Veritas NetBackup™ クラウド管理者ガイド
- NetBackup クラウドストレージについて
- クラウドストレージについて
- Amazon S3 クラウドストレージの API 形式について
- 長期保持のための Amazon Glacier のデータの保護
- Amazon のクラウド階層化を使用したデータの保護
- EMC Atmos クラウドストレージの API 形式について
- Microsoft Azure クラウドストレージ API 形式について
- OpenStack Swift クラウドストレージの API 形式について
- NetBackup のクラウドストレージの構成
- [拡張性のあるストレージ (Scalable Storage)]プロパティ
- [クラウドストレージ (Cloud Storage)]プロパティ
- NetBackup CloudStore サービスコンテナについて
- クラウドストレージの NetBackup メディアサーバーについて
- クラウドストレージのストレージサーバーの構成
- NetBackup クラウドストレージサーバーのプロパティ
- クラウドストレージ用のストレージユニットの構成
- クラウドストレージディスクプールプロパティの変更
- 監視とレポート
- 操作上の注意事項
- トラブルシューティング
- 統合ログについて
- レガシーログについて
- クラウドストレージの構成上の問題のトラブルシューティング
- クラウドストレージの操作上の問題のトラブルシューティング
クラウドストレージバックアップが失敗する
次のようなメッセージがジョブの詳細に表示されます。
Critical bptm(pid=28291) accelerator verification failed: backupid= host_name_1373526632, offset=3584, length=141976576, error= 2060022, error message: software error Critical bptm(pid=28291) image write failed: error 2060022: software error Error bptm(pid=28291) cannot write image to disk, Invalid argument end writing; write time: 0:02:31 Info bptm(pid=28291) EXITING with status 84 Info bpbkar(pid=6044) done. status: 84: media write error media write error(84)
このエラーは、複数のクラウドストレージサーバーがある環境で発生します。このエラーは、あるクラウドストレージサーバーに宛てられたクライアントの NetBackup アクセラレータのバックアップがその後に別のクラウドストレージサーバーに宛てられたことを示します。
クラウドストレージへのアクセラレータバックアップに対しては、次のことを確認します。
各クライアントを常に同じストレージサーバーにバックアップします。 他のストレージサーバーが同じクラウドストレージベンダーのストレージである場合にもそうしてください。
クライアントのバックアップに常に同じバックアップポリシーを使用し、ポリシーのストレージ宛先を変更しないでください。
クラウドのストレージサーバーの WRITE_BUFFER_SIZE プロパティがコンピュータの総スワップ領域を超えると、バックアップが状態 84 で失敗する場合があります。
この問題を解決するために、WRITE_BUFFER_SIZE のサイズをコンピュータの総スワップ領域より小さい値に調整します。
次のようなメッセージがジョブの詳細に表示されます。
Info bptm(pid=xxx) start backup Critical bptm(pid=xxxx) image open failed: error 2060029: authorization failure Error bpbrm(pid=xxxx) from client gabby: ERR - Cannot write to STDOUT. E rrno = 32: Broken pipe Info bptm(pid=xxxx) EXITING with status 84
次のようなメッセージが bptm ログファイルに表示されます。
[container_name というコンテナが Veritas のコンテナではないか、またはタグデータエラーです。イメージの作成に失敗しました。 (Container container_name is not Veritas container or tag data error, fail to create image.)] Please make sure that the LSU is created by means of NBU.
このエラーは、ボリュームがクラウドストレージベンダーのインターフェースを使って作成されたことを示します。
NetBackup の[ディスクプールの構成ウィザード (Disk Pool Configuration Wizard)]を使ってクラウドストレージのボリュームを作成する必要があります。ウィザードはボリュームに必要なパートナー ID を適用します。ベンダーのインターフェースを使ってコンテナを作成する場合、パートナー ID は適用されません。
問題を解決するには、クラウドストレージベンダーのインターフェースを使ってコンテナを削除します。NetBackup でディスクプールを削除し、[ディスクプールの構成ウィザード (Disk Pool Configuration Wizard)]を使ってディスクプールを再作成します。
クラウドストレージジョブの詳細表示を参照してください。
NetBackup クラウドストレージログファイルを参照してください。
AIX メディアサーバーが大きなファイルをバックアップする場合、メモリの問題が発生する場合があります。これらのメモリの問題が原因で、バックアップが失敗する可能性があります。バックアップは NetBackup の状態コード 84 ([メディアの書き込みエラー (media write error)]) または NetBackup の状態コード 87 ([メディアのクローズエラー (media close error)]) で失敗します。この問題を解決するには、AIX の ulimit のサイズを無制限に変更します。ulimit の値を変更した後、必ず NetBackup サービスまたはデーモンを停止して、再起動してください。
次に例を示します。
ulimit -m unlimited
ulimit -d unlimited
ulimit -s unlimited
NetBackup CloudStore Service Container が非アクティブの場合は、バックアップをクラウドストレージに送信できません。
NetBackup では、NetBackup コマンドを使って NetBackup クラウドストレージを構成するときに、CloudStore Service Container がアクティブであるこかどうかが確認されません。 したがって、このような状況で開始したバックアップは失敗します。
NetBackup CloudStore サービスコンテナの起動とシャットダウンのトラブルシューティングを参照してください。
クラウドストレージサーバーの構成中に、メディアサーバーとマスターサーバーが同じバージョンになっていることを確認する必要があります。
メモ:
この制限は、既存のクラウドストレージサーバーには適用されません。
クラウドバックアップは、次のシナリオで失敗することがあります。
ストレージユニットの構成中に[任意のメディアサーバーを使用 (Use any available media server)]を選択し、クラウドストレージの構成中に NetBackup がマスターサーバーのバージョンと異なるメディアサーバーのバージョンを使っている場合。
この問題を解決するには、次を実行します。
ストレージユニットの構成中に[次のメディアサーバーのみを使用 (Only use the following media servers)]を選択し、[メディアサーバー (Media Servers)]ペインで、マスターサーバーと同じバージョンのメディアサーバーを選択します。
次のいずれかの理由により、エラーコード 83 またはエラーコード 2106 が表示され、クラウドバックアップとリストアの操作が失敗する場合があります。
メディアサーバーの日付と時刻の設定がずれています (GMT/UTC 時間と同期していません)。
ストレージサーバーの指定されたクレデンシャルが正しくありません。
次の手順を実行します。
メディアサーバーの日付と時刻の設定を変更して、GMT/UTC 時間と同期するようにします。
ストレージサーバーのクレデンシャルを更新します。tpconfig コマンドを使用して、クレデンシャルを更新します。詳しくは、『NetBackup コマンドリファレンスガイド』を参照してください。
証明書の問題のためにクラウドストレージのバックアップに失敗する場合、次のことを確認します。
cacert.pem
ファイルが、次の場所において NetBackup のマスターサーバー、メディアサーバーの両方に存在する。UNIX/Linux の場合:
/usr/openv/var/webtruststore
Windows の場合:
<install_path>/var/webtruststore
cacert.pem
ファイルが存在しない場合は、マスターサーバーで nbcertcmd -getCACertificate を実行してください。このコマンドを実行した後、NetBackup CloudStore サービスコンテナを再起動してください。コマンドの詳細については、『NetBackup コマンドリファレンスガイド』を参照してください。
メモ:
この cacert.pem ファイルは NetBackup 固有のファイルです。 このファイルには、NetBackup 認可サービスによって生成された CA 証明書が含まれています。
cacert.pem
ファイルが NetBackup のマスターサーバーおよびメディアサーバーで同一のものである。マシンの証明書が次の場所に存在すること。
UNIX/Linux の場合:
/usr/openv/var/vxss/credentials
Windows の場合:
<install_path>/var/vxss/credentials
セキュリティ証明書が存在しない場合は、マスターサーバーで bpnbaz -ProvisionCert を実行してください。このコマンドを実行した後、マスターサーバーおよびメディアサーバーで NetBackup CloudStore サービスコンテナを再起動してください。
ホスト名ベースの証明書の配備を参照してください。
NetBackup CloudStore サービスがアクティブである。
NetBackup CloudStore サービスコンテナの停止と起動を参照してください。
メディアサーバーがバージョン 8.0 以前の場合、NetBackup マスターサーバーで[8.0 以前のホストとの安全でない通信を有効にする (Enable insecure communication with 8.0 and earlier hosts)]オプションが選択されている。このオプションは、NetBackup 管理コンソールの[セキュリティ管理 (Security Management)]>[グローバルセキュリティ設定 (Global Security Settings)]>[安全な通信 (Secure Communication)]タブで利用できます。
メディアサーバーでは、証明書配備のセキュリティレベルが[最高 (Very High)]に設定されている場合、自動証明書配備が無効になります。 すべての新しい証明書要求に認証トークンが必要になります。したがって、証明書を配備する前に認証トークンを作成する必要があります。
詳しい手順については、『NetBackup™ セキュリティおよび暗号化ガイド』の「認証トークンの作成」の項を参照してください。
NetBackup は利用可能な最大の帯域幅を使用し、相応の要求をプッシュしますが、Amazon S3 対応クラウドが多数の要求を処理できません。
クラウドベンダーは要求の速度を低下させる 503 エラーを返し、バックアップジョブは次のエラーで失敗します。
メディアサーバーで
bptm
は次のログを記録します。bptm:4940:<media_server_name>: AmzResiliency: AmzResiliency::getRetryType cURL error: 0, multi cURL error: 0, HTTP status: 503, XML response: SlowDown, RetryType: RETRY_EXHAUSTED
メディアサーバーで
bpbrm
は次のログを記録します。bpbrm Exit: client backup EXIT STATUS 41: network connection timed out
この問題は、NetBackup とクラウドストレージ間で高帯域幅が利用可能な場合にのみ発生します。
トラブルシューティングするには、次のいずれかを実行します。
帯域幅の調整を構成して要求の数を減らします。
NetBackup クラウドストレージサーバーの接続プロパティを参照してください。
読み取り/書き込みバッファの数を減らします。
NetBackup クラウドストレージサーバー帯域幅スロットルのプロパティを参照してください。
クラウドベンダーに問い合わせて並列要求の上限の数を増やします。これには追加のコストが発生する可能性があります。