup CloudStore サービスコンテナへの接続が失敗する
      3.  
        クラウドストレージのディスクプールを作成できない
      4.  
        クラウドストレージを作成できません
      5.  
        クラウドストレージサーバーへのデータ転送が、SSL モードで失敗する
      6.  
        Amazon GovCloud クラウドストレージの設定が非 SSL モードで失敗する
      7.  
        Google Nearline ストレージからのデータリストアは失敗する場合がある
      8.  
        フランクフルト地域でクラウドストレージ構成のバックアップが失敗することがある
      9.  
        クラウド圧縮オプションを使うクラウドストレージ構成のバックアップが失敗することがある
      10.  
        認証バージョン V2 でのストレージ領域のフェッチの失敗
      11.  
        クラスタ環境でのインストール後に nbcssc サービスが起動しない
    7. クラウドストレージの操作上の問題のトラブルシューティング
      1.  
        クラウドストレージバックアップが失敗する
      2.  
        NetBackup CloudStore サービスコンテナの停止と起動
      3.  
        nbcssc 処理の再起動によって、すべての cloudstore.conf の設定が元に戻される
      4.  
        NetBackup CloudStore サービスコンテナの起動とシャットダウンのトラブルシューティング
      5.  
        GLACIER リストアジョブのキャンセル後に bptm プロセスの終了に時間がかかる

クラウドストレージバックアップが失敗する

アクセラレータバックアップの失敗

次のようなメッセージがジョブの詳細に表示されます。

Critical bptm(pid=28291) accelerator verification failed: backupid=
  host_name_1373526632, offset=3584, length=141976576, error=
  2060022, error message: software error  
Critical bptm(pid=28291) image write failed: error 2060022: software 
  error      
Error bptm(pid=28291) cannot write image to disk, Invalid argument end 
  writing; write time: 0:02:31
Info bptm(pid=28291) EXITING with status 84        
Info bpbkar(pid=6044) done. status: 84: media write error media write 
  error(84)

このエラーは、複数のクラウドストレージサーバーがある環境で発生します。このエラーは、あるクラウドストレージサーバーに宛てられたクライアントの NetBackup アクセラレータのバックアップがその後に別のクラウドストレージサーバーに宛てられたことを示します。

クラウドストレージへのアクセラレータバックアップに対しては、次のことを確認します。

  • 各クライアントを常に同じストレージサーバーにバックアップします。 他のストレージサーバーが同じクラウドストレージベンダーのストレージである場合にもそうしてください。

  • クライアントのバックアップに常に同じバックアップポリシーを使用し、ポリシーのストレージ宛先を変更しないでください。

WRITE_BUFFER_SIZE を大きくした後にバックアップが失敗する

クラウドのストレージサーバーの WRITE_BUFFER_SIZE プロパティがコンピュータの総スワップ領域を超えると、バックアップが状態 84 で失敗する場合があります。

この問題を解決するために、WRITE_BUFFER_SIZE のサイズをコンピュータの総スワップ領域より小さい値に調整します。

ストレージボリュームがクラウドベンダーインターフェースによって作成された

次のようなメッセージがジョブの詳細に表示されます。

Info bptm(pid=xxx) start backup           
Critical bptm(pid=xxxx) image open failed: error 2060029: authorization 
  failure      
Error bpbrm(pid=xxxx) from client gabby: ERR - Cannot write to STDOUT.​ E
  rrno  = 32: Broken pipe
Info bptm(pid=xxxx) EXITING with status 84

次のようなメッセージが bptm ログファイルに表示されます。

[container_name というコンテナが Veritas のコンテナではないか、またはタグデータエラーです。イメージの作成に失敗しました。 (Container container_name is not Veritas container or tag data error, fail to create image.)] Please make sure that the LSU is created by means of NBU.

このエラーは、ボリュームがクラウドストレージベンダーのインターフェースを使って作成されたことを示します。

NetBackup の[ディスクプールの構成ウィザード (Disk Pool Configuration Wizard)]を使ってクラウドストレージのボリュームを作成する必要があります。ウィザードはボリュームに必要なパートナー ID を適用します。ベンダーのインターフェースを使ってコンテナを作成する場合、パートナー ID は適用されません。

問題を解決するには、クラウドストレージベンダーのインターフェースを使ってコンテナを削除します。NetBackup でディスクプールを削除し、[ディスクプールの構成ウィザード (Disk Pool Configuration Wizard)]を使ってディスクプールを再作成します。

クラウドストレージジョブの詳細表示を参照してください。

NetBackup クラウドストレージログファイルを参照してください。

AIX メディアサーバーによる大きなファイルのバックアップ

AIX メディアサーバーが大きなファイルをバックアップする場合、メモリの問題が発生する場合があります。これらのメモリの問題が原因で、バックアップが失敗する可能性があります。バックアップは NetBackup の状態コード 84 ([メディアの書き込みエラー (media write error)]) または NetBackup の状態コード 87 ([メディアのクローズエラー (media close error)]) で失敗します。この問題を解決するには、AIX の ulimit のサイズを無制限に変更します。ulimit の値を変更した後、必ず NetBackup サービスまたはデーモンを停止して、再起動してください。

次に例を示します。

ulimit -m unlimited

ulimit -d unlimited

ulimit -s unlimited

NetBackup CloudStore Service Container が非アクティブ

NetBackup CloudStore Service Container が非アクティブの場合は、バックアップをクラウドストレージに送信できません。

NetBackup では、NetBackup コマンドを使って NetBackup クラウドストレージを構成するときに、CloudStore Service Container がアクティブであるこかどうかが確認されません。 したがって、このような状況で開始したバックアップは失敗します。

NetBackup CloudStore サービスコンテナの起動とシャットダウンのトラブルシューティングを参照してください。

[任意のメディアサーバーを使用 (Use any available media server)]オプションが選択されているとバックアップが失敗することがあります。

クラウドストレージサーバーの構成中に、メディアサーバーとマスターサーバーが同じバージョンになっていることを確認する必要があります。

メモ:

この制限は、既存のクラウドストレージサーバーには適用されません。

クラウドバックアップは、次のシナリオで失敗することがあります。

ストレージユニットの構成中に[任意のメディアサーバーを使用 (Use any available media server)]を選択し、クラウドストレージの構成中に NetBackup がマスターサーバーのバージョンと異なるメディアサーバーのバージョンを使っている場合。

この問題を解決するには、次を実行します。

ストレージユニットの構成中に[次のメディアサーバーのみを使用 (Only use the following media servers)]を選択し、[メディアサーバー (Media Servers)]ペインで、マスターサーバーと同じバージョンのメディアサーバーを選択します。

クラウドストレージの操作上の問題のトラブルシューティング

エラーコード 83 またはエラーコード 2106 が表示され、クラウドバックアップとリストアの操作が失敗します。

次のいずれかの理由により、エラーコード 83 またはエラーコード 2106 が表示され、クラウドバックアップとリストアの操作が失敗する場合があります。

  • メディアサーバーの日付と時刻の設定がずれています (GMT/UTC 時間と同期していません)。

  • ストレージサーバーの指定されたクレデンシャルが正しくありません。

次の手順を実行します。

メディアサーバーの日付と時刻の設定を変更して、GMT/UTC 時間と同期するようにします。

ストレージサーバーのクレデンシャルを更新します。tpconfig コマンドを使用して、クレデンシャルを更新します。詳しくは、『NetBackup コマンドリファレンスガイド』を参照してください。

証明書の問題のため、クラウドストレージのバックアップに失敗します。

証明書の問題のためにクラウドストレージのバックアップに失敗する場合、次のことを確認します。

  • cacert.pem ファイルが、次の場所において NetBackup のマスターサーバー、メディアサーバーの両方に存在する。

    • UNIX/Linux の場合: /usr/openv/var/webtruststore

    • Windows の場合: <install_path>/var/webtruststore

    cacert.pem ファイルが存在しない場合は、マスターサーバーで nbcertcmd -getCACertificate を実行してください。このコマンドを実行した後、NetBackup CloudStore サービスコンテナを再起動してください。

    コマンドの詳細については、『NetBackup コマンドリファレンスガイド』を参照してください。

    メモ:

    この cacert.pem ファイルは NetBackup 固有のファイルです。 このファイルには、NetBackup 認可サービスによって生成された CA 証明書が含まれています。

  • cacert.pem ファイルが NetBackup のマスターサーバーおよびメディアサーバーで同一のものである。

  • マシンの証明書が次の場所に存在すること。

    • UNIX/Linux の場合: /usr/openv/var/vxss/credentials

    • Windows の場合: <install_path>/var/vxss/credentials

    セキュリティ証明書が存在しない場合は、マスターサーバーで bpnbaz -ProvisionCert を実行してください。このコマンドを実行した後、マスターサーバーおよびメディアサーバーで NetBackup CloudStore サービスコンテナを再起動してください。

    ホスト名ベースの証明書の配備を参照してください。

  • NetBackup CloudStore サービスがアクティブである。

    NetBackup CloudStore サービスコンテナの停止と起動を参照してください。

  • メディアサーバーがバージョン 8.0 以前の場合、NetBackup マスターサーバーで[8.0 以前のホストとの安全でない通信を有効にする (Enable insecure communication with 8.0 and earlier hosts)]オプションが選択されている。このオプションは、NetBackup 管理コンソールの[セキュリティ管理 (Security Management)]>[グローバルセキュリティ設定 (Global Security Settings)]>[安全な通信 (Secure Communication)]タブで利用できます。

  • メディアサーバーでは、証明書配備のセキュリティレベルが[最高 (Very High)]に設定されている場合、自動証明書配備が無効になります。 すべての新しい証明書要求に認証トークンが必要になります。したがって、証明書を配備する前に認証トークンを作成する必要があります。

    詳しい手順については、『NetBackup™ セキュリティおよび暗号化ガイド』の「認証トークンの作成」の項を参照してください。

Amazon S3 対応クラウドストレージへのバックアップジョブが状態コード 41 で失敗する

NetBackup は利用可能な最大の帯域幅を使用し、相応の要求をプッシュしますが、Amazon S3 対応クラウドが多数の要求を処理できません。

クラウドベンダーは要求の速度を低下させる 503 エラーを返し、バックアップジョブは次のエラーで失敗します。

  • メディアサーバーで bptm は次のログを記録します。

    bptm:4940:<media_server_name>: AmzResiliency: AmzResiliency::getRetryType cURL error: 0, multi cURL error: 0, HTTP status: 503, XML response: SlowDown, RetryType: RETRY_EXHAUSTED

  • メディアサーバーで bpbrm は次のログを記録します。

    bpbrm Exit: client backup EXIT STATUS 41: network connection timed out

この問題は、NetBackup とクラウドストレージ間で高帯域幅が利用可能な場合にのみ発生します。

トラブルシューティングするには、次のいずれかを実行します。