Symantec NetBackup™ コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. NetBackup コマンド
名前
vmchange — EMM データベース内のメディア情報の変更
概要
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -vg_res -rt robot_type -rn robot_number -rh robot_control_host -v volume_group
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -res -m media_id -mt media_type -rt robot_type -rn robot_number -rh robot_control_host -v volume_group -rc1 rob_slot
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -exp date -m media_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -barcode barcode -m media_id [-rt robot_type]
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -m media_id -vltcid vault_container_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -barcode barcode -vltcid vault_container_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -d "media_description" -m media_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -p pool_number -m media_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -maxmounts max_mounts -m media_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -clean cleanings left -m media_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -n num_mounts -m media_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -new_mt media_type -m media_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -new_rt robot_type -m media_id -rn robot_number
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -new_v volume_group [-m media_id |{-b barcode -mt media_type -rt robot_type}]
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -vltname vault_name -m media_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -vltsent date -m media_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -vltreturn date -m media_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -vltslot vault_slot -m media_id
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -vltsession vault_session_id -m media_id
vmchange -api_eject -map map_id:mapid:...:mapid | any -w [-h EMM_server | volume_database_host] -res -ml media_id:media_id: ...:media_id -rt robot_type -rn robot_number -rh robot_control_host [-v volume_group]
vmchange -multi_eject -w [-h EMM_server | volume_database_host] -res -ml media_id:media_id: ...:media_id -rt robot_type -verbose -rn robot_number -rh robot_control_host
vmchange -multi_inject -w [-h EMM_server | volume_database_host] -res -rt robot_type -verbose -rn robot_number -rh robot_control_host
vmchange [-h EMM_server | volume_database_host] -res -robot_info -verbose -rn robot_number -rt robot_type -rh robot_control_host
UNIX システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは /usr/openv/volmgr/bin/ です。
Windows システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは install_path\Volmgr\bin\
です。
機能説明
このコマンドを実行すると、Enterprise Media Manager データベース内のボリューム情報が変更されます。
このコマンドは、すべての認可済みユーザーが実行できます。
NetBackup による認可について詳しくは、『NetBackup セキュリティおよび暗号化ガイド』を参照してください。
オプション
- -h EMM_server | volume_database_host
このオプションは、NetBackup Enterprise Server だけに適用されます。
このオプションでは、ボリュームについての情報を格納する Enterprise Media Manager データベースホストの名前を指定します。ホストを指定しない場合、デフォルトで構成済み EMM サーバーが使用されます。
- -vg_res
このオプションを指定すると、ボリュームグループの位置情報が変更されます。
- -rt robot_type
このオプションでは、ボリュームが位置するロボットのロボット形式を指定します。
NetBackup Enterprise Server で有効なロボット形式は、次のとおりです。
none、acs、tl4、tl8、tld、tlh、tlm
NetBackup サーバーで有効なロボット形式は、次のとおりです。
none、tl4、tl8、tld
- -rn robot_number
このオプションでは、ボリュームが位置するロボットの一意の論理識別番号を指定します。
- -rh robot_control_host
このオプションでは、ボリュームが位置するロボットを制御するホスト名を指定します。
- -v volume_group
ボリュームグループは、物理的に同じ場所に存在するボリュームセットを識別する論理グループです。
- -res
このオプションを指定すると、ボリュームの位置情報が変更されます。
- -m media_id
このオプションでは、変更するボリュームのメディア ID を指定します。
- -mt media_type
このオプションでは、変更するボリュームのメディア形式を指定します。
NetBackup Enterprise Server で有効なメディア形式は、次のとおりです。
4mm、8mm、8mm2、8mm3、dlt、dlt2、dlt3、dtf、hcart、hcart2、hcart3、qcart、4mm_clean、8mm_clean、8mm2_clean、8mm3_clean、dlt_clean、dlt2_clean、dlt3_clean、dtf_clean、hcart_clean、hcart2_clean、hcart3_clean
NetBackup サーバーで有効なメディア形式は、次のとおりです。
4mm、8mm、dlt、hcart、qcart、4mm_clean、8mm_clean、dlt_clean、hcart_clean
- -rc1 rob_slot
このオプションでは、ボリュームが位置するロボットのスロット番号を指定します。
次の説明は、NetBackup Enterprise Server だけに適用されます。
API ロボット形式のスロット情報を入力しないでください。これらのロボットのスロット場所は、ロボットソフトウェアによってトラッキングが行われます。
- -exp date
このオプションでは、ボリュームの有効期限を指定します。
NetBackup コマンドの日時の値に求められる形式は、使用しているロケールによって異なります。
/usr/openv/msg/.conf
ファイル (UNIX) とinstall_path\VERITAS\msg\LC.CONF
ファイル (Windows) はそれぞれのサポート対象ロケールの日時形式などの情報を含んでいます。これらのファイルには、サポートされているロケールおよび書式のリストを追加および変更するための、具体的な方法が含まれています。詳しくは、『NetBackup 管理者ガイド Vol. 2』の NetBackup インストールのロケールの指定に関する項を参照してください。
- -barcode barcode
このオプションでは、ボリュームに付けるバーコードを指定します。
- -d "media_description"
このオプションでは、ボリュームのメディアの説明を指定します。説明に空白が含まれる場合、二重引用符で囲む必要があります。
- -p pool_number
このオプションでは、ボリュームが存在するボリュームプールのインデックスを指定します。このプールインデックスは、vmpool -listall を実行して取得できます。
- -maxmounts max_mounts
このオプションでは、ボリュームに対して実行可能なマウントの最大数を指定します。このオプションは、クリーニングメディア以外のメディアだけに使用されます。
- -n num_mounts
クリーニングメディア以外の場合、num_mounts に、そのボリュームがマウントされた回数を指定します。
- -clean cleanings_left
クリーニングメディアの場合、cleanings_left に、そのクリーニングテープの残りのクリーニング数を指定します。
- -new_mt media_type
このオプションでは、変更するボリュームのメディア形式を指定します。メディア形式のリストについては、-mt オプションを参照してください。
- -new_rt robot_type
このオプションでは、ロボット形式を指定します。ロボット形式のリストについては、-rt オプションを参照してください。
- -new_v volume_group
ボリュームグループは、物理的に同じ場所に存在するボリュームセットを識別する論理グループです。
- -b barcode
このオプションでは、ボリュームに付けるバーコードを指定します。
- -vltcid vault_container_id
このオプションでは、ボリュームを格納するコンテナを変更します。vault_container_id (29 文字以内の英数字の文字列) では、ボリュームを格納する新しいコンテナを指定します。-m または -barcode オプションを使用して、ボリュームを指定します。
- -vltname vault_name
このオプションでは、ボリュームを取り出したロボットに構成される論理 Vault 名を指定します。
- -vltsent date
このオプションでは、ボリュームが保管場所に送信された日付を指定します。
date の形式は、ユーザーのロケール設定によって異なります。C のロケールの場合、date の形式は次のとおりです。
mm/dd/yyyy [hh[:mm[:ss]]]
- -vltreturn date
このオプションでは、Vault 担当者からボリュームの返却が要求された日時を指定します。カタログバックアップボリュームの場合、日付は Vault ベンダーからボリュームの返却が要求される予定の日付になります。
NetBackup コマンドの日時の値に求められる形式は、使用しているロケールによって異なります。
/usr/openv/msg/.conf
ファイル (UNIX) とinstall_path\VERITAS\msg\LC.CONF
ファイル (Windows) はそれぞれのサポート対象ロケールの日時形式などの情報を含んでいます。これらのファイルには、サポートされているロケールおよび書式のリストを追加および変更するための、具体的な方法が含まれています。詳しくは、『NetBackup 管理者ガイド Vol. 2』の NetBackup インストールのロケールの指定に関する項を参照してください。
- -vltslot vault_slot
このオプションでは、目的のボリュームが占有している Vault ベンダーのスロット番号を指定します。
- -vltsession vault_session_id
このオプションでは、メディアが取り出された Vault セッションの ID を指定します。
- -api_eject
このオプションを指定すると、指定したロボットから ACS、TLH または TLM ボリュームが取り出されます。ACS および TLM ロボットの場合、取り出しのタイムアウト期間は 1 週間です。TLH ロボットの場合、ロボットからメディアを取り外す期間に制限はありません。
- -map map_id:mapid: ...:mapid | any
ACS ロボットの場合、このオプションでは、取り出し操作に使用する複数のメディアアクセスポート (MAP) を指定できます。map_id (CAP ID とも呼ばれる) は、ロボット内のすべての MAP を指定する all または ALL とすることができます。また、ACS,LSM,CAP 形式のコロンで区切られた MAP ID のリストとすることもできます。-map オプションを指定すると、最も近い MAP アルゴリズムを使用して、指定した MAP にメディアが取り出されます。アルゴリズムでは、LSM が一直線に接続されていることが前提となります。
TLM ロボットの場合、DAS または SDLC サーバー上の各メディア形式用に構成された MAP に取り出すには、map_id に[ANY]を指定します。
TLH ロボットの場合、ライブラリのハードウェア構成に応じて、[standard]MAP または[BULK]MAP を選択します。
- -w
このオプションを指定すると、待機フラグが設定されます。このフラグは、取り出しコマンド、複数取り出しコマンドおよび複数取り込みコマンドとともに使用する必要があります。
- -verbose
このオプションを指定すると、詳細モードが選択されます。
- -ml media_id:media_id: ...:media_id
このオプションでは、ロボットから取り出されるメディアのリストを指定します。
- -multi_eject
このオプションを指定すると、ロボットライブラリのメディアアクセスポートを使用して複数のボリュームが取り出されます。このオプションは TLD ロボット形式および TL8 ロボット形式だけ有効です。取り出しのタイムアウト期間は 30 分です。
- -multi_inject
このオプションを指定すると、ロボットライブラリのメディアアクセスポートを使用して複数のボリュームが取り込まれます。このオプションは TLD ロボット形式および TL8 ロボット形式だけ有効です。この操作の後、vmupdate コマンドを実行して、EMM データベースを更新する必要があります。
- -robot_info
ロボットライブラリについての情報を取り込みます。このオプションは TLD ロボット形式および TL8 ロボット形式だけ有効です。
フィールド 1 = スロット数
フィールド 2 = メールスロット数
フィールド 3 = ドライブ数
フィールド 4 = ロボットの形式とサブ形式 (tld -> 0 など)
フィールド 5 = バーコードリーダー。 バーコードリーダーがロボットデバイスに存在する場合には、ロボットがバーコードリーダーを備えていることを示すメッセージがこのフィールドに表示される
フィールド 6 = 開始スロット
フィールド 7 = 終了スロット
フィールド 8 = 一次照会文字列 (HP~~~~~~C6240-8000~~~~~~2912 など)
警告
いくつかのロボットライブラリでは、メディアアクセスポートに異なる機能が実装されています。たとえば、一部のライブラリに実装されているフロントパネルからの取り込みおよび取り出し機能は、NetBackup でのメディアアクセスポートの使用と競合します (たとえば、範囲のロジックのウシガエル)。また、メディアアクセスポートの使用時に、フロントパネルでの対話的な操作を必要とするライブラリもあります (Spectra Logic Gator など)。
取り出しオプションを使用しているときに、メディアが取り外されず、タイムアウト状態が発生した場合、メディアはロボットに戻されます (取り込まれます)。この場合、ロボットのインベントリを実行し、ロボットに戻されたメディアを取り出します。
ロボットライブラリの操作マニュアルを参照して、メディアアクセスポートの機能について理解してください。前述のようなライブラリは、適切に処理されない場合、NetBackup の取り込み機能や取り出し機能との完全な互換性が得られない場合があります。また、互換性がないライブラリが存在する場合もあります。また、NetBackup では、これらのオプションパラメータで指定された検証が行われます。
例
例 1 -ボリューム AJS100 の有効期限日を変更します。
# vmchange -exp 12/31/12 23:59:59 -m AJS100
例 2 - ボリューム AJS999 を含むプールをプール 1 (NetBackup プール) に変更します。
# vmchange -p 1 -m AJS999
例 3 - ボリューム abc123 とボリューム abc124 を ACS ロボット番号 700 から取り出します。これらの 2 つのボリュームの位置情報は、スタンドアロンに変更されます。
# vmchange -res -api_eject -w -ml abc123:abc124 -rt acs -rn 700 -rh verbena -map 0,0,0
例 4 - ボリューム ABC123 のコンテナ ID を変更します。
# vmchange -vltcid Container001 -m ABC123