NetBackup™ for Hyper-V 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (10.5)
  1. はじめに
    1.  
      Hyper-V について
    2.  
      NetBackup for Hyper-V の環境
    3.  
      バックアップに関連する Hyper-V の用語
    4.  
      Hyper-V 仮想マシンの NetBackup バックアップの基本的なフェーズ
    5.  
      NetBackup 管理者の Hyper-V 関連タスク
    6.  
      トラブルシューティングのクイックリファレンス
  2. 注意事項および前提条件
    1.  
      NetBackup for Hyper-V の前提条件
    2.  
      NetBackup for Hyper-V に関する注意事項および制限事項
    3.  
      Hyper-V 仮想マシンの表示名に対する NetBackup の文字制限
    4.  
      [VM バックアップからのファイルリカバリを有効にする (Enable file recovery from VM backup)]オプションを使用する場合の vhd または vhdx 名と VM パスの NetBackup 文字制限
    5.  
      Linux 仮想マシンに関する注意事項
  3. Hyper-V による NetBackup 通信の設定
    1.  
      NetBackup Legacy Network Service ログオン (vnetd.exe) のドメインユーザーアカウントへの変更
    2.  
      Hyper-V リソースの使用に関するグローバル制限の設定
  4. Hyper-V 用 NetBackup ポリシーの設定
    1.  
      Hyper-V ポリシーの作成
    2.  
      [属性 (Attributes)]タブでポリシーごとのジョブ数を制限する (Hyper-V)
    3.  
      VM がポリシーで手動で選択される場合は、仮想マシンのホスト名と表示名が一意である必要があります。
      1.  
        バックアップ方式 (Hyper-V)
      2.  
        最適化オプション (Hyper-V)
      3.  
        プライマリ VM 識別子オプション (Hyper-V)
      4.  
        非 VSS VM のオフラインバックアップの有効化 (VSS を使用した Hyper-V)
      5.  
        クラスタ共有ボリュームタイムアウト (VSS を使用した Hyper-V)
    4. Hyper-V - 高度な属性
      1.  
        [プロバイダ形式 (Provider type)]構成パラメータ (VSS)
      2.  
        [スナップショット属性 (Snapshot attribute)]構成パラメータ (VSS)
      3.  
        仮想ディスクの選択パラメータ (WMI)
      4.  
        [既存のスナップショット処理 (Existing snapshot handling)]パラメータ (WMI)
      5.  
        一貫性のレベルのパラメータ (WMI)
      6.  
        仮想ディスクの選択におけるディスクのエクスクルードオプションについて
      7.  
      8.  
        ブートディスクまたはデータディスクをエクスクルードしたバックアップからのデータのリストア
    5.  
      Hyper-V 仮想マシンの参照
    6.  
      代替クライアントによる仮想マシンのバックアップの前提条件 (VSS)
    7.  
      代替クライアントによる仮想マシンのバックアップの構成
    8.  
      仮想マシン内の NetBackup クライアントの要件
  5. Hyper-V インテリジェントポリシーの設定
    1.  
      NetBackup の問い合わせ規則の基本原則
    2.  
      Hyper-V インテリジェントポリシーのための NetBackup の必要条件
    3.  
      Hyper-V インテリジェントポリシーの設定: タスクの概要
    4.  
      Hyper-V 仮想マシンを選択するためのオプション
    5.  
      仮想マシンの自動選択の Hyper-V ポリシーの作成
    6.  
      詳細モードでの問い合わせビルダーの使用
    7.  
      NetBackup 問い合わせビルダーの例
    8.  
      改行文字を含む仮想マシンのメモの問い合わせ規則
    9.  
      問い合わせビルダーのフィールドの参照
    10.  
      Hyper-V の[問い合わせのテスト (Test Query)]画面
  6. NetBackup Hyper-V for SCVMM
    1.  
      SCVMM 環境での仮想マシンのバックアップについて
    2.  
      SCVMM を導入した NetBackup for Hyper-V の注意事項
    3.  
      ローカライズされた SCVMM 環境の VM をバックアップする問い合わせの作成
  7. Windows Server フェールオーバークラスタのサポート
    1.  
      Windows フェールオーバークラスタ上の仮想マシンについて
    2.  
      CSV のバックアップとリストアに関する注意
    3.  
      クラスタの仮想マシンのポリシーの作成
    4.  
      リストアされた仮想マシンのクラスタ内での場所
    5. リストア後の仮想マシンの保守
      1.  
        リストア時のクラスタリソースの削除
  8. Hyper-V のバックアップとリストア
    1.  
      Hyper-V 仮想マシンのバックアップ
    2.  
      WMI バックアップ方式: リストアの前後における仮想マシンの状態
    3.  
      個々のファイルのリストアに関する注意事項
    4.  
      仮想マシン全体のリストアに関する注意事項
    5.  
    6.  
      NetBackup クライアントが存在するホストへの個々の Hyper-V ファイルのリストア
    7.  
      Hyper-V の個々のファイルのリストアのリストアオプション (NetBackup Web UI)
    8. 仮想マシンの共有場所への個々の Hyper-V ファイルのリストア
      1.  
    9.  
      Hyper-V 仮想マシン全体のリストア
    10.  
      リストアオプション
    11.  
      共通ファイルのリストアについて
    12.  
      ファイルをリストアする Hyper-V VM ファイルを参照するときに BAR インターフェースに Hyper-V スナップショットファイルがリストされる場合がある
  9. アクセラレータを使用した Hyper-V のバックアップ
    1.  
      仮想マシンの NetBackup Accelerator について
    2.  
      アクセラレータ: 完全スケジュールと増分スケジュール
    3.  
      NetBackup アクセラレータが仮想マシンとどのように連携して働くか
    4.  
      Accelerator 仮想マシンの注意および要件
    5.  
      仮想マシンのアクセラレータ強制再スキャン (スケジュールの属性)
    6.  
      アクセラレータには OptimizedImage 属性が必要
    7.  
      アクセラレータバックアップおよび NetBackup カタログ
    8.  
      バックアップジョブ詳細ログのアクセラレータメッセージ
    9.  
      仮想マシンでのアクセラレータの NetBackup ログ
    10.  
      ネットワークを介して転送されたアクセラレータバックアップのデータ量の報告について
    11.  
      NetBackup コマンド出力でのネットワーク転送されたデータとのアクセラレータのイメージサイズの置換
  10. 推奨する実施例および詳細情報
    1.  
      ベストプラクティス
  11. トラブルシューティング
    1. NetBackup for Hyper-V のログとその作成方法
      1.  
        VxFI ログの有効化
      2.  
      3.  
        VxMS core.log と provider.log のファイル名形式
    2. ポリシーの作成中のエラー
      1.  
        NetBackup ポリシーの検証が失敗する
    3. Hyper-V に関連する NetBackup の状態コード
      1.  
        スナップショットエラーの発生 (状態コード 156)
    4.  
      複数の仮想マシンのバックアップジョブがハングアップする
    5.  
      Windows NTFS シャドウストレージの表示またはサイズ調整
    6.  
      Hyper-V 統合コンポーネントがインストールされていない
    7.  
      LDM ボリュームと状態コード 1
    8.  
      Hyper-V スナップショット (avhd または avhdx ファイル) と状態コード 1
    9.  
      同じ CSV に存在する仮想マシンをバックアップする場合、Windows の警告 1584 は無視できる
    10.  
      代替クライアントによるバックアップの問題
    11.  
      リストアした仮想マシンの起動に失敗する
    12.  
      リストアされた仮想マシンの再起動に関する問題: Why did the computer shut down unexpectedly?
    13.  
    14.  
    15.  
      WMI 方式を使ったバックアップ中に VM にユーザーチェックポイントが存在する場合、リストア後に VM の仮想ディスク設定を変更できない
    16.  
      WMI のディスク作成のタイムアウト値の増加
    17.  
      Linux VM と永続的なデバイス名前
  12. 付録 A. VSS バックアップ方式: Hyper-V のオンラインおよびオフラインバックアップ
    1.  
      VSS 用の Hyper-V のオンラインおよびオフラインバックアップについて
    2.  
      VSS のオンラインバックアップかオフラインバックアップかを判断する条件
    3.  
      VSS を使用したオフラインバックアップに関する追加注記
    4.  
      Hyper-V 2012 R2 仮想マシンはリストア時[オフ (Off)]状態になる場合がある
  13. 付録 B. Hyper-V パススルーディスク
    1.  
      NetBackup での Hyper-V パススルーディスクについて
    2.  
      パススルーディスクのバックアップの構成
    3.  
      Hyper-V パススルーディスクのバックアップの要件
    4.  
      Hyper-V パススルーディスクの制限事項
    5.  
      Hyper-V パススルーディスクのローカルスナップショットバックアップの構成
    6.  
      パススルーディスクの代替クライアントによるバックアップについて
    7.  
      Hyper-V パススルーディスクの代替クライアントによるバックアップの構成
    8.  
      VSS およびディスクアレイに関する重要な注意事項
  14. 付録 C. Hyper-V 仮想マシンをバックアップおよびリストアするための NetBackup コマンド
    1.  
      NetBackup コマンドを使用して Hyper-V ポリシーを作成する
    2.  
      NetBackup コマンドを使った Hyper-V インテリジェントポリシーの作成
    3.  
      NetBackup コマンドを使うときの Hyper-V ポリシー属性に関する注意事項
    4.  
      Hyper-V ポリシーの bpplinfo オプション
    5. Hyper-V に VM をリストアするための nbrestorevm の例
      1.  
        元の場所にリストアする Hyper-V の例
      2.  
        代替の場所にリストアする Hyper-V の例
    6.  
      Hyper-V 向けの nbrestorevm -R 名前変更ファイル
    7.  
      Hyper-V nbrestorevm コマンドのトラブルシューティング用メモ
    8.  
      nbrestorevm コマンドのトラブルシューティング用ログ

リストアオプション

次のリストアオプションから選択します。

メモ:

利用可能なオプションは、バックアップを作成するために使用されたバックアップ方式 (WMI または VSS) によって決まります。

表: リストアオプション

オプション

説明

Hyper-V 仮想マシンの GUID (Hyper-V virtual machine GUID)

バックアップされた仮想マシンの Hyper-V GUID (グローバル一意識別子) が表示されます。この値を使用して、このバックアップが、リストアする仮想マシンを示していることを確認します。GUID は、ホスト名とともに仮想マシンの一意の文字列です。

SCVMM 環境では、VM GUID は VM ID として参照されます。

リストアオプション (Restore Options)

次のフィールドを参照してください。

元の Hyper-V Server にリストア (Restore to original Hyper-V server)

元の Hyper-V Server の元の場所に仮想マシンをリストアします。

元のまたは別の Hyper-V Server 上の異なる場所にリストア (Restore to different location on the original or different Hyper-V server)

元の Hyper-V Server 上の異なる場所または別の Hyper-V Server に仮想マシンをリストアします。

ステージング場所にリストア (Restore to staging location)

[ステージングマシン名 (Staging machine name)]および[次のステージングディレクトリにリストア (Restore to the following staging directory)]で指定するサーバー上のステージング場所に仮想マシンのファイルをリストアします。このオプションは、次の場合に使用します。

  • 仮想マシン全体をリストアしない場合

  • リストア後に NetBackup によって仮想マシンを起動しない場合

たとえば、リストアされたファイルを vhd ボリュームまたは vhdx ボリュームとして仮想マシンに追加するためにこのオプションを使うことができます。この仮想マシンは、バックアップを作成した対象の仮想マシンではないようにしてください。

仮想マシンの上書き (Overwrite virtual machine)

([ステージング場所にリストア (Restore to staging location)]を選択した場合は、このオプションは[仮想マシンの上書き (Overwrite existing files)]です)

[Hyper-V Server にリストア (Restore to Hyper-V server)]または[同一または別の Hyper-V Server 上の異なる場所にリストア (Restore to different locations on same / different Hyper-V server)]を選択した場合は、次の点に注意してください。

  • 宛先のサーバー上に同じ GUID の仮想マシンが存在する場合、その仮想マシンは、構成ファイルおよびスナップショットファイルとともに削除されます。宛先のサーバー上に存在する仮想マシンの既存の vhd または vhdx ファイルは上書きされます。リストア対象に選択した仮想マシンは、バックアップからリストアされます。

  • [仮想マシンの上書き (Overwrite virtual machine)]オプションが選択されていない場合に、同じ GUID を持つ仮想マシンが宛先サーバーに存在すると、リストアが失敗します。

  • [仮想マシンの上書き (Overwrite virtual machine)]オプションを選択しない場合に、仮想マシンの vhd または vhdx ファイルが宛先に存在していると、バックアップの vhd ファイルまたは vhdx ファイルはリストアされません。

    を参照してください。

[ステージング場所にリストア (Restore to staging location)]を選択した場合は、次の点に注意してください。

  • vhd ファイルまたは vhdx ファイルがリストア場所の宛先サーバーにすでに存在する場合、宛先サーバーのファイルは上書きされます。

  • [既存のファイルの上書き (Overwrite existing files)]オプションを選択しない場合、リストアするファイルがリストアに指定した場所の宛先のサーバーにすでに存在しても、ファイルは上書きされません。リストアに選択したその他のファイルはリストアされます。リストアは、部分的な成功として報告されます。

元の GUID を保持 (Retain original GUID)

リストアされた仮想マシンの元の GUID を保持します。

リストアされた仮想マシン用に新しく GUID を生成するには、このオプションをオフにします。

メモ:

このオプションは、WMI 方式でバックアップされた、Hyper-V Server 2016 (およびそれ以降) の仮想マシンにのみ適用できます。

メモ:

元の場所へのリストアの場合 ([元の Hyper-V Server にリストア (Restore to original Hyper-V server)])、[元の GUID を保持 (Retain original GUID)]オプションは選択された状態になり、選択を解除できません。

メモ:

[ステージング場所にリストア (Restore to staging location)]を選択した場合、NetBackup は新しい GUID を生成しません。

Hyper-V 仮想マシンの元の GUID (Hyper-V virtual machine original GUID)

仮想マシンの元の GUID を示しています。

メモ:

このオプションは、Hyper-V Server 2016 以降の仮想マシンにのみ適用されます。

Hyper-V 仮想マシンの表示名 (Hyper-V virtual machine display name)

リストアされた仮想マシンの新しい表示名を入力することができます。

メモ:

このオプションは、Hyper-V Server 2016 以降の仮想マシンにのみ適用されます。

メモ:

このオプションは、[ステージング場所にリストア (Restore to staging location)]を選択した場合は利用できません。

リストア先 (Restore Destinations)

次のフィールドを参照してください。

Hyper-V Server

元の場所にリストアするのに[Hyper-V Server にリストア (Restore to Hyper-V server)]を選択した場合は、リストア先が仮想マシンのバックアップ元の Hyper-V Server の名前であることに注意してください。この場合、宛先は変更できません。

その他のリストアオプション (異なる場所へのリストアまたはステージング場所へのリストア) では、リストア先の Hyper-V Server を入力します。

バックアップファイルのリスト (List of backed up files) (ソース (Source))

仮想マシンのバックアップ時に存在していた Hyper-V 仮想マシンのファイルが表示されます。デフォルトでは、表示されるすべてのファイルがリストア対象として選択されます。

リストアによって、宛先のサーバー上にある現在の仮想マシンの特定のファイルを置き換えない場合は、そのファイルの選択を解除します。リストアするファイルの横のチェックマークは付けたままにします。選択されていないファイルはリストアされません。ステージングのリストア以外のリストアでは、次の仮想マシン構成ファイルの選択を解除できないことに注意してください。

xml、vsv、bin ファイル、および avhd または avhdx ファイル。

注意: 共通ファイルを以前のバージョンに置き換えると、共通ファイルを使用する仮想マシンで問題が発生する可能性があります。Hyper-V サーバーの共通ファイルが上書きされないようにするには、リストアしない共通ファイルの選択を解除します。

表示されるファイルについては、次の点に注意してください。

  • vhd ファイルまたは vhdx ファイルを選択しないと、NetBackup は元の場所で vhd または vhdx ファイルの検索を試行します。元の場所にそれらのファイルが存在しない場合、リストアは失敗します。親の vhd または vhdx ファイルが元の仮想マシンの E:\myVhds\ に存在した場合、リストア時にそのファイルを選択しないと、NetBackup は対象の仮想マシンの E:\myVhds\ で親のファイルを検索します。ファイルが存在しない場合、リストアは失敗します。

  • [Hyper-V Server にリストア (Restore to Hyper-V server)]または[同一または別の Hyper-V Server 上の異なる場所にリストア (Restore to different locations on same / different Hyper-V server)]の場合、このリスト内の任意の vhd ファイルまたは vhdx ファイルの選択を解除できます。その他のすべてのファイルは事前に選択済みで、選択を解除することはできません。

  • [ステージング場所にリストア (Restore to staging location)]の場合、リスト内の任意のファイルの選択を解除できます。

  • 構成ファイル (xml、bin、vsv、スナップショットファイルなど) は、仮想マシン全体のリストア時に常にリストアされます。

すべてを異なるディレクトリにリストアします (Restore everything to different directory)

このフィールドは、[Hyper-V Server にリストア (Restore to Hyper-V server)]を選択した場合は無効です。

異なる場所またはステージング場所へのリストアの場合、[Hyper-V Server]または[ステージングマシン名 (Staging machine name)]で指定したサーバーのパスか他のコンピュータのパスを入力します。NetBackup によって適切なサブディレクトリが作成されます。

パスの表示 (View paths)

Hyper-V のファイルがリストアされる宛先のサーバーのディレクトリが表示されます。[すべてを異なるディレクトリにリストアします (Restore everything to different directory)]フィールドで宛先パスを指定する必要があります。

デフォルトのジョブの優先度を上書き (Override default job priority)

リストアリソースに対する、リストアジョブの優先度を指定します。優先度が高いとは、最も優先度が高い 1 番目のリストアジョブに、利用可能なドライブが NetBackup によって最初に割り当てられることを意味します。数値を入力します (最大値は 99999)。すべてのリストアジョブのデフォルト値は 0 (ゼロ) です。これは、設定可能な最も低い優先度です。優先度が 0 (ゼロ) より大きいすべてのリストアジョブは、デフォルト設定のリストアジョブより優先されます。

メディアサーバー

このオプションを使用して、バックアップイメージが含まれるストレージユニットにアクセスするメディアサーバーを選択できます。このような環境の例として複数のメディアサーバーで構成するメディアサーバー重複排除プール (MSDP) があります。

メモ:

バックアップイメージを含むストレージユニットが複数のメディアサーバーで共有されていない場合は、このオプションは灰色で表示されます。