Enterprise Vault™ ファイルシステムアーカイブ (FSA) の設定
- 本書について
- ファイルシステムアーカイブについて
- ファイルシステムアーカイブの設定手順
- ファイルシステムアーカイブへの Windows ファイルサーバーの追加
- ファイルシステムアーカイブへの NetApp Filer の追加
- ファイルシステムアーカイブへの NetApp C-Mode Vserver の追加
- ファイルシステムアーカイブへの Celerra/VNX デバイスの追加
- クラスタ化されたファイルサーバーでの FSA の設定
- FSA エージェントのインストール
- ボリュームとフォルダのポリシーの定義
- プレースホルダ削除時のアーカイブ済みファイルの削除の設定
- 対象ボリューム、対象フォルダ、アーカイブポイントの設定
- プレースホルダショートカットのパススルー呼び戻しの設定
- 保持フォルダの設定と管理
- FSA タスクの設定と実行
- ファイルシステムフィルタの設定
- ファイルサーバーの管理
- ファイルシステムアーカイブのための PowerShell cmdlet
- 付録 A. Windows ファイルサーバー上のボルトサービスアカウントに必要なアクセス権および権限
プレースホルダショートカットのパススルー呼び戻しについて
Windows ファイルサーバー上のプレースホルダと、Data ONTAP 8.0 以降を実行する NetApp Filer 上の読み取り専用ファイルシステムのパススルー呼び戻しを設定できます。 Dell EMC Celerra/VNX デバイスの場合は、Enterprise Vault によって Celerra/VNX のパススルー機能がサポートされます。
メモ:
NetApp の制限により、Data ONTAP 8.2 C モードでは、パススルーはサポートされません。
パススルー呼び戻しが設定されている場合、プレースホルダの読み取り要求を受け取ると、Enterprise Vault は呼び出し元アプリケーションに直接データを渡します。 Enterprise Vault が権限に応じてファイルサーバーにファイルを呼び戻すのは、呼び出すアプリケーションが書き込みを要求する場合のみです。たとえば、アプリケーションが書き込み可能なファイルを要求した場合や、ユーザーがファイルへの変更の保存を試みた場合などです。
メモ:
Excel などの一部のアプリケーションは、パススルー呼び戻しが有効な場合でも常にディスクへの呼び戻しを行います。
パススルー呼び戻しは、次の場合に役立ちます。
スナップショットなど、読み取り専用ファイルシステム上のプレースホルダの場合。読み取り専用のファイルシステムでは Enterprise Vault はファイルシステムに呼び戻しされたファイルを書き込むことができないので、通常のプレースホルダの呼び戻しは失敗します。
Windows ファイルサーバーで、ファイルサーバー上の領域が限られている場合、またはユーザーに領域の使用量に対する厳密なクォータがある場合。通常、呼び戻されたファイルは対象のファイルシステム上の領域を占有するため、ユーザーの領域クォータに加算されます。
パススルー呼び戻しでは、ディスクキャッシュを使って、大容量ファイルの呼び戻し回数を減らします。Windows ファイルサーバーの場合、ディスクキャッシュはファイルサーバー上にあります。NetApp Filer の場合、ディスクキャッシュは Enterprise Vault サーバー上にあります。
Windows ファイルサーバーの場合、対象のボリュームごとにパススルー呼び戻しを有効または無効にできます。