NetBackup™ for Hyper-V 管理者ガイド
- はじめに
- 注意事項および前提条件
- Hyper-V による NetBackup 通信の設定
- Hyper-V 用 NetBackup ポリシーの設定
- Hyper-V インテリジェントポリシーの設定
- NetBackup Hyper-V for SCVMM
- Windows Server フェールオーバークラスタのサポート
- Hyper-V のバックアップとリストア
- 仮想マシンの共有場所への個々の Hyper-V ファイルのリストア
- アクセラレータを使用した Hyper-V のバックアップ
- 推奨する実施例および詳細情報
- トラブルシューティング
- NetBackup for Hyper-V のログとその作成方法
- ポリシーの作成中のエラー
- Hyper-V に関連する NetBackup の状態コード
- 付録 A. VSS バックアップ方式: Hyper-V のオンラインおよびオフラインバックアップ
- 付録 B. Hyper-V パススルーディスク
- 付録 C. Hyper-V 仮想マシンをバックアップおよびリストアするための NetBackup コマンド
NetBackup for Hyper-V に関する注意事項および制限事項
NetBackup for Hyper-V に適用される注意事項と制限事項は次のとおりです。
ディスクアレイを使用する VSS の場合:
ハードウェアアレイのスナップショットを使用する場合は、Hyper-V ライターを含むスナップショットがハードウェアアレイの VSS プロバイダによってサポートされていることを確認します。アレイベンダーまたは VSS プロバイダのリリースノートを参照してください。
NetBackup for Hyper-V では、NetBackup のインスタントリカバリ機能はサポートされていません。
Microsoft 社の制限事項により、NetBackup for Hyper-V は、複数の仮想マシン間で共有される vhdx ファイルの VSS または WMI 方式のバックアップとリストアをサポートしません。
SAN クライアント機能で Hyper-V のバックアップを実行するには、Hyper-V Server に SAN クライアントをインストールします。仮想マシンに SAN クライアントをインストールしないでください。SAN クライアントと Hyper-V について詳しくは、『NetBackup™ SAN クライアントおよびファイバートランスポートガイド』を参照してください。
メモ:
Hyper-V の SAN クライアント機能は、(WMI ではなく) VSS バックアップ方式に対してのみサポートされます。
Microsoft 社の制限事項により、仮想マシンの仮想ディスクのファイルが圧縮されているボリュームまたはフォルダに存在する場合は、NetBackup は仮想マシンのスナップショットを作成するために WMI バックアップ方式を使用することはできません。スナップショットのジョブが、状態 156「スナップショットエラーが発生しました (Snapshot error encountered) 」で失敗します。
回避方法として、仮想ディスクが存在するボリュームまたはフォルダから圧縮を取り除いて、バックアップを再実行します。
NetBackup for Hyper-V はバックアップとリストアで Windows NTFS 暗号化と圧縮をサポートしています。ただし、NetBackup の圧縮または暗号化オプション (NetBackup のポリシー属性にある) はサポートしていません。
UNIX または Linux のゲストオペレーティングシステムについて: NetBackup for Hyper-V は、NetBackup で設定されたかゲスト OS で設定されたかにかかわらず、いかなる種類の圧縮または暗号化もサポートしていません。
メモ:
圧縮された Windows NTFS ファイルは圧縮ファイルとしてバックアップおよびリストアされます。
ポリシーが手動選択からインテリジェントポリシーに変更された場合 (またはその逆の場合) は、VM のバックアップがすでに存在しても、その VM の次回のバックアップは通常の完全バックアップになります。
次に例を示します。
新しい Hyper-V ポリシーで、VM の選択に、[クライアント (Clients)]タブの[手動で選択 (Select manually)]オプションを使用します。ポリシーの最初のバックアップが実行されます。
プライマリ VM 識別子がホスト名の場合は、保護対象 VM の FQDN を使用して Microsoft フェールオーバークラスタを構成していることを確認します。
ポリシーで、インテリジェントポリシーの問い合わせを使用して同じ VM を選択し、2 回目の VM のバックアップが実行されます。手動選択から問い合わせベースの選択に切り替えられたため、この 2 回目のバックアップは通常の完全バックアップです。[Block Level Incremental バックアップを有効にする (Enable block-level incremental backup)] (BLIB) または BLIB とアクセラレータを使用するポリシーでは、バックアップ処理は変更されたブロックだけに限られるものではないことに注意してください。
2 回目のバックアップの状態の詳細ログには、次のようなメッセージが含まれます。
Sep 29, 2016 11:16:53 AM - Info bpbrm (pid=13680) There is no complete backup image match with track journal, a regular full backup will be performed.
ポリシーの VM 選択が問い合わせベースから手動選択に切り替えられた場合は、同じバックアップ動作が発生し、2 回目のバックアップは通常の完全バックアップになります。
[Block Level Incremental バックアップを有効にする (Enable block-level incremental backup)]オプションを (アクセラレータの有無にかかわらず) 指定した WMI バックアップ方式では、VM に同じディスク UUID を持つ複数の仮想ディスクがある場合に、NetBackup はそれらのディスクの完全バックアップを実行します。増分バックアップは実行しません。一意の ID を持つディスクは、想定どおりに増分バックアップが行われます。アクティビティモニターでは、ジョブの詳細に次のようなメッセージが含まれます。
The virtual machine (Name: testVM, GUID: 98321741-A936-4128-8AB0-07099B23E25C) uses multiple disks with the same disk Id. Disk Id: 7198C033-AB5D-4585-905D-0DA68D26F9C5 Disk path: E:\VMs\testVM\testVM1.vhdx Disk Id: 7198C033-AB5D-4585-905D-0DA68D26F9C5 Disk path: E:\VMs\testVM\testVM2.vhdx You may lose optimization during the backups for the above listed disks.
これらの仮想ディスクの増分バックアップを実行するには、各ディスクに一意の ID を割り当てます。たとえば、次のように testVM1 のディスク ID をリセットするために Set-VHD PowerShell cmdlet を使用できます。
Set-VHD -Path E:\VMs\testVM\testVM1.vhdx - ResetDiskIdentifier
差分ディスクの場合は、ディスクチェーンを再作成するために追加のコマンドを実行する必要があります。Set-VHD コマンドレットについて詳しくは、次の Microsoft TechNet の記事を参照してください。
アクセラレータに関する追加の注意事項があります。
Accelerator 仮想マシンの注意および要件を参照してください。
Microsoft 社の制限事項により、NetBackup for Hyper-V は、暗号化された vhd または vhdx ファイルのバックアップをサポートしません。
この制限事項は、Microsoft 社の制限事項によるものです。この注記事項は VSS バックアップ方式のみに適用されます。FAT または FAT32 ファイルシステムを使用する仮想マシンの場合、NetBackup では Hyper-V のオフラインバックアップのみがサポートされます。
VSS 用の Hyper-V のオンラインおよびオフラインバックアップについてを参照してください。
WMI バックアップ方式 (Hyper-V Server 2016 以降向け) では、オンラインとオフラインのバックアップを採用していません。
WMI バックアップ方式: リストアの前後における仮想マシンの状態を参照してください。
VSS バックアップ方式の場合: バックアップの開始時に仮想マシンが一時停止状態だった場合、バックアップが完了すると、仮想マシンは保存済み状態になります。
WMI バックアップ方式では、オプションの[一貫性レベル (Consistency level)](ポリシーの[詳細 (Advanced)]の[Hyper-V]タブ) がサポートされます。利用可能な設定は、[アプリケーションの整合性、次にクラッシュ整合 (Application consistent then crash sonsistent)]、[アプリケーションの整合性 (Application consistent)]、[クラッシュ整合 (Crash consistent)]です。
WMI バックアップ方式では、次の点に注意してください。
バックアップ中に仮想マシンが一時停止の状態で、[一貫性レベル (Consistency level)]が[アプリケーションの整合性 (Application consistent)]に設定されている場合、スナップショットの作成中にバックアップは失敗します。[一貫性のレベル (Consistency level)]が[アプリケーションの整合性、次にクラッシュ整合 (Application consistent then crash consistent)]または[クラッシュ整合 (Crash consistent)]に設定される場合、バックアップは成功します。リストア後に仮想マシンはオフの状態になります。
バックアップ中に仮想マシンが保存済みの状態で、[一貫性レベル (Consistency level)]が[アプリケーションの整合性 (Application consistent)]に設定されている場合、スナップショットの作成中にバックアップは失敗します。[一貫性のレベル (Consistency level)]が[アプリケーションの整合性、次にクラッシュ整合 (Application consistent then crash consistent)]または[クラッシュ整合 (Crash consistent)]に設定される場合、バックアップは成功します。リストア後に仮想マシンは保存済みの状態になります。
一貫性のレベルのパラメータ (WMI)を参照してください。
NetBackup for Hyper-V では、仮想マシンの表示名に一定の文字制限があります。
Hyper-V 仮想マシンの表示名に対する NetBackup の文字制限を参照してください。
NetBackup for Hyper-V はファイバートランスポートデータ転送方式によるリストアをサポートしません。
Hyper-V 仮想マシンのリストアについて詳しくは、以下を参照してください。
個々のファイルのリストアに関する注意事項を参照してください。
仮想マシン全体のリストアに関する注意事項を参照してください。
NetBackup for Hyper-V のサポートについて詳しくは、次のドキュメントを参照してください。
NetBackup ソフトウェア互換性リスト:
仮想環境での NetBackup のサポート: