NetBackup™ Snapshot Manager インストールおよびアップグレードガイド
- 概要
- 第 I 部 NetBackup Snapshot Manager のインストールおよび構成
- NetBackup Snapshot Manager のインストールの準備
- コンテナイメージを使用した NetBackup Snapshot Manager の配備
- NetBackup Snapshot Manager 拡張機能の配備
- VM への NetBackup Snapshot Manager 拡張機能のインストール
- Azure の管理対象 Kubernetes クラスタ (AKS) への NetBackup Snapshot Manager 拡張機能のインストール
- AWS の管理対象 Kubernetes クラスタ (EKS) への NetBackup Snapshot Manager 拡張機能のインストール
- GCP の管理対象 Kubernetes クラスタ (GKE) への NetBackup Snapshot Manager 拡張機能のインストール
- NetBackup Snapshot Manager クラウドプロバイダ
- クラウドホストまたは VM の資産を保護するための構成
- NetBackup Snapshot Manager のオンホストエージェント機能を使用した資産の保護
- NetBackup Snapshot Manager のエージェントレス機能を使用した資産の保護
- Snapshot Manager カタログのバックアップとリカバリ
- NetBackup Snapshot Manager 資産の保護
- NetBackup Snapshot Manager でのボリュームの暗号化
- NetBackup Snapshot Manager のセキュリティ
- NetBackup Snapshot Manager のインストールの準備
- 第 II 部 NetBackup Snapshot Manager のメンテナンス
- NetBackup Snapshot Manager のログ記録
- NetBackup Snapshot Manager のアップグレード
- NetBackup Snapshot Manager の移行とアップグレード
- アップグレード後のタスク
- NetBackup Snapshot Manager のアンインストール
- NetBackup Snapshot Manager のトラブルシューティング
Microsoft Azure プラグインの構成に関する注意事項
Microsoft Azure プラグインでは、仮想マシンレベルと管理対象ディスクレベルでスナップショットを作成、削除、リストアできます。
ADE (Azure ディスク暗号化) が有効な VM のサポート
NetBackup バージョン 10.3 は、Azure ディスク暗号化 VM のサポートを提供します。ADE が有効な VM は、Web UI の資産の詳細で Azure ディスク暗号化のフラグが True として表示されます。次のシナリオがサポートされます。
ロールバックリストア
スナップショット作成と、VM のスナップショットのみからのリストア
スナップショットの作成時に Azure ディスク暗号化拡張機能が存在する場合、VM がスナップショットからリストアされた後は、拡張機能のみが存在します。
サポート対象のオペレーティングシステム:
Linux VM の場合: サポート対象の VM とオペレーティングシステム
Windows の場合: サポート対象の VM とオペレーティングシステム
Azure リカバリポイントを使用したアプリケーション整合性向け
デフォルトでは、Snapshot Manager のスナップショット作成操作では、スナップショットの代わりにリカバリポイントが作成されます。スナップショットがアプリケーション整合になるように Azure リカバリポイントを使用するには、次の表を参照して Azure クラウドで VM に接続して構成します。
Windows の場合 |
Linux の場合 |
---|---|
VM に接続して構成する必要はありません。 |
|
メモ:
スナップショットを作成およびリストアしている間に、Azure で作成されるスナップショットの代わりにリストアポイントが作成されます。
スナップショットの作成
Snapshot Manager では、VM に対して最初のスナップショットが作成されると、VM リストアポイントを使用してリストアポイントコレクションが作成されます。
各 VM リストアポイントには、VM スナップショット操作でスナップショットが作成されたすべてのディスクのディスクリストアポイントが含まれます。
VM で取得された各スナップショットは、最初のスナップショットが取得されたときに作成されたリストアポイントコレクションの Azure に保存されます。
後続のリストアポイントは増分バックアップです。
スナップショットのリストア
Snapshot Manager バージョン 10.2 より前のバージョンで取得したスナップショットの場合、スナップショットは Azure のスナップショットからリストアされます。
Snapshot Manager バージョン 10.2 で取得したスナップショットの場合、スナップショットはリストアポイントからリストアされます。
次の点に注意してください。
リストアポイントを見つけます。
次のように、NetBackup で、作成されたスナップショットのジョブの詳細でスナップショット ID を取得します。
Snapshot ID: azure-snapvmrp-<subscription name>+<RG name>+<restore point collection name>+<restore point>
リストアポイントを見つけるには、Azure ポータルで[Subscription]、[Resource Group (RG)]、[Restore Point Collection (RPC)]、[Restore Point]の順に選択します。
ログを見つけます。
Snapshot Manager:
/cloudpoint/flexsnap.log
ホスト VM:
Linux:
/var/log/azure/Microsoft.Azure.RecoveryServices.VMSnapshotLinux/extension.log
Windows の場合:
C:\WindowsAzure\Logs\Plugins\Microsoft.Azure.RecoveryServices.VMSnapshot\<version>
前提条件
Azure プラグインを構成する前に、次の準備手順を完了します。
(ユーザーがアプリケーションサービスプリンシパルルートを続行する場合のみ適用) Azure プラグインの AAD (Azure Active Directory) アプリケーションを作成するには、Microsoft Azure ポータルを使用します。
リソースにアクセスするために必要な権限を役割に割り当てます。
NetBackup Snapshot Manager で必要とされる Azure プラグインの権限について詳しくは、「Microsoft Azure でのアクセス権の設定を参照してください。」を参照してください
Azure では、次のいずれかの方法でリソースに権限を割り当てることができます。
サービスプリンシパル: この権限は、ユーザー、グループ、またはアプリケーションに割り当てることができます。
マネージド ID: マネージド ID により、Azure Active Directory (Azure AD) 認証をサポートするリソースに接続するときに使用される、Azure Active Directory で自動的に管理される ID がアプリケーションに提供されます。マネージド ID には次の 2 種類があります。
システム割り当て
ユーザー割り当て
詳しくは、Azure のマニュアルにある手順に従ってください。
表: Microsoft Azure プラグインの構成パラメータ
NetBackup Snapshot Manager の構成パラメータ |
Microsoft 製品の同等の用語と説明 |
---|---|
クレデンシャルの種類: アプリケーションサービスプリンシパル メモ: アプリケーションサービスプリンシパルに役割を割り当てます。 | |
テナント ID (Tenant ID) |
アプリケーションを作成した Azure AD ディレクトリの ID。 |
クライアント ID (Client ID) |
アプリケーション ID。 |
シークレットキー (Secret Key) |
アプリケーションのシークレットキー。 |
クレデンシャルの種類: システム管理 ID メモ: システム管理 ID に役割を割り当てます。 | |
Azure の NetBackup Snapshot Manager ホストでシステム管理 ID を有効にします。 | |
クレデンシャルの種類: ユーザー管理 ID メモ: ユーザー管理 ID に役割を割り当てます。 | |
クライアント ID (Client ID) |
NetBackup Snapshot Manager ホストに接続されているユーザー管理 ID のクライアント ID。 |
次のパラメータは、上記のすべてのクレデンシャルタイプに適用されます。 | |
リージョン (Regions) |
クラウド資産を検出する 1 つ以上の地域。 メモ: 行政クラウドを設定する場合は、US Gov アリゾナ、US Gov テキサス、または US Gov バージニアを選択します。 |
リソースグループの接頭辞 (Resource Group prefix) |
資産用に作成されたスナップショットを、資産が存在するリソースグループとは別のリソースグループに格納するために使用される接頭辞。 たとえば、NetBackup Snapshot Manager にある資産とリソースグループの接頭辞が snap の場合、NetBackup Snapshot Manager リソースグループにある資産のスナップショットは、snapNetBackup Snapshot Manager リソースグループに格納されます。 |
接頭辞が付いたリソースグループが見つからない場合でも資産を保護 (Protect assets even if prefixed Resource Groups are not found) |
このチェックボックスにチェックマークを付けると、リソースグループが存在しない場合に NetBackup Snapshot Manager ではスナップショット操作が失敗しません。元のリソースグループにスナップショットを格納しようとします。 メモ: 接頭辞が付いたリソースグループのリージョンは、元のリソースグループのリージョンと同じである必要があります。 |
同じプラグインに対して複数の構成を作成する場合は、それらが異なるサブスクリプションの資産を管理していることを確認します。2 つ以上のプラグイン構成で、クラウド資産の同じセットを同時に管理しないようにする必要があります。
複数のアカウントが 1 台の NetBackup Snapshot Manager サーバーですべて管理されている場合、単一の NetBackup Snapshot Manager インスタンスによって管理される資産の数が多くなることがあります。したがって、負荷分散の改善のため、資産を複数の NetBackup Snapshot Manager サーバーに分離させたほうがよい場合があります。
アプリケーションの整合性スナップショットを実現するには、リモート VM インスタンスと NetBackup Snapshot Manager サーバーとの間で、エージェントまたはエージェントレスのネットワーク接続が必要です。これには、アカウント、サブスクリプション、およびプロジェクト間のネットワークを設定する必要があります。
Azure プラグインを構成する前に、次の点を考慮します。
プラグインの現在のリリースでは、BLOB のスナップショットはサポートされていません。
NetBackup Snapshot Manager では、現在、管理対象ディスクによってバックアップされた、Azure 管理対象ディスクと仮想マシンのスナップショットの作成とリストアのみをサポートしています。
NetBackup Snapshot Manager では、Azure 環境での Ultra SSD ディスク形式のスナップショット操作はサポートされていません。NetBackup Snapshot Manager で Ultra ディスクが正常に検出された場合でも、そのようなディスク資産でトリガされるスナップショット操作は次のエラーで失敗します。
Snapshots of UltraSSD_LRS disks are not supported.
同じプラグインに対して複数の構成を作成する場合は、それらが異なるテナント ID の資産を管理していることを確認します。2 つ以上のプラグイン構成で、クラウド資産の同じセットを同時に管理しないようにする必要があります。
スナップショットを作成するときに、Azure プラグインは各スナップショットに Azure 固有のロックオブジェクトを作成します。スナップショットは、Azure コンソールから、または Azure CLI または API 呼び出しからの予期しない削除を防ぐためにロックされます。ロックオブジェクトは、スナップショットと同じ名前になります。また、ロックオブジェクトには、スナップショットが属する、対応する VM または資産の ID が含まれる「
notes
」という名前のフィールドも含まれています。スナップショットロックオブジェクトの
notes
フィールドが変更または削除されていないことを確認してください。変更または削除されていると、対応する元の資産からスナップショットの関連付けが解除されます。Azure プラグインは、ロックオブジェクトの
notes
フィールドの ID を使用して、たとえば「元の場所」へのリストア操作の一環として、ソースディスクを置換または削除するインスタンスにスナップショットを関連付けます。Azure プラグインは次の GovCloud (US) 地域をサポートします。
US Gov アリゾナ
US Gov テキサス
US Gov バージニア
US Gov アイオワ
US DoD 中部
US DoD 東部
Azure プラグインは次のインド地域をサポートします。
Jio India West
Jio India Central
NetBackup Snapshot Manager Azure プラグインは次の Azure リージョンをサポートしません。
場所
リージョン
米国
US DoD 中部
US DoD 東部
US Sec 西部
中国
NetBackup Snapshot Manager は、中国のどのリージョンもサポートしていません。
中国東部
中国東部 2
中国北部
中国北部 2
ドイツ
ドイツ中部 (ソブリン)
ドイツ北東部 (ソブリン)
NetBackup Snapshot Manager は Microsoft Azure 第 2 世代の仮想マシンもサポートします。
NetBackup Snapshot Manager は、ストレージプールから作成された仮想ディスクまたはストレージ領域を備えた Windows システムのアプリケーションの一貫したスナップショットと個別ファイルのリストアをサポートしません。Microsoft SQL Server のスナップショットジョブでストレージプールのディスクを使用すると、エラーが発生してジョブが失敗します。ただし、接続状態にある仮想マシンのスナップショットジョブがトリガされると、ジョブは正常に実行されることがあります。この場合、ファイルシステムの静止およびインデックス付けはスキップされます。このような個々のディスクを元の場所にリストアするジョブも失敗します。この状況では、ホストがリカバリ不可能な状態になる可能性があり、手動でのリカバリが必要になる場合があります。
Snapshot Manager は、MariaDB サーバー用の Azure データベースのマネージド ID データベース認証をサポートしません。
ADE (Azure ディスク暗号化) が有効な VM のスナップショットについては、次の点を考慮します。
ユーザーは、保護計画に割り当てることができるスナップショットにのみサブスクライブできます。
保護計画の割り当て後に ADE (Azure ディスク暗号化) が有効になった場合、保護計画はアクティブになります。スナップショットの作成中に Azure ディスク暗号化が有効になった場合、バックアップとインデックス付けはエラー (9997) で失敗します。
ADE (Azure ディスク暗号化) が有効になっている VM がインテリジェントグループに含まれている場合、スナップショットからのバックアップとインデックス付けはエラー (9997) で失敗します。
単一ファイルリストアが有効な VM のファイルは、ADE (Azure ディスク暗号化) が有効な VM にリストアできます。
ユーザーが VM を別のリソースグループにリストアしようとしている場合は、Key Vault への適切なアクセス権を他のリソースグループに割り当てる必要があります。
アプリケーションのスナップショットとリストアは、ADE (Azure ディスク暗号化) が有効な VM ではサポートされません