Enterprise Vault™ 導入/計画
- このマニュアルについて
- 概要
- Enterprise Vault の概要
- Enterprise Vault の動作
- Enterprise Vault のインデックスについて
- Enterprise Vault タスクについて
- Enterprise Vault サービスについて
- Enterprise Vault Outlook アドインについて
- Enterprise Vault 検索について
- Enterprise Vault の管理
- Exchange Server のアーカイブ
- Exchange パブリックフォルダアーカイブ
- ファイルシステムアーカイブ
- Microsoft SharePoint サーバーのアーカイブ
- Domino メールボックスアーカイブ
- Domino ジャーナルアーカイブ
- SMTP アーカイブ
- Microsoft Teams アーカイブ
- Skype for Business アーカイブ
- Enterprise Vault Accelerator
- 耐性のある構築
- コンポーネントのインストール計画
- Enterprise Vault のサービスとタスクの設定先
- クライアントコンポーネントのインストール計画
- アーカイブ戦略の計画
- ユーザーメールボックスに対するアーカイブポリシーの定義方法
- Exchange パブリックフォルダのアーカイブ戦略の計画方法
- 保持カテゴリの設定を計画する方法
- ボルトストアおよびパーティションの計画方法
- Enterprise Vault のレポートについて
単一インスタンスストレージについて
Enterprise Vault の最適化された単一インスタンスストレージを使うと、アーカイブ済みアイテムに必要なストレージ領域を大幅に削減できます。ただし、Enterprise Vault サーバーとパーティションをホストするストレージデバイスとの間のネットワークトラフィックが増加する場合があります。
Enterprise Vault の単一インスタンスストレージは、次の原則で機能します。
ボルトストアはボルトストアグループ内でグループ化されます。ボルトストアグループは、単一インスタンスストレージの共有の外部境界を形成します。
各ボルトストアには共有レベルが割り当てられます。レベルは、[グループ内で共有する]、[ボルトストア内で共有する]、または[共有しない]です。
ターゲットのボルトストアの共有レベルが[ボルトストア内で共有する]または[グループ内で共有する]の場合、Enterprise Vault は単一インスタンスストレージを使用してアイテムをアーカイブします。
ボルトストアの共有レベルによって、ボルトストアの共有境界が次のように決定されます。
ボルトストアの共有レベルが[グループ内で共有する]の場合、その共有境界には、この共有レベルが設定されたグループ内のすべてのボルトストアが含まれます。
ボルトストアの共有レベルが[ボルトストア内で共有する]の場合、その共有境界にはそのボルトストアのみが含まれます。
ボルトストアの共有レベルが[共有しない]の場合、そのボルトストアには共有境界がありません。Enterprise Vault は、このボルトストアに対して単一インスタンスストレージを実行しません。
Enterprise Vault は、サイズの大きなメッセージ添付ファイルなど、共有に適したアイテムのパーツを識別します。これらのパーツは SIS パーツと呼ばれます。Enterprise Vault は、SIS パーツの最小サイズのしきい値を使用して、想定されるストレージ節約量と、SIS パーツの作成、アーカイブ、取り込みに必要なリソースとのバランスをとります。
Enterprise Vault は、各 SIS パーツを、ターゲットのボルトストアの共有境界内に 1 回のみ格納します。各 SIS パーツについて、Enterprise Vault はボルトストアグループのフィンガープリントデータベースにアクセスして、フィンガープリントが同じ SIS パーツがボルトストアの共有境界内にすでに格納されているかどうかを判断します。フィンガープリントが同じ SIS パーツは、同一の SIS パーツです。
同一の SIS パーツが共有境界内にすでに格納されていない場合、Enterprise Vault はその SIS パーツを格納し、その SIS パーツのフィンガープリント情報をフィンガープリントデータベースに保存します。
同一の SIS パーツが共有境界内にすでに格納されている場合、Enterprise Vault は格納済みの SIS パーツを参照します。SIS パーツを再度格納することはありません。
Enterprise Vault はアイテムの残りの部分 (アイテムから SIS パーツをマイナスした部分) を未処理の保存セットファイルとして格納します。未処理の保存セットファイルは、アイテムに関する Enterprise Vault メタデータおよびそれに関する一意の情報 (ドキュメントまたは添付ファイルの場合はファイル名、メッセージの場合は追跡のためのフラグなど) を保持します。
Enterprise Vault は、アーカイブ済みアイテムのリストア要求を受け取ると、そのアイテムの未処理の保存セットファイルおよび SIS パーツファイルから、そのアイテムを再構成します。
図: ボルトストアグループの共有境界 に、次の 5 つのボルトストアを含むボルトストアグループの例を示します。
ボルトストア 1、3、4 にはすべて、共有レベルとして[グループ内で共有する]が設定されています。これらのボルトストアは、同じ共有境界内にあります。Enterprise Vault は、これら 3 つのボルトストアにアーカイブするアイテム用に、これらのボルトストア全体で SIS パーツを共有します。
ボルトストア 2 の共有レベルは[ボルトストア内で共有する]であるため、独自の共有境界を持ちます。Enterprise Vault は、このボルトストアにアーカイブするアイテム用に、このボルトストア内で SIS パーツを共有します。
ボルトストア 5 の共有レベルは[共有しない]です。このボルトストアは、どの共有境界にも含まれません。Enterprise Vault はこのボルトストアにアーカイブするアイテムに対して Enterprise Vault の単一インスタンスストレージを実行しません。
各ボルトストアには、複数のボルトストアを含む共有境界を 1 つのみ含めることができます。
単一インスタンスストレージは、複数の方法でストレージ領域を節約できます。
ジャーナルとメールボックスのアーカイブに個別のボルトストアを使う場合、Enterprise Vault はボルトストア間で SIS パーツを共有できます (それらが同じ共有境界内にある場合)。
大きなサイズの同じファイルが添付された多数のメッセージを複数の受信者に個別に送信する場合、Enterprise Vault は、添付ファイルを 1 回のみ共有境界内に格納します。
Enterprise Vault は SIS パーツを、ファイル名からではなく、内容から識別します。2 つのメッセージの両方に大きなサイズの同じファイルが添付されている場合、それらのファイル名が異なっていても、Enterprise Vault は添付ファイルを共有できます。
Enterprise Vault は、ファイルサーバーにファイルとしても格納される Exchange メッセージの添付ファイルなど、種類が異なるアーカイブから発生する同一の SIS パーツを共有できます。
次の点に注意してください。
Dell EMC Centera デバイス上のパーティション。アイテムが、Dell EMC Centera デバイス上でホストされているパーティションに格納されている場合、Enterprise Vault の単一インスタンスストレージは実行されません。Enterprise Vault には、Centera デバイスの共有機能を利用するために、個別のデバイスレベル共有オプションが用意されています。
スマートパーティション。Enterprise Vault は、同じスマートパーティション内のアイテム間で SIS パーツを共有しますが、スマートパーティションとその他のパーティション間では SIS パーツを共有しません。
たとえば、2 人の従業員が、添付ファイルを含む同じ電子メールを受信するとします。コンプライアンス上の理由から、Enterprise Vault では 1 人の従業員の電子メールがスマートパーティションにアーカイブされ、もう 1 人の従業員の電子メールが標準のボルトストアパーティションにアーカイブされます。電子メールとその添付ファイルが最初に標準パーティションにアーカイブされると、その後電子メールがスマートパーティションにアーカイブされるとき、通常添付ファイルは再度アーカイブされません。これは、スマートパーティション上のデータが完全には適合しなくなることを意味します。ただし、この場合 Enterprise Vault では電子メールと添付ファイルの両方が再度アーカイブされます。