Symantec NetBackup™ コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. NetBackup コマンド
名前
tl8cd — テープライブラリ 8MM (TL8) 制御デーモン (プロセス)
概要
tl8cd [-v] [-t] [-n]
UNIX システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは /usr/openv/volmgr/bin/ です。
Windows システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは install_path\Volmgr\bin\
です。
説明
tl8d および tl8cd は Media Manager と通信し、これによって、8MM テープライブラリロボットのボリュームのマウントおよびマウント解除が実行されます。
ltid は、UNIX システムの Media Manager device デーモン、または Windows システムの NetBackup Device Manager サービスです。t18d は、ドライブ接続が確立された各ホスト上で実行され、マウント要求およびマウント解除要求が制御デーモン (tl8cd) に送信されます。 tl8cd は、SCSI インターフェースを介してロボットと通信します。
UNIX システムでは、ltid が起動され停止されると、tl8d と tl8cd が自動的に起動されて停止されます。ltid とは関係なく tl8d を停止または起動するには、/usr/openv/volmgr/bin/vmps
またはサーバーの ps コマンドを実行して、tl8d のプロセス ID を識別します。 その後、次のコマンドを入力します。
kill tl8d_pid /usr/openv/volmgr/bin/tl8d [-v] &
制御デーモン tl8cd は、ロボット制御が構成されているホスト上で実行されます。このコマンドは、そのホスト上の tl8d によって起動されます (「例」を参照)。
Windows システムでは、tl8d および tl8cd は、NetBackup Device Manager サービスの起動時に起動されます。これらのコマンドは、このサービスの停止時に停止します。 制御プロセス tl8cd は、ロボット制御が構成されているホスト上で実行されます。このコマンドは、そのホスト上の tl8d によって自動的に起動されます (「例」を参照)。 tl8cd は、NetBackup Device Manager サービスを停止すると停止します。
NetBackup Device Manager サービス (Windows システム)、ltid、tl8d、tl8cd を介してすべてのボリュームにアクセスするには、ロボット内のボリュームのメディア ID およびスロット番号情報を EMM データベースに定義する必要があります。
クリーニングボリュームを使用する場合、そのボリュームをボリューム構成に定義する必要があります。自動的にドライブをクリーニングする間隔の設定については、「tpclean」を参照してください。
tl8cd の動作中に vm.conf 構成のオプション PREVENT_MEDIA_REMOVAL が有効になると、tl8cd によってボリュームおよびメディアアクセスポートへのアクセスが無効になります。アクセスを無効にするため、TL8 ロボットにコマンドが発行されます。キャビネットのドアを開く必要がある場合、まず tl8cd を停止する必要があります。デフォルトでは、ライブラリへのアクセスが許可されています。
ドライブには、論理的に 1 から n の番号が付けられます。ここで、n はロボットライブラリ内のドライブの数です。次のものを使用して、正しいロボットドライブ番号を確認します。
デバイスの構成ウィザード (ロボットライブラリおよびドライブによってシリアル化がサポートされている場合)
ロボットライブラリベンダーが提供する、ドライブのインデックス付けについてのマニュアル
ロボットテストユーティリティまたはメディアのマウントや操作画面の監視による試験
UNIX システムでは、tl8cd のインターネットサービスポート番号が /etc/services
に含まれている必要があります。NIS (ネットワーク情報サービス) を使用する場合、そのホストの /etc/services
ファイル内のエントリを、サービス用のマスター NIS サーバーデータベース内に挿入します。
Windows システムでは、tl8cd のインターネットサービスポート番号は %SystemRoot%\system32\drivers\etc\services
にあります。
デフォルトのサービスポート番号は 13705 です。
次の項目は、NetBackup Enterprise Server だけに適用されます。
8MM テープライブラリロボット制御ソフトウェアによって、同じロボット内のドライブを異なるホスト上に構成できます。SCSI 接続が存在する場所によっては、tl8cd が tl8d とは異なるホスト上で実行される場合があります (「例」を参照)。接続が確立される (ロボットへのパスを開くことができる) と、tl8d によって TL8 ロボットが稼働状態になります。その後、ボリュームのマウントおよびマウント解除が実行可能になります。ロボットにアクセスできない場合、tl8d によってロボットが停止状態になります。ロボットが停止している間も、tl8d は継続して実行されます。tl8cd による接続が確立されると、ロボットは稼働状態に戻ります。
ドライブが異なる NetBackup ホストに存在する場合、すべてのコンピュータの Media Manager 構成にロボット情報を入力します。すべてのコンピュータ上で同じロボット番号を使用する必要があります。
このコマンドを実行するには、管理者権限が必要です。
オプション
次のオプションは、UNIX システムでのみ動作します。
- -v
syslogd を使ってデバッグ情報をログに記録します。ltid に -v を指定して起動すると、tl8d と tl8cd にも -v が指定されて起動されます。
- -t
このオプションを指定すると、tl8cd が停止されます。
- -n
このオプションを指定すると、バーコード確認機能が無効にされた状態で tl8cd が実行されます。このオプションはライブラリのすべてまたはほとんどのボリュームにバーコードが含まれていない場合に有用です。バーコードが含まれていない場合、ロボットがボリュームをスキャンする時間が短縮されます。
ボリュームにバーコードが含まれる場合に -n オプションを指定すると、それらのバーコードが無視されることに注意してください。
エラー
UNIX システムの場合:
デーモンのコピーが実行中の場合、tl8d および tl8cd の両方によってエラーメッセージがログに書き込まれます。
8MM テープライブラリエラーおよびロボットエラーは、Media Manager によって syslogd を介してログに書き込まれます。また、稼働状態から停止状態、または停止状態から稼働状態に状態が変化した場合も、ログエントリが追加されます。
Windows システムの場合:
8MM テープライブラリエラーおよびロボットエラーは、Media Manager によって Windows アプリケーションのイベントログに書き込まれます。また、稼働状態から停止状態、または停止状態から稼働状態に状態が変化した場合も、ログエントリが追加されます。