NetBackup IT Analytics ユーザーガイド
- はじめに
- ポータルについて
- [管理者 (Admin)]タブについて
- インベントリについて
- データを整理するための階層ツールバー
- オブジェクトの表示
- 属性を使用したデータの整理
- レポートの固定 - インベントリオブジェクトを含むレポートの保存
- インベントリリスト表示での属性の割り当て
- レポートについて
- レポートの生成と保守
- レポートのスコープの選択
- 属性ごとのホストのグループ化
- レポートスコープセレクタでのホストの検索
- Backup Manager 詳細スコープセレクタの設定
- ソリューションレポートのスコープセレクタの設定
- レポートの測定単位
- レポートのフィルタロジックのカスタマイズ
- レポートの列の並べ替え
- テーブル形式からグラフへのレポートの変換
- 配布、共有、スケジュール、アラート
- レポートの整理
- 動的テンプレートデザイナーの操作
- 動的テンプレートデザイナーのクイックスタート
- 製品固有の同種テンプレートへの変換
- 動的テンプレート関数の設定
- フィールドビルダーを使用したフィールドの作成
- スコープセレクタコンポーネント - カスタムフィルタ
- 棒グラフ動的テンプレートの構成
- 棒グラフ動的テンプレートの作成手順
- 面グラフまたは積み上げ面グラフの動的テンプレートの構成
- パフォーマンスメトリックの折れ線グラフ
- 折れ線グラフのフィールドの要件
- オブジェクト別折れ線グラフ (グラフごとに 1 つ以上のメトリック)
- メトリック別折れ線グラフ (グラフごとに複数のオブジェクト)
- 積み上げ棒グラフ動的テンプレートの例
- テーブル形式の動的テンプレートを使用したスパークライングラフの作成
- メソッドの追加または編集
- メソッドの検証と保存
- SQL テンプレートデザイナーの操作
- データベースの公開されたビュー
- SQL テンプレートの作成
- SQL テンプレート出力のフォーマット
- SQL テンプレートデザイナーでのテーブルの構成
- 高度な SQL レポートテンプレートオプション
- SQL テンプレートのエクスポートとインポート
- レポートクエリー作成用のパイプライン関数
- APTlistOfDates
- aptStringConcat
- getServerAttributeValue
- getObjectAttributeValue
- getChildServerGroupContextById
- getServerGroupContextById
- secsToHoursMinSecs
- APTgetTapeDriveStatusName
- getFullPathname
- listJobSummaryAfterRestart
- listJobSummaryAfterRestartNBW
- NetWorker バックアップジョブの listJobSummaryAfterRestart
- listOfBackupWindowDates
- listChargebackCatByVOLSDetail
- listChargebackCatByNcVolDetail
- listChargebackCatByFSDetail (HNAS 用)
- listChargebackCatByFSDetail (EMC Isilon 用)
- listChargebackByLUNSummary
- listChargebackByLUNDetail
- listChargebackCatByLUNSummary
- listChargebackCatByLUNDetail
- アラートの設定
- ホスト、バックアップサーバー、ホストグループの管理
- 属性とオブジェクトの管理
- ポータルへのアクセスとユーザー権限の提供
- パスワードの設定/リセット
- ユーザーグループホームページの管理 (管理者)
- プライマリスケジュールとバックアップ処理時間帯の構成
- ポリシーの追加、編集、移動
- ソリューション管理
- データ収集の管理と監視
- データ収集タスクについて
- Data Collector の追加または編集
- コレクタと収集状態の確認
- データコレクタのアップグレード
- Capacity Manager ホストデータ収集の操作
- ホストアクセス権限、sudo コマンド、ポート、WMI プロキシの要件
- ホストアクセスの必要条件
- クレデンシャルの管理
- ホストの検出と収集ビューに入力するためのホスト検出ポリシーの構成
- 検出プロセス
- ホスト接続の検証
- ホストの検出と収集での検索とエクスポート
- 精査設定の伝播: 精査のコピー、精査の貼り付け
- Veritas NetBackup の検出ポリシー
- システム通知の表示と管理
- 詳細パラメータを使用したカスタマイズ
- 詳細パラメータの使用例
- アクセス制御の詳細パラメータ
- 一般的なデータ収集の詳細パラメータ
- クラウドデータ収集の詳細パラメータ
- ホストの検出と収集の詳細パラメータ
- Backup Manager の詳細パラメータ
- Capacity Manager の詳細パラメータ
- File Analytics の詳細パラメータ
- Virtualization Manager の詳細パラメータ
- ポータル環境の管理
- ランサムウェアのスコアカードの管理
- ファイルの分析
- ポータルのトラブルシューティング
- 属性継承のオーバーライド
- レポートデータのキャッシュについて
ランサムウェアのスコアカードの概要
ランサムウェアのスコアカードにより、ランサムウェアからの回復力や回復可能性に関する環境の準備度を確認できます。さらに、ランサムウェアに対する強力な防御と正確なデータ回復を確実にする、改善点とベストプラクティスも推奨します。スコアカードには、環境から収集されたデータとスコアカードの評価クエリーに対するユーザーの回答に基づいた結果が表示されます。デフォルトのクエリーセットでは使用環境を適切に評価できない場合は、カスタムクエリーを追加することもできます。スコアカードは、NetBackup を対象としたレポートベースの入力から別のデータポイントセットを導き出し、環境を総合的に評価するためのカスタムレポートの追加機能を提供します。
次の推奨事項に従って、ランサムウェアからの回復力や回復可能性に関して、実際に環境を評価してください。
回答数やデータポイントの数が多いほど、より現実的な評価になります。
Veritas NetBackup Data Collector ポリシーが設定されていることを確認し、少なくとも 1 カ月分のデータを収集します。
[レポート]タブの Ransomware フォルダからランサムウェアのスコアカードを実行します。
スコアカードのスコープを設定するときに、正しいドメインを選択し、他のスコープフィールドで [すべて (All)]を選択します。
最初は、ランサムウェアのスコアと完了したクエリー (%) はゼロです。レポートからデータ統計を受信したり、ユーザーがクエリーの回答を投稿すると、スコアが表示され始めます。
[リスク]列をソートして、リスクの高いアイテムを識別します。(デフォルトでは、リスクが高い順にソートされます。)
以下は、ランサムウェアのスコアカードに関する、役割ベースのアクセス権と権限をポータルユーザー別に示したものです。
管理者は、[管理者]タブで[ユーザー]、[ユーザーと権限]、[権限]の順に移動し、ランサムウェアのスコアカードに他のユーザーの権限を設定できます。ランサムウェアのダッシュボードとスコアカードへのアクセスは、[レポート] > [ランサムウェア]で制御できますが、スコアカードのクエリーを管理、上書きする権限、クエリーに回答する権限は、[管理者] > [レポート]で割り当てます。
表: スコアカードの役割
役割 |
説明 |
---|---|
ランサムウェア管理者またはスーパーユーザー |
ランサムウェア管理者は、組織のスコアカードを設定する必要があります。この役割は、カスタムクエリーを追加し、一部の組み込みクエリーを無効化または有効化できます。 |
ユーザー |
ユーザーはスコアカードのクエリーに回答し、「データ」タイプのクエリーを上書きできます。これらは 2 つの異なる権限レベルであるため、ユーザーがこれらの操作を実行できるようにするには、ポータル管理者がこれらの権限をユーザーに対して個別に有効にする必要があります。どちらにも個別の権限レベルがありますが、これらをまとめたものが合計スコアに反映されます。 |
閲覧者 |
閲覧者は単に、ランサムウェアのスコアカードを表示し、それを NetBackup IT Analytics ポータル外で、電子メール、HTML、PDF などのエクスポート形式で共有することのみが可能です。通常、閲覧者は主にスコアカードの結果と推奨事項に関心があるユーザーです。 |
これらの役割は、次の処理を実行する権限や制限に置き換えられます。これらの処理は、スコアカードの各行にある[処理]メニューから実行できます。
表: 役割ベースのユーザー権限
ユーザー処理 |
説明 |
ユーザー権限 | ||
---|---|---|---|---|
ランサムウェアの管理者 (Y/N) |
ランサムウェアの質問への回答 (Y/N) |
ランサムウェアの上書き (Y/N) | ||
質問の追加 データクエリーの追加 |
新しいクエリーを追加します。 |
Y |
N |
N |
質問の編集 データクエリーの編集 |
ユーザーが作成した、対応するクエリーまたは質問のみを編集します。 |
Y |
N |
N |
削除 |
ユーザーが作成した、対応するクエリーまたは質問のみを削除します。 |
Y |
N |
N |
無効化/有効化 |
スコアカード計算にデータクエリーまたは質問を含めるか、または除外するかを切り替えます。 一部のデフォルトのデータクエリーまたは質問は必須で、このオプションはありません。 |
Y |
N |
N |
質問への回答 |
回答フォームを開き、新しい回答を送信するか、前の回答を編集します。 このメニューオプションは、「質問」タイプのクエリーにのみ表示されます。 |
N |
Y |
N |
回答の履歴 |
クエリーの回答履歴を開きます。レポートに、クエリーに対する回答の履歴が表示されます。 このメニューオプションは、「質問」タイプのクエリーにのみ表示されます。 |
N |
Y |
N |
項目の履歴 |
クエリーの監査証跡を示します。レポートには、クエリーの変更履歴とその回答が表示されます。 |
Y |
N |
N |
値の上書き |
上書きする値を指定するためのフォームが表示されます。 上書きする値は、レポートベースの結果をオフセットする割合の値です。このオプションを使用すると精度は高くなりますが、全体的なランサムウェアスコアに影響します。 このメニューオプションは、「データ」タイプのクエリーにのみ表示されます。 |
N |
N |
Y |
上書きの履歴 |
クエリーの上書き記録の履歴 (メモを含む) を表示します。 このメニューオプションは、「データ」タイプのクエリーにのみ表示されます。 |
N |
N |
Y |
更新 |
基になる関連レポートを更新してクエリー結果を更新し、最新の数値をフェッチします。 このメニューオプションは、「データ」タイプのクエリーにのみ表示されます。 |
Y |
Y |
Y |
詳細情報 |
クエリーに[詳細情報]リンクが設定されている場合は、新しいブラウザタブでリンクが起動します。 |
Y |
Y |
Y |
ランサムウェアのスコアカードへのアクセス権を持つユーザーは、次のようにアクセスできます。
- [レポート]、[ランサムウェア]、[ランサムウェアのスコアカード]の順に選択します。
- 以下の説明に基づいて、スコープセレクタから[ドメイン]、[クエリーの状態]、[クエリーの可視性]、[クエリーの種類]の順に選択し、[生成]をクリックします。
フィールド
説明
ドメイン
ランサムウェアのスコアカードを作成するドメイン
クエリーの状態
クエリーの状態に基づいて、スコアカードビューを次のようにフィルタ処理します。
すべて: 回答済みのクエリーと未回答のクエリーを両方ともスコアカードに表示します。
完了: 回答済みのクエリーのみをスコアカードに表示します。
未完了: 未回答のクエリーのみをスコアカードに表示します。
クエリーの可視性
クエリーの可視性の状態に基づいて、スコアカードビューを次のようにフィルタ処理します。
すべて: 有効なクエリーと無効なクエリーを両方ともスコアカードに表示します。
有効: 有効なクエリーのみをスコアカードに表示します。
無効: 無効なクエリーのみをスコアカードに表示します。クエリーの有効と無効を切り替える権限は、スーパーユーザーにあります。
クエリーの種類
クエリーの種類に基づいて、スコアカードビューを次のようにフィルタ処理します。
すべて: すべての種類のクエリーをスコアカードに表示します。
質問: スコアカードの「質問」タイプのクエリーを表示し、他のすべてのクエリーを非表示にします。
データ: スコアカードの「データ」タイプのクエリーを表示し、他のすべてのクエリーを非表示にします。
ランサムウェアのスコアカードは、スコープの選択に基づいて生成されます。
ランサムウェアのスコアカードのコンポーネントについて、以下の表で説明します。
表: ランサムウェアのスコアカードのコンポーネント
コンポーネント |
説明 |
---|---|
ランサムウェアスコア (%) |
「質問」タイプのクエリーに対するユーザーの回答、および「データ」タイプのクエリーによって報告された統計情報に基づくランサムウェアスコアをパーセントで表したものです。 これは、各クエリーの実際のスコア値の合計を、各クエリーの最大可能スコア値の合計で割った値をパーセントで表したものです。 |
スコアのトレンド (%) |
レポートのスコープで指定された期間での、ランサムウェアからの回復可能性のトレンド。各データポイントにマウスポインタを重ねると、最大スコア、パーセンテージスコア、影響するクエリー、イベントなど、トレンドラインに関する追加の詳細が表示されます。 |
完了したクエリー (%) |
ランサムウェアに対する準備度の評価がどの程度完了しているかをパーセントで示します。割合が高いほど、全体的なスコアが高くなります。 |
タイプ |
クエリータイプが「質問」か、レポートから受信した「データ」入力かを示します。 |
クエリー |
実際のクエリー内容。 |
結果 |
ユーザーから受信した回答、または関連するレポートから取得した値。 |
推奨されるベストプラクティス |
それぞれのクエリーに推奨される標準的なベストプラクティス。ユーザーがクエリーに回答すると表示されます。 |
スコア |
クエリーに対して提出された回答の質を示します。これは、個々のスコアの合計にクエリーの重みを掛けた値です。 |
リスク |
提出された回答に基づいて、クエリーに関連するリスクの程度を示します。重みが大きいクエリーでスコアが低い場合や最低の場合、リスクが高く、より長い棒で表されます。重大なリスクは、棒の横に三角形が追加表示されます。 |
ランサムウェアのスコアカードには、次のコンポーネントに関する履歴ビューが表示されます。
回答の履歴: 「質問」タイプのクエリーに対して受信した過去の回答を表示します。この履歴には、回答 (ユーザーからの回答)、削除済みかどうか (はい/いいえ)、イベント、ユーザーが追加したメモ、クエリーを変更したユーザーの名前などの詳細が含まれます。
上書きの履歴: クエリーに対してユーザーが実行した上書き処理の履歴を表示します。この履歴には、上書きに関するイベント、メモ、変更したユーザー、変更日などの詳細が含まれます。
項目の履歴: クエリーの変更履歴とその回答を表示します。このレポートの詳細には、クエリーに対して行われた編集の記録と、一定期間内に変更された回答の証跡を示す別の表が含まれます。各詳細はそのタイムスタンプでキャプチャされます。