Symantec NetBackup™ コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. NetBackup コマンド
名前
tlhd — 1/2 インチテープライブラリ (TLH) デーモン (Windows システムのプロセス)
概要
tlhd [-v]
UNIX システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは /usr/openv/volmgr/bin/ です。
Windows システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは install_path\Volmgr\bin\
です。
説明
メモ:
このコマンドは、NetBackup Enterprise Server だけに適用されます。
tlhd および tlhcd は Media Manager と通信し、これによって、1/2 インチテープライブラリ (TLH) ロボットのテープボリュームのマウントおよびマウント解除が実行されます。
ltid は、UNIX システムの Media Manager device デーモン、または Windows システムの NetBackup Device Manager サービスです。tlhd は ltid と直接通信します。 tlhd は、ドライブ接続が確立された各ホスト上で実行され、マウント要求およびマウント解除要求が制御デーモンプロセス tlhcd に送信されます。
tlhcd は、IBM Automated Tape Library (ATL) の Library Manager と通信します。この Library Manager によって、ロボットライブラリに対する要求および制御機能がすべて処理されます。TLH ロボット制御ソフトウェアによって、同じロボット内のドライブを異なるホスト上に構成できます。 IBM ライブラリ制御を構成する場所によっては、tlhcd が tlhd とは異なるホスト上で実行される場合があります (「例」を参照)。ライブラリとの通信が確立されると、tlhd によって TLH ロボットが稼働状態になり、ボリュームのマウントおよびマウント解除が要求可能になります。ライブラリまたは制御デーモンにアクセスできない場合、tlhd によってロボットが停止状態になります。ロボットが停止している間も、tlhd は継続して実行されます。tlhcd による接続が確立されると、ロボットは稼働状態に戻ります。
メモ:
ドライブが異なるホスト上に存在する場合は、すべてのコンピュータの管理コンソールの[メディアおよびデバイスの管理 (Media and Device Management)]にロボット情報を入力します。すべてのコンピュータ上で同じロボット番号を使用する必要があります。
UNIX システムでは、ltid が起動され停止されると、tlhd と tlhcd が自動的に起動されて停止されます。ltid とは関係なく tlhd を停止または起動するには、/usr/openv/volmgr/bin/vmps
またはサーバーの ps コマンドを実行して、tlhd のプロセス ID を識別します。 その後、次のコマンドを入力します。
kill tlhd_pid /usr/openv/volmgr/bin/tlhd [-v] &
制御デーモン tlhcd は、ロボット制御が構成されているホスト上で実行されます。このコマンドは、そのホスト上の tlhcd によって自動的に起動されます (「例」を参照)。
Windows システムでは、tlhd および tlhcd は、NetBackup Device Manager サービスの起動時に起動されます。これらのコマンドは、このサービスの停止時に停止します。 制御プロセス tlhcd は、ロボット制御が構成されているホスト上で実行されます。このコマンドは、そのホスト上の tlhd によって自動的に起動されます (「例」を参照)。 tlhcd は、NetBackup Device Manager サービスを停止すると停止します。
NetBackup Device Manager サービス (Windows システム)、ltid、tlhd、tlhcd を介してすべてのボリュームにアクセスするには、ロボット内のボリュームのメディア ID およびスロット番号情報を EMM データベースに定義する必要があります。Media Manager ロボットインベントリオプションを使用すると、初期 EMM データベースの移行と将来の更新の両方を実行できます。
クリーニングボリュームを使用する場合、そのボリュームをボリューム構成に定義する必要があります。自動的にドライブをクリーニングする間隔の設定については、「tpclean」を参照してください。
ドライブは、IBM デバイス名を使用して構成されます。ロボットテストユーティリティ tlhtest (ロボットが構成されている場合は robtest) を使用すると、ロボットに関連付けられたデバイス名を確認できます。また、このユーティリティを IBM の mtlib コマンドラインインターフェースとともに使用すると、ライブラリの通信、状態および機能を検証することもできます。
1/2 インチテープライブラリロボット制御に対するドライブクリーニング操作は、IBM Library Manager コンソールを介して構成します。IBM Library Manager を使用するアプリケーションでは、クリーニング操作は使用できません。そのため、クリーニングするボリュームは、Media Manager を介して定義できません。また、Media Manager ユーティリティまたは tpclean コマンドを実行して、TLH ロボットに制御されているドライブに対するクリーニング操作を行うこともできません。
UNIX システムでは、tlhcd のインターネットサービスポート番号が /etc/services
に含まれている必要があります。NIS を使う場合、/etc/services
ファイル内のエントリを、サービス用のマスター NIS サーバーデータベース内に挿入します。
Windows システムでは、tldcd のインターネットサービスポート番号は %SystemRoot%\system32\drivers\etc\services
にあります。
デフォルトのサービスポート番号は 13717 です。
このコマンドを実行するには、管理者権限が必要です。
オプション
次のオプションは、UNIX システムでのみ動作します。
- -v
syslogd を使ってデバッグ情報をログに記録します。ltid に -v を指定して起動すると、tlhd および tlhcd にも -v が指定されて起動されます。
エラー
デーモンまたはプロセスのコピーが実行中の場合、tlhd および tlhcd によってエラーメッセージがログに書き込まれます。1/2 インチテープライブラリエラーおよびロボットエラーは、Media Manager によって syslogd (UNIX システム) またはアプリケーションイベントログ (Windows) に書き込まれます。また、稼働状態から停止状態、または停止状態から稼働状態に状態が変化した場合も、ログエントリが追加されます。